エスデスのかつての拷問部屋
レオーネはオネストの両手両足を折り、引き摺って連れて行く。
「さっすが~ドS将軍・・・、悪趣味な部屋だ事~」
「貴様のその減らず口を縫いつけてやろうか?」
「ぐっ・・・わ・・・私をこのような目に遭わせて、た・・・ただで済むと思っているのか!?」
「なぁ大臣?あんた、牛裂きの刑や皮剥いだとか、色々そこのドS将軍と変わらない事したそうじゃない?一片それを自分で味わうってのどう?」
オネストを部屋地べたに投げつけ、
「ま・・・待て・・・どうか慈悲を・・・私に慈悲を・・・そうすれば、隠し財産の在り処をお教えしましょう!」
「おい、黄色女退け!・・・そうだな、私が味わった屈辱を同じく味あわせてやろう・・・帝都広場に縛り付け、民衆共から好きなように袋叩きにしてやるのも良いな・・・さて、目とその薄汚い口を縫うか、歯を一本ずつ引っこ抜いてやろうか・・・大臣よ、せめてもの情けだ・・・好きな拷問死を選べ・・・」
『ぐっ・・・おのれ・・・おのれ・・・小娘共がぁ・・・』
オネストはこういう状況でも何とか口八丁手八丁で丸込めれないか、想定しうる限りのシナリオを描き、それぞれの選択した場合の結末も睨み、必死になって考えていた。
その時、ぬっと影が差す。
「・・・いいや、そいつを殺すのに相応しい奴が居る・・・」
「タツミ!?」
「おお、タツミ・・・って事はブドーは倒したのか?それとあのデカブツもか?うほっ、やるぅ!」
タツミは二つの帝具を外して現れた。
オネストは何者かとみじろぐ。
「・・・!?」
「貴様・・・タツミと気安く呼ぶな!」
「はっ?・・・お前よりもあたしの方がタツミと長い付き合いだしー!それに元々タツミをナイトレイドに連れてきたのはあたしだから感謝しな!」
「そうか・・・全ての元凶は貴様か・・・私が最初に巡り合っていれば・・・おのれ・・・貴様も一緒に晒してやろうか?」
「帝具が使えない割には威勢だけは良いんだから・・・」
「そ・・・そうか・・・全ての黒幕はお前か!?」
タツミは何も言わずに黙って、オネストを見下ろした。
「た、頼む・・・、私はあの皇帝に言われて仕方なく・・・こ、こんな事を・・・私は実は無実だ・・・どうか、改めて調べ直してくれ・・・そうすれば、きっと私の潔白は証明される・・・」
「・・・・・・・」
「私の才覚を持ってすれば直ぐに国は立ち治る・・・なっ?頼む・・・君ほどの人物なら判ってくれるはず・・・」
「・・・・・・・」
オネストは何を言っても無駄だと悟り、矛先を変えた。
「っ・・・、エスデス将軍、そこのナイトレイドも・・・こ、この男は国家転覆を企んでいる目をしている・・・貴女方はただ、利用されているだけだ!!・・・は、早くこの男を取り押さえた方が貴女方の為だ!!」
エスデスとレオーネは白けた目で見下し、
「大臣・・・オネストさんと言ったな・・・、ははは、あんたの言う通り、俺は確かに・・・こいつらを利用しているだけさ・・・」
「な・・・な・・・!?」
「まぁそんな事はどうでも良い・・・あんたを処罰するのに最も適した相手を連れて来た・・・入って来てくれ」
所々に包帯がまかれ、まだ体が完全に回復していないが、目は異様にギラギラした男が来た・・・。
「シュラ!?・・・おお、シュラでは無いですか?・・・よくぞ無事で!・・・『な、何故シュラが・・・確か死んだはず・・?』
「シュラ・・・話に聞いていた大臣の息子か?」
「タツミ・・・一体、これはどういう事だ?何故シュラを匿っていた?」
「・・・エスデスが壊したあの精神を元の状態まで戻すのに苦労したぞ・・・」
「おやじぃ・・・会いたかったぜ・・・」
「おお、シュラ・・・なんと・・・」
オネストは涙を流し、息子との再会を・・・、グサ・・・、
「シュ・・・シュラ・・・?」
オネストの胸部に深々とナイフが突き刺さる。
「・・・へへへ・・・流石親父だぜぇええ、息を吸うように息子の俺にも平気で嘘つきやがってよぉ・・・そんの涙もすげぇよな・・・とんだ名俳優だぜ・・・流石俺の親父だよな・・・ははは」
シュラはそのナイフで抉り・・・「ぎゃあああああああ」
滅多刺しでオネストを突き刺した・・・。
後に残ったのは、眼球が飛び出し内臓も所々見え隠れする、死体だった。
・・・これが先代皇帝を事故死させ、現皇帝を裏から操り、一国の裏と表に人々を苦しめた男の惨めな末路であった・・・。
「へへへ・・・あはは・・・やったぜ、とうとう俺は親父を超えた・・・へっへっへあははは!!」
他3人はこの状況はそれぞれ思い思いの感情を抱きながら見ていた。
「・・・おっと・・・まだやる事はあったぜ・・・そういやエスデスのねーちゃんにはまだ礼をしてなかったな・・・、けどよ、そういう指図してたのも・・・タツミ、てめーだよなぁあ!!ああ!?」
シュラがナイフ片手にタツミに襲いかかる。
レオーネもエスデスも驚くが・・・
タツミはシュラが振りかざしたナイフを手首を返させそのまま奪って、その流れで頸動脈を切断した。
タツミは斬った後、後ろを振り向かなかった。
シュラは斬られた箇所を抑えながら
「・・・ぐっ・・・、これで・・・これで・・・良い・・・へへっ・・・」
そして、どっと倒れ絶命した。
エスデスとレオーネは死んだ彼を見ながら
「愚かな奴だ・・・、わざわざ死にに行くような真似を」
「・・・たぶん、死にたかったんだろ?」
「何故だ?」
以前のエスデスなら弱いから死を選ぶと言って切り捨てていただろう。
「親父に裏切られて・・・生きる支えが無くなったんだろ?こいつの事よくしらないけどさ」
「父親か・・・」
感慨深げに遠くを見るエスデス。
何故シュラは自ら死を選んだか・・・、
彼自身もう自分を変えられない、変えたくもない、良い方向に変わるなんて今更自分らしくない…タツミに治療を受けている間に僅かに芽生えた良心…例え良心が芽生えても犯した罪は消えない…それで、わざとタツミに殺されるという選択をしたのだろうか・・・とはいえそれも憶測である。
「なぁタツミ、これでこの国のドブは綺麗に出来たんだよな?・・・これで良かったんだよな・・・けどさ大臣の奴、息子に殺されるなんて良い気味だった・・・あたしの手で殺したかったけど、これはこれで胸がすーっとした!」
レオーネの頭の中では大臣を血祭りに上げた時の爽快感を今まで思い描いていた。最後の標的をやっと始末出来た、その安堵感があるとはいえ彼女自身が呟いた事とは裏腹に何処か言葉では言い表せない虚しさも感じていた・・・それが何なのか、今のレオーネにははっきりと判ってはいない・・・そんな彼女をタツミは何も言わずに見つめた。
レオーネが地上に出てきた時は、その有様に驚いたが・・・無事済んだとナジェンダに報告した。それを聞き、一息ついて一服しようと煙草を取り出す・・・だが何を思ったか、吸うのを止めた・・・その代わりに自身の三つ編みを揺らして、流れる心地い風を肌で感じる事にした。
アカメも全てが終わったと悟り、沈みゆく夕陽を微笑みながら見送った。
その頬にはひとすじの涙が流れていた。
次回更新は2カ月前後かと思われます。
※ 本業が忙しくもう少し遅れます、待っていらしゃる方がいましたら申し訳ありません。