※この作品はR-18です。

きゅーとあぐれっしょん   作:霧里

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雫ちゃん。


私で童貞捨てたくせに(Hシーン

 

何をやってるんだろう?

 

館の廊下を歩くリットリアは、一人、口に出すでもなく呟いていた。

 

義務なんかない。義理はあって良いかもしれないけど、それにしたって私が口を出すような事でもないと思う。

 

今朝、食堂で見た光景が思い浮かぶ。

 

ハンナドールは悲しいと言いながら、なんか笑って見えたけれど。

私は、ちょっと、どうして良いか分からなかった。

 

机の上に置かれた生首と、その傍らでは偉丈夫が肘を付く。

ああ、違う。きっと真っ当に首が繋がっていれば、頭を抱えていたんじゃないかって光景だ。

 

「私で童貞捨てたくせに、この浮気者っ!」

 

そう吐き捨てて、部屋を出ていったのは雫だった。

 

ーーーー

 

黒い髪の女の子。白いドレスの似合う女の子。私より二つか、三つも幼く見える女の子が口にするには、あんまりに聞き慣れない言葉だ。

 

童貞って…。

 

私が始めてじゃないんだって部分はどうでも良かった。

あれから何度かユーレリアに抱かれて思ったのは、やっぱり手慣れているなと。

まぁ、ユーレリアの体格からすれば、ハンナドールだって小柄な方だし。

雫の相手をするとなれば、なおのこと気を使う面は多いんだろう。

 

けれどだ…。

 

「童貞って…」

 

思わず口に出していた。なんとか飲み込もうとしたけど無理だ。

私が大人だと言いたいんじゃない。雫の体格はどう見たって、幼さが残ったままだったから。

 

ちょっと引く…。

 

私を抱いてくれた理由が、憐れみとか、同情とか、単なる性欲でも構わない。

けどそれが、幼子にしか欲情できない、そういうちょっと、流石にアレだったりしたら、これからの事を考えたくもなった。

 

「かなしい、ですよね?」

「ひゃっ!?」

 

しくしくと、幽かな声に耳を撫でられ、思わず声が出てしまった。

なんとも情けない。剣を振り回していた頃は、こうも油断することなんて無かったのに。今の私は、すっかりと ただの少女に戻ってしまっている。

 

「ちょっ。ハンナドールっ、急に声を掛けないでと…っ」

「かなしい…。話しかけないでと、そういうのね」

「あ、いえ…。そういうことではなく。いちいち脅かさないでと、そういう抗議で」

「あら? 私は声を掛けただけ。勝手に驚いたのは貴女よ?」

「ぁぁ…もう」

 

しくしくと、明らかな嘘泣きで彼女は泣いていた。頬を流れる涙ですら嘘くさく見えて、揺れる肩は笑っているようだ。

 

「朝食。食べてしまってね? 片付かないから」

「ああ、はい。ありがとうございます…いただきます」

 

本当に、何をやっているんだろう。

 

お客様気分なんてとうに抜けていた。

家族ごっこに甘んじていると言われれば否定の言葉もない。された事を思い返せば怒りだって湧いてもくるけど、それは同時に、自分の傷を掘り返す事にも等しい。

 

お前のせいだ…。

 

自傷の言葉に耳を塞ぐと同時に、胸の怒りも薄れてしまう。

 

多分きっと、こうして生活を共にしてしまっている せいもあるのだろう。

彼女たちがもっと、悪辣非道に人を殺めてくれたなら、私も素直に憎めたのにな。

 

ー

 

「雫、どこですか?」

 

声を掛けてみても返事はない。ただ、廊下の向こうに私の声が、吸い込まれていくばかり。

 

そんな義務なんかない。義理くらいはあってもいい程度。

少なくても、日々の生活を供してくれるハンナドールや、自責に潰れそうになる私を気にかけてくれるユーレリアに対しては、何か返すものはあって良いかもしれないが。

 

本当に、何をやってるんだろう。

 

考えながらも足は止まらない。雫の見た目に幼さが残るせいか、なおさら放っておけなく思う。優しいのだと、誰かは言うのかもしれないけれど…。

そこまで考えて、私は考えるのを止めていた。そこから先は、自分を傷つけてしまう。どうしようもなくなって、きっとまたユーレリアに縋るんだろう。

 

それはいい。それでも良いんだけど。

今の彼女には、ちょっと頼りたくない。

 

すっかり、館の構造も頭に入ってしまっていた。

後、探してない所を思い浮かべながらも、外に出ていたら流石に難しいなと考える。

 

あ、可愛いな。

 

なんだかズルい。

 

だって、頬を膨らませる姿ですら愛らしい。

 

館の二階、大きく窓の取られたサンルームに彼女はいた。

椅子に腰掛け、手足を伸ばし、ぱたぱたと、揺れる体は不満そうだ。

試しに、殺気を燃やしては見たものの、剣を振り下ろすイメージすら出来なかった。

 

「怖い顔ね? 憎たらしいのは分かるけれど…。今は相手をする気分ではないの」

「あ、いえ…。ごめんなさい、そういうつもりでは」

「では、なぁに? ユーレリアを独り占めにしにきたの?」

「そういうつもりでも…。いえ、まぁ…言い訳を出来る立場でもないのですが」

 

浮気者。

 

童貞ともう一つ、雫の口から出た言葉だ。

義務はなくても義理はある。この事態を招いた一端は確かに私で、ただ抱かれただけだと言い訳をする気もない。

 

「ふふっ。いいえ、いいえ、違うのよ? 怒っているわけではないの。ただ、そう。少し意地悪を言っただけ。だって、リットったら難しい顔をしているのだもの。いつも のユーレリアとそっくりだったわ」

「そんなに…」

 

普段のユーレリア。その顔を思い出した私は、意識して眉根から力を引き抜いた。

 

「あの、雫? ユーレリアを取られたみたいで、面白くないのは分かります。でも、彼女を責めるのは筋違いと言いますか…」

「責める? そうなの?」

「…では、ないのですか?」

 

話が噛み合わない。

 

だって、あれは、どう見たって男を取られた女の反応だ。

そう何度も見かけるものではないが、数少ない経験の一つに、とても良く似ている状況だった。

 

「まさか。ユーレリアが私を嫌いになる訳ないじゃない。貴女とエッチしたからって、どうだというの? 私だって、毎日は相手してあげられないわ」

「そういう、ものですか…」

「そうね。少し面白かっただけ。あの子ったら、あんなに小さくなるんですもの。可笑しいんだから」

 

言ってることは分かる。いくら好き同士でも、毎晩、ともなるとちょっと分からない。でも、だからって…。好きな人が他の女を抱いてて許せるもの?

 

私は…私だったら。

 

なんてことはない。想像したのは、クライストが情婦を抱いている姿じゃなかった。ユーレリアが、その片腕にハンナドールを抱いている姿。偉丈夫に抱かれる綺麗な女性はさぞかし絵になって、私の胸を締め付けた。

 

ちょっと、嫌だな。

 

私に一体何の権利があるものか。少し、抱かれただけで私は彼女の何になったつもりなのだろう? 嫌だな。男性の性欲を下品だと蔑めたものじゃない。女性の妬心だって大概 醜いじゃないか。そんな感情が自分の中にもあるなんて。

 

「でもね、リット…」

 

声音が、変わった気がした。

 

足元でじゃれ付く子猫の様な、鈴が転がるような声は一転して、ガラスの冷たさを思わせる。

 

「貴女が本当に取っちゃおうって言うなら、話は別よ? ちょっと抱かれただけで、お嫁さんにでもなったつもり? そんなの傲慢だわ。思い上がりっていうのよ?」

 

グサリ…。

 

言葉が胸に突き刺さる。

 

お嫁さん? そんな訳ない。そんなつもりなんかない。

私なんて、ユーレリアにとっては情婦か、性奴隷か、愛玩の対象が良い所。

ううん。雫の言う通り、毎晩は相手にされない時の身代わりでいい。そう思って、思った筈なのに…。愛されたいって、思い上がって何か悪いの? 傲慢っていうのは、雫、貴女だって…。

 

とんっ、とんっ、とんっ…と。

 

軽い足取りが響く。座っていた椅子から飛び降りた雫は、私の目の前で立ち止まった。見上げてくる視線は幼いまま。けれど、嫉妬じゃない。瞳の奥に見えた感情は、依存というべきか、執着というべきか、ゆらり、仄暗いものが灯って見える。

 

正直、見てられなかった。

 

心の中を見透かされている みたいで気分が悪い。

僅かに重なった視線を逸らした私は、自分でも思わないほどに不貞腐れた声で返してしまっていた。

 

「取りませんよ、そんな。私なんか…愛してもらえるだけでも」

 

口にできてしまうんだ。

 

もし、今、ここにクライストがいたとして。助けに来たと、手を伸ばしてくれたとして。私はもう、きっと手は取れない。嬉しい…とは思う。けど、国に戻って、また戦わされるのは…。イヤ。そんなのはもう無理。

 

彼はきっと、もう良いと言ってくれるのかもしれないけれど、人々の期待が私を潰すだろう。それに、執着というなら私も同じ。自分を征服した彼女に、身も心も委ねてしまっている。ユーレリアに許されている内は、私から彼女を裏切るなんて出来なかった。

 

「そう、良かった♪ じゃあね、リット。私から一つアドバイスよ。もう少し声は抑えなさい。あんまりやかましいと、ハンナドールが泣いてしまうから。怒ると怖いのよ、あの子。すっごい ねっちっこいんだから」

「っ…!? ごめんなさい、気をつけます…」

 

聞かれてた? その事実を指摘され、顔が熱くなる。

 

でも、庭の片隅でしてればそうもなる。部屋だからと安心して、されるがまま、犯されるままに、声を上げてしまっていたのはそうだ。

 

とんっ、たんっ、とんっ…。

 

軽い足音を響かせながら、雫は一度笑顔を浮かべると、私の横を通り過ぎていく。

本当に、怒ってはないらしい。後ろ手に指を組んで、揺れる黒髪は楽しげに。

あと少しもすれば、鼻歌でも歌い出すんじゃないかって雰囲気だってある。

 

少し、気が引けた。

 

いちいち水を差す必要はあるんだろうか?

 

義務なんかない。義理くらいはあってもいい、けど…。

 

「雫?」

「なぁに?」

 

肩越しに振り返った彼女は、くるりと、踊るようにして私に向き直った。

 

「相手を傷つけるような悪戯は、あんまり…。ユーレリアは貴女を嫌いにはならないかもしれませんが、好きだって、いつまでも言えることじゃないんですよ?

大好きで居て欲しいなら、貴女も好きだと伝えるべきです」

「お説教? リットのくせに…」

 

分かってはいた。

 

素直に言うことを聞くなんて思わない。耳が痛いだけの言葉を聞けるほど、彼女が大人でないのは見て分かる。なんなら私に敵意だって向けてくるかもしれないが、そんなのもう今さらだ。嫌うならどうぞ? 終わらせてくれるなら それもいい。

自棄というには潔く、私はとっくに開き直っていた。

 

「小煩いでしょうけど。謝るなら早いほうが良いですよ? 時間が立つほど言えなくなりますから。もう終わったことだって、何時の間にか、勝手に納得した気になるものです」

 

言える内に言って欲しい。この子の為じゃない。私の納得の為。

甘いと、また誰かに言われるのだろう。私の相手は片手間で構わない。おこぼれだって、性欲処理の道具でも良い。私のせいで困らせた。少なくとも、ユーレリアをそのままにして置けるほど、薄情ではいられない。

 

「ふんだっ。そんなこと言って、結局は あの子が欲しいのね? 独り占めにしようっていうんだ?」

 

物のように言う。けれど、今はそこを指摘する場面じゃない。

例え ぬいぐるみ扱いだとしても、それを大切にするかどうかの方が重要だ。

 

「本気でそう思うなら、こんな事言いやしませんよ。雫の機嫌を損ねて、私の何に得があるっていうんですか」

「ただの嫌がらせ」

「…」

 

それは…そう。そう言われると困ってしまう。少なくとも、それをするくらいの動機はあったから。

 

「ふふっ。真面目なのねリットは。私のことなんて嫌いでしょうに」

「そりゃ、そうでしょ?」

「べーだ♪」

「…」

 

舌を出された。子どものままの仕草に、私は返す言葉もない。だろうなって、せいぜい息を吐いただけ。逃げ出した雫の小さな背中は、すぐに見えなくなって、とんっと、軽い足音一つが余韻を残す。

 

 

ー

 

「いーから来てっ!」

 

雫の一声は、食堂で塞ぎ込んでいたユーレリアを立ち上がらせる。

 

強引だな。

 

いや、いつもそうなのだが、今日は特にか。

 

普段のワガママは相変わらず。けれど、いつも小賢しい言い回しを好む 雫にしては、問答無用というのは中々に珍しかった。

 

とはいえ、手を引かれれば、付いて行かない訳にも いかない。

悪戯に足を止めようものなら、力加減を誤った彼女が、すっ転んでしまわないとも限らなかった。

 

疎ましいと、思うことはある。

 

女の顔をしておきながら、こんな男の身体を持たされて。

その力強さは、確かに雫を守るのには適していたが、下手に戯れ付かれると、怪我をさせてしまいそうで怖い。私を掴む指先は、その辺の草花のよりも頼りなく、繋がる細腕は小枝と変わらない。一思いに、壊してしまうのは簡単に過ぎた。

 

羨ましいと、思うことはある。

 

あるいは私にも、ハンナドールの様な女性らしさがあればと。

まぁ、あの湿っぽさは、彼女の悪癖ではあるが。剣ばかり振り続けていた私に、あの繊細さは出せそうにない。

 

無い物ねだりは、きっとお互い様か。

 

時折のため息には、気づかない振りをした。

指摘した所で、ハンナドールは認めないだろうし、しくしくと、泣き寝入りをされては、私が悪者の様で敵わない。一体私の何に憧れてくれるのかは分からないが、お互い苦労はしているらしいのは分かる。

 

「どう? どうかしら? ちゃんと見えている?」

「えぇ…まぁ、とてもよく…」

「そう、よかった」

 

絶景だった。

 

連れて行かれたのは雫の自室。ベッドに座らされた私の膝の上に、彼女が乗っかってくる。偉丈夫の身体に鎧はない。強いて言えば、割れた腹筋と角張った胸板が鎧の様ではあった。

 

白いドレスがヒラリと舞って。服を脱ぎ去った雫は、私の目の前で、惜しげもなく柔肌を晒して見せる。

 

「これは…どういう?」

 

例えばそう。ここが風呂場というのなら、自然な光景に思う。

湯船の中に私が浸かって、膝の間に彼女が収まる。裸である事に疑問はないし、そういう時は、努めて何も考えないようにはしていた。

 

だが、それがベッドの上だと話も違ってくる。

 

股ぐらが逆立ちそうだ。思考の半分くらいが、それを鎮めるのに費やされた。

顔を背けようにも頭は動かない。ベッドの端に据えられた私の頭は、雫を見上げるばかり。視線ぐらいは自由になるが、やはりか、彼女の肌色が気になってしょうがなかった。

 

「どうって? 今さらなぁに? 童貞の振りかしら?」

「いえ…そうではなく。浮気者だと、その…。へそを曲げていたのでは?」

「ええ、そうよ? まさかね、まさかよ。女と見れば、すぐにおっ勃てるなんて思わなかったのだもの。真面目な顔して、スケベなんだわ」

「それでは、なんでしょう? 嬲りものにしようと? そういう魂胆で…」

「して欲しいなら、そう言って?」

「まさか…」

 

悪戯に口元を歪ませた雫が、私の腹筋に背中を押し付けてくる。

重たくなんかない。苦しくもならない。きっと、彼女が全力で私を押し倒そうとしたって、何にも ならない くらいには体格差があった。

 

それでもだ。ぐいと押されて、心臓が跳ねる。

 

柔肌の感覚が、心地よかったのはそうかも知れない。

少女の肌。リットリアのものとはまた違う。鍛えられてすらいない。薄い肌は瑞々しく、上等なシルクよりも柔らかだった。

 

子どもだと馬鹿には出来たものではない。普段の仕草が余計に幼くみせるが、こうして触れ合った肌は確かに女性なのだ。小さいながらに胸の膨らみもあれば、見上げた体の線は丸みを帯び、腰のくびれも見て取れた。

 

ぐいと押されて、心臓が跳ねる。跳ねてしまう。

 

雫の尻肉が、私の股ぐらに押し付けられた。

単純な刺激に、抗うのも難しい。股間に血が集まり始め、ムラムラとした昂りに、性感が呼び起こされる。

 

ああ、くそっ。

 

一瞬でも考えてしまった。このまま、雫の体を押さえつけてしまいたいと。

思う壺、なのは そうなんだろう。彼女は尻肉を股間に押し付けながら、ベッドに置かれた私の頭を見下ろすばかりだ。

 

「がんばるんだ? それとも、私では物足りない?」

「その言い方は卑怯だ」

「でしょうとも♪」

 

くすくすと、愉快を隠しもしない。すでに私の男は勃起を始めていた。気を抜けば、すぐにも勃ち上がってしまいそうなるのを、ギリギリで耐えるが、衝動的な欲求には抗いがたい。

 

「動いてはダメよ、ユーレリア」

「うっ…」

 

ぴくっと、動きかけた指先が固まってしまった。

意地の悪いことだ。私の辛抱が効かなくなる直前で、そんな事を言う。

魂を縛るほどの強制力は無くとも、私にとってはそうなのだ。雫がそうだと言えば、私にとってもそうなる。

 

「相変わらず大きな手ね? 貴女とじゃ手を繋ぐのだって、ほら?」

 

動かせなくなった私の手に、彼女の手が添えられた。

目一杯に広げられた手の平は、二つ回っても、まだ小さい。伸ばされた指先ですら、指の股に掛かるかどうか。ぎゅっと、恋人達の真似事ですら、どこか不格好だった。

 

「おっぱいだって、すっぽり隠れてしまうわね…」

「っ…」

 

柔らかい。尻肉よりも尚だ。筋肉の影も形もない。ただ、女としての柔らかさがある。むにゅり、形を変えて、返ってくる骨の固さは、あんまりに未成熟だった。

確かに女性ではあるのに、幼さは残ったまま。出来るかどうかで言えば出来るのだろうが、していいかと言われれば不安は残る。

 

ああ、それでも。

 

その光景はあんまりに扇情的だった。鳴らないはずの喉が鳴ってしまう。

雫の小さな吐息に熱が混じる。薄い肌は色を帯びて、瞳は切なそうに潤みだす。

間違いなく女の反応だ。私の手を自分の胸に押し付けて、彼女は自慰を始めてみせた。

 

「んっ…はぁ…」

 

偉丈夫の足の間に収まった雫の裸体。それをベッドの端から見上げるしか出来ない私の苛立ちはどれほどか。衝動的に手を動かしそうになってしまう。

この小さな体を抱きすくめて、熱り立った男根を埋めてしまいたい。

 

ダメだろう、それは。

 

頭では否定しても、背徳的な欲求は振り払えない。

胸への刺激に雫は体を振るわせた。尻肉が股ぐらに押し付けられる度、募った苛立ちは目に見える形に変わっていく。

 

「あら? あらあら? 何か、当たっているのだけれど、何かしらね?」

「そうも押し付けられては、こうもなりましょう…」

 

クスクスと、悪戯を隠しもしない。押し付けてくるだけだった尻の動きは、そのうち男根をなぞるようにと、上下の動きに変わってくる。ゾクリとする、ゾワゾワとした。堪らず指先に力が入ってしまい、雫の胸を鷲掴みにしてしまう。

 

「ぁっ…」

 

悲鳴ではなかった。どこか、鼻にかかる上ずった吐息に私の心臓が跳ねた。

ドキドキ、ドキドキ。胸を掴んだ指先からも、雫の鼓動が伝ってくる。

 

「動かないでって言ったのに…」

 

唇を尖らせ、不満を口にしながらも、歯切れは悪い。

細い指を震わせて、私の手を退かそうとはするが、雫の力じゃ全く足りていなかった。右手と左手。小さな彼女の手の平に包まれて、けどそれだけ。

 

「なら、やめてと、そう言えば良い。雫、貴女が言うなら私は…」

「それは…ダメ」

「どうして?」

「やめてって言ったら、だって、貴女。ユーレリアは、リットの所へ行くのでしょう?」

 

ああ、なんということだ。自分の鉄面皮を今日ほど呪ったことはない。

胸の内で抱えきれない感情が渦を巻いていた。ニヤけてみたり、頬を染めてみたり、発散するべき感情が行き詰まる。眉根は少し動いたか。肌も僅かに赤くはなった。しかし、その程度の高揚では何を発散出来もしない。昂った感情は、そのまま指先へと跳ね返り、雫の柔肌へと食い込んでしまう。

 

「妬いているのですか? 女と見れば誰とでも寝る不埒者だと…」

「そこまでは言ってないわ。言い掛かりをしないでちょうだい。私はただ、おかしいって言っただけ。リットには貸して上げただけなんだから。ユーレリアは私のものだって最初から…そうだもの」

 

歯切れが悪い。普段の雫からは考えられない はにかみ様だ。

いつもなら私の事など構わず、男根に悪戯を始めているだろうに。指でくすぐられて、舌で舐められて、咥えて貰えるかどうかは彼女の機嫌次第か。

 

「リットリアに、何か言われましたか?」

「そりゃ、嫌いだくらいは言うでしょう?」

「いいえ。言いませんよ、彼女からは。そうと聞けば頷くでしょうが、アレは優しいと言うには少し甘すぎる。説教か、小言か、そんな所だったのでは?」

「分かるんだ…」

「もう、何度も抱いた女ですから」

「ぶぅぅぅぅ…」

 

さて、何が不満だったのか。リットリアに理解を示した事もそうだろう。

重ねた肌を数えた事もそうだったかもしれない。けれど違う。そこを許せないのなら、最初からリットリアの好きにはさせていない。

 

大方、自分が放って置かれているのが つまらないのだろう。

彼女の甘さが自分に向かないものかと期待して、それなのに私とばかり宜しくやっている。

 

面白くはないな。

 

私がいるじゃないか。ハンナドールだってそうだろう。それで不満だと言うなら、捧げた忠誠の立つ瀬がない。

 

「ぁ…っ。だから、だめ…だってば…」

「止めて良いのですか? 浮気者ですよ、私は。辛抱がたまらなくなれば、他の女を代わりにもします」

「怒って、いるの?」

「まさか。寂しくはありますが…」

 

胸を掴んた指を動かそうとして、右手と左手を重ねられる。

雫の小さな手と、細い指は、だけど私に触れるだけで、明確な拒絶は示してこない。空いた手で、彼女の肌を撫で下ろした。行く先を気にするように、しきりと視線が揺れ動く。

 

止めようにも、小さな両手は塞がってしまっている。

慌てて、肌を撫でる手を抑えようとすれば胸を揉まれるし。胸を揉む手を抑えれば、今度は肌を撫でる手が野放しだ。

 

頬に触れ、首筋を辿り、胸からお腹へと。届いた手の平が太ももへと触れた途端、雫は小さく体を揺らして、体を縮こまらせた。

 

そこに、興奮を覚えない者も無いだろう。

 

好いた女の体を開く。まるで、オレンジの身でも剥くかの様にだ。

閉じた太ももの間に手を差し込み、軽く力を込めた。抵抗なんて感じない。

柔らかいだけの肌が多少筋張っただけ。元からの体格差は、力での抵抗をものともしない。

 

絶景だった。

 

ベッドの端に置かれた私の頭。見上げる少女(しずく)の裸体は美しい。

リットリアの体もまだ若かったが、それよりもさらに幼い。二つか、三つか。

出来るかどうかで言えば出来るのだろう。そこに感じる罪悪感や、背徳感は、興奮を燃やす薪に違いない。

 

少女と言うにもまだ幼い。女の子と言ってもまだ許される。

 

ああ、それでも、雫の体は確かに女性なのだ。

 

横になってしまえば、分からなくなる程度でも胸は膨らんでいる。

薄くとも広がったお尻。細い体の線は、腰に向かって くびれを作る。

男女の差。幼さゆえの未分化な体ではない。まだ花咲く前の蕾は、だからこそ、今にしかない魅力があった。

 

少し力を込めて足を開かせると、私の腕を抱きしめるように雫の手に力が入る。

俯いた顔は赤く染まり、吐息は熱を孕む。降りた前髪(カーテン)の向こうに浮かぶ瞳は、涙で揺れているようだ。

 

「何を、して欲しいですか?」

「…」

 

返事は返ってこない。私の腕を抱えたまま、雫は足を閉じようとして、しかし私はそれを遮った。太ももに手の平を押し当てて、更に足を開かせる。

広がった腰が作る、なだらかな鼠径部。オヘソから、下腹へと続き、足の間にあるのは当然、彼女の入口だ。

 

未使用と言われて、誰も疑いはしないだろう。

 

綺麗な縦筋は、ピタリと閉じたまま。けれども、涙の揺らめきとも違う光が、ぬらりと光る。くちゅり…。傷つけないように、ゆっくりと、自分で思う以上に優しく触れる。ケーキを飾る生クリームを掬うイメージでも、まだ乱暴だったかもしれない。

 

中指で筋を辿ると、指の腹が湿り気を帯びた。

 

人差し指とをあてがって、少し横へと開く。開かれた割れ目は濡れそぼり、綺麗なピンク色が肌を覗かせた。

 

「はっ…ぁっ、んっ…ふぅ…ふぅ…はぁ…っ」

 

恥ずかしいのだろう。当然だ。半ば拘束されて、足を、秘部を開かれる。

後ろからではない。私の頭はそこにはない。ベッドの端の特等席。開かれた足の真ん前に置かれた頭は、彼女の女陰を、流れる愛液の一滴さえ見つめられる。

 

モゾリ…。

 

逃げるように体が動く。お尻が引かれ、薄い尻肉が男根に押し付けられる。

気持ちが良い。ビリっと、痺れるような快感が背筋を伝い、胸を掴む手に力が入った。

 

「ぁっ…」

 

少し、痛かったろうか。零れた吐息は鋭さを増す。

見上げた肌は、赤みを帯びている。興奮の、快楽の灯火ではないのだろう。

ただ、薄い肌を引っ張られ、私の手形が彼女の肌に移っただけ。

 

堪らないな。

 

正直に思う。

 

怒張は膨らみを増して、私は とうとうと 自分から雫の尻肉に押し付けた。

 

「あっ、まっ…やだ。何して、ユーレリア?」

「何とは?」

「だって、お尻…当たってて、貴女の…」

「自分から、押し付けてきたのでしょう? こうもなります」

「そうだけど…。そうじゃないじゃない…」

「ワガママな方だ。自分からするのは良くて、私がするのはいただけないと?」

「それは、そうでしょう? 貴女が勝手にしていい事なんて、何にもないんだから」

「では、ちゃんとして下さい。でないと私も、辛抱が堪らなくなりますよ?」

「んっ…」

 

言い終わると同時に、胸を掴む指に力を込めた。

乳房とも言えない膨らみは、それでも形を変えていく。私の手の中に乳肉が集められて、ちょこんっと、可愛らしく芽吹いた乳首が手の平に擦られた。

 

一回、二回と、胸を優しく揉みながら、開いた割れ目の溝へと指を差し込む。

温かい。いや、熱いくらいか。未熟な性は触れて、綻び、愛液が滴り落ちる。

それを指の腹で掬い上げ、女陰の内側をなぞった。つぅっと、指を這わせた後、隠れた肉芽の上へと指を置くと。

 

「あっ!? んっ…はっ…はぁ…♥」

 

驚いたように小さな肩が跳ねる。ゴクリ…。細い喉を鳴らして、雫は大きく息を吐きだした。

 

「どうしました?」

「別に…なんて、こと、ないわ。何でもないんだから…」

「そうですか。では、こちらもちゃんと動かして下さい」

「んっ…分かってる。いちいち言わないで…」

 

止まっていたお尻に、熱り立った男根をこすりつけると、雫は思い出したように腰を動かし始めた。ゆっくり、というには拙いか。恐る恐るといった動きは、性技も知らない少女が、悪戯にするものではなくなっていた。

 

見様見真似、上手いか下手かで言えば不得手だったろう。

身体の使い方。男の喜ばせ方。物覚えの良さも手伝って、単純な快感だけを得るなら、リットリアの腰使いの方が具合は良い。

 

だがしかし、それ故に誘われる興奮というのはある。

 

いつもは命令する側。尊大に、ワガママに振る舞うことを許されている少女が、自分のためだけに腰を揺らしている。その刺激と光景は心臓に悪い。

今に飛び出してしましそうだ。あるいは、衝動に任せて彼女を壊してしまいそうにもなる。

 

くちゅり…。

 

聞こえた水音は、愛液のモノだけじゃない。

お尻に、腰に、背中に、擦られ続けた男根の先から先走りが溢れ、ヌルリと、滑りが良くなっていく。

 

「もう、終わり? 精液、でた?」

「そんな訳が無いでしょう? ほら、貴女も準備をして下さい…。ただでさえ小さいのですから。良くしておかないと…」

「あ、やだ…。かお、近づけないで…」

 

ベッドの端に手を伸ばした私は、自分の頭を掴まえると、雫の足の間へと押し付けた。陰唇と、唇とを触れ合わせてキスをする。息を大きく吸い込むと、甘酸っぱい少女の香りが胸を膨らませた。ちろちろ…。舌を出して女陰を舐める。舌先で掬った愛液を、啜るように飲み込んだ。

 

ゴクリ…。

 

胸の中で膨らんだ少女の香りが強くなる。

吐き出した溜息の中から、鼻にも抜けて、頭の中まで甘酸っぱく、熱っぽい香りに包まれた。

 

「んっ♥ ぁっ、ゃっ…♥ はぁ、はぁっ…。やだ、ゆーれり、あ? 舐めちゃ、吸うのも…だって、あっ♥ んっ、腰、おちん、ちん。おしつけ、ちゃ…動くから、だから…あぁっ♥ そんな舐められると…上手に、できなっ♥」

 

ビクビクと腰が震えている。割れ目を舐める度に、雫の体は甘く痺れて、力が抜けていくようだ。男根を揺すっていた腰の動きすら覚束ない。堪りかねた私は、自分から腰を押し付けた。

 

ヌルリ…。尻の谷間に男根を押し付け、ぎゅっと、胸の膨らみを掴み直す。

我ながら器用なものだ。下から乳肉を集めるように掬い上げ、円を描くようにと動かした。丁度、手の平に乳首の先が擦れるようにだ。

 

それと同時に、伸ばした舌先を割れ目の隙間に差し込んだ。

 

さっきより奥へと沈む。開かれた割れ目の向こうから、ドロリ、溢れた愛液が舌の上へと流れ込んできた。ゴクリ。またソレを飲み込んで、ペロリ、陰核を舐め上げる。

 

「あぁぁっ♥」

 

腰が弾んで背筋が伸びた。

 

小さな体を震わせながら、雫は甘い悲鳴を響かせる。

ああ、少し惜しいか。私の頭が、ちゃんと首についていれば、その悲鳴を耳元で聞けていただろう。

 

けれど、けれどだ。

 

雫の女を舐めながら、胸を揉みしだき、男根をこすりつける。

チグハグな体でこそ、得られる快感はずっと強い。

 

「あっ! や、まっ、て。ゆーれりあっ、だめっ、そんな、すっちゃっ、んっ♥ お胸っ、おっぱいも、だって…♥ んふっ、はぁはぁっ、んぁっ♥ だめっ、止まって、止まって、じゃないと…わた、あ、あ、あっ…ぁぁぁ」

 

ああ、雫の嬌声が頭に響く。

ああ、乳首の先が手の平に擦れてくすぐったい。

ああ、雫の匂いで息が詰まる。

ああ、擦り付けた男根が今にも破裂してしまいそうだ。

ああ、今にもメチャクチャにしたいのに、私はなんて意地が悪いのだろう。

 

「あ、あ、あれ? ゆーれり、あ? なに? どうした、の?」

 

甘えるような声が、切なげに私を呼んだ。

絶頂の間際で お預けになった少女の体は、ビクリ、ビクリと、余韻だけでも達してしまいそうに震えている。

 

無意識か。先を促すように雫の腰が揺れていた。愛液はトロトロと割れ目から溢れ出し、ピタリと閉じていた割れ目は、すっかりと綻んで見える。

 

「どうかしてるのは、雫、貴女の方だ。一人だけで達してしまいそうになるなんて、端ないとは思わないのですか?」

「端ない? 貴女こそっ…。レディを喘がせて、こんな…こんなの…」

「ふふっ…。それは失礼をした。では、今日は終わりましょうか?」

「へ…」

 

漏れた吐息に不満が混ざる。当たり前だ、こんな所で終れる訳が無い。

私も、彼女も、欲求不満で一杯だ。「挿れて欲しい」「挿れさせて欲しい」後はもう、どっちが先に口を割るかだが。幸いにも、雫の我慢弱さは私が一番良く知っている。辛いのはお互い様かもしれないが、私が負けることだけは無いだろう。

 

ただの振りだ。

 

膝の上から下ろそうと、雫の体を持ち上げた。

 

軽い。余りに軽すぎる。

 

小さな体は あっさりと持ち上がって、尻肉に抑えられていた男根が大きく跳ねた。

 

「あ、やだっ…。ま、ゆーれり、あ。だめっ、だめったら…んぅっ」

 

もぞり、もぞり、小さな体が揺れる。

右手と左手が、私の腕を抱きしめた。だらしなく伸びた足の間から、愛液が滴り落ちると、上向いた男根を濡らしていく。

 

「ダメ…とは?」

 

訪ねながら、私は彼女の体を抱きすくめた。

胸板と、背中がくっついて、浮かんだ汗に女の体が滑り落ちていく。

心地が良い。肌と肌とを撫でる感触だけでも、達してしまいそうな予感はあった。

 

「んっ♥」

 

滑り落ちた雫の体は、ちょうどそそり立った男根に受け止められた。

肉竿に、割れ目が押し付ける形で動きが止まる。女の気配に気を良くした男根は角度を上げて、独りでに潜り込もうとするようだ。

 

「おちん、ちん…。だから、ね? これを、その…」

 

堪らないだろう。想像には難くない。

絶頂間際の体。その女陰に、男根をあてがわれる。私とて、射精寸前にそんな事をされては無我夢中になっていた事だろう。

 

私の腕を抱きしめていた右手が離れると、細い指が割れ目に伸ばされた。

人差し指と、中指と、私がそうした様に、自分から彼女は割れ目を開いてみせる。

 

私は何も伝えない。

 

私は何も動かさない。

 

雫の泳いだ視線が、時折私を見下ろすけれど、努めて無視をする。

 

「挿れ、て? ね? ユーレリア…。意地悪しないでよぅ…。浮気者って、言ったの…悪かったから。そんな事…思ってなんか、無いから。リットに取られたみたいでイヤだったの。貴女は私のモノなんだから。私のこと、放ったらかしにするのは、違うでしょう? だから、だから…」

 

んひっ…!?

 

悲鳴、だったかもしれない。嬌声混じりの声ではない。

やはり、どれだけ慣らしてはいても、私のモノでは彼女のアソコには大きすぎた。

 

ミチっと、入口が裂けそうだ。

メリっと、ねじ込む感覚でさえある。

 

それでも雫は自分から腰を落とし、私のモノを受け入れた。

私の方も、今更止まれない。亀頭の先が、彼女の割れ目を開いた時点で、理性なんか吹き飛んでいた。

 

ただ、奥へ…。

 

彼女の体が浮き上がる。衝動だけに突き動かされた私が、自分を取り戻したときには既に、男根が、その根本だけを残して雫の胎内に入りきった後だった。

 

「あっ、あっ…ぃ、これ、もう、ちょっと…ちっちゃくは」

「むっ、むぅ…そう、は、言われても。まって、ください。少し…すぅ、はぁ…」

 

苦しげな懇願に、ようやく私は自分の手綱を握り直す。

戦いの最中にするように息を整え、自分を抑え込むと、滾っていた性欲は確かに落ち着いていった。

 

「…萎えさせろとは。ん、ふぅ…。言ってないのだけど」

「いや、しかし…これは。流石に…ぅっ」

「あっ、やだ…まだ、おく…挿っちゃ…」

 

下手に縮めたせいだろう。余っていた根本まで、ズルリ、彼女の中に挿りこむ。その刺激は、繋がった向こう側で、再び硬直を促した。

 

「雫…。諦めて下さい。挿れろと、欲しがったのは貴女ですっ、くっ」

「言わせたのはっ、あっ、ゆーれりあ、貴女、でしょうっ、ひぅっ♥ うごい、ちゃ…ぁっ、あっ、あぁぁっ♥」

「動かなければ、終われもしません。それに…随分と、いい声でっ、はっ」

 

それが堪らなかった。

 

穿つだの、抉るだの。挿入というよりはもっと、乱暴な表現の方が正しい まぐわい は、けれど強烈な快感になって私に返ってくる。征服欲と、支配欲。罪悪感と背徳感。ぴっちりと、隙間なく男根を締め付ける媚肉の悲鳴も手伝えば、何をどうしたって情動は高まっていった。

 

もっと、もっとと、腰が動く。

 

私の腰の上で、雫の小さな体がボールの様に弾んでいた。

持ち上がっては落とされて、その勢いで、亀頭が奥へと突き刺さる。

痛いのか、苦しいのか。彼女は背筋を反らせながら、私の腕を掴んで離さない。

 

「あっ! やっ、はげっ、しっ…。ゆーれり、あぁっ。だめっ、ぇぇっ、あ、そんな、そんなっ、しちゃ、んひっ、んふっ、はぁ、はぁっ、ひゃぁぁっ!!」

 

その悲鳴でさえも心地が良かった。

ぐちゃり、ぐちゃりと、男根が突き上げられる度、私の目の前で、小さな割れ目が泣きじゃくっている様だ。目いっぱいに、無理やり開かれ、男を咥えこまされる。奥まで入り込み、押し出された愛液が、びゅっと、隙間から吹き出した。

 

降りかかる愛液を頭から、頬から、滴らせながら、私は目を見開いていた。

自分の目の前で、自分が犯す少女の痴態に、目が離せない。頭が焼き付くようだ。突き上げてくる情動を、そのまま吐き出してしまいそうになる。

 

「はっ、はっ、あっ♥ あぁぁっ♥ わた、し、ゆーれりあぁぁっ♥ だめっ、そんな、したら、されたら、だめに、だめになっ、ひゃぁ♥」

 

壊れそうだ。壊してしまいそうなのに。けれど、女性の体は頑丈だった。

中を抉る度、キツイだけだった媚肉の感触が、次第に私を受け入れ始める。

押し込むと同時に、力が抜けて腰が落ちた。引き抜くと同時に、媚肉が締まり、男根を その全部で舐められる。

 

逃げるようだった腰の動きは、私に合わせるように動きを変える。

 

奥まで挿ってきた肉竿を掻き回し、抜きやすいようにと腰を持ち上げる。

ぐちゅっ、ぐちゅっ。愛液の飛沫を上げながら、だんだんと交合が深くなっていく。

 

腰が浮き、引き抜かれ、腰が落ちては、突き上がる。

 

一突き、一突き毎に、感じる快感は大きくなった。

具合を確かめるように。それも、お互いが気持ちよくなっていくと、見境が無くなっていく。ペースを上げて、快感が増して、息が上がって、理性が溶ける。

 

「はぁっ♥ あっ、あっ、ぁぁぁっ♥ ゆーれりあ、ゆーれりあっ♥」

 

雫の甘い悲鳴が響く。私の名前を呼びながら、泣き声を上げ続けている。

痛みも、何も、快感に湯だった少女の体は、刺激の全部をソレと受け止めた。

膣が締まり、男根が絞られて、昂った射精欲が根本で圧力を増していく。

 

まだだ、まだだ。

 

この快感を、もっと味わっていたい。

 

けれど、けれどもだ。

 

この娘の中に、この娘の中を、自分で埋め尽くしてしまいたい欲求は大きくなるばかり。

 

「やっ♥ やだぁ、もう、むり、いっちゃ♥ わた、ゆーれりあぁ。ん、んふっ♥ あ、あ、あ、あっ♥ っっっっっぅ♥」

 

けれども、先に耐え切れなくなったのは雫の方だった。

小さな体を大きく震わせて、私の腕にしがみつく。絶頂の快感は、それでも飽き足らず彼女の体を突き上げた。ズキッとした痛みに、私の腕が痺れる。

悲鳴を上げて、首を振り、絶頂の快感を少しでも逃がそうと、雫が私の腕に噛みついていた。

 

その痛みが、呼び水にでもなったのだろう。

 

ギリギリで耐えていた射精欲に穴が開く。ゾクリ、快感が背筋を走り抜け、一瞬と、頭の中が白くなった。男根が震え上がる。亀頭が膨らみ、その奥から一気に精液が吹き出した。

 

ドクン、ドクン、ドクン…。

 

一回、二回、三回と、数えてもまだ終わらない。

 

震える度に精が溢れ、視界が白くなるほどの快感に包まれた。

雫の下腹が、薄っすらと膨れ上がっている。そこにある男根が震えて、媚肉が縮こまって、ドクンとして、ゾワっとして、お互いの快感が目に見えるようだ。

 

「あぁぁぁ♥ はぁ、ふぅっ♥ んっ、でて、ゆーれりあ…♥ おちん、ちん…♥」

 

精の熱を受け止める度に、雫は小さく体を震わせた。

もはや悲鳴を上げる体力も残っていないのに、小さな女の体は、それでも男の熱に浮かされ続ける。

 

うっとりと、しているようでもあった。気をやるほどの快感に、雫の理性はすっかりと飲み込まれてしまっている。腕に噛みついていた口から力が抜け、薄っすらと、涎が零れ落ちる。瞳は焦点を合わせないまま、ただぼぅっと、繋がった私達を見下ろしていた。

 

「ぁっ…♥」

 

男根が爆ぜて、下腹がビクっと縮こまる。

 

熱くて、湿っぽい、恍惚とした女の吐息だった。精を注がれる自分の腹を見つめて、雫は静かに吐息を零す。

 

「はぁ、はぁっ…。んっ、もう、良いの?」

「はい。良い具合でした」

「そう…」

 

気だるさを感じる声は、それでも、何処か満足げに響いていた。雫の全身から力が抜けていく。張り詰めていた男根も萎え始めると、繋がっていた二人の隙間から、いよいよと白濁液が溢れ出してきた。

 

「あはっ…。はぁ…。一杯だわ、大変ね、こんなに…」

「それだけ、具合が良かったのですよ」

「リットのより?」

「内緒ですよ? アレも女です。そんな事を言われては、拗ねてしまいますから」

「知らないわ。言ってやるんだから。貴女は精々、慰めて上げるといいのよ、ユーレリア」

「困りましたね、雫。それではまた、貴女にヤキモチを妬かれてしまう」

「ふふっ。良い気味だわ。浮気者にはちょうどいいのよ」

 

からかうように笑う雫は、すっかりと機嫌を戻しているようだ。

私の頭を拾い上げ、ぎゅっと、胸の内にしまい込むように抱え込む。

 

おでこに感じる胸の膨らみ。上気した女の肌に浮かぶ珠の汗と、その匂い。

行為の後の気だるさは、たったそれだけ吹き飛んでしまった。

下腹に血が戻り、ドクンっと、波打った心臓に情動が叩き起こされる。

 

「え、あっ、きゃっ…何、何よっ、急に…」

 

小さな雫の体に、大きな影が落ちる。彼女の胸に抱かれていた私は、そんな光景を見上げる形で見つめていた。押し倒され、体を開かされた少女には、偉丈夫を押し返すだけの力は無い。ただ、潰されないように、硬い胸板に手の平を押し付けるので精一杯。

 

「怒ったの? 浮気者って…また言うから?」

「いいえ。いや、そうかも知れませんね」

「えと、ユーレリア? あのね? ちょっとだけ、まって? ちょっとでいいの…ね? だから…」

「いいえ、待ちません。待てませんよ。誘ってきたのは貴女です、もっと楽しませて下さい」

「でもっ、でもっ、あ、あ、ぁぁっ…♥」

 

再び、張り詰めた男根を雫の割れ目にあてがった。

半ば強引に足を開かせて、二度目の挿入。最初よりも具合が良くなった彼女の中に、気を良くした私は遠慮なく腰を突き挿れた。

 

ぎぃっと、深くベッドが沈み込む。

 

「ぅっ! ぁ、あぁ、あぁぁっ…」

 

息苦しいのだろう。偉丈夫に押しつぶされた雫が呻く。ぐちゅっと、怒張が子宮口を突き上げた。愛液と、残っていた精液が割れ目の隙間から溢れ出る。ペタペタと、小さな手に胸板を押し返されるがそれも無視。抽挿を繰り返す内に抵抗は弱まり、私の身体に細い指が食い込んだ。

 

「まってっ、本当に、まってってっ、んぁっ♥ はげし、そんならんぼ、しちゃ、はぁはぁっ、ひぅ、ふぅ、ふぅっ…あぁっ♥」

 

押しつぶすような勢いで腰を突き入れ、口を開かせる。

欲望のままに、女を犯す快感は最高だった。グリグリと、ザラつく奥の媚肉に亀頭を押し付ける。二度目、三度目、絶頂を重ねた雫は体を震わせて、蠢いた媚肉は精を絞り出そうと躍起になった。

 

「その割に、随分と感じているではないですか? もう何度目ですか? 達しているのでしょう? それとも降りてこれませんか? ぎゅうぎゅうと、私を咥えて、離してもくれません」

「ちがっ、そんなこっ…あっ…♥」

「分かります。具合が良いのでしょう? 奥の方をっ、んっ、無理やり開かされるのが。さぁ、もっとこっちに、来て下さい。私もまたっ」

 

細い腰を抱きかかえ、小さな背中を抱きしめる。

絶頂を繰り返した彼女の反応は鈍い。抱きかかえられて、抱きしめられて、私の胸板に爪を立てるのがやっとだ。その痛みに、男根が大きく震え上がる。残っていた精液の全部を押し出すように、私は腹に力を込めた。

 

ドクンっと男が震えて、ビクンッと女が靡く。

 

口を開かせた子宮の中へと直接に、精液を吐き出した。

 

そこに愛情などあったかどうか。

 

感じている快楽、今の肉欲こそが私達の全部を満たしていった。

 

ーーーー

 

ばっ…と、燦々と輝く陽の光を受け止めて、白いシーツが広がった。

それが、一体どういう手品なのか。ユーレリアは素直に感心していた。

 

女の細腕。その指では、さぞかし難儀しそうな事を、ハンナドールはたった一振り、腕を振っただけだ。それだけで、皺の寄ったシーツはピンっと張り、木の葉が舞い散るような柔らかさで、物干し竿へと収まった。

 

「手伝おうか?」

 

自然と口に出る。軽やかには見えるがやはり、水を吸ったシーツが軽い訳がない。一枚だけならいざ知らず、それが何枚も重なれば結構な重労働だろう。

 

「かなしい…」

 

けれどハンナドールは首を振り、いつもの調子で涙を見せた。

 

「物忘れは頭だけになさって? また穴を開けられては仕事が増えてしまうから」

「…そうかい」

 

根に持つなぁ。以前にビリっと勢い余ってしまったことを思い出す。

なにか、信じられないものを見た顔をするハンナと、腹を抱えて笑い出す雫に挟まれて、居心地の悪さと言ったら無かったが。

 

「お前は、大丈夫なのか?」

「何のことでしょう?」

「知らん顔で とり殺しはしないかとな」

「かなしい…。そんな女に、私がみえて?」

「ああ」

「…」

 

沈黙だった。

 

静寂が訪れる。

 

ばっと、シーツの一枚が広がって、物干し竿に干された白が旗の様に揺らめくばかり。

 

「枕…ちゃんと抱いて眠りなさいね、ユーレリア」

 

底冷えのする声だった。朗らかな陽気が色を失くした様にも感じてしまう。

 

気が短すぎる。

 

散々人をからかって、自分がからかわれたらコレだ。

 

「あいにくと、枕に置く頭は無くてな」

「残念ね。次に見つけたら花瓶にでも差して置くわ…」

 

はぐらかされたか。はぁっ…と、小さく息を吐いたハンナドールはそれだけで、残った洗濯物を片付け始めてしまう。

 

「拾ってきたネコの世話を任される気分、とでも言えば良い? そうでなければ、誰が人の情事の後始末なんてするものですか」

 

チクリ…チクチク。

 

湿っぽい女だ。

 

口を開けばしくしくと、言葉が続けばチクチクと。

 

身に覚えがあるだけに、反論の言葉もない。手伝おうと言ったのはだって、自分が汚してしまったシーツも含まれているからで。

 

「そうかい…。邪魔したな」

 

退散だ。

 

あるいは、嫉妬でトチ狂ったりしないだろうかと心配したが、彼女なりに折り合いはついているようだ。そうでなくとも、物干しの手伝いくらいはしようかと思ったが、辞退されてしまっては手持ち無沙汰に過ぎた。これ以上ここにいても、チクチクと、いらん事まで蒸し返されるだけだろう。

 

「ユーレリア?」

「なんだ?」

「彼女に聞いて置いてもらえない? なにか、そう…嫌いなものだとか?」

「弱みでも握るつもりか?」

「…。かなしい、ただの善意ですのに」

 

なんだ、その間は。そんな手もありますね、みたいな顔をする。

 

「下心がないなら自分で聞けばいいじゃないか。そこまで避けられてるわけじゃないのだろう?」

「ですけど。彼女、私に話しかけるなと。酷いですよね? いちいち驚いて、悲しくなってしまいます」

 

しくしくと、頬を濡らしては見せるけど、その涙に悲しみの気配はない。

私も、雫でさえも、最初こそは驚かされていたが、今となっては慣れたもの。

久しぶりに驚いてくれるオモチャを見つけて、年甲斐もなくはしゃいでいるのが見て取れた。

 

「はぁ…。とりあえず、耳元から話しかける癖を直したらどうだ?」

「???」

「不思議そうな顔をしないでくれ。私が間違っているみたいだ」

 

ーーーー





私で童貞捨てたくせに、一度言ってみたかった。

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