同情はする。そういったのは嘘ではない。
聖女などと持て囃されて、こんな所までノコノコやってきた少女を、憐れに思うくらいはするさ。あの国は、まだそんな事をしているのかとも。自分が使い捨てにされたと知った時、はたしてこの娘は、どんな顔をするのだろうな。
ガキンっ…!
剣戟の音と共に火花が散った。
「少し、つきあってくれませんか?」
リットリアの言葉に、ユーレリアは頷いた。
開けた庭の一角。小脇に生首を、空いた手には大剣を。首のない甲冑は、金髪の少女が振るう剣を軽々と受け止める。
昨日まで、部屋で塞ぎ込んでいた少女が一体なんのつもりか。
意趣返し、お礼参りも良いだろう。八つ当たりのような恨み言にだって、付き合うつもりでいたが、彼女が私に望んだものは「剣を見て欲しい」と、真っ当な師事だった。
「もう、良いのか?」
「良いと思いますか? んっ! 正直…。以前の自分がどうだったかなんてっ」
「だろうよ。過保護なんだ、ハンナドール(アイツ)は。雫の事になると容赦がない」
「それはっ。貴女も同じでしょう?」
「ははっ。違いはないが…」
ガキンっ…!
剣を大きく弾かれたリットリアは、後ろに飛んで仕切り直す。
動きは悪くはない。最初に打ち合った時ほどの精細さはないが、それでも、熱心に励んでいた名残りはあった。
好きか嫌いかでいえば。まぁ、好ましい。
雫の手前でもなければ、真っ当に受け合っても良かったと思うほどには。
「それで? どういうつもりだ?」
「別に…。退屈だっただけですよ。習慣、でしょうか? 落ち着かなくって。貴女こそ、良いんですか? 私に剣なんて…。自棄を起こさないとも限りませんよ?」
「そんな元気があるなら上等だ」
「そう、ですか…。なら、遠慮なく…」
殺気、ではないのか。大したものだ。
この状況で、まだそんな真っ当な闘気を膨らませられるとは。
だが、ダメだ。
「死にたいのか、貴様は」
その足は、死地に踏み込みすぎている。命を投げ捨てる一撃。
せめて一矢報いたいと、そういう類の無駄死にだ。
踏み込んできたリットリアの頬に、拳の裏をあてがった。大剣なんか使えない。
そんなものを一振りと翳せば、彼女は大人しく首を差し出していただろう。
「あぐっ…!」小さな悲鳴と共に、転がっていくリットリアの体は軽かった。
踏み止まろうと、踏ん張る意思すら見当たらない。剣を投げ出し、地面に転がって。這いつくばったリットリアは、小さく肩を揺らし始める。
くつくつ…、くつくつ…。
それは、確かに笑っていた。何がそんなに可笑しいものか。
ハンナドールに可愛がられた後だ。気でも狂ったのかと言われれば、そりゃ正気ではいられないだろうが。
「あはははっ…死にたい? そりゃ、そうでしょう? 皆…私のせいで死んだんですよ? 私が負けちゃったから、貴女にも勝てなかったから、だから…。
クライストも…誰も、助けられなくて。なのに、皆私を助けようとしてくれて…。自殺すら出来ないじゃないですか…。皆が助けようとしてくれた命なのに、私が勝手に死ねるわけ無い…。でもっ…! のうのうと生きてるなんて…。毎晩、毎晩、夢に見るんです…。ううん、起きてる時もずっと、聞こえるの。お前のせいだって、どうしてって、私…ごめんなさいって、言うしか出来なくて…。誰も、許してくれないの…だってっ…だってっ…」
自分が自分を許せない。
真面目が過ぎる。その夢は、自縄自縛に陥った自分のせいだ。それでは、いつまでも許される事はないだろう。
「せめて…貴女になら。貴女に殺されるなら、良いやって…。それでも、良いって思っちゃった。同情、してくれるんですよね? ほら、もうお手上げです。負けちゃいました…。トドメ、さしたら良いじゃないですか。敵なんですよ、私? 貴女達の大切、奪いきて…。自業自得、良い気味でしょ? もう、終わらせて…」
笑いながら泣く少女は美しかった。
砕けたステンドグラス。あるいは、万華鏡(カレイドスコープ)か。
惜しいと思う。この涙も長くは続くまい。凍りついた心が、ギリギリ残った熱に溶かされているだけ。今に涙は止まって、反応がなくなるのも近いだろう。
度し難いな。
笑いながら泣き晴らす少女を美しいと思った。
食指が動く。言ってしまえば劣情だ。最初に抱いた時からそうだ。仲間のために身を捧げて、歯を食いしばり、羞恥に震える顔ですらも美しかった。
悪癖だと。雫を咎める事も多いが、その気持ちを分からないでもない。
肉棒が熱くなる。
また、この女を犯したいと、後付にされた私の男が吠えた。
そうだな。心残りが一つ。その命を要らんと言うなら、私が貰おう。
まだ、この少女に心がある内に抱いておきたい。雫の悪癖などではなく、自分の手で嬌声を上げさせて見たかった。
ー
「来い…」
ガシャリ…。金属の掠れる不快な足音が響く。ユーレリアの太い腕が、リットリアの細腕を掴むと、強引に立ち上がらせた。
優しくなんかない。
ただ、腕を掴まれ、引きずられただけ。
無理やり体を起こされたリットリアは、転けそうになる足を、なんとか動かすのでやっとだった。
ドンッ…。
背中を叩かれるような感覚だ。木立の陰、太い木の幹に放られたリットリアは、よろよろと、その場に崩れ落ちる。
「…」
なんでも良い。もう、どうだって…。
自分の体を抱きしめ、恐怖に震える体を抑え込む。怖いだなんて、まだ思うんだ。
自分の覚悟の無さに、失笑すらも出てこない。祈るようにと目を閉じる。僅かに顎を持ち上げて、自ら首を差し出した。
「何を怯えている? 死ぬのが怖いか?」
「怖くない人なんて…」
「いるぞ。本当に諦めたやつは、あっさりと受け入れるもんだ。お前はまだ、違うだろう、リットリア?」
「…」
答えない。答えられない。
ユーレリアの言う通り、死んでいった彼らを思えば、私が勝手に死ぬなんて許されない。けれど、もう、疲れちゃった。クライストに褒めて貰うことだけが、私の頑張る理由になってしまっていたから。
私を褒めてくれる人はもういない。
けれど、私が自殺したって、彼が褒めてくれないのも分かっている。
ユーレリアの言う通り、ギリギリその一点だけが、私の命を繋いでいた。
「ごめんなさい。ワガママに、付き合わせました…」
「構わない。だが、私が拾った命だ。お前には、付き合ってもらうぞ」
「何を…? んっ…!?」
唇を奪われた。
あんまりに突然で、目を見開いてしまう。
目の前には女(ユーレリア)の顔。私に影を落とすのは、大柄な偉丈夫の体。
目の前の偉丈夫は、腰をかがめることもない。両手に抱えられた頭が、私に視線を合わせると、その唇を押し付けられる。
「っ、はっ、はぁっ…なっ、なにをっ、して」
口づけは一瞬だった。薄い肌が触れ合って、はっとした私が、慌てるまでの僅かな時間でしかない。
これも、慣れなのかな。
少し前の私なら、嫌だと言って、ユーレリアの事を振り払っていたはずなのに。
悪い夢を見続けた私には、そんな勇気は湧いてこない。大きくなった声は、すぐに尻すぼんでしまう。男たちに身を捧げてまで、自分を貶める。染み付いた負け犬根性に、すっかりと私はしつけられてしまっていた。
「どうした?」
「え、あ…ぃぇ」
真っ直ぐな視線だった。あんまりにも真っ直ぐすぎて、少し怖いくらい。
不器用な人なんだと思う。私の頬を撫でた指先からは、気遣うような仕草が感じられた。笑顔の一つもあれば、格好良かっただろうな。物語の王子様みたいな。私はきっと、頬を染めてしまっていただろう。
「貴女こそ…なん、ですか? 急に…こんな、キスだなんて」
「唇を差し出したのはお前だろう?」
「…冗談なんて、言うんですね」
同性同士で? と、言っていいものか。
顔はどれだけ綺麗な女性でも、その分だけ、男らしい体に目が奪われる。
「なに、靡かせてみたくなったのさ」
「…口説いて、るんですか?」
ふっと、小さく微笑まれた様な気がした。
靡かせたいと言う彼女。冗談とも、本気ともつかない。笑って見えたのは一瞬だけで、気のせいだったのかとも思ってしまう。
「似合わないか?」
「…知りませんよ」
真っ直ぐな視線を見てられなくて、目を逸らす。
口説かれた経験なんて一度もなかった。けれど、恋をした経験ならある。
誰かを欲する強い想い。私を見つめる瞳には、確かにそれはあって、その瞳に映るのは、頬を染めた私の横顔だ。
勝手に、すればいい。
強引にされないだけマシなくらいだ。
求められれば断れない。自分の悪夢に、散々しつけられたことだ。嫌がったって、余計酷いことをされるんだから、大人しく従っていた方がいい。何かを考えるのですら無駄。
男たちに媚を売って、犯される。
言われるままに声を上げて、感じて見せれば、何も考えなくって良い。
最低な自分を演じているうちは、少しだけ、気分が楽になったから。
「…好きに、したらいいじゃないですか」
自分から、服に手をかける。胸元をずり下げ、胸の膨らみを見せつけた。
動いた後の汗ばんだ肌が、外の空気に冷やされる。ヒヤリとして、でもそれだけ。外で裸になる。あるべきはずの羞恥心は麻痺したまま。裸を見られることに対してすら、私の心は、まったく動かなくなっていた。
「気前がいいな?」
「同じことでしょう? どうせ、するんだから…」
「投げやりだな、随分と」
「ご不満なら、泣いて見せてもいいですよ? おちんぽ下さいって、懇願すれば満足でしょうか?」
頬を撫でていた指が止まる。気のせいか、優しげにも見えたユーレリアの顔が少し曇った気がした。それでいい。生意気だと頬を引っ叩けばいいんだ。
それで、私も目が覚める。靡かせたいだなんてそんな事。バカにしないで欲しい。こんな、どうしようもなくなった私でも、意地はあった。
ガシャリ…、バラバラと、彼女の纏っていた鎧が外されていく。
そこから現れたのは、大柄な偉丈夫の裸体。私が背にする木の幹よりも尚逞しい。鎧の上からでも見た通り、美しい女性の頭を抱えながらも、首から下は、まったくの男性だった。
「っ…」
目を逸らしてしまった。堪らず頬が熱くなる。
悪夢の中で、繰り返し、繰り返し、男を覚えさせられた私は、嫌でもそれに反応してしまっていた。
男の陰茎。
熱く滾った肉の棒。
きゅんっと、下腹が疼きだす。ドクンっと、心臓が高鳴った。
「結局…貴女も…」
「結局は、なんだ?」
「いいえ…。貴女には権利がありますから…」
差し向けられた彼女の陰茎に、自然と指を伸ばしていた。
跪き、祈るような手つきで陰茎を包み込む。少し前まで剣を握っていた指先は、今や男を喜ばせるためだけに使われていた。諦めに身を任せた私は、すんなりとそれを受け入れる。それどころか、心の片隅で喜んでいる自分さえ見つけていた。
「いや」「やめて」「ゆるして」叫んでいたのも、最初の数回だけ。
悪夢を繰り返す内に、だんだんと、自分の声色が変わっていくのが分かる。
慣れていくの。その方が、楽だったから。男のモノを受け入れて、咥えて、扱いて、いつまにか身体は熱くなっていく。
白状すれば、快感すら感じていた。
壊されていく。メチャクチャにされる自分の格好を、どこか遠くで見つめる私がいたんだ。いい気味だと思った。同時に、ゾクゾクと、心が震えてもいた。
もっと。一つ思えば、さらに激しく犯される。快感を感じれば感じるほどに、頭の中は静かになった。私を指差す声が、聞こえなくなるんだ。責任も、葛藤も、その何もかもから開放される。
「んっ…♥」
逞しいと、思ってしまった。
クライストのモノよりも、私を囲った最低な男たちのモノよりも。
触れた指先に感じる男の気配。直視してしまった陰茎の大きさから目を逸らす。
恥ずかしいの? なんだか顔が熱かった。嫌悪感からじゃない。
とくんっと、小さく跳ねた胸の鼓動は、むしろ温かいくらいで、冷めていた私の心に熱が戻るようだった。
ああ、そうか。
この陰茎が、正しく私の純血を奪ったモノなんだ。
どれだけ夢の中で犯されようと、想い人に純血を捧げてみた所で、私を犯した陰茎は、ただこの一つだけ。なんだろう? そう思うと、少し体が落ち着かなくなる。
愛おしい?
頭に浮かんだ言葉を振り払う。愛された訳じゃない。あれはただの強姦でしかなかった。夢と同じだ。あそこから私の悪夢は始まった。
ちゅっ…。陰茎の先へ、軽く口付けた。
事務的に扱いて、射精させれば良いだけ。声を上げて、喘ぎながら、私自身も快楽に逃げ込めば、何も考えなくて良くなるはずなのに。私の唇が触れた途端、ビクンッと、陰茎が大きく跳ねた。先端から先走りの汁が滲んでもくる。
悦んで、くれるんだ…?
顔色を伺おうと持ち上げた視線の先には、彼女の顔があった。太い男の腕に抱えられた女の生首。男に奉仕する私の顔を、間近で見つめられている。
少し、恥ずかしい。自分に未だ、そんな感情が残っていることに驚いた。
「止まっているぞ?」
「ぁ、はい」
羞恥心から目を逸らすように、目の前の陰茎に意識を戻す。
根本から、先端に向かって指を這わす。血管の浮かぶ肉の棒を撫でながら、亀頭の先にキスを繰り返した。時折、舌を出し、ぺろっと舐めてあげると、気持ちが良さそうに、陰茎が震え上がる。
「ほぅ…」と、彼女の口から吐息が漏れた。
感心、感嘆か。「良い子だ」と、大きな手の平に頭を撫ぜられると、なんだか胸がくすぐったくなる。
何を、やってるんだろう。
これも夢なんだろうか? 繰り返した悪夢のせいで、夢と現実の区別がつかなくなっているみたいだ。自分を負かした相手に使われる。それだって、私がまったく望んでないとは言い切れなかったから。
夢なら、良いのかな? 夢でも、ダメだって。
落ちていく私と、引き留めようとする私がせめぎ合う。
ああ、でも、もう…。心の声は、随分と小さくなっていた。考えることにも疲れ果てていた私は、目の前の状況に流されていく。
褒められて嬉しい。気持ちよさそうにしてくれて嬉しい。
もっと上手にしたら、もっと褒めてもらえるんじゃないか。心に灯った淡い期待に、懐かしさすら感じていた。
「んっ…♥ はぁ、はぁ…んっ」
亀頭へのキスを再開すると、少しだけ、唇を押し返された。
顎で使われるどころじゃない。陰茎に使われてしまっているのに、胸がドキドキと高鳴りだす。
開いた唇の隙間へと亀頭が滑り込み、太い陰茎に口が開かされた。
少し、苦しい。このまま奥にまで挿ってくるんだろうか? 頭を掴まれ、私のことなんてお構いなし。
ぶるっと、背筋が震えた。
体が浮ついてしょうがない。
被虐的な興奮を期待して、肌が熱を帯びる。オナホ代わりに使われる自分を想像してしまった。夢と現実と、どっちが本当の私なんだろう。心はこんなに冷え切っているのに、体はこんなにも熱くして。ダメだって思うほどに分からなくなる。
「どうした?」
「…っ」
けれど、ユーレリアは優しいままだった。
いや、優しくはないか。泣き晴らす少女にこんな仕打ち。自分から首を差し出したとはいえ、やめろと言わないなら同じことだ。ビクビクと、太い肉の塊が口の中で震えている。
私の指よりも太い。
一本、二本、三本と、束ねてもまだ足りるかどうか。
先端からは先走りの汁を零し、それが私の涎と混ざって頬の奥へと溜まってくる。
ごくり…。
飲み込んだ。
躊躇いはなかった。自然と、そうするのが当たり前になっていたから。
胸の内が温かい。ただの先走り、そのはずなのに。自分以外の体温を腹の中に感じると、肌が火照ってしまう。
早く、もっと、たくさん、飲ませて欲しい。
頭を撫でられて嬉しくもなっていた。まるでしつけられた犬みたい。
被虐的な興奮を期待した私と、褒められて嬉しい私の熱が混ざり合う。
止めて欲しい、優しくしないで。私はもっと、酷い目に合わないといけないのに。
ちょっと褒められたくらいで、舞い上がる自分が許せなかった。
それなのに、心の奥で、愛情を求めた私の弱さが、陰茎への奉仕に熱を上げていく。
どうしたらいいの? どうしたらもっと私を褒めてくれる?
上目遣いに見上げた彼女の首は、何も言ってはくれない。
それでも、最初の頃に比べれば、冷めた瞳に熱が浮かんでいるのが見て取れた。
「ん、ちゅっ…はぁ、はふっ…んん、れろ、はぁ、ふぅ…ん、ちゅっ…」
裏筋を舐めながら、深くまで陰茎を咥え込む。
喉の奥にあたって、更に奥へと落ちてきても、まだ根本までは余裕があった。
苦しい。これ以上は飲み込めない。ビクビクと、口の中で震えた陰茎から、先走りが流れてくると、完全に息が詰まってしまう。
「けほっ…!」
堪らず咳き込んだ。勢いで口から吐き出してしまった陰茎が跳ね上がり、先走りと、陰茎に纏わりついた涎とが、私の顔に降り注ぐ。
「あ、あ、ごめ、ごめんな、さい…。ちゃんと、すぐに…」
反射的に謝ってしまう。粗相をした私は、殴られるのが常だったから。
身構える私に、けれど、何時までも痛みはやってこなかった。
「手伝ってやろうか?」
「え、あ…」
熱の灯った瞳で、彼女は私の頬を撫でた。
優しい。けれど、少し強引に顎を掴まえられると、口を開かされてしまう。
ドキドキしていた。被虐的な欲求が、また胸の内に膨らんでくる。
開かれた唇に、亀頭が触れる。
そのまま太い陰茎が中にまで挿ってくると、喉の奥を突き上げられた。
「ぐっ…ん、あっ…ぅぇっ」
苦しい。また、えづいてしまう。
咳き込みそうになるのを何とかこらえていると、陰茎が引き抜かれていった。
唇に感じる凸凹とした肉の形。舌先を撫でる裏筋の感触に、興奮が高まっていく。
ちゅぽっ…。
小さな水音とともに、陰茎が抜けきった。
どこか口寂しい。思ってはいけないこと。決して性交をするような場所ではないのに、口の中を犯されると、ただ使われる自分を強く意識してしまう。
ちゅっ…。
また、挿ってくる陰茎を、今度は自分から受け入れた。
唇をすぼめ、吸い込むように。舌先で亀頭を受け止めると、裏スジを舐めながら、奥へ奥へと誘い込む。喉奥に亀頭が触れて、息が詰まる。また、抜けていくのが寂しくなって、陰茎を咥えたまま頭が前に出てしまう。
「どうした?」
「…」
問いかけに顔が熱くなる。
気づいてしまった。気付かされてしまった。考える暇があるのが いけないんだ。
夢の中では、乱暴にされるばかりだったから。すっかりと、夢中になっていた自分に気づき、どんな顔をしたらいいか分からなくなる。
ビクッと、喉奥で陰茎が大きく跳ねた。
窄めていた唇を押し広げられる。震えた亀頭から溢れた先走りに、精液の匂いが混ざり始めていた。いやだ、と思う。口の中に射精されて、精液を飲まされる。
あの味、あの匂い。喉に絡んだ精を吐き出そうとして、鼻の裏側にまで精液がへばりついた時の、あの刺激。
身震いがするほど酷い様だ。
口からも、鼻からも、精液を垂れ流していた。流れる涙ですら白濁に染まったかの様な有り様を思い出し、とくんっと、心臓が跳ねてしまう。
期待してるんだ。汚されること、貶められることで、やっと、私は許される。
離したくない。
抜け出ていく陰茎を喉の奥へと咥え直す。じゅぽっと、いやらしい水音を繰り返しながら、強請るように頭を前後に動かした。
「良い顔だな、リットリア。男のモノを自分から咥えこんで。そうまでして自分を貶めたかったか? 男のモノなら誰でもよかったか? 酷いマゾっぷりだ。剣の才能よりも、情婦の才能のほうがあったわけだ」
ユーレリアの声が頭に響く。直接耳元で囁かれ、拭き掛かる吐息に頬をくすぐられた。違う。違うと。首を振りながらも、咥えた陰茎を離せない。静かな罵倒の言葉に体が震えて、頬が熱くなってくるのを自覚する。
ぐちゅり…ぐちゅり…。
首を振って否定する程に、膨らんだ陰茎に口の中を掻き回された。
口内への刺激に涎が溢れ出す。射精直前の陰茎から押し出された先走りを何度も飲み込み、ごくっと、飲み込んでも飲みきれない。
だらだらと、口の端から涎が零れていく。私の唾液と、彼女の先走りとが混ざった汁が、ぽつぽつと、開けた胸元を汚していった。
「ふっ、ふぅっ…はっ、んっ、あぁぁっ…んくっ、んくっ…!」
苦しい。辛い。耐えきれずに口を離そうとした。
けれど、今更になって逃げ出す私を、彼女は許さない。頬を撫でていた指に顎を押さえられ、そのまま腰を突き出された。
ぐちゅり…。
亀頭が喉の奥に触れる。口の中で混ざった唾液と先走りが、無理矢理に喉奥へと押し込まれた。「けほっ」えづいて、だけど彼女の動きは止まらない。
ぐりゅり…、ぐちゅり…。ゆっくり、だけど、大きく動く陰茎に、口の中が掻き混ぜられる。息が苦しくなって、頭の中が真っ白になって、その感覚は絶頂の瞬間にも良く似ていた。
ドクンっ…!
口の中で、とうとうと陰茎が爆ぜた。
「くっ…」と、ユーレリアが鈍く呻き、そのまま大量の精が喉奥に流れ込んでくる。
「んくっ、んくっ、んっ…んっ、けほっ、あっ、はっ…ん、んっ…はぁ…」
ごくり、ごくごく。
それを飲み込みんだ。
精の熱が胸に広がり、腹へと落ちる。
濃い。あんまりにも濃い精液だった。
飲み込んでも飲みきれず、喉に絡まった精にむせ返る。咳き込んで、周囲に白濁液を散らしながらも、私の頬は染まっていた。
ああ、なんて酷い様なんだろう。
背筋がゾクゾクと震え上がる。引き寄せた太ももの内側は濡れていて、確かな興奮が滴り落ちる。息をするのもやっとだ。喉の奥へ注がれる精液に、窒息しそうになりながらも、何処かで満たされていく自分がいた。
「良い子だ、リットリア」
「…っ」
大きな手に、頭を撫でられる。
剣を扱う男の人の手。固くて、節くれだった手。クライストの手の平よりも大きいのに、その仕草は何処か優しいまま。手慣れているんだ。きっと、あの子の頭を 良く良く撫でているんだろう。
心地が良い。
素直にそう思う。
冷え切っていた心に、熱が戻ってくるのを感じていた。チリチリと、凍えた指先を、火にかざすような安心感がある。子供扱いされて、少し不満。
私はその手を振り払えない。くすぐったくて、むず痒いのに、心地が良かった。
もっと、撫でて欲しい。
幼心は訴える。寂しい、怖い、辛い、もう嫌、誰か助けて。
そう言って良いはずだった。私はまだ、誰かに甘えられるはずだったのに。
皆が、戦えっていうんだもん。
射精が終わり、口から陰茎が引き抜かれると、私はその場に両手をついた。
その結果がこの様だ。出来もしないことを、出来ると言った私も悪い。
だけど、でも、だって。子どもみたいな言い訳が頭の中をグルグルと回っていた。
「けほっ…けほっ…」
飲みきれず、喉に絡まった精液を吐き出しながら、地面を汚す白濁色に目が離せなくなる。これで終る訳が無い。今度は、秘所に。私の大事な所が犯されるんだ。
指の一本や二本、三本でも足りるかどうか。
あの太い男の陰茎に、少女(わたし)は犯される。
下腹がジリジリとした。愛液が滲んで止まらない。
「何を休んでいる? これで終るなんて思ってないだろう?」
「あっ…」
腕を掴まれ、無理に立たされた私は、木の幹に背中を押し付けられた。
偉丈夫との間に挟まれ、身動きが取れなくなる。
ビクンっ…。
大きく震えた陰茎の先から精液が跳ねた。
飛び散った熱い白濁液は、開けていた胸元に掛かる。どろり…、滑り落ち。
胸の谷間から、服の中へと消えていく。
「ぁぁ…」
零した吐息は熱かった。小さく息を漏らしただけなのに、その音がイヤに耳に残る。服の下を、肌の上を、精液が流れ落ちていく。なんだかくすぐったいけれど、なんだか気持ちが良い。流れ落ちた精液がおヘソに溜まる。押し出されて、流れ出し、下着の端へと吸い込まれていった。
「リットリア」
「はい…」
優しげな呼びかけに、頷いてしまった。スカートの留め具を外し、地面に落とす。なんともない、何にも思わない。そう思っていたはずなのに。濡れた下着が彼女の視線に晒される。薄い布地は愛液で張り付いて、薄っすらとでも私の肌色を透かしていた。
こんなに、なってるんだ。
自分でも、思ってなかった。こうしている間にも、愛液は溢れて、太ももの内側から伝い落ちていく。くちゅっと、僅かな水音が耳に届くと、顔が熱くなって仕方がない。
濡れて、張り付いた下着を肌から引き剥がす。
濡れた下着と私の間で糸を引いた愛液が、つぅっと伸びて、ぷつっと途切れた。
なんで、恥ずかしいなんて思うんだろう。
もう、ほとんど裸だった。
上着だって、まだ着けているというだけ。強引に開いた胸元から溢れた胸は、乳首までも曝け出してしまっている。スカートも、下着も、脱いでしまって。
ユーレリアの視線に晒された秘所は、誤魔化せないほどに濡れていた。
まだ、何処も触れられてはいない。
触れて、飲まされて、飲み込んだだけ。
差し向けられたユーレリアの陰茎に息を呑む。あんまりな体格差に、陰茎の先は、私のおヘソを見つめていた。とくんっと、心音が上がってしまう。太ももを寄せてしまった。目の前の陰茎から、秘所を守るみたいに。割れ目から溢れる愛液を、少しでも隠そうとして。だけど、そんな自分の仕草に、これからの事を想像してしまう。
無理やり体を開かされて、犯される。
ゾクッとした。
期待と興奮に胸は高鳴るばっかり。引き寄せた太ももの内側に、愛液が流れ込んでしまう。
あんなに、出した後なのに…。
喉にはまだ、粘液がこびりついた感覚がある。お腹の中は重たく濁っていて、立ち昇る精臭が感じられるほどだ。
指の一本や二本、三本でも足りるかどうか。そそり勃った陰茎は、真っ直ぐに私を指し示す。
これが、挿ってくるの?
ごくり…。
喉を鳴らすと、へばりついていた精液がまた一つ、腹の中へと落ちていく。
「こっちに来い」
「んっ…ぁ、ぁ…」
端的な命令に、私は逆らえない。彼女に手を引かれた私は、切り株みたいな首に手を回して、つま先を少し持ち上げる。
それでも、まだ届かない。
ユーレリアの身体により掛かると、私の下腹に陰茎が押し付けられた。
ヌメっとする。肌に擦れた亀頭の先は、先走りで濡れていた。くすぐったい。舌で舐められたような感触ですらあった。熱くなってて、固くなってて、ビクビクと暴れた陰茎は、力強く私の下腹を押し返してくる。まだ、挿ってきてすらいないのに。男の存在に震えた私の女は、切ないくらいに疼いてしまっていた。
つま先を持ち上げて、背伸びをする。
勃起した陰茎は、まだ私の秘所にすら触れていない。
ヌルリとして、ビクンと跳ねた。濡れた陰茎が下腹を舐めながら、ゆっくりと近づいてくる。熱くて、固くて、太くって。陰核をなぞる男の気配に、腰が跳ねた。
裏筋に沿うように陰核が擦られ、ビリビリとした刺激に背筋が伸びる。
早く、早く…。胸がドキドキする。急かされるようだった。
もう、支えがなければ立っていられない。つま先が震えだし、次の瞬間にも腰が落ちてしまいそう。ようやく、亀頭の裏側に陰核が触れる。それなのに、私の身体はこれ以上には持ち上がらない。足を開いて、跨がろうとしても、陰核が亀頭に擦れるばかり。
陰核がビリビリする。
腰がガクガクと震えだす。
背筋がゾクゾクして、つま先から力が抜けた途端、陰核を陰茎に擦り付けながら腰が落ちた。
「あっ♥ あ、あ、あ、あっ…ぃぃっぃぅ、ん、ん、ふぅ、ふぅ…♥」
絶頂? 分からない。突然の快感に頭が真っ白になって、息が続かなくなった。
彼女に掴まって、立っているのもやっと。今ですら、こんな有り様なのに。
足を震わせたまま、もう一度、つま先をゆっくりと持ち上げていく。
彼女の身体に掴まりながら、亀頭の裏側が、陰核に触れて、そこから先に進めなくなって…。
マゾだと言われたら、そうかも知れない。
あんなの、中に挿っちゃったら、足…届かないかも。
考えただけで、ゾクッとした。最初に犯された時だって、一突きされる毎に、体が浮き上がっていた。それは、否定的な反応だったかもしれない。けれど、身体からの警鐘すらもう、私の心は期待と受け取ってしまう。
「どうした?」
「ごめん、なさ…い。はっ♥ ぁぁっ。足、上がらなくって、とどかな…い、んです。あ、あ、もう少し、だけ、まって…んっ♥ 少し、少しで…いいから」
優しげな問いかけに、肌が熱くなる。
ただ、手を引かれただけなのに。私は自分から陰茎を咥えこもうとして、それどころか、亀頭の裏で、擦られるのが気持ちよくって。自分から、擦り付けてさえいた。
もう、頭の中はグチャグチャだ。
快楽を望む、被虐的な欲求に体が疼く。ただ愛されたいだけの幼心が、温もりを求めてしがみつく。目を閉じた暗闇の中で、私が私を責め立てる。自殺をしようにも、それすら許されない。
うるさい、黙って。
もう、何も考えたくなかった。
「ユーレリア…。ごめん、なさい…でも」
震える声で彼女の名前を呼ぶ。「助けて…」と、その逞しい胸板にしがみついて、涙を流した。
「良いだろう。しっかり掴まっていろ」
つま先が浮き上がった。腰を支えられた私の身体は軽々と、片手で持ち上げられてしまう。足を開いた私の下にはビクビクと、そそり立つ陰茎が見える。
ゆっくりと、降ろされていく私の身体。
つま先が、地面を少し撫でると同時に、亀頭の先が私を舐めた。
「んっ…あっ♥」上ずった声を漏らし、体が震えてしまう。溢れた愛液が亀頭を伝い、そそり立つ陰茎を伝い落ちていく。
くちゅり…。
陰茎が割れ目に触れ、上向いた亀頭に私が開かれていく。
ミチっと、音がする気がした。女気の薄い陰唇をこじ開けながら、分厚い肉の塊が中へと挿ってくる。
ゾクゾクとした。
背筋が震えて、口から声が漏れてしまう。
亀頭が完全に埋まり、つま先が、ようやく地面に届く。
それでも、力なんて入らない。踏ん張れない私は、彼女の大きな体にしがみつくしか出来なかった。
ゆっくり、ゆっくり、開かれていく…。
ひりつくような異物感に、悲鳴にも近い嬌声を上げながら、陰茎が私の中へと沈んでいった。
「あっ、はっ、はっ…ぁぁっ、んっ♥」
下腹に、力が入りっぱなしだ。軽い絶頂にも似た痺れが、全身を包んで私を離さない。
「相変わらずキツイな。お前の中は」
「ダメ…ですか? あの時は、だって。具合が良いと、言ってくれて…」
「いや、悪くない」
「…」
悪くない。そう言われて、少し不満。
そんな意図は無かっただろう。口下手な彼女なりの賛辞だと、もう少し先の私なら気づいたはずだ。
「あっ…♥」
膨らんだ頬から空気が抜ける。
甘い痺れと甘い吐息に、全身が揺らめいた。
胸に感じる濡れた感触。ああ、彼女の首は、ずっと上にあるのに、その唇は私の乳首に触れている。
「な、にを…」
「こういう時は便利だろう? 首が取れるというのも…。お前の乳首まで可愛がってやれる」
「なんですかっ、んっ♥ それ、使い方、まちがって…ぜった、ああっ♥」
乳首にキスをされて、心臓が跳ね上がった。胸の中で膨らむ快感が、頭の中にまで広がってくるみたい。啄まれて、固くなった乳首の先を舌で舐められる。
どうにも手慣れてるかんじだ。
女性同士だから? それとも私以外にも…。たとえば、ハンナドールとか?
わかんない。考えが、まとまらない。乳首を舐められているだけでも、気持ちが良い。恥ずかしいのと、でも、気持ちが良い。胸がドキドキして、気持ちが良くなる程に、下腹が疼いてしょうがなかった。
動いて欲しい。
足がほとんど届かない。
自分からはもう、彼女の上で腰を揺するのが精一杯だ。
グリグリと、亀頭が私に触れているのは良いけれど。それはそれで、腰がガクガクするぐらいに気持ちは良いけれど。
「ああっ…♥」
陰茎が引き抜かれ、膣全体が削られるようだった。
広がりきった膣肉のヒダを、凸凹と刺激しながら、入口へと向かって抜け出ていく。亀頭の一番広い所が外に抜けでて、体が少し楽になった。
知っている。
この感覚を覚えている。
夢の中で何度も犯された。クライストに抱かれた時だってそうだった。
知らない夢は見れないから。多少毛色は違っていても、私を犯した肉棒はこの一つだけ。私の純血を奪った男の陰茎に、もう一度と私は犯されている。
ゾクゾクした。
だって、これが一番気持ちが良い。
怖いと思う。不安だってある。体の痛みは抜けきらない。
どんなに愛液を零してみせたって。どんなに悪夢をみた後だって。慣れない私の体には、この陰茎の大きさは息苦しい。
指の一本や、二本でも、三本束ねたってまだ足りない。
広がりきった膣内は、すぐには元に戻らなかった。
ぽっかりと穴が空いたような。そこに陰茎が挿っていたのだと、思い知らされる。抜け出た異物感がもどかしい。じわじわと元に戻っていくのが、どうにも堪らなかった。
いま、戻っちゃったら、また、広げられちゃう。
想像した刺激に、胸の鼓動が早くなった。
急かすように胸を打ち、ドクドクと、流れる血が愛液に変わり、秘所から垂れ落ちていくみたいだ。
ぐちゅり…。
亀頭がまた、陰唇を開く。膣肉を削りながら、奥にある私を突き上げる。
下腹に空いたが穴が塞がれた。彼女の形にピッタリと、合ってしまう。
「あぐっ…。ぅぁ、ぁぁぁ…っぁ♥」
強引に股を開かされて、声が漏れた。
「どうした? 随分と顔が赤いじゃないか? 犯されて感じているのか? 好きモノめ」
「それ、は…んっ♥」
詰られて、肌が熱くなる。火が付いた羞恥心は熱を上げて、興奮を促した。
「あの男に申し訳ないとは思わないのか? 最初に犯されていたお前は、もっと嫌がっていたはずだ。ごめんなさいと、恋い焦がれていたな」
「いわ、ないで…」
「どうしてだ? 一丁前に罪悪感なんて感じたのか? ほら、自分の体を見てみろ? 女を開いて、愛液を垂れ流しているじゃないか? 物欲しそうに腰まで動かしているな?」
「…ちがっ、あっ。うごか、ない…で、ユーレリ、はっ、はぁっ、あっ♥」
「動いているのはお前だリットリア。自分から腰を落として子宮口に、亀頭を擦り付けてきているのは、お前なんだよ」
彼女の体にしがみつきながら、自分の体を見下ろした。
ギチギチに広がった秘所の隙間からは、動かす度に大量の愛液が流れ出る。
下腹の、おヘソのすぐ下は、少し膨らんでいて、そこに亀頭が埋まっているのが分かる。ゾクリ、ゾワゾワ。腰が揺れて、体が痺れる。強すぎる快感に逃げ出したいくらいなのに。私は彼女にしがみついたまま、知らず知らずに揺らめく腰の動きを止められないでいる。
「ああぁ…♥ はぁっ、はぁっ、ぃひっ♥ ふぅっ、ふぅっ…♥ また、また…。私に何かして、体、変にしてるん、ですか? へん、です、へんなんですっ。わたし…こんな、痛い、くらいなのに…だって、クライストのことっ、まだ…愛して、っ♥ なのに、なのにぃぃっっ…♥」
気持ちが良い。
とんっと、とんっと、揺れる腰に合わせて亀頭が私を突き上げた。
最初からそうであったかのように、ピタリと嵌まる。子宮口に触れた亀頭が、離れていくのですらもどかしい。
「本気でそう思うのか?」
顔を見られたくなかった。
涙と涎に塗れた自分の顔を隠すように、彼女の胸に顔を埋める。
けれど、彼女の顔は私の胸元にあって、上目遣いな視線と目があった。
「んっ…ちゅっ、はむ…あ♥ ゆーれ、りぁ…んんぅ」
唇を奪われた。
強引に顔を押し付けられる。唇を割り開かれ、入り込んできた舌に口の中まで犯された。ぐちゅり、ぐちゅぐちゅ…。奥へ逃がした舌を絡め取られて、彼女の唇に挟まれた舌が甘く痺れてくる。溢れた唾液を啜られて、頭の中が白く霞んで。
ゴクリ…。
唾液を飲み込んだ。私の唾液を啜る代わりに、送り込まれてきた彼女の唾液が、私の口内を満たしていく。それを、ゴクリ。飲み込んだ。飲まされてるんじゃない、私は、自分から飲み込んじゃっている。
「感じているのはお前だよ、リットリア? 私の男を咥えて、悦ぶような女なんだよ、お前は。そら、もっと声を聞かせて見せろ? イク時はちゃんと口にするんだぞ? そうすれば、お前が欲しいものをくれてやる。大丈夫だ。私が愛してやろう。もう、何も心配することはない…。良い子だ、可愛いリットリア」
唐突に、陰茎の動きが激しくなった。
太い腕に抱かれながら、体が上下に揺すられる。辛うじて地面に届いていたつま先が離れ、ぶらりと、揺れる足をバタつかせた。
「ん、くっ♥ あ、あ、あぁぁぁっ♥」
大きな背中、固い胸板、太い腕。逞くましい男の身体に抱きしめられる。
強すぎる刺激に体が縮こまった。近づいてくる絶頂に、私はただ彼女の体にしがみつくしか出来なくなる。
あぁぁ…、あぁぁ…。
クライスト…。
一瞬思い浮かんだ彼の名前は、けれど、快感の中に溶けていく。
薄情な女だ。やっぱり、私は、弱い女だ。
どんなに歯を食いしばってみせたって、愛してくれなきゃ、いつまでも満たされないままじゃ。
ああ、止めて欲しい。
「大丈夫」だなんて言わないで、安心してしまうから。
ああ、止めて欲しい。
優しく抱きしめないで、身を任せてしまいたくなるから。
ああ、止めて欲しい。
頭を撫でないで。「可愛い」だなんて言わないで。「良い子だ」て褒めないで。
嬉しい。嬉しくなっちゃう。もっとって、貴女に、私…愛して欲しい。
「ゆー、れり、あ…ユーレリアぁぁっ!!」
声を上げながら、自分から腰を動かしていた。
上下に揺すられ、彼女の腕の中で腰を跳ねさせながら、強請るように腰を落とす。
亀頭が子宮口に突き刺さり、みちっと、音がした。強引に開かれた私の奥から、どろっと、蜜度の高い愛液が流れ出す。
「どうした? もうイきそうなのか?」
「そ、れは…はぁっ、はぁっ♥」
一瞬、ためらった。
言葉がつまり、頬が赤く染まる。
それを口にしたら、多分私はもう。クライストに向いていた愛情が、指からすり抜けていくみたい。零れていく愛情の欠片に指を伸ばし、掴み直そうとして。
けれど、ユーレリアは私の葛藤を待ってはくれなかった。
ぐっと、突き上げられて、快感が、絶頂が、喉元までせり上がってくる。
一瞬、頭の中が白くなって、次に気づいた時にはもう、彼への愛情を見失ってしまっていた。
何処に、いっちゃったの?
「あっ、あっ、ダメッ、だめっ…おちん、ちんっ」
砂の中に指を突っ込むみたいだった。
どんなにかき回しても、ザラザラとするばっかりで、失くしてしまった愛情の欠片は掠りもしない。指先に感じるのは、偉丈夫の大きな体だけ。
片腕一つに体を持ち上げられて、抱き竦められた私は、されるがまま。逞しい陰茎に何度も突き上げられ、繰り返される求愛に、我慢が効かなくなっていく。
焦ってしまった。
私を満たしていた陰茎が、一度と大きく引き抜かれる。
その不安に耐えられるだけの勇気は残ってない。今、ユーレリアに使い捨てられてしまったら、私は、本当に、縋るものすら失くしてしまう。
「ぬいちゃ、やっ、やだっ。最後まで、最後までっ。中で良いからっ! ユーレリアっ! おねがっ、ぃ…」
「ちがうだろう? リットリア。欲しいならそう言え。イク時はちゃんと言うんだ、私に分かるようにだ」
「はいっ、はいっ。イキますっ、イクのっ。リットリアは、もうっ、イッちゃうからぁぁっ♥ 下さいっ、ゆーれりあ、の…おちん、ぽ。精子、全部、ほしぃの…。だから、止めないで。愛して、もっと…おねが、ぃ♥」
泣いていた。泣きながら懇願していた。
男たちに媚を売っていた時とは違う。満たされたかった。満たして欲しかった。
寂しい、怖い、辛いのは、もう嫌。純粋に愛情を求めた少女(わたし)は、守ってくれる誰かを求めてしがみつく。
ズンっ…。
突き上げてきた陰茎に、体ごと押し上げられた。
衝撃はそのまま頭を白く染め上げて、ぎゅぅぅっと、下腹が陰茎を締め付けているのだけが分かる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ、あ、あ、あ、あ…ぃぃぃくっ♥」
分からない分からない分からない。
イってるの? 私、いま絶頂に? 頭が、頭が、白くなる。何も考えられない。
考えたくもない。だって、気持ちが良い。体が、痺れて、腰が勝手に落ちていく。子宮口、亀頭が、私、犯されて。女の子の一番大事なとこで、かんじちゃって…。
「ははっ。可愛いじゃないか、リットリア」
「イって、いま、わたし…だめっ、はっはっ、ユーレリアぁぁっ♥ イって、ます、私、今…いってるん、です…」
可愛いって言われただけで、胸のドキドキが大きくなった。
情けない私、犯されて感じてる私。うわ言のように、自分の絶頂を口にする度に、興奮は高まって、気持ちが良くなって、ビクッと、ビクビクと、下腹に力が入ってしまう。
「さて、そろそろ良いか」
「あ、あぁぁ…♥」
ごくり、生唾を飲み込んだ。
身体を抑え込むように、太い腕が私の腰を掴み直す。彼女との隙間がなくなり、一つになったような心地よさが私を包んだ。ミチリと、陰唇が開かれる。奥へと突き刺さった陰茎が大きく跳ねると、私の口を開かせた。
「リットリア、出すぞ? ちゃんと受け止めろよ?」
「んっ、んっ。き、てっ、ユーレリア…出して、イクから、私、絶対、それで…また、イッちゃうからぁ…あひっ♥」
そう、気持ちが良かった。
今までの私が絶対に言わないこと。
エッチな言葉を繰り返しながら、快感の高みへと昇っていく。
今までの自分が壊れていくようだった。
聖女、聖騎士、恋する少女。
そんなのは、もう。
残っていたのは、男のモノに貫かれて絶頂する女の体だけ。
ドクドクと、広がる熱に泣いて悦ぶ。体が満たされる。心が落ちていく。それだけでいい、何も、もう、気持ちいいこと、気持ちよくなっていれば、全部、全部、考えなくていいから。
イキます、イッてますって、それだけ分かれば良いんだ。
ドクっと、ドクドクと、お腹が熱く、重たくなって。
今までの自分が漂白されていく。気持ち良い。もう、なにも。怖いことの、嫌なことの全部から、彼女が守って、くれる…から。そのためだったら、こんな私の身体くらい、いくらでも、使っていい、使って欲しい。
絶頂の快感が、ゆっくりと遠のいていく。
陰茎はまだ、私の中に挿ったまま。満足はしてくれたのかな。
射精前の張り詰めた感覚こそ無くなって、時折ビクっと、私の中で震えていた。
「良い子だ、リットリア。上手かったぞ…」
「はぁっ、はぁっ…んっ、ふぅ…♥」
頭を撫でられて、それだけで、嬉しくなった。
体が震えて、また甘い絶頂の余韻が強くなる。
「ゆー、れりあ?」
「ん?」
「私、わた…また、撫でられて、いっちゃい、ました…」
「ふふっ。そうか、気持ちよかったか?」
「はぃ…」
笑われちゃった。
恥ずかしいな。
でも、気持ちが良かった。
「私が許そう、リットリア。他の誰が何と言おうと、お前自身が自分を許せなくてもだ。私が許す。だからもう休め。お前は良くやったよ。お前は良く頑張った」
頭、撫でられる。撫でてくれる。褒めてもらえた。それだけで、私の身体は震え上がり、甘えたがりの心が懐いてしまうには十分すぎた。
もう、ダメ。ただ、自分より強い人に守られる。その幸せを、安心感をしってしまったら、もう。クライスト。彼ですら、私を戦わせようとした悪人にも思えていた。
「かなしい…。何時からお庭はベッドになったのでしょう? あんなに散らかして、木でも孕ませる おつもりですか? 汚泥で花は咲かないんですよ?」
「汚泥とまで言わなくてもいいだろう」
「あぁ、かなしい…。言い訳までなさるなんて。しくしく、しくしく」
「あぁ、くそ…。悪かったよ」