半蔵学園の忍クラスが揃ったという事で、春輝達は観光をしながら浅草を巡る事にした。
浅草の雷門や屋台などを巡りながら、浅草の町を見て回っている一同は雑談しながら見て回っていた。
「浅草、最高だね〜!」
「うん!任務で会う機会が少なかったし、みんなで廻れるのは嬉しいなぁ。」
「(あんな雲雀も可愛いな……。)」
風魔と戯れる雲雀を見て、柳生は微笑ましそうに笑みを浮かべていた。すると、それを見ていた葛城がすかさず誂う。
「おいおい柳生〜どうした?恋する乙女みたいな顔しやがって〜!」
「う、うるさい!誂うな!お、オレは雲雀に危険が無いというのが良いと思っただけだ!!」
「とかなんとか言って、雲雀を抱き締めたいんじゃないのか〜?」
「そ、そそそ、そんなわけあるか〜〜!!」
頬を紅くしながら慌てる柳生を見て、葛城はカッカッカッと笑い、菖蒲は羨ましそうに葛城を見ている。
「あ、春輝さん。お願いがあります。今日は忍クラスが全員集まったので、春輝さんと飛鳥さん、風魔さんと土方さんでお料理をお願いしたいのです。」
「分かった。とりあえずみんなで食べるなら……鍋でもやるか。」
「賛成〜!締めはラーメンが良いな!!」
「にゅうめんも捨てがたいです!」
「だったら私と風魔ちゃんで巻物を買うね。じっちゃんに頼んでみる。」
「むにゃむにゃ……バナナも買って……すぅ、すぅ……。」
「デザートは人形焼が良いなぁ!」
「スルメもあるといい。」
「私は飲み物は日本茶をお願いします。」
「村正、エタノール水溶液が飲みたい!」
「あの、や、焼き鳥を買っても良いですか?」
「こりゃあ、買い出しが多そうだな。」
「あはは。春輝、手分けして買い出ししよ。終わったら合流しよか。」
「だな。」
苦笑する春輝に飛鳥はそう言い、斑鳩達と別れると春輝と飛鳥は1年たちを連れて買い出しに出た……。
◆◆◆
春輝Side
斑鳩に頼まれて買い出しを行った俺と飛鳥、そして雲雀、柳生を抜いた1年たちと買い出しに出て、目的の物を全て買い出しを終えた。
その中で俺は、別れて買い出しに向かった飛鳥達と合流しようとしたが……。
「(誰かいるな。明らかに敵意がある。)」
俺は今後を付けられており、しかも、その相手は完全に敵意を向けられている。
隠形の術が上手い上に恐らくかなり強い。
みんなと合流したら確実に戦闘になるな。
「(なら、こうするか。)」
俺は物陰に移動すると、影分身に荷物を持たせて飛鳥達に向かわせた。その背後を追おうとした人物の背後に立った。
「何か用か?」
「!!?」
俺を追っていたのは、黒い制服を着たポニーテールをした褐色肌の女の子であった。年格好は飛鳥と同じくらいだが、その身体から出ている殺気は本物だった。
どこぞのくノ一か。
「もう一度聞くが、何か用か?」
「……分身の術が使えたのか。抜かったな、さっきのは分身か。」
「あんた、どっかの忍か。ワザと殺気出してたのか。」
「へぇ、それくらいは解るんだな。女と一緒にいてへらへらしてるわけではなさそうだ。」
好戦的な笑みを浮かべる女子。
すると、辺りが暗くなっていき、雰囲気が重くなる。
「“忍結界”か。」
「そうだ。これで邪魔者無しでやり会えるだろ?忍転身!」
黒髪の女子は忍転身というと、一瞬水着姿になるが、すぐに戦闘形態になり、背中に7本の刀を背負って現れる。
忍転身、やっぱり苦手だわ。目の抱擁にはなるが、女が容易く肌を見せるな!
「秘立蛇女子学園、焔。舞い忍ぶ。さぁ、半蔵の忍。お前も転身しろ!待って『シュッ!』!?」
春輝が風遁の鋭利な手裏剣を投げると、焔はそれを躱すが頬が切れて血が滴る。
「生憎俺は転身は出来ないんだ。だが、その代わり俺は強いぞ。(九喇嘛、チャクラ借りるぞ。)」
【はっ!好きにしろ。だが手を抜くなよ。】
「(合点だ。こいつは全力でやらないと勝てなさそうだ。)」
「……貴様、何者だ?」
「半蔵学園忍クラス所属、春輝だ。さぁ、やるとしますか。これから鍋なんでな。」
尾獣の赤いチャクラを纏って焔にそう言うと、焔は背中から6本の刀を抜き、俺も臨戦態勢になる。
「はあ!!」
「ふっ!」
焔は6本の刀を自在に振って襲い掛かるが、こちらも土遁“土矛”で強化した四肢で応戦していき、攻撃を弾いていく。
岩石並みの強度となっている手足で弾きながら、正拳やローキックを放つが、焔はそれを弾いたり、受け流して応戦する。
「土遁の徒手空拳か!面白い!武闘と剣術、どちらが上か!!試してみるか!」
「好戦的だな。ずいぶんと。」
「当たり前だろ!強い奴は大好きだ!倒したいと思えて嬉しいんだ。何より私は、お前みたいなのを倒したいと思えるんだ!!」
「変わった趣味趣向だな。」
土矛を纏っていながらも手足に響く衝撃、焔は短時間の戦闘でも強くなる。飛鳥と同じ成長をするタイプらしい。
長く時間は掛けられないな、と思った瞬間、背後から刃付きの鞭が伸びてきて腕を絡め取られる。
後ろを見ると、そこには見たことのない刃付きの鎖状鞭と巨大な火縄銃を持っている2人のくノ一がいた。
「何のつもりだ?“総司”、“千歳”。」
「先輩、抜け駆けは良くないですよ。ボク達にも遊ばせて下さい。」
「焔先輩、ズルいです。他のみんなは善忍くノ一とやり合ってるのに。」
明るいクリーム色の髪をしている鎖状鞭を持っているボクっ娘とトーンの低い声で喋る妖精みたいな忍装束を着て巨大な火縄銃を持った娘が、こちらに武器を向けている。
「こいつはあたしの獲物だ。1年の癖に生意気だぞ。」
「生意気じゃないでしょ。蛇女には下剋上方針があるんだから、別に従う義理はありませんよね?それに、このボクのような有能な者こそ上に行くべきだ。」
「総司ぃ、あまり喋るなよ……間違って切っちまうだろ。千歳、お前は?」
「私は私で死にたくないからですよ。こうなったら意地でも上に行ってやるって決めたんです。」
「小生意気な1年共が。私をあまり舐めるなよ?」
焔が別の意味で殺る気になっており、後から現れた2人と交戦しかねない空気になっていた。
「おい、俺を無視して喧嘩するな。あと、片手封じたからって勝てると思ってるのか?」
「逆に勝てるとお思いで?片手で何か出来るわけ無いだろ。選ばせてあげますよ。焔先輩に切られるか。ボクにズタズタにされるか。それとも千歳の邪弾で絶命するか。好きなのを決めてくださいね。」
「そうか。んじゃあ…………ん?」
「「「!?」」」
春輝達が空を見ると、そこには撤退を示す忍び文字が浮かんでおり、それを見て焔がため息を吐く。
「総司、千歳。帰るぞ。」
「なっ!そんな事出来ないね。彼の首だけでも持って帰らないと!」
「そうです。私も」
「黙って言う事聞け。帰るったら帰るんだよ。」
「「っ!」」
焔の殺気に当てられ、悔しそうに俯く2人。
拘束を解いた総司と銃口を下げた千歳が先に戻っていくと、焔は春輝の横を通り過ぎながら彼に告げる。
「次に会ったら、その時には容赦はしない。」
それだけ告げると焔は去っていき、春輝も忍結界が解けたのを見て安堵の溜息を漏らす。
その後には飛鳥達と合流し、半蔵学園で鍋やご馳走を食べるのであった……。
こんな感じです。