長編小説ダークサイド第3章「私の名はダック」 作:提督 大洋
原作:DARKSAVER(設定のみ)
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小説の内容は、オリジナルです。DARKSAVER、SEAGUARDの戦闘員改造手術の内容は、DARKSAVER Secter18さんものを使用しています。ですので完全なオリジナルとはいえません。
公開当時、一番反響のあった章です。ダックの正体にいかに。賢也の恋人裕二が。シーガード戦士「響」の最後。
「mixi」「X」にも公開。
STORY 1
『私の名前は、ダークセイバーホストコンピューター「DAC」(ダック)。全て戦闘員の居場所と身体状態を把握している。』
巨大化したダークセイバーは、ダークビジョンでは、全てを把握することが出来なくなった。全戦闘員にリスト型の発信装置を着けることを義務付けた。この発信器は、戦闘員の居場所と生命兆候を常に発信していた。戦闘員として従事している時は、常に身に着けておく必要があった。改造された戦闘員と言えども人間であることには変わりない。寝たり、食事をしたり、余暇をすることもある。その時は、外して良い事になっていた。別段着けていても良かった。この発信器は、ホストコンピューターと常に通信していた。このホストコンピューターは、戦闘員を監視する為に置かれたのではない。もっと高度な機能を持っていた。
「おはようございます。提督。」
「ダックか。おはよう。」
「提督。朝食お急ぎ下さい。提督の今日の任務は、午前9時からセンターです。」
「わかっとるよ。今日のセンター勤務の戦闘員は、私以外誰かね。」
「251と456、それと192です。」
「名前で言わんか。」
「失礼しました提督。真と啓二。それと、賢也です。」
センターのドアが開いた。既に、真、啓二、賢也は、センターに戦闘員として勤務していた。提督が入って来た。
「おはようございます。提督。」
「新しいホストコンピューターダックは。」
「ちょっと、朝から、うるさい感じがするな。」
「提督。その言葉覚えておきます。」
「聞かれたか。ダック。コード29大洋。センター勤務開始。」
「提督。了解しました。」
「今日は、食料物資隊が、到着する日だ。ダック。交通情報用のカメラで追えるか。」
「了解しました。既にエリア10の中にいます。ルート11を北上。エリア10ポリス前交差点です。ビジョンに出します。」
「どうやら、無事に到着しそうだな。」
「提督。戦闘員524。すいません信治の生命兆候に変化があります。」
「何処の勤務だ。」
「国境警備隊です。現在、国境沿いの林道にいます。」
「ビジョンで追えるか。」
「無理です。近くにカメラは、ありません。」
「こちらは、ダック。戦闘員524の生命兆候低下を受信。現在、生命兆候低下中。現在、生命兆候低下中。戦闘員524は、危機的状況にあり。危機的状況にあり。更に生命兆候低下中。」
「提督。」
「シーガードの襲撃だ。国境を超えて、侵略するつもりだ。」
「ダック。国境警備隊に連絡。信治の場所と侵犯者がいることを連絡してくれ。」
「提督了解しました。戦闘員524の身的状況をスキャン中。生命兆候更に低下中。心拍数その他の状況から判断するに、戦いが数分続いた後に、腹部損傷。顎骨損傷。と思われます。」
「拳による内臓破裂と顎の骨が砕けたか。」
「戦闘員524の一時心拍が上がりました。エナジー液噴出前と思われます。」
「応援は、間に合わんようだ。」
「戦闘員524の生命兆候なし。生命兆候なし。絶命を確認。」
その時、無線が入った。
「こちら、国境警備隊。すいません。提督。間に合わなかったようで。間もなく、ダックの言っていた地点です。信治の弔い合戦です。国境警備隊の名にかけて、侵略者を排除します。」
STORY 2
「おいおい、今日は、起こしてくれないのか。」
「提督。昨日は、私の事、うるさいと言ってました。」
「これじゃ、朝飯なんてくってる時間がないじゃないか。」
センターの扉が開いた。提督が出勤してきた。昨日のシーガードの国境侵犯の件で、賢也は、徹夜であった。
「賢也どうだ。」
「未だに、侵犯者を発見するに至っていません。」
「交代しよう。今日は、自室に帰って、睡眠を取ってくれ。」
「ダック。今の状況は。」
「国境警備隊は、国境沿いの森林を中心に検索しています。侵犯者は、森林の中にまだ潜んでいると思われます。」
「なぜ、わかる。」
「理由は簡単です。ルート沿いに出れば、どこかのダークビジョンカメラに、引っかかります。未だ、どこのカメラにも引っかかっていません。」
「こちら、国警465。金剛岩付近には、居ないな。ダック。次はどうする。」
「ご苦労さん、大洋だ。」
「提督。」
「一旦、現場に戻れ。国境の金網が壊されているところだ。夜露で、地面が固まっているはずた。足跡を見るんだ。侵犯者の数がわかる。」
「そうですね。一旦戻ります。よし、一旦戻るぞ。」
国警456隊は、5人編成の小隊だ。小隊長を除いては、あまり実践経験が少ない戦闘員が集まっていた。小隊長は、旧工作隊の出身で、精悍そうな顔立ちで、イケメン。背も高い。後の4人は、ダックセイバー戦闘員養成学校を出たばかりか、出てもそんなに年数が経っていない。顔立ちも、まだ、あどけない感じだ。
「提督。着きました。はやり、1人ではありませんね。3つあります。」
「その携帯には、カメラ機能がついているな。足跡の画像を送れ。靴底から、奴らの所属がわかる。ダック、分析できるな。」
「もちろんです。提督。」
画像の分析が始まった。
「分析結果が出ました。提督。それと456隊は、聞いて下さい。侵犯者は、シーガードの中でも、もっともゲリラ戦を得意とするG部隊です。」
「ダック。始めに分析して置くべきじゃないか。」
「ダックは、万能ではない。言われたことは、確実にこなすが、自らの判断は出来ん。使い方しだいなのだ。お前達が、ダックをうまく使いこなせ。今度は、奴らの行動を分析してくれ。」
「わかりました提督。G隊の過去データーから、判断するにパターンは3通りです。1つは、旧炭坑。第二ポンプ場。後は、剣崎の石切り場です。」
「第二ポンプ場へ向かえ。」
「なぜです。」
「これは、長年の感だ。」
「提督。」
「わかっているダック。分析だけは、早いな。君達では、役不足だ。近くの別隊と合同して、事にあたってくれ。」
「近くに39隊がいます。」
「よし、39隊に連絡を入れてくれダック。」
「提督の感あたっていると思います。」
「湧き水のポンプ場だ。取水口に毒でも、ばらまけば、何もしなくて、我々を殺すことができる。G隊の連中が考えそうなことだ。」
STORY 3
「こちらダック。39隊は、第二ポンプ場へ。456隊と合流せよ。」
「ダック。またどうして。」
「ご苦労さん、大洋だ。いろいろな状況から判断した。」
「提督でしたか。」
「いいか。よく聞け。侵犯者は、シーガードのG隊だ。ゲリラ戦が得意中の得意だ。第二ポンプ場は、湧き水ポンプだ。奴らの行く場所は、そこしかない。飲み水に細工をするつもりだろう。場内に近づく時は、十分注意せよ。それと、奴らは3人だ。」
「そこまで、わかるんですが。」
「ダックを使うんだ。現場からでもアクセスできる。最大限使え。」
「こちら、39隊。第二ポンプ場に到着。456隊も一緒だ。」
「すぐに中に入るな。まずは、ダックにデーターを送れ。」
「ダックです。カメラで撮って、まずは送って下さい。」
「送ったぞ。」
「赤外線調光で、分析中。正確ではありませんが、体温らしき物が動いています。」
「やはり、場内にいるな。」
「提督。ポンプ場の取水をストップします。私には、水道管の中をスキャンする能力はありません。既に、細工した後かも知れません。」
「仕方がないか。仲間と住民を守る為だ。しかし、ポンプを遠隔で止めると、場内のシーガードに気づかれる可能性がある。39隊は、了承してくれ。」
「へへっ。ダークセイバーの奴らも、ダークサイドの連中も、これで終わりだ。水を飲めば死ぬ。それも、喘ぎ苦しみながら死んでいくのだ。取水口に、毒を入れるぞ。」
「隊長。ポンプが止まりました。」
「気づかれたか。」
「まさか。」
「シーガード。お前達の行動は、既にわかっているのだ。ポンプは止めた。水道管に、毒は、入っていかないさ。」
取水口の溜め池の部分は、1階にあった。2階部分は、その池を取り巻くように、手すりになっているだけだ。シーガードが、声の方にを見ると、2階部分の手すりに10人のダークセイバー戦闘員が、ズラリと列んでいた。
STORY 4
「なぜ、俺たちの行動がわかった。」
「ダークセイバーは、お前達が考えているほど馬鹿じゃない。お前達の方が単純だってことさ。」
「ほざくな。皆殺しにしてやる。」
そう言うとシーガードの1人がいきなり、手持ちナイフを投げた。ナイフは音を立て、456隊の1人へと空を飛んだ。ドカッ。いきなりの攻撃に、度肝を抜かれた。逃げる間もなかった。競パンの膨らみに見事に命中した。
「あっ。うっうっ。」
勢いで、一旦壁に、後ずさりした。狭い手すりの通路だ。すぐに壁にあたり、反動で、前に倒れたかと思うと、手すりから転落した。
「あ~。」
ビシャン。溜め池へと落ちた。溜め池の中で、喘ぐ。ダークセイバースーツは、ビショビショに濡れた。暫くすると、水中でカルピスをまいたように一筋の白い液体が。競パンの中からであった。エナジー液体が漏れだしたのだ。水面で動かなくなった。
「ダックです。奴は、ナイフ投げの名手と言われた奴です。気を付けて。」
「ダック。なぜわかる。」
「39隊が奴らの画像を転送してくれています。」
「提督が言っていたろう。ダックを使えって。」
456隊の隊長が通路に置いてあった消防用のカケヤを持って、手すりから飛び降りた。ナイフ投げの名手と言われるシーガードめがけて。次のナイフを投げる間などなかった。カケヤは、頭部を直撃。倒れるシーガード。その上に、のしかかるようになった。
「シーガード。死ね。」
そう言うと、シーガードの鮮やかな白の競パンを圧縮した。
「うっうっ。野郎。あっ。止めろ。潰れる。うぐぐぐ。」暫く、ピクピクしていたが、まったく動かなくなった。
のしかかっているダークセイバーを取り押さえようと、残る2人が駆け寄ろうとした時だ。ダークセイバー全員が、手すりから飛び降りた。
「そうは、させないぜ。」後ろから羽交い締めにした。「畜生、放せ。」「死ぬのはお前達の方だ。シーガード。」後ろから羽交い締めにさせられたシーガード。そこに、39隊の小隊長がポンプの上に置いてあった瓶を持って前に立った。
「毒の威力を自らの身体で証明してしてもらおう。」
無理やり口を開け、瓶の液体を注ぎ込んだ。
「うぐぐぐ。原液だ。勘弁してくれ。」
直ぐだった。胸の部分に苦しそうに掻き毟りはじめた。
「うぐぐぐ。」
羽交い締めにしていた手を放すと、地面に転がった。喘ぎ苦しみ姿は、目を覆いたくなるほどのものだった。口からは、泡を吐き、のた打ち回っていた。股間部分を度々もたげ、「出る。出る」と言っていた。暫くすると、競パンの中から、弾けるように白濁液が飛び散った。口から泡を出したまま、目を大きく開けたまま、動かなくなった。服毒による兆候だ。止めどもなく、下半身の競パンからは、白濁液を出し続けていた。
「残るは、お前だけだ。」そう言うと、股間に手をやり、圧縮した。シーガードの身体は、ビクッとなったかと思うと、蛯名ゾリ状態になり、腕の中で、力なくなった。あっけない最後であった。
「提督。侵犯者は、全員排除しました。」
「お疲れ様だったな。やられ、またやり返すのが、戦闘員の宿命だ。しかし、仲間の死を尊ぶのを忘れるな。」
「ダック。ご苦労さん。」
「センター勤務の2人も疲れただろう。暫く休息してくれ。自室に引き上げていいぞ。後は、私がやる。」
「提督いいんですが。」
「構わん。」
センターに1人残る提督であった。1人ごとをいい始めた。
「ダック。いや裕二辛くないか。」
「提督。」
「お前が、身体の異変を訴えたのは、あの作戦の途中だったな。賢也が出撃して直ぐだった。賢也が、やられそうになった時、まるで命を交換したように、君は、この世を去ってしまった。拓哉と相談して、君のデーターを取り込んだコンピューターを作り上げた。当時は、意識まで取り込まれるとは思わなかった。許してくれ。裕二。」
提督の目から大きな涙が出てきた。
「頭を上げて下さい。提督。やだな。」
「僕は、あの時、死んでいるんです。あのままなら、こうして、提督とも会えないんですよ。」
扉が開いた。拓哉だった。
「統治。」
「提督、はやりここでしたか。」
「裕二。どうだ。今日は、お前が、好きだった金平糖を持って来た。」
「統治。ありがとうございます。カメラの前に置いて下さい。わー。綺麗だ。」
「裕二よ。俺は、今でも、悩んでいるんだ。このチップの中にお前がいるんだ。」
「ちょっと待って下さい。ちょっと違います。意識の一部だけが残っただけです。だから、そんなに、2人とも、ご自身を責めないで。こうして、たまに2人で会いに来て下さい。それで十分です。」
「賢也は、この事知らないんだろう。」
「知らせた方がいいか。」
「いいえ、知らせるのは、止めましょう。残念なことか幸いなことか、賢也さんとの関係の部分はデーターとして残ってないんです。」
この夜は、提督も拓哉もセンターから出てこなかった。しかも、2人しかいないはずのセンターからは、3人目の声がしていた。どうやら、昔の懐かしい話をしているようだった。
STORY 5
「提督。提督。起きて下さい。」
「ダックか。」
「どうしたんですか。うなされていました。」
「夢を見た。」
「戦闘員に改造されても、元は人間です。夢も見ますよ。」
夢……!
「よし、合い言葉もわかった。響派を壊滅する。」
「提督。そして統治。話があるんです。」
「どうした。裕二。」
「賢也は、今回の作戦の指揮をとってくれ。先に戻って、小隊に出撃準備をさせてくれ。」
部屋には、3人残った。
「僕の身体は、変です。調子が悪いです。」
「暗号解読の徹夜続きで、疲れているんだろう。」
「よし、俺が、病院に連れて行ってやる。」
拓哉と裕二は、病院に向かった。提督は、出撃準備をしていた賢也のもとに、裕二のことを伝えに戻ることにした。「賢也。よく聞いてくれ。今、統治と裕二は、病院に向かった。今回は、裕二の出撃はない。」
「わかりました。裕二抜きで行ってきます。大丈夫ですよ。生きて帰ってきます。」
「先生どうです。」
「統治。非常に残念です。情報局長は、急性白血病です。入院の必要があります。」
拓哉は、何も言えなかった。裕二の希望で、今回の作戦が終わるまで入院は、延期になった。今回の作戦を支援するためだった。作戦指令室には、裕二と提督が作戦支援のため残ることになった。
「賢也。裕二が行かない分、私が出撃する。」
「統治が、わざわざ。」
「響との戦いは、苦戦する。」
拓哉の友情であった。生きて賢也を戻すためだった。自分が死んでも、絶対に賢也を裕二のもとに。と考えていた。
「裕二。賢也から贈り物だぞ。出撃準備の合間を見て、見舞いをと考えていたようだ。開けてみろ。」
「わー。金平糖だ。綺麗だ。提督。そのグラスを取って。中に入れて。ここに置きます。いいでしょ。」
「われわれ小隊は、これから、響派のアジトに出撃する。今回の作戦には、統治も同行する。」全員、シーガード響派と同じ格好をしていた。裕二の作戦通りであった。車両もシーガードの基調色へと塗り替えてあった。深夜の道を、気象観測所へと向かった。「賢也。聞いているな。」
「提督から。裕二は、そんなに長くはありませんね。」
「いや、わからないぞ。発病しても、長く生きる奴もいる。」
「統治。小隊長、間もなく着きます。」
「賢也兄さん。応答して下さい。アジトに入る前にスキャンします。画像を送って下さい。」
「裕二送ったぞ。」
「おかしいですね。基地内には、数人の体温しか確認できません。まるでゴーストタウンのようです。」
「よし中に入るぞ。」
入り口で、統治が合い言葉を言った。扉のロックが解除された。先行して、賢也と拓哉が中に入った。2人が入った瞬間だった。扉が強制的に閉まってしまった。
「統治。小隊長。大丈夫ですか。扉が開きません。」
「罠だ。お前達は、外で警戒しろ。」
「統治。作戦が読まれていたのでしょうか。」
「違うな。いずれ襲撃されることは、相手も馬鹿じゃない。察知してのことだ。こっちから、逆におびき寄せてやる。響。ダークセイバーの拓哉だ。どこにいる。」
館内のスピーカーから、響き渡るような声がした。
「お前が拓哉か。相手国の統治自らここに来るとはな。地下倉庫に来い。いずれ、お前達が来ることは、わかっていた。覚悟して、地下倉庫まで来るのだ。」
「統治。統治。聞こえますか、裕二です。上階には、生命反応がありません。言う通り地下へ。カメラは、動作させたままにして下さい。」
「この階段だな。下に降りよう。」
「次の踊場には、仕掛けの罠があります。金属探知機が働いています。機械仕掛がある証拠です。」
拓哉と賢也は、ゆっくりと降りて行った。
「ストップ。ストップ。赤外線センサーです。遮ると罠が飛び出し動作します。」
「どうする裕二。」
「エヘン。任せて。統治の携帯無線機の方は、非常時の発煙筒付きです。発煙筒を動作させると、携帯としては使えません。燃えちゃいます。煙を出して、赤外線の線光を可視します。携帯無線機の脇に、エマージェンシーの文字があります。そこを強く押して下さい。」
「おいおい、そんな仕掛け聞いてないぞ。」
「統治。こちらの作戦が読まれている可能性もあります。アジトの中に機械仕掛の罠を仕掛けておくのは常識です。動作させるのに確実なのは、赤外線センサーです。そんなの当たり前です。そうそう言っておきます。お二人の持っているサバイバルナイフですが、柄の部分を強く握ると、反対側から刃が飛び出します。気を付くて下さいよ。」
拓哉と賢也は、顔を見合わせた。そして、小声で言った。
「こいつ、相当頭いいぞ。」
STORY 6
仕掛けをクリアーして地下倉庫までたどり着いた2人。地下倉庫の扉を開けた。中に入った。
「さすがは、ダークセイバーの拓哉だ。我々の仕掛けを見事に、見抜いたな。」
「えー。見抜いたなのは僕なんですけど。」
「黙って見とれ。これからが大変なのだ。」
倉庫の灯りが点いた。3人のシーガード戦士の姿をした者が立っていた。真ん中で、腕組をして偉そうにしているのが響である。その後ろには、空調用のファンダクトがあり、人の背丈の2倍があろうかと思う扇が回っていた。
「いずれ、お前とは、戦うことになると思っていた拓哉。今日決着をつけよう。」
響と拓哉は、横に走り始めた。走りながら、自分の腰につけていた剣を抜いた。後の響派の戦士は、賢也に襲いかかった。1人が、賢也の正面から、大上段に剣を振り下ろした。賢也は、応戦のため、自分の剣で、頭上で受け止めた。脇が空いた。それを見計らって、もう1人が、脇から突いて来た。賢也の携帯無線機のカメラはオンのままだった。画像は、作戦指令室の2人のもとへと送られていた。
「賢也兄さん。危ない。」
賢也は、その声に、反応し、身体をかわした。大上段に襲って来た響派の戦士1人が、賢也にわかされ勢いで、賢也の立っていた位置になった。脇からの攻撃して来た響派の戦士も勢いで止められない。2人は、相打ちになった。振り降ろされた剣は、もう1人の頭部を直撃。また1人は、脇腹に、見事に入った。ブスッ。ドカッ。「ぐえええー。そんな馬鹿な。」そう言うと、床に倒れた。賢也は、相打ちになった2人に対して、自分の剣で、留めを刺した。響派の戦士2人の競パンから、白濁液が、まるで、噴水のように上がった。2人は、折り重なるように倒れたまま、何かに掴まるように手を上にかざしたかと思うと、力無くなった。「よくやった。賢也。」
「提督ですか。」
賢也にとっては、思いがけない返答であった。
響と拓哉は、剣と剣を合わせたまま、動かなかった。先に動いた方が、負けると思っていた。先に動いたのは、響であった。合わせていた剣を外し、拓哉に対し、横から斬りつけた。拓哉は、自分の剣で受けようとしたが、響の剣の方が重く、拓哉の剣は、手から外れてしまった。コロコロっと、拓哉の剣は、床に転がった。拓哉は、慌てて取りに行ったが、響の方が、早かった。サッと取り上げた。
拓哉が立ち上がろうとした時だった。響の剣の先が、拓哉の喉仏の寸前でとまった。
「拓哉。動くな。俺の勝ちだな。お前のその競パンの膨らみを自分の剣で、ぶっ刺してやる。」
そう言うと、拓哉から奪った剣を振り下ろした。拓哉は、身動きが出来ない状態であったが、ちょっとだけ、頭の方にずれた。ドカッと鈍い音がした。振り下ろした剣は、拓哉の太ももに刺さった。
「痛てー。」
そう言うと、剣を持っていた響の手ごと、自分の手で覆った。そして、そのまま強く握りしめた。ビュンと音を立て、反対側の柄からナイフの刃が飛び出し、そのまま、響の競パンへと飛んで行った。ドカッ。
「何が起きたんだ。どうして、俺のマラに。痛てー。畜生。拓哉。」
そう言うと、響は、ヨロヨロと後ずさりを始めた。
拓哉は、立ち上がった。
「響よ。所詮、俺たちは、改造された戦闘員だ。しかし、仲間を大切にする気持ちがなくなったら終わりだ。お前には、それがない。自分の出世のためだけだ。」
「畜生。俺の夢が野望が、終わりだ。世界をこの手に。あががが。死ぬ。助けてくれ。」
そう言うと、よろよろと、ダクトの中に落ちて行った。ダクトの中には、送風のため大きなファンが、ビュンビュンと音を立てて回っていた。「ぎゃー。あー。」最後の断末魔の悲鳴だ。響1人が巻き込まれても、容赦なく回り続けるファンであった。
「あっけない最後でしたね。統治。足大丈夫ですか。」
「賢也。ご苦労さん。裕二。提督終わりました。」
「裕二。提督どうした。応答しろ。」
「何かあったのか。裕二。提督応答して下さい。」
「提督。提督。起きて下さい。」
「ダックか。」
「うなされていましたよ。」
「夢を見た。」
「改造された戦闘員と言えども、元は、人間です。夢は見ますよ。で、どんな夢を。」
「いや、なんでもない。朝飯を食う時間はあるかね。」
「勿論、あります。」
STORY 7
「裕二。しっかりしろ。お前は、賢也が帰って来るまでは、生きとらんといかんのだ。誰か救急車を。」
「裕二。提督。応答して下さい。」
提督は、裕二を病院に搬送するため、拓哉、賢也の無線に応答している暇などなかった。「この忙しい時に。誰か救急車を。」
裕二は、救急車で病院に担ぎ込まれた。裕二の様態は、拓哉、賢也のもとにも送られた。作戦を終え、急いで戻る2人である。
「先生。どうですか。」
「提督。病室にお入り下さい。少しだけ意識があります。」
「裕二。」
「提督。賢也兄さんが帰ってくるまで、もちません。」
「何を言ってるんだ。」
「自分の身体は、自分が良く知っています。」
「わかった。賢也に何か伝えたいことはあるか。おい。おい。返事をしろ。」
提督は、ベッドに寝ている裕二の体を揺さぶろうとした。後ろにいた医師が止めた。
「提督。」
と言うと、首を横に振った。
「先生。・・・」と言うと、提督は、上を見上げた。涙を抑えるためだった。
裕二の葬儀も終わり、皆の心も静かになり始めた頃だった。提督は、裕二の部屋を整理していた。1人ごとを言っていた。
「戦闘員と言えども人間か。人間と言うのは、便利な動物だ。忘却するように出来ている。」
ふと見ると、手紙があった。賢也宛てだった。目を通してみた。そこには、賢也と出会った時のことや、いろいろな思い出が書いてあった。
「これは、賢也に渡さんといかん。」
「スナップ写真だ。作戦会議中の合間に、皆で撮った写真だ。裕二が写っている。ダークセイバー戦闘員の割りには、可愛らしい顔をしている。今にも、扉向こうから、提督聞いて、なんて言って入ってくるような気がする。」
もう一つの手紙があるのに気が付いた。
「これは。」
読んでみてびっくりした。
「ダック計画。なんじゃこれは。」
裕二は、自分の身体の異変に気づいた時から、自分のアイデアと作戦立案パターンなどを液体メモリーに書き込んでいたのだ。
「これは、統治に見せないと。」慌てて統治を訪れた。
「提督。話はわかりました。」
「どうする拓哉。」
「提督は、映画がお好きでしたな。かなり昔の映画で2001年宇宙の旅と言う映画、ご存知ですね。あのハルと言うコンピューターです。」
「わかっとる。裕二の残した記憶チップが液体メモリーなのが問題だ。ファジーな液体メモリーだ。デジタルではない。記憶以外のものがインプットされていたら問題だ。意識のあるコンピューターが出来てしまう。」
「でも、裕二の手紙には、その液体メモリーの起動方法も書いてあるんでしょ。やってみましょう。書いてあるってことは、裕二は、望んでいるのでは。」
「確かにな。しかし、お前と私だけは、一生、裕二のことを忘れることが出来ん。ダックコンピューターを見るたびに思い出す。」
「提督は、特にお辛いでしょうね。」
「やってみるかね。」
情報局では、提督の指揮のもとダックコンピューターの製作に着手した。簡単なものではなかった。
「裕二のやつ。もっと、簡単に造れるようにしとかんかい。」
ようやく、デスクトップ型のコンピューターが出来上がった。
「提督。電源を入れます。」
電源が投入され、画面が出てきた。画面には、「私はダック」と言う文字が鮮明に出た。
「成功です。提督。」
まだ、デスクトップ型の単体のコンピューターにすぎないダック。
「おい、私の自室に持って行ってくれ。どんな風に動作するのか、私が見る。」
STORY 8(END)
まだまだデスクトップ型の単体のパソコンであった。
「誰か、ダックを私の自室に運んでくれ。動作を確かめたい。」
自室に帰ると、もうダックが置いてあった。パチパチとキーボードを打ち始めた。
「どうなっているんだ。よくわからん。あっ消えた。再起動か。また消えた。ちゃんと動かんぞ。」
「びっくりしました提督。」
「誰だ、ダックか。」
「そうですよ。」
「その声は、祐二。」
「それも当り。」
「やはりな、記憶データー以外もインプットしたな。」
「提督、まずUSBを通じてカメラをつけて下さい。まっくらで何も見えません。」
提督は、うれしさの反面怖さも感じた。まさか、祐二と再開できるとは思えなかったし、ここまでのコンピューターが出来るとは思わなかった。
「見えました提督お久しぶりです。」
「この中に祐二がいるのか。」
「ちょっと違います。詳しく説明しますね。動作のために必要な意識をインプットしました。難しいところでした。あまり記憶を多く残すと、私自信が辛くなります。提督なら見たと思いますが、もう一通の手紙がありましたね。その部分は、インプットしなかった部分です。コンピューターの電源を落としても、メモリーはそのままです。消えたりしません。うるさければ切ることも可能です。それと、もう一点、僕の肉体は、今、ありません。提督も統治も年を取ります。やだなー。爺になります。私は、液体メモリーの中で意識だけが生き続けます。それって、やはり辛いところです。そこで、提督と統治には生命監視装置を付けていただきます。お二人が亡くなれば、メモリーの意識部分が消えるように細工してあります。ただのデーターベースになってしまうようにしてあります。お二人がこの世からいなくなれば、私も完全に消えるようにしてあるんです。すごいしょ。ダックという名前は、ダークセイバーのDAからとりました。通常は、ダックと呼んで下さい。」
「このことは、賢也に話した方がいいのか。」
「賢也さんとの関係は、インプットされていません。話さない方がいいでしょうね。」
「提督。まずは、私をセンターのコンピューターと繋いで下さい。もう少し、ましなコンピューターになります。」
「ダックか。これから永い付き合いになりそうだな。」
「ハイ。提督。」
そう言うと、提督は、カーテンを開けた。既に、夜が明けていた。