近所の中学生がTSしたので都合のいい女にしていこうと思う 作:あるぺん
世の中というのは不可思議な事で溢れているのだなあと、目の前にいる相手をまじまじと見ながら思う。
「なぁどうしよう蓮にぃちゃん……オレ、オレ……!」
「ちょっと落ち着け深呼吸だ。はい、ヒッヒッフー」
「違うだろそれ!」
平日の朝っぱらから俺の目の前で叫んでいるのは、隣に住んでる中学生の
何がってそりゃあ色々ある。まずは見た目だ。どこをどう切り取っても先日まで見ていた元気そうな男子中学生はおらず、なんとも可愛らしい美少女が一人そこに存在するのみとなっていた。何を言ってるかわからない? 大丈夫、俺もわからない。
こんな見た目になる前でも陽向は中性的な見た目もあって、ボーイッシュな女の子みたいだなと思ったこともあったが、まさか本当に女性になるなど思いもしない。思っていたらそいつはきっと狂人だ。
「いや本当になんでそうなった? 昨日顔見た時はちゃんと男だったろ」
「オレも知らないよ! 起きたらこうなってたし!」
「落ち着け陽向。おばさんは知ってるのか?」
「母さんは早くから仕事に行っちゃった! オレ一人でどうしたらいいか分かんなくて、それで……」
「俺の所に来たわけか。しかしだな、これはいくら俺だって助けろって言われても困るぞ」
「あ……あんまりジロジロ見んな」
俺の視線が何やら気になるのか、陽向は恥ずかしそうに腕を前に出して自分の身体を隠そうとする。とはいっても残念ながらその細い腕では全く隠せてなくて、むしろ逆にエロティシズムを感じてしまい俺は思わず生唾を飲む。
相手が相手でなければ襲いかかりかねない位には可愛らしかった。いや女子中学生に手を出すのはそれはそれで駄目か。
「まぁとりあえずおばさんに電話だな」
「でも仕事中だったら……」
「一回連絡してみて、駄目そうならその時に考えよう。スマホは?」
「あっ、家に置きっぱだ」
「しょうがないな……じゃあこっちから電話を掛ける」
お隣さんだからすぐ取りにいけるんだが、わざわざ手間をかける事もないだろうと、自分の手に負えない事態をさっさと投げ渡すべく自分のスマホで連絡を試みる。
「…………出ないな」
「母さん、仕事の時は帰るまであんまり見ないとか言ってたような……」
「そっか。そういや学校は……」
「これで行けるわけないじゃんっ!!!」
まぁ当然か。
「なら仕方ない、おじさんにも掛けるか」
「えっ? でも……」
「勝手に連絡したのは俺がおばさんに頭下げとくから」
陽向の家は先頃に離婚していた。そのせいでおじさんは一緒に住んで居ないが、それはそれ、これはこれである。子供がこんな奇想天外な目にあっているのに、親権者ではないが肉親の確認も取れないというのはかなり問題があった。
「どうせ仕事してるだろうが一応掛けてみよう。……駄目そうだったらメッセージだけ残して、だな」
「うん」
そうして電話を掛けてみても、コール音が二回、三回と鳴っても全く繋がらない。時間が時間だからこちらも仕事中だとは思うが、それでも少しばかり不安になる。
そのまま四回、五回とコール音が流れ、もう切るべきかなと思い始めた頃、やっと電話が通じておじさんの声が聞こえてきた。とりあえずは一安心である。
『もしもし? 蓮君が掛けてくるなんて珍しいな。どうした? 陽向に何かあった?』
特に俺と何かあった訳でもないので、変わらず親しそうに話してくる陽向のお父さん。なんと伝えればいいのやら。
「すいませんお仕事中に。えーっとですね、ちょっと大変な事が起きてまして、陽向もうちに居るんですけど」
『ん? 何か壊しちゃったとか?』
「いえそうではなくて……なんて言えばいいんだよこれ……。あの決して悪戯とかではなくて本当に本当なんですけど…………今、陽向って女の子なんです」
『すまない蓮君、今忙しいんで後にしてくれないか?』
「あっ、ちょっ!? おじさん!? マジなんですって!! 待っ──!?」
無機質な機械音だけがスマホから聞こえてくる。どうやらおじさんは信じてくれなかったみたいだ。そりゃそうだよなあ……。
陽向の方を見れば、俺が持つスマホをじっと見ながら心配そうな顔をしてこちらを伺ってくる。
「……取りあえずおじさんには伝えた。が、今の通りだ」
「オレどうすればいいのおおおお!?」
陽向の泣き叫ぶ声を聞きながら、この後の事を思って大きく溜息を吐いた。
面倒事の気配が凄いし、今の陽向が家に居るのを見られたら俺の人生が滅茶苦茶になりかねないのだが、だからといってこいつを一人放置するのはどう考えても無理だった。
「しょうがない、今日は連絡がくるかおばさんが帰ってくるまでウチにいろ」
「蓮にぃちゃああん……!」
「おい抱き着くな。馬鹿っ、鼻水つけんじゃねえ!」
陽向とその家族とは俺が引っ越してきてからの付き合いだったが、陽向とは趣味が合い、短いながらも仲良くやってきたつもりだ。俺としては弟の様に思ってるし、その陽向がこんな事になったら手助けくらいはしてやりたい。
だから今の提案は全くもって邪な心はなく純粋に手助けをしようという心境からの提案だったんだが、陽向は現在、女の身体でありしかも美少女ときた。そして今、俺は抱き着かれ、わりとやわらかい感触に包まれている。
「陽向、ちょっと離れようか」
「うぅ~~~」
「は・な・れ・ろ」
「はぁい…………ごめん蓮にぃ」
「いや、まぁ、わかってくれたならそれでいい」
この状況だと、下手すると変な気分になりそうなのでもう少しちゃんと意識を持った方が良いかもしれない。これではまるで俺が陽向の事を意識しているように聞こえそうではある。実際に意識はしてるけども。
「さて……とりあえず何か飲むか? あれだけ喚いてたら喉乾いてきたろ?」
「うん、飲む」
「んじゃ座って待ってろ」
陽向にそう勧めてから立ち上がると、冷蔵庫の中からアイスコーヒーのボトルを取りだしていく。それにしても今日はまだ昼前だというのに変に疲れている気がする。
グラスを出して注ごうとしたら、陽向が不安そうにこちらを見てくるのに気が付いた。
「あの……さ」
「何だ?」
「オレ……女になっちまったけど……これ元に戻れんのかな……」
「……分からんって」
正直、戻れない可能性は大いにあり得ると思う。だって俺の常識から逸脱してる事だし……何が起きてるのかさっぱりわからない。
「このまま女として生きていくっていうのは、怖い……よなぁ」
「オレ、ずっとこのままになるくらいなら死んでもいい……」
「そうならないためにも、ちゃんと解決方法を探してだな」
「でもこんな事信じてくれるわけ無い!」
「…………」
確かにその通りだった。今の所この事態を知ってるのは俺と陽向しか居ない。俺だって最初は分からなかったし、俺達しか知らない事を捲し立てられてようやく半信半疑になったくらいだった。
今は、見た目はともかく、話を続けていって確かに陽向だなと感じたから受け入れたが、おばさん達だって同じくらいには掛かるかもしれない。たとえ少しの間でも実の親から自分を疑われるかも知れないのは中学生には結構キツイだろう。
「とりあえずさ、とにかく今日は大人しく待っていようぜ? 俺が一緒に居てやるから」
陽向がなるべく元気づくよう、安心するよう、頭を撫でて言葉を選びながら声を掛けていく。
不安が無いわけではないが、俺とおばさんは割と仲良くさせてもらっていたし、ある程度話は通るとは思っている。深刻な事態ではあるが深刻に考えすぎる事もないだろう。
そんな俺の心情が通じたのかは分からないが、取りあえず陽向も泣くのはやめたようで、少しだけ安心したように微笑んでいた。
それを見て何とも言えない気持ちが湧いてきたが、ひとまず二人分のアイスコーヒーを持って行く事に。どうなるにしても今日は陽向の側に居る必要はありそうだ。
「ほら、零すなよ?」
「うん」
中身入りのグラスを渡し、それを二人して啜っていくと緊張もほぐれて来るようで、ようやく一息つけそうになる。
「おいしい……」
「そりゃよかった。じゃあこの後だがどうする? 何か映画でも見るか?」
「うん……。それよりも蓮にぃは大学とかあるんじゃ?」
「大丈夫だなんとかなる。それにおばさんが帰って来た時にすぐフォロー出来ないと困るだろう?」
まぁ少々面倒臭いかもしれないが、陽向を放り出すよりはずっとマシだろう。
そう思いながら陽向を眺めてると、少しばかり恥ずかし気にはしていたが頷いてくれた。
「……ありがとう蓮にぃ」
「気にすんな。ほらタブレットだ、変な操作すんなよ?」
「しないって。使い方知ってんだから」
そう言って陽向は早速タブレットをいじって好きな映画を見つけたらしく、イヤホンを両耳につけると視聴を始める。それを見て俺も自分の作業を始めていくことにした。
お互い静かになって、一時間も経ってない頃だろうか。なにやら陽向がそわそわと落ち着かない素振りを見せ始めた。
「ねぇ蓮にぃ……」
「ん? どうした?」
「あ、あのさ……その…………おしっこしたい」
「…………あぁ、そういう」
道理でモジモジしているわけだ。
「早くしてこい。別に使っちゃ駄目なんて言わないから」
「う、うん……。あの、さ……」
「ん? まだ何かあるのか」
「一人じゃ怖いから…………ついてきてくんない?」
思わず天を仰いでしまいそうになった。あまりにもあんまりなお願いすぎた。
「……すぐそこなんだから怖い事もないだろ。漏らす前にしてこいって」
「でもどうすればいいか分かんないんだって!」
「そりゃそうだろうけど……」
実際に今までとは違うやり方は必要になって来るだろうが……だからといってこいつ一人でも出来る事に俺が関わっていいものなんだろうか。流石にそれはマズいんじゃないんだろうか。
「蓮にぃお願いだからぁ!」
「待て待てそんな必死にならずともだな」
「もう無理漏れる!」
「あっ、馬鹿っ!」
陽向が我慢しきれなくなったのか泣きそうになってしまってたので、結局俺が折れる羽目になった。それにしたってもっと別の頼り方があったろうと思うのだが、それについてはもう何も言うまい。
部屋を汚される前に連れてってやり、トイレの中へと陽向を押しやってドアを閉めた。
「とりあえず座ってすればいいんじゃないか? ……多分」
「どうやってえ……ぐすっ……」
「ああもうわかった、ほら、俺が付いててやるから、だから泣かない!」
陽向が本当に不安になってるみたいなので、仕方なくこちらもトイレの中に。それと同時に陽向を便器へと腰掛けさせていく。
何が悲しくて中学生にトイレトレーニングを……。
「蓮にぃ、恥ずかしいよ……」
「呼んだのはお前だろうが……。非常事態って奴だから気にするな、俺も気にしない。何にも恥じる事なんてない、いいな?」
「そう言われてもやっぱ……ごめん蓮にぃ」
「とりあえず漏らす前に脱いでおけって。その後はほら、普通に出せ」
「うん…………うぅ~!」
「泣くなってただオシッコするだけだろうが怖くないだろ?」
「だってぇ……! なんかごわいよぉ!」
こんな目にあって随分と不安定になっているのか幼児退行したかのように陽向が目からポロポロと涙を零している。
洗濯する羽目になるのも嫌なのでさっさと脱げと急かしてズボンとパンツを降ろしていくと、そこにあったのはどう見ても女性の陰部。見てはいけない物が見えてしまった罪悪感と背徳感を覚えながら陽向を促すと、シャァァっと勢いよく流れる音が聞こえ始めた。どうやら無事におしっこが出せたらしい。
「んで確か拭くんだったか? 女の人は」
「うん……あっ」
陽向はそれで改めて自分の今ある性別を自覚したのか、今度は恥ずかしくなって俯いていた。俺も陽向の羞恥心に同調してしまったかの様に顔を赤らめるしか出来ずにいる。しかも何やら下半身が膨張しそうになってるのを我慢している始末だった。
だというのにこいつは何か頼みたそうにモジモジとこちらに何かを伝えようとしてくる。その顔はまた可愛らしいものだから俺は益々困ってしまう。
「あ、あのさ蓮にぃ……」
「……待て、それは俺がするべきじゃないだろ。絶対違うって」
「でもなんか触るの怖いし……お願いだからさぁ」
「ああもう分かった、ほら足開いて……」
「うん」
なるようになれ、と陽向の秘裂付近に付いた小水を大切な部分を傷つけないよう優しく拭きとっていくと、少しだけくすぐったかったらしく、陽向の方から小さな可愛らしい声が聞こえてきた。
それが耳から入る度にいけない事をしている気分になってくる。だがそれも仕方ないことだと、思ってしまうくらいに目の前の陽向の姿と声は女で、俺は男だった。
何とかトイレの世話を済ませ、陽向の下着とズボンを戻しながらふうっと息を吐く。吐いた息の勢いが、この一時でどれだけ俺の心が消耗したのかを如実に表していた。
部屋に戻ると陽向はベッドに寝転がりまた映画の続きを見始めた。それを見届けてから俺も床に座り直し、作業を再開させていった。