「貧乏人共が・・・無知な者は黙って搾取されておればいいものを、図に乗りおって・・・」
太ったその男は金銀等の価値あるものを詰めれるだけ懐やバッグに入れ逃走しようと準備を行う。
「いひひ・・・、この辺が潮時だ、我々もここから出て新たな新天地で再び妊婦の・・・あの悲鳴は耳の御馳走だ・・・まだまだこんな所で死ねんわい・・・ひひひ」
痩せた老人は不気味に笑い、彼に倣って逃走資金をかき集める。
ヒュッ!!
二つの鋼の糸が二人の首に巻きつく。
ラバックは帝具の糸で痩せた老人と太った男二人一編に三つ程支点を作って吊り上げる。
アカメに依頼された標的を二人分請負っていた。
「がはっ・・・ぐるじ・・・、助け・・・」
「な・・・何が・・・のぞ・・・ちい・・・かね・・・」
ラバックは敢えて直ぐに死なない重量に調節し吊り上げていた。
「・・・じゃあさ・・・、右のあんたは・・・妊婦の腹割て楽しんでたって話じゃねぇか・・・俺も一片腹割くのみてぇからさ・・・あんた自分でやってくれないか?左のあんたは・・・、重税で首がまわねぇで文字通り死んでった奴らが大勢いっから・・・そうだな・・・美味しい思いはたっぷりしてきただろうが、こういう事はしてねぇだろ?便所を口で汚れ全部取ってくれたら良いかな?」
笑いながら語る。
「・・・!?」
ラバックは直ぐ様、飛びし去ってバク転を繰り返しながら、飛んできたナイフを連続でかわしながら一気にその二人を吊り上げ絶命させる。
『うっ・・・くっ・・・あの婆に付けられた傷が・・・』
「げへぇ・・・」
「ぐはあああ・・・」
二人は顔から舌や目玉が飛び出し、失禁も起こしていた・・・
「あ~ああ・・・あんまり、こういうやり方俺の好みじゃないんだよな・・・、みっともない・・・けどまぁエスデスの拷問死よりはまだ楽な死に方だと思うぜ・・・おっさんら幸せだったな・・・もうちょっと苦しませったかんたのにな・・・ちっ」
ラバックは溜息まじりに軽口を叩いていると、ナイフを投げた一見気さくの良さそうな若い男が姿を現す。
「よくこの場所を知ってたな・・・宮殿の秘密経路なんて一部の奴らしか知らないのにな・・・」
「おっさん・・・邪魔した事高くつくぜ?」
「俺がおっさん?俺はこう見えてもまだ・・・まぁ良ぃやガキよりは年上だしな」
「あ?俺はガキじゃねぇ、イケテルお兄さんだ・・・って野郎に言ってもしょうがねぇ・・・で、あんたなんでこんな所にいんだ?武官がこんな所で油売ってて良いのか?」
「ああ?他の奴らみてぇに何も命張って闘う事なんかねぇって、ブドーやエスデス・・ああ、あの将軍は裏切ったんだったな・・・エスデスみてぇな闘い以外無能な奴や、ブドーみたいな仙人のような野郎は周りに疎くて助かるぜ・・・はははは!」
「つまり、おっさんみたいに軍需物資を横流しして私腹肥やせるもんな・・・そりゃ間抜けな上司の方が助かるよなぁ・・・」
ラバックは不敵な笑みで相手を見据える。
「まぁそういうこった・・・どうだ、俺を見逃してくれたら・・・隠し財産の1部は恵んでやるぜ・・・どうだ悪い取引じゃないだろ?」
「そうだな・・・だが俺は現金主義なんだ、手持ちの有り金全部で良いや・・・」
「・・・・・・」
その武官は財布は懐から取り出し、それを床に置き遠ざかる
「これで良いだろ?・・・それ相応に入ってるからな、まぁ数日は豪遊出来るぜ、じゃあな・・・」
背を見せ去っていく・・・
「・・・・・・・」
ラバックはそれを取ろうと近付き、ゆっくりと手を伸ばす。
「・・・・・・・・・」
ザシュ!!
次の瞬間、ラバックは右掌にナイフが貫かれ、
その武官・・・コウケイの喉元をラバックから放たれた帝具の糸を細い槍状に飛ばしたもので貫いている。
「ぐっ・・・馬鹿が・・・」
ラバックは睨みつけながら「おっさんも簡単に死なせねぇぞ・・・」
ラバックは貫いた部分からコウケイの体中に糸を巡らし、内部をミンチにしていく
・・・。
「ぐっ・・・ぎゃあああ・・・・やめ・・・やめ・・・やめ・・・ちょ・・・まっ・・・」
白目を剥き出させ、絶命させた。
「何人もの将軍を無実で処刑しやがって・・・」
ナジェンダから事の経緯を聞いていてラバックはより詳しく知っていた。そして左手で床の財布の中身を確認し「・・・なんだこれ・・・大して無いだろ・・・まっ治療費として貰っとくか・・・」
「ふっ・・・確か貴様はナンバーゼロゼロナイン・・・」
「あんたは・・・私達の名など覚えてはいまい・・・」
「・・・いいや、よく覚えているとも・・・この私が精根込めて造った組織を裏切った出来そこないが・・・妹も処分手前品なら姉も所詮は欠陥品だったか・・・全く、あやつらめ、だから精鋭組も(洗脳)教育ではなく、(洗脳)処置を施せと・・・」
「・・・・・・・」
アカメは宮殿内の隠し通路で怒りのこもった眼でその男、サイキュウを睨みつける。眼鏡を掛けインテリ風であるが目が険しく淀んでいる。
「・・・この戦乱のドサクサで私の命を狙いに来たか・・・、甘く見られたものだな・・・ナイトレイドのアカメ・・・」
「・・・今まで私達を良いように利用し、使えなくなれば無惨に処分してきた・・・今まで良いように利用され使われた妹だけでなく、私の散って逝ったかつての仲間の分までまとめてここで清算する・・・是が非でも葬る!!」
アカメは抜刀し突進する。
「葬るか・・・、そういえば、そう言わなくては自身に暗示が掛けられないという・・・ひよっ子が居たと聞いていたが・・・そうかお前か!」
サイキュウは懐からリボルバー式拳銃を抜き出し、ぶっ放す。
アカメは弾道を読み、近くにあった物を蹴飛ばして牽制する。
アカメの疾った後に銃弾が撃たれていき、物や大き目の道具が乱雑に置かれ、素早く物影に隠れる。
「ちっ・・・『すばしっこい奴め・・・』」
『リボルバー式は6発・・・、今ので3発・・・残り3発か・・・』
アカメは近くにあった物を投擲する。
それを寸分違わず撃ち抜き、アカメを狙い頬をかすめ一滴の血が流れる。
「・・・貴様は、残りの玉が後2発とふんでいるのだろう?・・・くくく、良かろう・・・」
ダン・・・、上に向かって放つ。
「これで、私の残りも一発だ・・・、どうだ、お互い最後の一勝負といこうじゃないか?アカメ・・・」
「・・・・・・・」
アカメは考えていた・・・まさか他に一丁隠して持っているのではないかと・・・
だがその前に斬り込めば良いだけであり、余りここで長い時間を費やしている場合ではない・・・、・・・アカメは動きを読まれないようランダムに動きながらサイキュウに迫る。
サイキュウもニヤリと笑みを浮かべながら、その一発を必殺にする為、十分に引き付けて狙う。
ドンッ!!・・・アカメをその銃弾が狙う・・・だがアカメは正中線にまっすぐに剣を立てその紅の手甲を自分側の刃に付けそのまま突き進み・・・なんと、銃弾を真っ二つにする・・・アカメの両頬を二つとなった銃弾がかすめ、血が流れる。
「なに!?」
驚きを隠せずサイキュウは呆気に取られていると、アカメは振り下ろした剣を脇構えから・・・、
「葬る!!」
ズダン!!!
・・・・・・・・
アカメは倒れ、血を吐き、驚愕する。
「くくく・・・出来そこないが、どうやら急所は外したか・・・、まぁ良い。四肢を撃ち抜き、再調整してくれる・・・もう二度と私に反旗を翻さないようにな・・・くはは・・・どうやらその帝具・・・でも無さそうだな、もうお前など恐れるまでもない・・・ははは」
アカメは熱と痛みに耐えながら考えた・・・、サイキュウの持っている拳銃は帝具かと、となると弾数を気にせず撃てるものなのかと・・・。
「何故だ?といった顔だな・・・くくく、後でたっぷりと教えてくれる、だがその前にしばらくは床で寝ろ!」
ヒュン・・・
「なっ、誰だ・・・!!」
鋼の糸がサイキュウの帝具を持つ手を縛りあげ、自由を奪う。ラバックは左手のみで操る。
「・・・・・・、今まで貴様のせいで死んでいった・・・帝国暗殺部隊の仲間達の全ての恨みを晴らす為に・・・葬る!!!」
「くっ・・・おのれぇえええ!!」
サイキュウは懐から別の拳銃を出す・・・がもう遅い。
それより早くアカメは胴を斬り・・・怒りを込めて、背中から一太刀・・・、そして突き刺し・・・内臓を引っかくように、引きずり
「ま・・・・・・ま・・・・・・・」
慈悲を乞うかのよに手を出すが、
「終わりだ・・・、あの世で侘びろ・・・」
そのまま思いっきり、剣を薙ぎ払った・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
アカメの手当てを終え、
「どうやらナジェンダさんが依頼した大臣以外の標的は全部始末出来たようだな・・・」
「大丈夫か、ラバ!!」
「へへ・・・そいつはお互い様だ・・・」
アカメもラバックも所々軽傷、重傷を負い、満足に動けそうにもない・・・だがそれでも、
「いくか?」
「ああ・・・大臣を始末出来たかどうか・・・見届けたい・・・」
「俺もだ・・・いっ痛・・・『糸で傷を縫合するのも一時しのぎにしかならないか』アカメちゃんは銃弾で撃たれたろ?ここにいろよ」
「・・・大丈夫だこれくらい・・・ぐっ・・・」
アカメは片膝をつき、肩で喘ぐ。
「ほれみろよ、言わんこっちゃない・・・俺の背中に乗れよ」
「すまない・・・」
ラバックはアカメを背負い、走る。
『くくく・・・、俺の時代キター!・・・タツミばっかりにもうオイシイ思いはさせねぇぞ。これでアカメの俺のへの好感度アーーーップ!!・・・あ、結構胸ある・・・ぐふふ・・・』ぐはっ!!」
ラバックは傷の痛みで倒れる・・・
「・・・ラバ、やっぱり私も歩こう・・・」
『俺格好悪ぃ・・・』
二人は互いに肩を貸しながら歩く。
「ん?なんか揺れているな・・・なんだ?」