近所の中学生がTSしたので都合のいい女にしていこうと思う 作:あるぺん
強くなってきた日差しに、そこかしこで使われ始めたエアコンの冷気で夏の訪れを感じる今日この頃。
バイト先である喫茶店で、注文された珈琲とサンドイッチをテーブル席へ置いて行く。
「ご注文の品は以上でよろしかったでしょうか。ごゆっくりどうぞ」
「はいっ! あの、店員さんの写真って撮っても……」
「あ、すみません、それNGになってるんでご遠慮願います」
この店の店員である俺達と、客の間で繰り返されるこの問答は既に何度もある事だった。
別にメイド喫茶だとか執事喫茶とか、そういった類の店ではない。だが、店長の趣味で作られたレトロ調の店内と制服が何かと客──特に妙齢とご年配のご婦人方に好評だったらしく、店の内装だけではなく俺達店員の姿までスマホに残そうとするお客さんがいるのが、ここで働く唯一と言ってもいい弊害かもしれなかった。それ以外では待遇も立地も悪くなく、個人的には至れり尽せりな職場なのだが。
断られると同時に客の一人が溜息を吐きながら残念そうにしている中で、別のテーブル席からの声が掛かる。
「あ、すみませーん、オーダーお願いします」
「はい、只今」
そんなルーチンワークをこなしながら頭に浮かんでくるのは、当然ながら陽向の事だった。と言っても、あいつの体や教え込んでいるセックスの事ではなく、陽向が通うはずの中学校の事だ。
進学や他の道なんていくらでもあると、そう分かってはいても、やはり普通に学校に通い授業を受け、普通に同世代と暮らしていくというのは大事な事ではあるのだから。かと言って、嫌がる子供を無理に行かせたところで誰一人得はしないのだから、これも難しい問題だった。
そして当人と親に任せるべきという思いはありつつも、その当人に手を出し面倒見てきた手前、それとその親への後ろめたい思いが多分にあるのだから、大変複雑な心境である。
陽向自身は、女として生きる事への折り合いを教え込んだ女体の快楽と共につけているみたいなんだが……などと、そんな事をつらつらと思考していると、店のドアベルがカランカランという音を鳴らし新たな客の来店を告げてきた。
「いらっしゃいませ……って何だ陽向じゃないか」
入店してきた人物へ顔を向けると、そこにはスカートをはいた私服姿の陽向が居た。実によく似合っているが、外へ出る時にスカートとは珍しい。
「何だって酷くない蓮にぃ。お客なんだからちゃんとしないと駄目なんじゃないの?」
「安心しろ、他のお客さんにはちゃんとやってるから」
軽口を交わしながらテーブル席へ案内すると、陽向も小声ながら笑っていた。
「それにしてもどうしたんだ? 外出てるなんて珍しいな」
「蓮にぃが知らないだけで普段から出てるってば。家だけじゃ飽きるし、母さんに頼まれてる時は買い物もしておくし」
「補導されるなよ?」
事情はあれども、まだ学校があるであろう日中に私服姿で子供が出歩いていれば、それだけで警官、或いは良識的な大人から声くらいは掛けられかねないだろう。
俺がすぐ迎えにいける状況だったのなら別に構う事はなかっただろうが、それでもまずは保護者であるおばさんに連絡が行ってしまうだろうし、余計な負担は極力負わすべきじゃない。
それを陽向も承知してはいるのか、苦笑いしつつも頷いていた。だからこそ俺もそれ以上は何も言わず、注文に取り掛かる。
陽向はチーズケーキに珈琲を注文して来たが、砂糖にミルク──それも多めにと頼んできたのが微笑ましく思ったのはここだけの話だった。口にしたら間違いなく拗ねる。
「お待たせしました」
「ありがと、蓮にぃその制服似合ってるね。何だっけ、あれみたい……羊?」
「執事な」
ベストに白シャツを着ているだけで執事はあまりにも安直ではあるが、陽向が楽しそうにしていると思えば安いもんだと納得するしかない。
「すいませーん、注文お願いしまーす」
「はい只今。じゃあまた後でな、ゆっくりしていけよ」
「うん」
陽向からの返事を背中越しに聴きながら仕事に戻っていくと、陽向も静かにスマホを触ったり、参考書を出してきて勉強をしていたかと思うと、お冷を足す時に顔を覗いたら居眠りまで始めてくれた。
「佐々木君の知り合いかい?」
店長が尋ねて来たので素直に答えて置いた。特に隠すような間柄ではないし、聞かれてまずいような相手でもない。いやまぁ、本当は聞かれては不味い事も隠すべき事もあるのだが。
「はい、隣の部屋に住んでる奴です。年の離れた弟か妹ってところですね」
「そうなんだ。あの子、ここ最近よく来る様になったから憶えてたんだよね」
「……そうなんですか?」
「佐々木君のシフトの時はあんまり見なかった? よく似た人と一緒に来てたのも見た事あるよ。多分親御さんかな?」
「へぇ、そうなんですね……全然知りませんでした」
俺が大学へ行っている間、そんな風に陽向が出歩いてるなんて事は知らずに驚いていれば、お客さんが会計の為に声を掛けてきたのですぐに向かう事にした。
その間、店長も別のお客さんの相手をしていて、話題に挙がっていた陽向も、勉強道具から文庫本を取り出して読書をしている辺り、随分と慣れている風に見える。
それからは特に変わったこともなく、客は皆、自分のペースで珈琲と軽食や甘味に舌鼓を打ち、店の人間は仕事に追われたりと時間が過ぎていった。
だが、裏で少し休憩をして戻ってくれば、陽向の席の辺りで少し騒動が起きているらしかった。
「上杉君……だよね? 元気だった?」
「…………うん」
「その服……ごめん、なんでもない」
そちらに注意を向けて見れば、陽向の席の辺りに中学生らしき女の子が二人立って居て、その二人に話しかけられている様なのだが、どうも以前の様な暗い様子で陽向は俯いてしまっている。
「あ、あの……あたしら……その……」
「…………」
何やら言い淀む様な感じであるものの、話し方などから察するに喧嘩をしようとか険悪な物ではなさそうだった。とはいえファミレス程広いわけでもない店内では、若干というには十分すぎるくらい目立っている。
喧嘩でもないのに店員が止めに入るというのもおかしな話なので、店長に少しだけお願いし、制服を脱いでからあちらへ向かうことにした。
目の前で起こってるなら、今の俺に陽向の事を放って置けるわけがないのだ。
「陽向、どうした? 知り合いか?」
「あっ……! 蓮にぃ……」
陽向の傍へと行ってやるとこちらに気が付き、先程とは一転して明るく、俺の事を慕っている時と同じ調子になってきた。
「上杉君、この人は知り合い……?」
「……えっとお隣のお兄さん……だよ」
「陽向、隣座るぞ。君達もそっち座ったらどうだ? 立ってると目立つだろ」
もう目立ってはいるがと内心思いつつも、二人に向かいの席を勧める。陽向の隣に腰を下ろしながら視線を戻せば、どこか落ち着かないような、少し戸惑ったような表情が見え隠れするのが何とも言えなかった。
「えっと、はい。失礼します」
「いきなり知らん奴が来て驚いただろうし、自己紹介しておこうか。俺は佐々木ってもんで陽向の事情を一通り知って、色々面倒見てもいる。そういう訳で学校での事も知ってるから、もしこいつに何かしようって言うのなら悪いんだけど帰ってくれ」
「あ、いえ、私達はそんなつもりじゃ……会ったのは偶然ですし、それに上杉君には謝りたくって。あっ、私は田中って言います。こっちは──」
「山田です」
「田中さんと山田さんね。それで……謝る?」
テーブルの下で陽向が小さく手を動かし、膝上にある俺の手に重ねてくる。そしてきゅっ、きゅっ、と何度も軽く握ってきた。恐らく不安からなのでは無いだろうかと思う。
陽向の表情をちらりと見るとどこか暗く、何かに耐えているようにも見えた。
「はい。上杉がその、女の子になって学校に来た時、周りと一緒に遠巻きにしてしまったりとか色々……それであたし達ずっと悪い事しちゃったなーって……」
山田と名乗った子がそう口を開いてくると、そのまま田中という子が繋げてきた。
「大変だったのは上杉君だったのに、周りが勝手に騒いだせいで気味悪がっちゃって……」
「…………好きでなった訳じゃないって何度も言ったのに」
二人は俯き加減に、陽向は少し責める口調と睨みつける様な眼差しで、だが相手を見つつも、重ねられた手は小さく震えている。
あの時感じていたのだろう疎外感、陰口や視線による居場所がなくなる辛さや悲しみ、そして怒り。それらがごちゃごちゃになって、どうしたらいいのか分からないという風に思えた。
「落ち着け陽向、深呼吸。ほらヒッヒッフー」
「だからそれ違うってば」
声色に鋭さが出始めたので、タイミングを見計らって陽向に声を掛ける。すると陽向はその声の勢いのままツッコミを入れながらも深呼吸していく。
それで少し冷静になったのか、陽向はひとまず大人しくなっていった。
「……ありがと蓮にぃ」
小声での感謝に苦笑して返しておく。ここまでしてやらなきゃいけなくなるくらい傷になってしまっていたのが、何とも切なかった。
「今更だしもうどうでもいいよ、もう過ぎた事だから」
「本当にごめんなさい。でも私達だけじゃなくて他の子も、男子だって。気にかけてる人が居たのは知ってて貰いたかったんだ」
「……そっか」
「なぁ上杉、また学校来ない? 前と同じかは分かんないけど、今なら多分大丈夫だと思うからさ……それに謝りたいって言ってた子も何人か居て──」
「おっと悪い、そこまで」
陽向がぴくりと動きその瞳が揺れている。行く事自体は嫌では無いのかもしれないが、勇気が出ない、恐い。そして、何を今更。そんな心の声が強く握られてくる陽向の手からひしひしと伝わってきた。
俺が口を挟む事ではないのかも知れないが、当人達だけで言葉を交わさせたら取り返しが付かなくなるかもしれない。
ここは余計なおせっかいを入れて、俺が嫌われ役にでもなった方がいいだろう。
「君達の言いたい事は分かった。ついでに他の同級生もな。だがそれ以上はまだ言わないでくれ」
「でも……!」
「いいから聞いてくれ。謝罪してあーすっきりってなるのは謝る側だけだ。何より謝られる側にそれを受け入れる権利があるんだ。そこを勘違いしたら、一番悪い謝罪の仕方だと俺は思う」
程度の差はあれ、いじめに近い事を受けたのなら、謝罪を受けいれるか拒否するかは被った側である陽向次第だ。
そして頭を下げられた側が拒否した時、下げた相手はどう思うだろうか。折角こうして謝っているのに、なんて事になってしまったら目も当てられない。
一期一会の相手なら兎も角、少なくとも陽向が卒業するまで、後一年は顔を合わせる可能性があるのだ。それなら下手に角を立たせない方がまだ建設的なのではと、そう思った。
「取りあえず、後は陽向がどう判断するかを待っててくれ。陽向がもう二度と学校には行きたくないなんて事は無さそうだし、その内ちゃんと結論が出るさ」
「はい……わかりました」
二人が目を合わせた後、こちらに頷いてくる。結局その間、陽向は俯きながら小さくなっているだけで言葉は発しなかった。その代わりに、テーブルの影に隠れる様にして握った手に指を絡めてきていた。
「悪かったね、変に説教臭い事言って。でも陽向は俺の身内みたいなもんでさ。だから許せとは言わないけど分かって欲しい」
「そんな……あたし達もすいませんでした。考え足りなくって」
「私も頭冷やしてみます。今日はこの辺で……またね上杉君」
「…………うん、また」
注文してお茶をという気には流石にならなかったのか、彼女達はそのまま席を立つと、俺と陽向に小さく会釈だけすると店を出て行った。
「あ~、疲れた……。陽向、帰るぞ」
今日のバイトが終わりを迎えると、陽向と一緒に家路へとつくことにした。
結局、陽向もあのまま店内に居座っていたので、帰り道は二人並んで歩き、自然と会話が繋がっていく。
「……今日はありがと蓮にぃ」
「気にすんな。……で、陽向はどうしたいんだ?」
「んー……まだよく分かんない」
陽向がぼそりと呟くように答えると、そのまま俯いてしまった。少し急ぎすぎたか、などと考えながら空を見上げる。
日が落ちる時間も遅くなり、昼間よりも過ごしやすく感じられる夕闇の中、陽向がぽつりぽつりと口を開いてくればそれに耳を傾けていく。
あの後も色々思案を続けてはいたが、結局決心は付かなかったという感じだろうか。
「ねぇ蓮にぃ。蓮にぃはどう思う? やっぱりまた学校に行った方が良いかな?」
「陽向の進む先に必要だと思うなら行けばいいさ」
こちらとしては、このまま俺の物になってくれればなんだっていい。陽向が自分でやりたい事を見つけた時に、困らない為の道筋として残っているのであれば使えばいいと思うくらいだ。
そしてそれを認めないのはあまりに狭量過ぎるというものだし、どうにか後押ししてやるのが兄代わりとして、そして陽向の男としての役目でもあるだろう。
「まぁ、だからって無理する事はないと思うぞ。ゆっくり考えて行けばいいさ」
「……うん」
「何かあったら言ってこい。俺はいつでも力になるからな。陽向が嫌じゃなければだが」
「嫌な事なんてないよ、蓮にぃだし」
隣で見上げながら微笑んでくる陽向に笑顔を返せば、手を繋いできたので握り返してやる。
しっかりと握られた手に込められているだろう信頼を感じつつ、これから陽向をどう愛でていこうか考えていく。この前の続きもいいし、或いはもっと強めに躾ける様にするか。それとも普通の恋人のようにデートをするのもいいか、なんて事も浮かんできた。
とは言え、この時間であれば恐らくおばさんが帰ってきている以上、何をするという事もないのだが。
「ねぇ蓮にぃ……ちょっといいかな?」
「どうした? コンビニでも寄ってくか?」
「そうじゃなくって……えっと……あ、こっち行こっ」
「お、おい陽向?」
陽向の手によって路地の方に引かれると、そのまま暗がりの方に誘われた。人目を避けるように進んでいくと、近くのマンションの非常階段の裏側に来ていた。
「何だってこんな所に連れてきたんだ……って、うぉっ!」
壁に追いやられると、陽向はそのまま抱き着いてくる。ぎゅうぎゅうと密着してくる体を受け止めてやれば、背中に回ってきた腕に力が入ってきていた。そのせいで陽向の大きな胸が俺に押し付けられてくる。
「ありがと……」
「ん? あぁさっきのか。だから気にするなって、多分余計なお世話だっただろうしな」
多少急いていたかもしれないが、あの子達も決して悪い子には見えなかった。他の子も含めて悪いと思っているのはきっと本心ではあるだろう。
勿論、それが同級生連中全てではないだろうが、そんな中でもこいつの頼りになる相手がいるのはいい事だと、素直にそう思えた。個人的には俺だけを頼り、俺だけを見て入ればいいとも思うが。
ともあれ、陽向だって遅かれ早かれ蟠りも解けていってまた元通りに──と言っても女子中学生になってだが、通い出していくかもしれない。
「ううん、わたしだけだったら多分喧嘩になってたと思うから……」
「おっ、する時じゃないのに素直にわたしって言ったな」
「あっ……!」
陽向が自分が言った事で一気に紅くなっていき、顔を俺の胸に押し付けてくれば小さな声で何事かぶつくさ言っていた。それでもしっかりと俺に抱き着いている所を見れば、照れ隠しみたいな物だと推測はついたが。
「……ね、蓮にぃ。ちょっと屈んでくんない?」
「なんだどうし──」
言われた通りに少し屈むと、陽向が体を伸ばしとキスをしてきた。触れるだけで、すぐに離してしまった陽向だったが、それでも満足気な物が目の前の顔に浮かんでいた。
「……本当にありがとう」
そしてもう一度お礼を言ってくれば今度も軽めではあるが、しっかりと陽向の感触を味合わせるようなキスをされてしまい、二度も不意打ちを食らったせいでこちらの顔が紅くなってしまう。
それで良い気になったのか、陽向はクスリと微笑んでいた。やられたと思うが、同時にそれを嬉しく感じてしまっていた。
ついその頭に手が伸び、くしゃりと一撫ですると、更に嬉しそうにしてくれていた。まさか中学生相手にこんな気持ちになるだなんて思いもしなかった。それも元は男の陽向相手に。
体を離していけば、お互い何を言う訳でもなく元の道へ戻っていく。
陽向はその道中、俺の手に指を絡ませながら、寄り添う様に腕に抱きついて歩いていた。当然、こいつの大きな柔らかい膨らみの感触は伝わってくるわけで。
「胸当たってるぞ陽向」
「えっ! あの、その……当ててる……」
陽向の顔を見下ろせば、顔を赤くしつつもこちらを上目遣いで覗いてくる瞳とぶつかる。その奥には艶めいた欲情の火が灯っていた。
「おばさん居るんだからできないだろ……俺だって我慢するの辛いんだぞ?」
「だって最近あんまりしてない……」
「最近て言ったって何日かだろ? いつもだってそうじゃないか。俺もヤりたいけどさ」
お互いの都合もあって、ここ最近は確かにセックス出来ていなかった。精々指でイかせるかフェラチオ程度だったので、そりゃ欲求も溜まっているが、かといっておばさんがいる時にするなんて自殺行為にも程がある。
静かにするなんて俺にも陽向にも無理だった。こいつの乱れる姿を見れば大声で喘がせたくなるし、陽向も陽向で俺に抱かれれば嬌声を抑えたままじゃいられなくなる。
「いっそバラしちゃおっか?」
「それはちょっと」
色んな意味で俺が死ぬ。
「また今度な、ほら顔向けろ」
「あっ……♡」
小さな顎を引っ掴んでキスをする。唇を割るように舌を差し込めば、それを受け入れる陽向と互いに舌を絡め合わせていった。
「んちゅ、……はぁっ♡ぷぁっ……んむっ……れりゅ……んっ♡」
薄暮れの中、唾液の混ざる水音と熱っぽく濡れた息づかい、そして女の興奮を示す様に、かすかに漂ってきた雌の臭いで欲望は高まっていったが、理性が何とかストッパーになってくれる。
「とりあえずこれで我慢してくれ。続きはまた今度な」
「ぷはっ……♡分かった、でも絶対だよ?」
「当たり前だ、お前が嫌だって言っても止めない」
名残惜しそうな陽向の頭を一撫ですると、マンションに到着し、陽向は自分の家の鍵を開けて中へ入っていく。
「じゃ、またね」
「おやすみ陽向」
「おやすみ蓮にぃ」
手を振ってドアを閉める陽向。
それを確認してから俺も自分の家へと戻り、ベッドの上に倒れこめば、一気に疲れが出たのかすぐに眠りに誘われていく。
(シーツ……変えるべきか?)
一人暮らしを始めてからの付き合いの寝具からは、洗剤や汗の臭いよりも、陽向から出した物の匂いが染みつき始めていた。