※この作品はR-18です。

派遣型メンズエステのすすめ~その4   作:sakamotsu

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あいりちゃんとおでん

 あいりちゃんが「仰向けでお願いします……」って柔らかい声で言うと、ボクの足元に膝をついてくる。

 脚を開くと、あいりちゃんがそっとその間に膝で入ってくる。

 彼女の太ももがボクの内ももに触れて、Tバックのショーツ越しに柔らかい肌が擦れる。

 仰向けのこの姿勢は、お互いの様子がよく分かるので、セラピストさんの所作を愛でるのにちょうどいい。

 あいりちゃんが上半身を前に倒してボクの胸に手を置くと、オイルで濡れた掌がゆっくり滑り始める。

 彼女の指がボクの鎖骨から胸筋まで撫でると、シースルートップの胸元が下がって、Fカップのおっぱいが重そうに揺れる。

 

 とにかく、あいりちゃんの施術から何かを感じとって、気持ちよくならねば。

 ボクはあいりちゃんのタッチに全神経を集中する。

 そうしていると、マッサージが上手じゃないあいりちゃんの手つきが――、ボクの胸板をおそるおそる触れてくる感じが、むしろ新鮮に思えてきて、ボクはちょっと勃起しちゃう。

 いいぞ、我ながらちょっと変態じゃないかと思うけど、この際仕方ない。

 

 あいりちゃんがボクのお腹に手を移すと、両手で円を描くように揉み始める。

 オイルで滑らかになったおへそ周りに手の平をすべらせて、ちょっと圧を掛ける。

 その瞬間、ボクのお腹が「グゥ」って鳴る。

 わりとしっかり聞こえるくらいの音量で、あいりちゃんの手が止まる。

 一瞬、間があって、彼女が「マッサージするときって、頻繁に姿勢を変えたり、お腹周りを指圧したりするので、胃腸が活性化してお腹が鳴りやすいみたいですよ」って言う。

 

「へぇ、あいりちゃん詳しいんだ」ってボクが返すと、彼女は「いえ、これくらいは……アルバイト始める前に調べたりしたので……」って小さく答えて、またお腹を撫で始める。

 ボクは、きちんと準備してるあいりちゃんに感心した。

 それは、メンエスのバイトに前向きだということで、決して、手を抜いているからマッサージが下手というワケではないんだ。

 とはいえ、ボクはちょっと苦笑いしまう。

 

「ゴメン、でもこれはお腹が空いてるからなんだ。実はまだ夕飯食べてなくって」

 と、本当の理由を言うと、あいりちゃんがクリッとした目をぱちくりさせて、「ふふっ」って小さく笑う。

 小首をかしげて「そうだったんですね。お仕事がお忙しいから、とかですか?」って聞いてくる。

 その仕草が可愛くて、ボクのテンションが上がる。

 

「そうそう! 夕飯かマッサージかどっちか迷ったんだけど、もう、身体がバキバキで! これはもう、あいりちゃんにほぐしてもらわなきゃって!! もちろんそのときは、あいりちゃんの事とか知らなかったんだけど!!」

 ここが勝負どころだ。

 ちょっと大げさな物言いで、なんとかあいりちゃんとの気持ちの距離を縮めねば。

 

 あいりちゃんはというと、「わたしも実は夕飯がまだで……」と言いいつつ肩をすくめて、「さっきも、わたしのお腹が鳴ったのかと、ちょっと焦っちゃって」なんて、上目遣いで言って「てへっ」みたいな感じで唇の隙間から舌をちょっと覗かせた。

 あいりちゃん、そんな表情もできるんじゃないか。

 今度こそ、本当に照れたあいりちゃんの表情が見れて、ボクは感動すらおぼえた。

 それに、そんな可愛い仕草を見せても、肩をすくめたせいで、おっぱいがムニュ~ってエッチに歪んでるゾ、とボクは内心でつっこみつつ、このエロ可愛い様子を愛でる。

 もちろん、そういうギャップ、大好きだ。

 ……ん? ……でもまてよ?

 

「てことは、さっきの胃腸がどうのというのは、あいりちゃんのお腹が鳴ったときのための嘘?」ってボクが凝視すると、あいりちゃんが目をしばたかせて「え?」ってなる。

 

「いえ! あれは本当です! セラピストさんのブログとかにちゃんと……!」

 慌てる姿に、ボクは「えー?」って疑いの目を向ける。

 ……といったところで、ボクらはクスリと笑った。

 ようやく、和んだ空気になった。

 

「あー、なんだか本当にお腹空いてきたかも」

 たぶん、内心ホッとしたせいだろう。

「そうですね。それに遅い時間ですし」

 と相づちを打ってくれる、あいりちゃん。

 まぁ、メンエス予約するときは、だいたい遅い時間というのもあるけど。

 とはいえ、こんな時間だと脂っこい料理はアレだし、とボクは勝手に夕飯のメニューを考えだす。

「まだまだ寒いし、こういうときに食べるなら……」

 

「おでんかな」

「おでんですかね」

 

 と、ハモる。

 ボクらはまたちょっと笑いあう。

 たとえマッサージが上手でなくったって、お話を楽しむのもまた、メンズエステの楽しみ方かも、などと思う。

 

「そういえば、駅前におでん屋さんがあったっけ。マッサージ終わったら行ってみよっかな」

 通勤で何度か通りがかった気がしたのを思い出すと、あいりちゃんが「最近できたおでん居酒屋さんですよね?」って食いついてきた。

「そうそう。普通のおでんだけじゃなくて、洋風とか中華風のアレンジメニューとか、あとお酒の種類も豊富ってどこかで見た気がするね」

 自分で言いながら、普通の「おでん屋」じゃなくて「おでん居酒屋」なのはそういうことかと、納得する。

 あいりちゃんはというと、「お酒……」って興味津々な様子。

「じゃ、一緒にご飯に行く? おじさん奢るよ?」と冗談めかして言ってみると、「え、ご一緒してもいいんですか?」って乗ってきて、ボクは表情はそのままで内心「えぇ!?」ってなる。

 

 

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