魔導国の孤児院は、静かな夜に包まれていた。
星明かりが窓から差し込み、薄暗い部屋に柔らかな光を投げかけている。
簡素ながら清潔に保たれた院長室兼事務室では、黙々と書類の整理に励む美女の姿があった。
彼女の名は、ユリ・アルファ。
プレアデス六姉妹の長女として創造されたユリは、ここでは“先生”として、孤児の世話と教育を担う立場にある。
普段のメイド服姿はそのままに、ここではスパイク付きの巨大なアームガードを外している。
子供に威圧感を与えないため、そして怪我をさせないための、彼女なりの配慮だった。
書類の山を前に、ユリはペンを走らせながら時折小さく首を振る。
在籍する孤児の名前や健康状態、業務の進捗をまとめた紙束は整然と並び、彼女の几帳面な性格を映し出していた。
ふと、背後から感じた気配が静寂を破る。微かな風がカーテンを揺らし、部屋の空気が一瞬だけざわめく。
(……?)
眉を上げ、振り返るより先に、聞き慣れた声が部屋に響いた。
「やっほー」
軽快な声とともに、扉の向こうからひょっこりと現れたのは──アウラ・ベラ・フィオーラ。第六階層の守護者で、明朗快活な
彼女の明るい声が、静かな部屋に活気をもたらす。
「アウラ様?」
彼女は室内にズカズカと入り込み、部屋の真ん中へ設えられたソファへ無遠慮に腰を下ろした。
予想外の来訪に驚いたユリだったが、アウラの無邪気な笑顔につられて表情が和らぐ。
だが、夜も更けたこの時間に一人で現れるのは珍しい。
「お仕事頑張ってる~?」
「ええ、今は……あれ? もしかしてアーちゃん一人? 今日はもう終わるところだよ。紅茶でも淹れようか?」
時計を一瞥しつつ、柔らかな笑みを浮かべるユリ。
突然の訪問に戸惑いはしたものの、友人に会えた嬉しさで声が弾む。
「うん! あたし一人だよ。じゃあ、いただこうかな。ユーちゃんの淹れてくれる紅茶、あたし大好き」
「そう言ってくれると嬉しいよ。それなら少し待っててね」
部屋の隅に備えられた、小さなキッチンへと向かう。家事技能を持たない
キッチンの棚から茶葉を取り出し、湯を沸かすその動作には無駄がなく、彼女らしい上品さを湛えていた。
数分後、室内に漂うカモミールの香り。ユリが丁寧に淹れた紅茶は、孤児院の簡素な部屋にそぐわないほど優雅な趣を醸し出す。
アウラはカップを手に、満足げに一口飲んだ。
「ふぅ、やっぱりユーちゃんが淹れてくれると美味しいな。どことなく落ち着く味なんだよね」
「そう? ふふ、ありがとう。……ねえアーちゃん、こんな時間にどうしたの? もしかして、ボクに何か相談?」
姿勢を正し、アウラの方へ視線を向ける。
ユリは決して勘が鋭い方ではないが、今回の急な訪問が単なる気まぐれではないと看破していた。
カップをテーブルに置いたアウラは、手足を少しだけモジモジさせた後、躊躇いがちに口を開いた。
「……う〜〜、やっぱわかっちゃう? その……タネヅ様のことなんだけど……」
「タネヅ様がどうかなさったの? そういえば、明日はこちらにいらっしゃるけど」
紅茶を飲みながら、ユリは穏やかに微笑む。
しかし、眼鏡の奥の瞳はアウラをじっと見つめている。何か重要な話の前触れだと感じたのだ。
「あー、いつもの視察だっけ。……いやー、なんと言いますか……こないださ、タネヅ様に『アウラは大人になったらとんでもない爆乳美女に成長するぞ』って言われちゃってさ」
「ブフっ!」
思わず紅茶を吹き出し、慌てて口元を押さえる。
白いメイド服の胸元に飛沫が飛び散り、彼女の整った顔が困惑で歪む。
「うわっ、汚っ!」
アウラが飛びのき、飛び散った紅茶を身をよじって避ける。その反応に、ユリは咳き込みながら謝った。
「ゲホッゲホッ! ご、ごめん! いやでも、なんて話をしてるの!」
「タネヅ様がエッチなお話をされるのはいつものことじゃん」
「ゴホッ、まあそれは…そうね……」
苦笑いを浮かべたユリは、ティーカップを手に取り直す。
タネヅの好色ぶりはナザリックでは日常茶飯事だ。だが、いざこうして話題に上がると、淑女としての恥じらいを持つユリは動揺を隠せない。
「ユーちゃんだってさー、なんだっけ……スイカ? スイカップ? が最高ってよく褒められてるじゃん。あ、次に夜伽番が回ってくるのっていつ頃?」
「スイカじゃないもん! というかボクの話はいいから!」
「あはは、ごめんごめん。でね、えーと……そうそう、タネヅ様ってさ、未来の状況をピタリとお当てになる時がたまになかった? 最近はあまり聞かないけど」
「…! 確かに……」
ユリは一瞬考え込んでから頷いた。
原作知識やその他公式情報に基づくタネヅの発言は、NPCたちには予知能力の如く映る時もある。その的中率に、彼女たちは何度も驚かされた。
(タネヅ様は
思考が深まる中、アウラが不思議そうに顔を覗き込んできた。彼女の金髪が揺れ、好奇心に満ちた瞳がユリを捉える。
「ユーちゃん?」
「ん、ごめん。つい考え込んじゃった。とにかくアーちゃんが爆にゅ……その、将来は胸部が大きく成長するって話でしょ? タネヅ様がそう仰るなら、激励というより単純に事実なのかもね」
「だよねー!? えへへ、やったね! あたし楽しみだなー! スタイル抜群になって、絶対にシャルティアを悔しがらせてやるんだから」
「…まあ、シャルティア様はアンデッドだから身体の成長がないもんね」
ユリは眼鏡を軽く押し上げ、内心のざわめきを抑える。
話題がさらに際どい方向へ進む予感に、無意識にカップの取っ手を強く握ってしまう。
「あのさー、あたしアレやってみたいんだよね。 ユーちゃんもよくやってるパイズリ? ってやつで、御方の力強いおチンポ様を──」
「ブホっッッッ!!!」
ユリが再び紅茶を盛大に吹き出し、辺りが悲惨な状態になった。アンデッドであるにも関わらず、彼女の顔は真っ赤である。
テーブルの上に飛び散った紅茶が、彼女の不憫さを嘲笑うかのように広がっていく。
「もー! だから汚いってば!!」
アウラが椅子から飛び跳ね、ユリはテーブルを拭きながら涙目で抗議する。
孤児院の静かな夜は、アウラの破天荒な話題で一転、喧騒へと変わってしまった。
◇
翌日の昼下がり、孤児院の庭から聞こえてくるのは、子供たちの笑い声。
そろそろ昼休憩が終わるユリは、学習の進行状況や食事の記録がまとめられた机に向かい、早めに仕事を再開しようとする。
だが、頭の片隅では昨晩の会話がチラつき、思考を乱されてしまう。
(全く、アーちゃんったら……。結局何の相談かと思えば……パ、パイズリのコツを教えてほしいだなんて…なんて卑猥な……)
「……駄目ね、仕事に集中しないと」
「何が駄目なんだ?」
「きゃぁっ!!」
ユリは驚いて椅子から飛び上がる。振り返ると、なんとそこにはタネヅの姿が。
不可視化の魔法で忍び込み、悪戯心でユリの背後に音もなく立っていたようだ。アンデッドでなかったら心臓がバクバクと鳴っていただろう。
「タネヅ様! 不可視化で驚かすのはお止めください! それに近衛や供回りはどうされたのですか! またこっそりお一人で転移されましたね!? セバス様に叱っていただきますよ! 大体タネヅ様はいつも──」
「めっちゃ畳み掛けるじゃん。まあそう固いこと言うなよ。この方が気が楽で、ついな」
「ついじゃありません!」
ユリは腰に手を当て、頬を膨らませる。いかに主といえども、たまには軽い叱責も必要なのだ。
タネヅは肩をすくめ、悪びれない笑顔で応じた。
「ごめんって、ユリ。愛してるから許して?」
「えっ……そ、そんな言葉で誤魔化されませんよ! それみんなに言ってますよね? 全くもう……次からはちゃんとしてくださいね?」
この手の発言には慣れているはずなのに、それでも直球で来られると動揺するユリ。
主の飄々とした笑顔に絆され、結局いつものように許してしまうのであった。
「いやほんと悪かった。ところで、何か考え事か? もしかして仕事量が多かったりする? アレだったら、もう少しこっちに人員を回してもいいけど」
「…ご配慮いただき、誠に恐縮です。ですが、今のところ問題はございません。先程の独り言は、その……昨日のアウラ様との談笑を、少し思い出してしまって」
「おっ、なんか面白そうだな。どんな話をしてたんだ?」
タネヅが興味津々に食いつくと、ユリは言葉に詰まった。“爆乳美女”や“パイズリ”の話題を口にするわけにはいかず、目を背けてしまう。
「い、いえっ! その……」
「……? あぁ、女子トークってやつか。ははっ、気が利かなかったな。すまん」
タネヅがカラカラと笑うと、ユリはホッと胸を撫で下ろした。
主の気遣いに、緊張が少し解ける。
「とんでもございません。タネヅ様のお心遣いに感謝いたします」
「ユリってさ、アウラと仲良いよな。あとペストーニャもか」
「はい、ボク…失礼しました。私とアウラ様、ペストーニャの3人で、よくお茶会などをしております」
「なんかいいな、そういうのって。やまいこさんも第六階層の巨大樹のとこでよく女子会を──」
タネヅの言葉に、ユリは目を輝かせた。創造主であるやまいこの話題は、彼女にとって特別なものだ。
「ええ、そうなのです!ぶくぶく茶釜様、餡ころもっちもち様と一緒に! それに、やまいこ様の妹君であらせられるあけみ様も!」
「急にテンション上がるな!?」
「あっ…! も、申し訳ありません。御身のお言葉を遮るなど……」
ユリは慌てて頭を下げ、頬を赤らめた。
タネヅは手を振ってわざとらしく笑い、彼女の反応を楽しむように続ける。
「いや、別にいいんだ。お前の楽しそうな姿を見るのは好きだし。……なあ、何度か言ってるけど、俺の前でも素の一人称で喋ってくれよ。というか、全体的にもっと砕けた感じでいいんだぞ?」
「砕けた感じ……ルプスレギナのようにでしょうか?」
ユリは困惑し、首をかしげる。主人に対して堂々と軽口を叩く妹の姿を想像し、戸惑ってしまった。
「あいつの場合はむしろノリが軽すぎるが……そうだな、それこそ孤児のみんながユリに甘えるように、もうちょいカジュアルに接して欲しいなって」
「甘える…っ!? い、いえ。それはいけません。あ、嫌というわけではなく……なんと申し上げればよいのか、その……」
「あー、なんとなくユリの考えはわかるぞ。しっかり者のお前のことだから、その辺はちゃんと線引きしときたいんだろ? でもなぁ、他に誰もいない時は気にしなくてよくないか?」
「それは、確かに……いえ、やはりそれでも……」
ユリはしばらく逡巡した後、口を閉ざしてしまう。
真面目過ぎる彼女の反応に何かを感じ取ったタネヅが、しばらく黙り込んだ。
「……」
「…タネヅ様?」
主の視線が一瞬宙を彷徨い、ふと止まった。
ユリの声に我に返ったタネヅは、軽く首を振って曖昧な笑みを浮かべる。先程までの軽いノリが薄れ、何故か微妙な緊張感を漂わせていた。
「んっ、あぁ、悪い。ちょっと考え事をしてた。…えーと、困らせるようなこと言って悪かった。それにしてもアレだな。ユリの頑固なとこは、やっぱり舞子にそっくりだな、うん」
「……? 今、『まいこ』と仰りましたか? やまいこ様のことでございますか?」
「……その質問に答える前に、『リアル』というものをユリは知ってるか?」
「は、はい……他の御方々が、現在も戦われている地でございますね。やまいこ様は『小学校』と呼ばれる教育機関で、指導者を務めているとか」
ユリは背筋を伸ばし、御方の言葉を一言一句逃すまいと耳を傾ける。彼女の心は、創造主の未知の情報にざわついていた。
続くタネヅの言葉に、ユリは息を呑む。
「そうだ。リアルにはリアルの生活があり、そして
「まさか……」
「本名は山瀬舞子。山瀬が姓で舞子が名だ」
「やまいこ様のお名前は、実名ではなかったのですか!?」
ユリの声に驚きと狼狽が混じる。至高の御方の名が実は仮初のものだったと知れば、彼女にとって──いや、全てのNPCにとって一大事だろう。今までの常識を根底から揺さぶる衝撃だ。
「どう説明したもんか……。ちょっとややこしいんだが、とにかくユグドラシルでの名前は『やまいこ』で間違いない。だからお前に本名を明かしたくなかったとか、そういった意図はないんだ」
「そ、そうですか…。少し、ほっとしました……。では、他の御方々も、やまいこ様のリアルでのお名前はご存知だったのでしょうか?」
「どうだろうな? 妹のあけみちゃんさんは当然として、茶釜さんと餡ころもっちもちさんも知ってるんじゃないかなぁ。男性のギルメンだと……もしかしたら、俺以外に知ってる人はいなかったかもしれん」
「……! あ、あの…先程、『まいこ』と下のお名前で呼び捨てにされていたのは……」
ユリの瞳が、主を真っ直ぐに見つめる。
タネヅは遠くを見やり、懐かしそうな笑みを浮かべた。
「……俺とあいつは昔、恋人同士だったんだ」
「…やはり、そうだったのですね……。昔…ということは、今はもう……?」
創造主と主が恋仲だった事実は、彼女の忠誠心と、どこかで抱いていた淡い慕情を複雑に絡ませた。
やまいこへの絶対的な敬愛は、ユリにとって揺るぎない存在の礎だ。しかし、タネヅの告白が彼女の心に未知の波紋を呼ぶ。
「あいつはリアルで戦う道を選んで、俺はユグドラシル──ナザリックのお前らを選んだ。それだけのことだ。最後に『ユリをよろしくね』って言われたよ」
「えっ?」
ユリは目を大きく見開き、言葉を失う。彼女の白い指がハンカチを強く握り、感情の波が押し寄せるのを感じていた。
「ここまで喋ったんだからもう全部話すが、ユリを作った時、実は俺も舞子にはかなり案を出したんだよ。だからまぁ、ある意味お前は俺たち二人の子供みたいなもんなんだ」
「なっ…!」
ユリの手からハンカチが滑り落ちる。激しく混乱し、感情の奔流に飲み込まれそうだった。
窓から差し込む陽光がメイド服を照らし、彼女の動揺を一層際立たせていた。
◇
『……俺とあいつは昔、恋人同士だったんだ』
全 部 嘘 で あ る
そんなわけない。そもそもリアルでやまいこさんと会ったことすらないし、ユリの作成にも一度も口出ししてない。『ユリをよろしくね』も当然言われていない。
ちなみにやまいこさんの本名が山瀬舞子なのは本当だ。古事記(ピクシブ百科事典)にも書いてある。
呼び捨てにしてすいませんでした。
もしやまいこさんが昔、ユリの前で恋愛事情をポロッと漏らしてたらバレる可能性もあったが……この反応を見る限り、どうやらセーフだな。
驚きの新事実(作り話)に、ユリが慟哭しながら俺の胸に縋りついてきた。
普段は冷静沈着なみんなのお姉さんが、こんなにも感情をむき出しにするとは……俺の嘘が見事に彼女の心を鷲掴みにしたようだ。
嗚咽混じりに「どうしてっ、どうして今まで教えてくださらなかったのですかっ……!」とか言ってる。ごもっとも過ぎる。
とてもじゃないが、『迫真の父娘プレイがしたくなって適当にでっち上げました』とは言えない空気だ。
以前やってもらった“生徒を誘惑する女教師”のイメプレは本当に酷かった……やっぱりユリに演技は向いてないわ。
仕事はできるのに、そういうとこで融通が利かないんだよなぁ。まあ恥ずかしがる姿は可愛かったし、あれはあれで良かったんだけど──
おっと、そういえばずっと泣いてるんだった。まずは悲しむ我が子を慰めてやらないと。
「本当に悪かった……これからは、娘としてユリを大事にするよ」
「あ゛ぁっ、タネヅ様ぁっ!!」
優しく抱きしめ、愛情を感じさせる言葉を囁き、いい感じの雰囲気で有耶無耶にした。
ユリの純粋さにうっすら罪悪感を覚える。だが、その罪悪感すら、俺の欲望を煽るスパイスでしかない。
「ほら、泣くな。美人が台無しだぞ?」
「ぅ…っ……わっ、私にっ…砕けた物言いを…あんなにお求めだったのは……」
「ん……? あ、あぁ。どうやら気付かれてしまったようだな。たった一人の愛娘にかしこまった対応をされると、父親としては寂しいもんだろ?」
「……ぅあ、っ、おとう゛さま゛ぁあ゛!! ごっ、ごめ゛んなさぃい!」
……お父様呼び、凄いです。こーれはちょっとヤバいですよ。
身長170を超えるクールな眼鏡美人の“お父様”は、それだけでだいぶ股間にクる。射精するかと思ったもん。たぶん“パパ”だったら確実に出ちゃってたわ。
俺はお父様だから我慢できたけどパパだったら我慢できなかった。
だがこのままではいつ発射してもおかしくない。早く処理してもらおう。
◇
「……お、お父様っ? ボクのお腹に当たってるんだけど……?」
「最近ユリとはヤってなかったからな。ほら、お昼休憩は延長ってことでさ、親子のスキンシップの方が大事だろ?」
「これからも、今まで通りエッチするの……? でも…親子でこんなことするのはおかしいんじゃ……」
……正論はやめよう。誰も幸せにならない。
そもそもスイカを二つぶら下げた娘に抱きつかれて、それでも我慢できる父親がこの世にいるだろうか? いや、いるはずがない。
こいつがなんだかんだ流されやすい性格なのはわかってる。このまま押し切ってやるぜ。
「ユリ、聞いてくれ。確かに俺達は親子のようなものだが、本当の血縁関係ではないからエッチしても問題ない。それに……」
「それに……?」
「舞子の分までお前を愛するのが、俺の使命だと思っている」
そう言いながら頭を撫でると、ユリは気持ち良さそうに目を細め、更に身体を預けてきた。
どう考えても最低な発言なのだが、このままスケベできるなら些細なことだ。
「ぁ……優しく撫でるの、だめっ……」
案の定ユリが抵抗しないと見るや、俺はパンツごとズボンを引きずり下ろし、ソファに座り込んだ。
彼女はしばらく躊躇った後、「もう…しょうがないんだから……」と言いつつも、跪いてそっと陰茎に触れてくれた。
「なんだか、いつもより硬くなってる……?」
「愛する娘が触ってくれてるんだから、そりゃ興奮するだろ?」
「何言ってるの。ばか……」
その言葉は弱々しく、むしろ甘えるようなニュアンスが劣情を煽ってくる。
はち切れそうなシャツの胸元に手を伸ばし、ボタンを一つ一つゆっくりと外していく。
静寂の中、ユリの白い肌が少しずつ露わになる。
目に飛び込んでくる豊満すぎる谷間。今にもブラジャーから溢れ出しそうな圧迫感だ。
ホックを外し、窮屈そうな乳房を開放してあげた。これも父親としての務めに他ならない。
「ほら、いつものやつ」
「う、うん……」
伏し目がちに頬を染めたユリが胸をギュッと寄せ、ふわふわの柔肉で竿を包み込む。彼女の双丘はあまりにも巨大で、俺の長槍ですらほとんど姿を消してしまった。
「じゃあ…気持ち良くしてあげるね……?」
ユリが口をモゴモゴと動かし、大きく開く。すると唾液がねっとりと流れ落ち、熱を帯びたローションのように亀頭を覆った。
扇情的な行為に、肉に埋もれた陰茎が痛いほどに硬く膨らむ。
「なんか普段よりも積極的か? 娘がスケベに成長してくれて嬉しいよ」
「もうっ…いじわる言わないで……」
そう言いながらも、ユリは自らの乳房を下からすくい上げるように持ち、ゆっくりと内側から外側へと円を描くように動かし始めた。
唾液によってコーティングされたペニスが、上下左右に動き回るおっぱいにより扱かれていく。
ぐちゅっとした淫靡な水音とともに肉棒が強く圧迫され、くぱっと開く音とともに解放される。その圧迫と解放の繰り返しが、快楽の波となって身体に浸透していく。
「どう、かな……?」
汗ばんだおっぱいに扱かれ、我慢汁が次々と溢れ出してきた。
唾液と我慢汁が混じり合って滑りが増し、ばちゅっ、ぐちゅっ、にゅぷっ……っと淫らな音が響き渡る。
「やだ……エッチの時みたいな音がしていやらしい……」
「これ、すごっ……すぐ出ちゃうかも」
「…ん、いいよ。飲んであげる……」
ユリが今まで以上に乳圧を高め、口を大きく開く。その光景を見てあっと言う間に限界が訪れた。
「ユリ! ベロ出せっ!」
立ち上がった俺は、べーっと伸ばしたユリの舌にチンポを押しつけた。柔らかな舌肉に先端を沈み込ませ、欲に赴くまま発射する。
どっびゅるるっ!! どぷぷっ、とぷっ! と精子が放たれ、勢いに任せて更に亀頭を口内に突っ込んだ。
「んんぅぅぅっ……! んぐぅぅ!んくっ、んぐっ、んぁ……」
「おぉッ…! いいぞ、全部飲め…ッ!」
「んぇあっ……。ん、んっえへぇ……♥ すごく…濃い……」
ユリが恍惚とした表情で精液を飲み込み、頬を紅潮させる。
吐息が部屋を甘く染め、胸元ははだけたまま、汗で光る豊満な乳房が露わになっていた。
「えっと、満足…できた……?」
その声には、どこか期待を孕んだ響きがあった。
堅物のユリが俺のチンポを欲しがっている。
「もちろん、と言いたいとこだが……まだ足りないな。ほら、見てみ」
俺はアピールするようにゆっくりと腰を揺らし、彼女の視線を下半身に引きつける。
ユリの目がバッキバキの男根に釘付けになり、慌てて顔を背けた。
このままソファで続けるのも悪くないが、ここでガッツリ本番をやると事務室が汁まみれになりかねない。
「なあ、ユリ。仮眠室ってあっちだよな?」
「う、うん……」
モジモジと指を絡ませたユリが、こくりと頷く。
彼女の手を引いて、奥にある仮眠室へと俺たちは移動した。
仮眠室は質素ながら清潔感のある空間で、シングルベッドと小さな枕がポツンと置かれていた。清潔なシーツがユリの几帳面さを物語る。
ベッドの端に腰掛けた彼女が、膝を揃えて恥ずかしそうに俺を見上げる。ロングスカートが捲れ上がり、むっちりした太ももを覗かせた。
「……ねえ、やっぱりお仕事に戻らないと──きゃっ!」
言い終わるより先に、黙ってベッドに押し倒した。 ユリが小さく悲鳴を上げ、シーツの上で仰向けになる。
明らかにチンポを欲しがってたくせに、なかなか素直になれないらしい。
シャツが乱れ、ブラから解放された爆乳がブルンと揺れる。
彼女の眼鏡が少しずれており、普段のイメージとは裏腹な無防備さが欲望を掻き立てた。
「眼鏡、外していいか? そっちの方がキスしやすいからな」
「うん……本当は、早くキスしてほしかったの……」
娘の願いを叶えるべく、眼鏡を外して軽くキスを落とす。唇は柔らかく、ほのかに甘い香りがした。
熱い吐息を漏らすユリが、俺の首にそっと腕を回してくる。
「んっ……ちゅっ……」
キスをしたまま彼女のスカートを脱がせ、純白の下着に手を伸ばした。じっとりと湿った感触が指先に伝わり、ユリが身をよじらせる。
「や…恥ずかしいっ……」
パンツを脱がせ、むき出しになった秘部に指を這わせる。花弁を軽く撫でただけで、どんどん蜜が溢れてきた。
仰向けに寝かせたユリの両足を開き、ギンギンに張り詰めた肉棒を濡れそぼった淫裂に押し当てる。
「ビショビショじゃん。そんなにパパのおチンポ欲しかったのか? このエロ娘〜」
「ち、違うよ!ボクそんな卑しい子じゃな──いぎゅう゛ゥうう゛ッ♥!?」
反論を遮って一気に腰を沈めた。熱く締まる肉壁がペニスを咥え込み、清楚な顔が辛そうに歪む。
「急に゛ッ、深っいィいっ゛! んもぉお゛っ、ばかぁ゛……オ゛ッッ♥」
「こらこら、下品な声を出すんじゃありません。はしたないぞっ」
「だってぇっ、お父様がッ、ん゛ぉほぉおお゛っ!?」
「言い訳無用!」
生意気娘の生意気まんこをどっちゅんどっちゅん突きまくってわからせる。
千切れるんじゃないかという勢いで、爆乳がバルンバルン揺れていた。
ちょっと口答えしたくらいでこの仕打ちは厳しいだろうか? しかし、これも教育の一環である。
俺は心を鬼にして高速ピストンを続行する。
「ごめんなさいごめんなさいッ゛♥ ゅるしてぇっ♥」
「ちゃんと謝れて偉いぞ。またちゅーしてやるからな」
ユリに覆いかぶさり、しゃぶり尽くす勢いで唇に吸い付く。
溢れる唾液を交換し合い、じゅぱっ、じゅぽっと音を立てる下品なキスに、彼女の瞳がどんどん蕩けていく。
「んむ―――っ♥ んぐっ……ぷふぁっ♥ 好きっ、キス好きっ。ちゅぷっ♥ んじゅるっ♥」
「セックスも好きか?」
「うんっ♥ えっちするのしゅきぃっ♥」
乱れた彼女の反応を楽しみながら、徐々に射精欲を高めていく。
ユリには胸にぶっかけて終わらせるパターンが多いのだが、今日は父娘として初めてのセックスなのだ。
親として何をすべきか、そして娘は何が一番喜ぶのかを真剣に考えてみる。やはりここは中に出してあげるべきだろう。
唇を貪り、両手で胸を揉みしだき、容赦のないピストンでハメ潰す。
とっくに夜会巻きが崩れたユリは、もはや恥も外聞もなく頭を振り回し、よがり続け、そして淫らな声を張り上げる。
「もっとぉ♥ んッぅ゛っ!! あ゛ーっ、あ゛ーーっ♥」
フィニッシュに向け、幾度もペニスを打ちつける。
ベロチューもパイ揉みもまだまだ味わいたかったが、腰が勝手に動き、理性が吹っ飛ぶほど快感に溺れてしまっている。もはや他のことをしてる余裕なんかない。
ユリの両足が俺の背中に絡みつき、亀頭がキスするたびに子宮口がキュンキュン媚びてくる。
「いっぱい出してやるからなっ!!」
「お゛とうさま…っのぉ♥♥ ちょ…う…だいっ♥」
「パパって呼べっ!!」
「パパのッぐださ…い゛ッ…イ゛っぐぅうう♥♥」
肉棒が一際大きく膨らんだ直後、ユリの最奥で熱いモノをぶちまける。
ぶぴゅっぶびゅっ♥ びゅるるるるる~~~っ♥ どぷっ、どぽっ……ごぷぷ〜っ♥
「っんぉッん゛っ!っ……イきま………した…あ゛♥ へぁあ゛〜〜〜♥ はーっ……っはぁッ……オ゛ッ♥♥ うそっ…ま…だ…出てるっ………っ」
「うぉっ、射精…止まんねぇっ……!」
この娘は誰にも渡さない、俺だけのものだと主張するかのように、たっぷりと精液を注ぎ込む。
ユリは目の焦点が定まらないまま声を上げ続け、父親のザーメンを娘まんこで貪欲に飲み干す。
マン肉にキュ~~~♥ と締め上げられた直後、全てを出し切った俺は広大な乳丘へぐったりと倒れ込んだ。
「……っぷはぁ~~~。無理…もう出ないぞ……」
柔らかな胸に顔を埋めたまま、大きく息を吐く。ベッドのシーツはグシャグシャに乱れて、服は床にポイッと投げ出されたままだ。
仮眠室に漂う甘い汗と体液の匂いが、激しい行為の名残を感じさせた。
「ぁ……っ、あぅ……。…ね、ねえ……パパは…ボクを置いて行かないよね……?」
汗ばんだ肌にシーツが張り付き、彼女の乱れた髪が枕に散らばっている。
満ち足りた表情の裏で、瞳の奥に陰が差しているのがわかった。
「置いて行く……? あぁ、そういう意味か。安心しろ、俺はずっとナザリックにいるよ」
「そっか…良かった……」
いつもはキリッとしているプレアデスの長女が、今は酷く弱々しく感じられた。
俺だけはずっとナザリックに残り続ける──それはNPCにとって、一体どんな意味を持つのか。想像すると責任重大な気分になる。
どちらにせよ、今更リアルに戻れるわけもない。せいぜいこれからもナザリックライフを満喫させてもらおう。
「なあ、ユリ」
「……なあに?」
ユリは小さく首を傾げ、俺の手を軽く掴んできた。その甘えたような仕草が心をくすぐる。
「俺たちの関係は他の奴らに内緒だぞ? お前が娘だと知られたら、妙な軋轢を生みかねないからな」
「あ、そっか…そうだよね……。でも、二人きりの時は……これからも甘えたり、パパって呼んでいいかな……?」
上目遣いで問いかけてくるユリ。その声には、僅かな不安を滲ませていた。
彼女の頬が再び赤く染まり、手を握る力が少し強くなる。
「もちろんだ。じゃないと、また俺が寂しいだろ?」
「そう…良かった……♥ オ、オホン! ……では、大変心苦しいのですが、早急に身だしなみを整えて退室をお願いいたします。部屋を片付けてからすぐに仕事に戻らないといけませんので!」
ユリは急に起き上がり、毅然とした態度できっぱりと告げる。
かなり無理してる感はあるものの、いつもの調子に戻り、乱れた髪を整える手際も素早い。仮眠室の狭い空間に、仕事モードの空気が強引に戻ってくる。
「即座に切り替えるじゃん……もうちょっとこう、余韻というかさぁ……」
「だ、駄目ですっ! もうっ、あと少しでおやつの時間なんですからね? 子供たちが戻ってきますよ」
眼鏡をかけ直す仕草から、ナザリックの下僕としてのプロ意識がバッチリ伝わってきた。さっきまでの甘えん坊な娘は影を潜め、子供たちのユリ先生へと戻る。
だがその口元には、どこか安心したような笑みをうっすらと浮かべていた。
◇
第六階層の広大な森の一角で、木々の間に設えられた小さなテーブルに、ユリとアウラが並んで座っていた。
巨大な樹の木陰が涼しい風を運び、テーブルの上にはポットと焼き菓子が並ぶ。
アウラは退屈そうに足をぶらぶらさせながら、菓子皿からクッキーをつまむ。彼女の金髪が風に揺れ、木漏れ日を受けてキラキラと光る。
ユリはカップを手に、茶葉の香りを確かめるように鼻を近づけた。
彼女の給茶やメイド服の着こなしはいつも通り完璧だが、本人はどこか上の空だ。
ペストーニャがまだ到着していないお茶会の席は、二人だけの穏やかな空気に包まれていた。
「もうすぐペスも来るってさ。先にお菓子食べちゃってるけどいいよね。……ん? おーい、なんかボーッとしてない?」
「ねえアーちゃん。ボク、タネヅ様が……好き」
ユリはカップをテーブルに置き、指先で縁を撫でながらぽつりと呟く。
普段のお堅い雰囲気がやや崩れ、表情にはほのかな熱を帯びている。
「ぅえっ!? 急にどうしたの!? いや、そりゃあたしも大好きだし、みんなそうだろうけど……はっきり口にするの珍しくない?」
2個目のクッキーを口に放り込んでいたアウラが、予想外のユリの発言に色めき立つ。
「うん、ちょっとね……」
「あっ! もしかして、ユーちゃんも正妃の座を……?」
「ううん、そういうんじゃないの。というか、ボクに正妃は無理なんだよね」
彼女はぎこちない動きで首を振って否定した。
ミルクティーの香りが鼻をくすぐる中、ユリは深く息を吸って気持ちを抑える。
「えぇ~? なんでさー。わかんないじゃん」
「本当にいいんだ。正妃じゃなくても、ボクは……いや、なんでもない。…そう、なんでもないよ……」
ユリは言葉を切り、ミルクティーを一口飲んで視線を逸らす。愛する父との秘密を胸に秘め、彼女の心は甘い疼きに揺れていた。
「……? え、何? 変なの〜」
頬杖をつくアウラが首を傾げるが、ユリは小さく笑って誤魔化した。
主に強く念押しされたあの日の会話……他の誰にも明かせない、二人だけの──
(ボクとパパの…二人だけの、秘密……♥)