「どうしたタツミ?」
「どうも玄関先に招かざる客が居ないか・・・?結構腕が立ちそうだな、まさか革命軍の刺客か」
「そんなまさか・・・とにかく私が行こう」
部屋を出、階下の玄関先には・・・
「エスデス・・・」
「くっくっく・・・、例え国が許そうとこの私は許さんぞ、私のタツミを出せ、さもなくば皆殺しにするぞ!」
外にいて異変を察知したアカメはエスデスの背後に居る。
タツミを除く他のメンバーも集結している。
「ナジェンダ共、ナイトレイド!・・・、覚悟しろ」
ナジェンダは舌打ちをした『こんな時にエスデスが来るとは…タツミは満足に動けない…アカメも、それに皆まだ完全に傷が治った訳では無い・・・』
「・・・おのれナジェンダ…その目と腕はタツミに治して貰ったのか・・・益々持って許せん・・・ふふふ、今まで判らなかった答えがやっと解けたぞ、お前達が私のタツミをたぶらかしていたのだな・・・おのれ・・・私のタツミを洗脳し・・・そして、そして・・・年寄りの雌好きに変えてしまったのだな!!」
「「「「!?」」」」
その時、この場に居た者の心が一つになった・・・但しエスデスは除く。
「そうでなければタツミがいつまでもナジェンダの元に居る説明がつかん!だから私に気が有るような無いような素振りを・・・、だがタツミ安心してくれ。直ぐにそのような洗脳は私が三日三晩掛けて解いてやるからな!」
「・・・エスデス、誰が年寄りだ、誰がだ!私を年寄り扱いするならお前だってそれ程人の事言えんだろ!!」
ナジェンダは怒気を荒げ、猛然と抗議した。
「ふん、ハエが五月蠅いな・・・さぁタツミを出せ!隠すと皆殺しにするぞ、くくく」
エスデスは辺りに無数の氷を纏わせ、いつでもそこから幾多の刃のように尖ったそれをぶつけるつもりだった。
『くっ・・・、帝具も無くこの状態ではまだ満足に動けない、やられる・・・』
アカメは焦燥感に駆られ、覚悟を決めた。
他の皆も同じで満足に戦えるのはスサノオ、レオーネぐらいであった。
『不味い・・・闘えないメンバーを守りながらエスデスとの戦闘はきつい・・・く
っ・・・ここまで来たのに・・・』
『本当不味いね・・・帝具が使えないならともかく、エスデスの奴いつの間に・・
・こんな事なら博打のツケ気前よく払っとけば良かった』
ナジェンダもレオーネも何とか死中に活を見出せないか模索していた。
そして当然ながらエスデスは背後のアカメの存在にも気付いていた。
「止めろ!!」
タツミが両手に松葉杖を付きながら階段を降りて来た。
「タツミ!?」
エスデスは彼を呼び、
「今助けるからな♪・・・さぁ退け、ナイトレイド共!」
タツミもそれに対しうんざりしながら
「ああ・・・俺も助けて欲しい、現在進行形で誰かさんからな・・・」
「ああ勿論だ!ナジェンダ共殺されたく無ければ道を開けろ・・・最もこのまま殺されたいのなら話は別だがな・・・良い機会だ・・・部下達の件もある、それにタツミを今まで洗脳し良いように利用していた罪も含め、ここで清算してくれる」
「何を馬鹿な・・・だがエスデス、貴様何故ここの場所が判った・・・まさかタツミが手引きしたのか!」
ラバックも帝具の糸を使い過ぎたのもあり、アジト周辺に張る程の結界は残っていなかった。
他のメンバーからもタツミへの疑惑の目が向けられたが・・・、
タツミもナジェンダの問いに無言だった・・・弁解しても無意味の可能性と自分がここに居る事で結果としてエスデスを招いた事実には変わりなかったからだ。
「ふっ・・・馬鹿が、タツミは貴様ら如きでも最低限の筋は通す男だ。だから私が自らの五感、第六感を駆使し居場所を見つけた、私に掛かれば最早造作も無い!」
「・・・キモイね」
チェルシーはぼそりと呟いた。
ナジェンダも
『ん?・・・私がタツミを洗脳してたのならお前に益する事を言う訳無いだろ・・・都合のいい頭な女だな』
刹那、皆が沈黙した瞬間
「エスデスここは一旦、退け!!」
タツミは一喝し、皆が彼に注視した。
「なっ・・・タツミ・・・何故だ・・・私が今までどれだけ一人寝を耐え忍んで来たか判らないのか!?・・・代わりにタツミの画を書き、人形を造り・・・」
『・・・キモイね・・・でも判る自分もなんだかな~』
チェルシーが同族嫌悪していた所、
「あんたやっぱり馬鹿なの!!」
マインも吠えた。
「私とタツミの会話に入って来るな、下衆の醜女が!」
タツミは軽い頭痛を覚えながら
「ああ・・・エスデスお前の言う通りだ・・・だがナジェンダの洗脳から俺は半分ぐらいは解けかかっている、だからあと一月以内にエスデスお前を迎えに行く!」
それを聞いた一部の人達は・・・
「はっ?・・・・・はああああああ!?あんたとうとう頭おかしくなったわね」
「タツミ・・・葬る・・・」
「ふ、ふ~~~ん、タ、タツミも冗談が上手いね~私達を守ろうと思って、わ、わざと嘘ついただよね、うんうん勿論私は判ってるよ・・・」
3人娘がそれぞれ非難する中、
レオーネは静かにタツミを睨んでいた・・・タツミは内心冷や汗をかいたが彼の話を聞いて安心したエスデスは、
「ふっ・・・負け犬の遠吠えが心地良いな、良いだろう・・・私はひじょーに我慢強い。夫を困らせぬのも良き妻の務めだからな・・・それまで私達の愛の巣で待っているからなタツミ♪・・・だが余り焦らすなよ、ではな」
そう言って彼に投げキスをして去っていく。
『良いのか、それで!!・・・洗脳されている奴が自分で洗脳されていると言うのもありといえばありだが、無いといえば無いだろう!まぁそれで納得するならそれでも良いが・・・』とナジェンダは心の中でつっこんだ。
アカメは何もせず、エスデスを通した・・・が、
「タツミ葬るタツミ葬るタツミ葬るタツミ葬るタツミ葬る・・・・」と、何やらぶつぶつ呟いている。
「ねぇタツミ?さっきあいつが言ってた、「愛の巣」ってどういう意味?アタシイミワカンナーイ・・・」
マインはにっこり笑って聞いていた・・・
とりあえずナジェンダは危機が去ったと実感した・・・タツミへの新たなる危機はほっておく事にして、
「とりあえず・・・次の居住地を探すか或いは、これも良い機会だ。皆好きな所に行くでも良い・・・、・・・ん?」
「うね~~んタツミ?オ・ネ・エ・サ・ン怒らないから・・・どういう意味だったのか詳しく教えて欲しいんだけど・・・」
レオーネはタツミの肩を抱き、松葉杖を抑えて聞いてくる。
マインもチェルシーも笑みを浮かべながら近づいてくる。
アカメも先ほどの言葉を言いながらゆっくり黒髪長髪垂らしながら迫ってきた・・・。
その日は夜には怪談がよく似合う暑さだった。
その後1週間程、タツミはナジェンダ除く女性陣とまともに会話が出来なかった。
その間、某日ラバックはタツミに今までで一番慈愛に満ちた表情で「墓穴掘ったなタツミ」と彼の苦労を皮肉・・・ねぎらった。
そして「ん?・・・タツミの奴、そろそろ元気になったか?二人とも血気盛んだな」
通りかかったナジェンダは彼が松葉杖を器用に使いこなしがらラバックと喧嘩しているのを見かけた。