セリ「・・・・・・・・」
タツ「俺に何か用か・・?」
重い沈黙がしばらく支配する。
セリ「・・・私には大好きだった父が賊に殺されて、師匠も賊に殺されて・・・そして恩人もまた、危険種になって殺された・・・でもその恩人が悪だった・・・」
タツ「・・・・・・・」
セリ「悪は死んで当然・・・殺されて当然・・・だからドクターも死んで当然・・・そう・・死んで当然・・・ふふふふ・・・うううう・・・」
笑いそして、涙を流すセリュー
タツ「・・・お前があいつを恩人と思うか悪と思うかはお前の勝手だ・・・だがな、良いように利用されている事もあるの覚えとけ」
セリ「・・・・・・」
タツ「そうそう、良い事教えてやる。お前の師匠な、裏で暴利貪ってあこぎな事してたんだ。あのスタイリッシュとつるんでな。金と引き替えに無実の人間を罪人とでっち上げて実験にな・・・それとお前の父親も似たような事やって怨みを買って殺されたみたいだな・・・ついでにお前のつるんでいるヘカトンケイルな、適合しなかった・・・相性合わなかった人間喰い殺してるぞ。お前も合わなかったらそうなっていた」
コロ「・・・・・・・・・・」
セリ「・・・う、嘘に決まっている・・・」
タツ「だったらお前自身でくまなく調べてみろ」
セリ「・・・あ、ははは、もしも本当にあんたの言う事が本当だったとしたら、え?あたし今まで何を信じて生きてきたの?悪がどうして優しい事や親切にしてくれたの?ねえ、あんた答えてよ?」
タツ「はぁ・・・気まぐれとか利用する目的とか我が子だけには甘いとかあるだろ?お前典型的に詐欺師に引っかかるタイプだな」
セリ「あたしはもうどう生きて良いか判らない・・・」
タツ「正義に生きたいんだろ?例え信頼した人が実は許せない人であったとしても・・・それが自分の生き方に関わる人であったとしてもそこから苦しくても自立して正義とは何かを考え突き詰め生きる・・・正義に生きるってのは本当にいつもつらく厳しいもんなんだ・・・お前はそれが全然判っていなかった」
セリ「・・・・・・あんたは正義なのよね?」
タツ「俺は自分が正義なんて言った覚えは無いぞ?自分のしている事が本当に正しいかどうか常に不安との闘いだ。俺が今まで手にかけた連中だってひょっとしたら俺が上手く説得出来てたら殺さずに済んだかもしれないってな」
セリ「・・・・・・・・」
タツ「そうそう、お前命を奪うのは正義だと思うか?」
セリ「悪なら殺すべきでしょう?」
タツ「じゃあ俺達喰う為に他の生物殺すのは正義か?」
セリ「あ・・・う・・・」
タツ「はっきり言やあ生きる事自体が悪なんだ」
セリ「・・・あんた、あたしに死ねって言いたいの?それとも生きている奴皆殺しにしろって言いたいの?」
タツ「・・・さあな・・・」
セリ「・・・じゃあさ・・・、まず手始めにあんたから殺して良い?・・・」
タツ「ご自由に?ただ抵抗はするがな」
セリ「なんでよ?生きるのは悪なら大人しく殺されなさいよ」
タツ「別に人間の存在自体が・・・、俺の存在自体が悪でもいいさ・・・」
セリ「・・・・・」
タツ「だがな、存在自体が悪でもその罪滅ぼしに少しでもマシな生き方をする・・・それが人間ってもんだと思うがな」
セリ「・・・・・」
タツ「自分の悪に罪悪感を感じて自ら死ぬ・・・それも良いだろう、だが俺は臆病でな、自分で自分を殺せない・・・だからいつか報いを受ける日が来るその日まで生きざるを得ないんだ・・・最も本当にどうしようもない罪を感じたら自分で死ぬかもな」
セリ「今がその時と言ったら?」
タツ「俺は感じて無いから抵抗するぜ・・・自分の死に時は自分で決める」
セリ「傲慢な奴ね」
タツ「気が合うな・・俺もそう思っている」
セリ「うふふふ、あはっはは」
タツ「ははははっは」
二人して気持ちよく笑う。
セリ「あーははは、はは・・・、なんだか馬鹿らしくなってきたわ」
タツ「ふっ・・・・」
セリ「・・・ありがとう・・・」
タツ「礼を言われる覚えは無いがな」
翌朝
ラン「な?イェーガーズを辞める?」
セリ「はい。」
ラン「なんでまた?帝都からも何故離れると?」
セリ「はい、田舎に行って一人・・・いえ、コロと一緒に自分を見つめ直してみたくなりまして・・・そう、自分なりの正義を見付けたいと思います」
ラン「・・・・・・」
クロ「・・・・・・」
ボル「・・・そっか、良かったねセリューちゃん」
セリ「はい、今まで有難う御座いました」
ウェ「しかし・・・ちょっと残念だな。でもまあ帝都離れても元気でやってくれよ」
セリ「うん♪」
ウェ「だけどよ、ドクター何処に行ったんだ?折角、セリューの門出なのによ」
セリ「・・・・、きっとあの人の事ですから・・・、自分の好きな研究の為に遠方に行ったんだと思います」
タツ「・・・・・・・・」
ウェ「けどよ短い付き合いだったけど俺達に挨拶の一つくらいさ・・・」
ボル「ウェイブ君!」
ウェ「あ・・・すまない」
セリ「ううん、私にはそう書き置きがあって・・・、ドクターの優しさは私の心の支えでもありますから・・・平気です」
ラン「・・・・・・・」
ウェ「そっか、そうだな。オネぇな所はちょっとびっくりしたけど、面白い人でもあったな」
ボル「そうだね」
クロ「・・・・・」
タツ「・・・・・・・・」
セリ「では皆さんお元気で!」
セリューとタツミの視線が一瞬絡む、だが二人とも何事も無かったように別れる。
その後、スタイリッシュの私兵団に要約するとこんな内容の手紙が届いた。
『あたしはこれからもっと別の研究がしたくなったからこの地から離れるわ。・・・と言う訳であんた達はもう用無しよ。強化された部分の削除も出来る薬を置いたから好きに使うと良いわ。それともう晴れて自由の身よ、どこへでも行きなさい。そうそう希望する奴は仕事先の斡旋も書いたから使いさない、でもあんた達みたいのが雇ってくれるところがあるか判らないけどせいぜい頑張る事ね!』
但しスタイリッシュ本人の筆跡と違う点は代筆だろうと側近達は考えた。
ナイトレイドアジト
レオ「・・・はぁ・・・あいつ死んじゃったのかね?」
ラバ「・・・かもな・・・」
マイ「!?ば、馬鹿言ってんじゃないわよ!あいつは妙にしぶといんだから、そう簡単に死ぬ訳無いじゃない!」
アカ「・・・・・・」
ラバ「おや?場合によってはあいつ殺すって言った人の台詞とは思えないな」
マイ「ケースバイケースよ、うるさいわね!」
タツ「皆さま、長らくお待たせ致しました・・・帝都一番の人気者、タツミと申します。嗚呼、巷々に風情ありけり・・・なあ、みんなどうしたの?」
レオ「タツミ!?」
アカ「・・・良かった・・・」
ラバ「お前お化けか?気持ち悪いんだよ!・・・マインちゃんお前が帰って来ないから泣いてたぞ」
マイ「!!??ラバっ!あんた、なにばっかな事言ってるのよ!、ほんとばっかじゃない!」
(現在)
エス「私も聞いててハラハラしてるぞ」
タツ「?特に血湧き肉躍る話をした覚えは無いが?」
エス「・・・ダーリンは判っててわざと惚ける所があるな」
タツ「・・・・・・」