リンと別れてから、俺は今さっき手に入ったスキルとは違う力を使う。…いや、正確には彼女と行為してから思い出した力かな。
それは、望む人と出会う運命を引き寄せる力。すなわち、縁結びの能力だ。
あの時はこの力のお陰で、リン達に出会えたんだったけな。懐かしい…。
でも、今回はミュルジスへ使う。一応、夢魔教会が俺との接触のために、人質を取っているかも知れないからね。
それに、今回の作戦目標をまだ捕えていなかったら手伝えるだろうし。
暗く人影のない街中に、一筋の光が差し込む。俺はその、光の糸を辿るように、歩き出す。
その糸を辿っていくと…見覚えのある建物が見えてきた。それは、俺がミュルジスと離れた場所だった。
何故、此処に運命の糸があるのか…分からなかった。
だって、マフィアを捕えるのなら、その人たちを追って別の場所に居るだろうし、夢魔教会に襲われているならば、もっと、俺にとって不利な場所を選ぶだろうから。
だけど、座り込みずぶ濡れになりながら…俺に変身したアイツの亡骸を抱えているミュルジスを見て…その理由が分かった。
きっと、きっとミュルジスはソイツの死骸が俺だと勘違いしてしまったのだろう。
だから、哀しみにくれた彼女の目が泥々と濁っているのだろう。
…あれ?でも、俺が目覚めたのは…あの戦闘からかなりの時間経っている筈なんだけど…?
まぁ、いいや。とりあえず誤解を解かないとね。
ユーリは、ミュルジスへ脚を向ける。熔けていく、いつかの彼が愛した花を守るために。
あたしが彼と最後に言葉を交わしたその場所は月明かりの僅かな光に照らされて、飛び散った彼の破片と赤黒い水溜まりが…強調されていた。
あたしは…また、間に合わなかったみたい。彼が大好きで、ずっと、ずっと…一緒にいるって約束したのに…何時も何時も彼はあたしの知らないところで…あたしを守って枯れていく。
許せなかった、彼がこんなになっているのに…気づきもしなかったあたしが…。
…あっ、そうよ…あたしが、あたしがいなければユーリは、こんな目に合わないんじゃないかしら?だって、あたしを守って死ぬんだもの…。そうよ、ええ!これであたしも、やっと貴方の役に立てるわね…?
「…ユーリ、今まで…ごめんなさい。きっと、あたしはいっぱいいっぱい、貴方を傷つけたわよね…。でも、もういいの…もう、ゆっくり眠っていいのよ…?」
ゆっくりと彼の破片を撫でる。もう、触ることも出来ないそれを、抱き締めながら、あたしはロドスで、刃物を手に取る。
窓から覗く月明かりを反射させ、キラリと光るそれを、喉元へ突き刺そうとした時、聞き覚えのある声が鳴り響いた。
それはもう、会えないと思っていた声で、彼は優しく語りかける。
「ミュルジス…おーい?それ、偽物だからね?俺は、生きてるよ…?」
月夜に咲く花のように、辺りを彩る彼の顔が…あたしを不思議そうに覗き込んだ。
「…うそ、ユーリ?生きて、いたの…?」
たどたどしく、言葉が口から刻まれる。彼の姿を直視したいのに、溢れでる水が邪魔をする。
でも、それをユーリが優しく拭ってくれた。その熱も、顔も声だって、彼が生きていることを教えてくれる。
「…生きてるよ。それ、俺を真似したやつの死体だからね。で…ミュルジス?君は、今…何をしようとしたのかな…?」
美しく咲き誇っていた花が、弱々しくその花弁を歪ませる。
きっと、ユーリはあたしが何をしようか理解してしまったのだろう。
だって昔の彼はあたしのことをあたしよりも、知っていたのだから。
「…ねぇ、答えてよ…?ミュルジス?…あぁ、嘘は通じないから」
彼との距離が縮まる。それは、あたしが見せる嘘を見逃さないようになのだろう。
だから、あたしは正直に答えた。いや、答えるしかなかった。
「…あたしが生きている限り、ユーリはあたしを守ろうとして…死んじゃうの。だから、あたしが死ねばいいの。そうすればユーリは、これ以上苦しまなくて済むのよ!ねぇ、あたし間違ったのかしら…?」
縋るように、彼へもたれる。彼のあたしよりも、小さな身体は、地に根を張った大木のように動くことなく、あたしを支えて抱き締めてくれる。
それは、聖母の如く…優しく全てを許してくれるような抱擁だった。
でも、見上げたあたしの目に写った彼の顔は、酷く歪んでいた。
苦しそうに、悲しそうに…歪んでいたの。
「…君に、そう思わせたのはきっと俺のせいだろうね。でも、1つだけ言わせてもらうよ。…例え、君が自らを殺して俺を解放しようとしても、俺は自らの命を引き換えにしても君を助けるさ。例え、それが君を傷つけてしまうことになってもね」
「だって…だって、俺は君を…君がいるこの世界を愛しているから。…だから、ミュルジス?そんな悲しいことを言わないで?」
慈愛に満ちた笑顔でユーリはあたしを見つめる。それは、夜空を照らし続ける星々のようで…きっと、こんなあたしの手は届かないんだってそう思えてしまった。
でも、あたしは…強欲なの。あなたにあたしの側に居て欲しい。あなたの瞳にあたし以外を写さないで欲しい。
あなたが、望む全てがあたしだけであって欲しい。
だから、あたしは…純白に輝く彼へ、心を見せつけた。
「…あなたは、卑怯よ。あたしには…何一つさせてくれないのに…あなたは、あたしに一杯溢れるぐらいに…想いを押し付けるんだもの…」
「ねぇ、ユーリ。あたし、あたしはね…?あなたのことが、大好き。もう二度と、離れたくないの…。ずっと、ずっと一緒に生きていたい。あたしは…こんなに、重い女だけど、それでもあなたはあたしのことを好き?」
でも、ユーリは…顔色ひとつ変えずに、美しく微笑み答えた。
「…うん。俺は君の全てが好きだから…そんな少し重たいところも愛しているんだよ?それに、俺だって君よりも醜いさ」
そう言ったユーリの顔に、雲が掛かった。きっと彼はあたし以外にも、その手を差し出していることに罪を感じているんだと思う。
…でも、あたしにとって…それがユーリで、あたしが惹かれた理由の一つでもあるのだから、誇って欲しいと感じているの。
確かに、あたし以外そんなことやあんなことをしてしまうのには嫉妬してしまうけれど、ユーリは、そんなあたしも愛してくれるらしいから。
「そんなことないわ…ユーリは、綺麗よ?確かに、色々言いたいことはあるけどね?…でも、今はあたしのことだけ考えて欲しいの。だって、今のあなたに写っているのはあたしだけでしょ?」
「…あぁ、そうだね。今の俺は君だけしか見えていない。それで、ミュルジス、君は何をしたい?俺が出来ることならなんでも答えるから、その心に貯めた全て吐き出して?」
「…いいの?あたし、本当に好きにするわよ?…きっと、あなたがやめてって言ったって許してあげないんだから」
「…ふふっ、俺は、君からなら何だって嬉しいからそんなこと言わないよ…でも、そうだね…俺の口からその言葉を出させたら俺の1日をミュルジスにあげるよ…?」
淫靡に、誘うようにユーリは、あたしを見つめる。それは、今の彼がサキュバスであることを象徴するかのように。
「…いいことを聞いたわ?…それじゃあ、ユーリ?あなたがまだしたこともないようなことをしてあげる…。覚悟してね?」
月夜に僅かに照らされた路地裏で、彼を囲うように同じ顔をしたエルフが3人その美しい身体をさらけ出していた。
息を飲む音が、響く。それは、これから何をされるか分からない少年から鳴ったものであった。
その様子に嬉しそうに、ミュルジスは彼の身体へ手をのばす。
一人は彼の陰部へ、もう一人は彼の胸を。そして、最後の一人は押し倒した彼が汚れないように彼の頭を膝に乗せる。
彼は、愛おしそうに頭を撫でられ、胸をカリカリと摘ままれ、陰部を唾液で濡らされながら刺激される。
全身から来る快楽から、必死に逃げようと踠くがその身体は彼女達によって押さえつけられていた。
「ミュルジス…!これ、これだめ♡全部、気持ち良くて…ヘンになる…っ♡」
「あら、今さっきはあんなに余裕そうだったのに…?もう、降参しちゃうの?」
「意外と弱いのね?…ほら、ユーリ?シコシコ、気持ちいい?」
「でもダメよ?直ぐに諦めちゃ、あたし…ユーリの格好いいところもっと見たいわ…?」
ミュルジスは、小悪魔のように微笑みながら彼へ快楽を送り続ける。
そして、更に追い詰めるように激しく彼を責め立てる。
「あっ♡ミュルジス…!俺のあそこ食べちゃっ♡だめっ!」
「んっ、ジュル…ふふっ、美味しいわ♡…ンンッ、ここが気もひぃの…?」
「あっ、喋らないで…♡ねぇ、ミュルジス…んっ♡キス、キスしてぇ…♡」
「…っ、もう…そんな顔されたら…するしかないじゃない…」
とろけた顔でキスを求める彼の顔へ、キスを落とす。でも、彼はそれじゃあ満足できないかのように、舌を絡める。
ミュルジスも、それに答えるように舌を絡める。でも、わざと焦らすように短い時間でキスをやめる。
「あっ…なんで、なんでぇ…?んっ、ミュルジス…♡もっと、もっとしたいの♡」
だらしない顔でキスを求めながら、快楽に喘ぐ彼を眺めながら、固くなる陰部からもう長くないことを悟る。
「ねぇ、ユーリ?もうイきたいんでしょ?だってほら、腰が動いてるわよ?」
「…っ♡だって、だってぇ、気持ちいいんだもん…♡あっ、えっ…なんでやめるの…?ミュルジス…?」
彼が認めた瞬間、彼を責め立てる快楽は全て止まった。その代わりに彼の心を占めるのは、イきたいのにイけない切なさだった。
「だって、まだあなたの口からやめてって聞いてないもの。言うまで…ずっと、イかせてあげないわよ?…ねぇ、だから早く言いなさい?そうすれば、もっと、も~っと気持ちくなれるわよ…?」
「…っ、まだ言わないもん!ミュルジスに負けた気がするし!…別に、こんな風に責められたからってそんな簡単に負けるわけないし?」
「…ふふっ、そうよね?ユーリは強い子だもねぇ…?じゃあ、また始めるわね?」
「えっ?…ちょっ♡急に…っ♡んンっ、ちゅ…ジュル…ンッ♡」
「…ンッ♡ふぅ…♡だらしない顔…♡ユーリてば、可愛いわね…?」
「でも、直ぐ快楽によがっちゃっうなんて、敏感ね…?でも、そんなところも好きよ♡」
「…ミュルジス…っ♡もう、もういいから…♡褒めないで…♡」
「あら、またイきそうになったわね?もしかして、ユーリってザコなの?あたし、少しガッカリだわ…」
「そんなことないわよね?…だって、ユーリはあたしの護衛だものね?…だから、耐えて?このぐらいじゃ、平気だってそう言って?」
左右から囁かれる声と快楽を与え続けれ、どんどんと限界が近づく。
それを、ミュルジスは愉しそうに煽っていく。そして、ついにその時は来た。
「あっ、分かったから、焦らすのやめてっ♡…もう、もうやめてぇ♡イきたいの…!」
「あぁ、言っちゃったわね?…ふふっ、良いわよ…イかせてあげる…びゅーびゅーってあたしの口に出して?ほら、ほら♡」
「あっ、ダメよ…?ユーリ、もっともっと頑張って?そうしたら、あたしの膣に出せるわよ…?もしかしたら…あなたの子を孕めるかもしれないのよ…?耐えて、ユーリ♡」
「ううっ♡…もう、むりぃ♡出る、出るからぁ…♡」
びゅっびゅっと、咥えていたミュルジスの口の中に白濁した液体が注がれる。
それをわざとらしく、見せつけながらミュルジスは飲み込む。
「んぎゅ…ふっ…んっ…はぁっ…いっぱい出たわね…?」
ミュルジスは涙目になりながら、飲み込んだ証を見せつけ微笑む。
いつの間にか一人だけになっていたミュルジスは、そのままユーリへと、覆い被さる。
そして、暖かな膣を掻き分けるように奥まで無理矢理入れていく。
「あっ、ちょっと♡痛いわね…?でも、ユーリがここにいるって分かるわ♡」
少し膨らんだお腹を擦りながら、ミュルジスはゆっくりと動く。
ユーリにとってはそれがもどかしく感じていたが、頑張って動くミュルジスが愛おしくわざとその動きに合わせて腰を振った。
「あっ♡ちょっと♡今はあたしが、あなたを気持ち良くしてるんだからっ♡動いちゃダメよ♡」
「俺だって♡ミュルジスに気持ち良くなって欲しいんだよ?ほら、こうやってっ♡」
彼はミュルジスが少し浮いた瞬間に奥へ叩きつける。ぐにっと何かを押し込める感触と漏れ出るミュルジスの嬌声に更にその動きを早める。
「あっ♡あっ♡ユーリ、ユーリ♡好き、好きよっ♡ずっと、ずっと…♡」
もたれ掛かるように、抱き着くミュルジスに抱き着き返す。仄かに香る花の香りが鼻腔を包み、ミュルジスの心音がユーリへ響く。
「俺も、俺もっ♡君のことが、ミュルジスのことが♡大好きだ!だから、だからっ…イけっ!イけっ!」
ユーリは、ミュルジスを押し倒し、正常位の体勢で激しく音を立てながら責め立てる。
それによりミュルジスは、なすがままに喘ぎ…月夜に咲く彼女の美しい顔が唾液と涙でだらしなく汚れていく。
「…ユーリとっ♡ユーリといっひょに♡イきたいのぉ♡」
「っ♡分かった、いっしょに…♡イくよっ!」
「~~っっ!…ユーリのが…ふふっ、暖かいわね…」
ゆっくりと、ミュルジスの中から引き抜く。そこから垂れてくる物をもったいないかのように、見つめるミュルジスが、身体をいじり、その穴を埋める。
そして、わざと見せつけるように、膣の様子を透かす。
「…ミュルジス…?良くないよ…それほんと、えっちすぎ!」
「ふふっ、あなたが喜びそうだと思ってやったけどそんなに喜ばれるとあたしも嬉しいわね。でも、あなた以外に見られたくないからもう、隠しちゃうわね?」
「うん、お願い。そんなの見せられたら俺も、俺を制御できなくなるから」
「あら、そうなの?それなら、あたしはまだしてもいいけど?」
「だめ!一応俺ら任務中!…またあとでね?」
「ええ、あたし…待っているわよ?今までみたいにあたしのこと、放っておいたら…何をするか分からないわよ?」
そう語るミュルジスの瞳には、深い深い闇が覗いていた。それは、直ぐには治らない心の闇で、俺が彼女を守るために与えてきた、傷なのだと俺は知った。
きっと、他の記憶にもない助けた人にもそんな傷をつけてしまっているのだろう。
だからせめて、その責任はとらないと…皆を幸せにしたとは言えないと俺は思う。
だから、もう一度…皆との仲を深めよう。きっと、きっとそこに俺の行く先がある筈だから。