友人以上、セフレ未満 作:ナナナ
こんなこと、初めてかもしれない。
そう思う程に、今の私は高揚していた。
理由は単純明快。瑞樹が、『あの日は盛り上がっていた』と言ったからだ。
盛り上がっていた内容は濁していたものの、あの日の恋人ごっこが瑞樹の気の迷いではなく、明確な理由があってのことだった、ということだ。
「うっ……で、射精る……!」
苦しそうに声を漏らしながら目をぎゅっと閉じた瑞樹。
次の瞬間、私の手に熱いドロリとした液体が飛び散った。
肉棒はドクドクと心臓のように強く脈打ち、手の中で散々に暴れている。
私はそんな肉棒を掴み直すと、瑞樹に息つく暇を与えずに扱きはじめる。
「はぁ……はぁ……ち、ちょっと待って……!」
瑞樹の瞳に反射する私の顔は、自分でも信じられないくらい、サディスティックに笑っていた。
切なそうな瑞樹の表情が可愛くて、誰にも見せたくなくて、そのまま蝋人形にしてしまいたい衝動に襲われる。
半ば無意識に私は瑞樹の手を取り、ぎゅっと恋人つなぎをする。
「やばい……!」
再び、熱い精液がぶちまけられる。
一度目の射精よりも余裕のなくなった瑞樹。
私は、そんな瑞樹に見せつけるように、手についた精液をすすった。
苦くて臭くて舌が痺れるような、お世辞にもおいしいとは言えない味。
ただ、この行為が瑞樹にどれだけ効くか、私は知っていた。
「お、お前……」
……きっと、いや、間違いなく。明日の朝私は後悔することになるだろう。
自分の欲望のために瑞樹を利用した自分自身が許せなくなり、また死ぬほど嘔吐するかもしれない。
でも、それで良い。
それでも良いから、今だけは、この快楽に溺れていたかった。
「……枕。顔隠して」
「え?あ、あぁ……」
私が差し出した枕を、瑞樹は困惑しながらも受け取った。
一度瑞樹の上から退いて、机の上に置かれたゴムを瑞樹の肉棒に被せる。
そして再び瑞樹に跨ると、膣穴に肉棒の先端を触れさせる。
「……」
いつも正常位かバックなので、騎乗位なんて片手で数えられる程しかやったことがない。
少なくとも、高校に入ってからはやった記憶がない。
「ふっ……!」
覚悟を決め、一息で瑞樹の肉棒を膣内に突き挿す。
背骨を貫かれるような痛みと、背骨を貫くような快感。
その二つが脊髄を通って同時に脳味噌へと押し寄せ、気が狂いそうになる。
「~~~ッ!」
枕の下から、くぐもった声が聞こえてくる。
一瞬痛いのかと思ったが、瑞樹も腰が反っている。
私は瑞樹のへそ辺りに両手をついて、何度も何度も杭を打つ。
腰を落とす度、瑞樹の亀頭と私の子宮口が薄いゴムを隔ててディープキスをする。
ぱんっ、ぱんっと、汗ばんだ肉同士がぶつかる水っぽい音が部屋に響く。
「はあ……!はあ……ッ……!」
「や、やばい……って……!」
枕の下で呻く瑞樹。
私が見えなくしたが、その目は、何が見えているのだろう。
……透、なのか。
「ッ……!」
急に悔しくなってきた私は、杭を打つスピードを速めてやる。
私がこれだけしても、きっと、瑞樹の目に私は映らない。
瑞樹が透のことを好きな気持ちよりも、ずっと、ずっと、ずっと、私が瑞樹のことを好きな気持ちの方が大きいのに。
好き、好き、好き、好き。
今すぐにでも枕を退かして、目を見て好きと言ってやりたい。
キスだってしたい。名前だって呼んで欲しい。
でも、それをしたら、私達は間違いなく後悔する。
だから、言わない。
「イクッ……!」
瑞樹が私の太ももを掴むと同時に、膣内の肉棒が大きく跳ね上がる。
精液で膨らんだゴムが、子宮口に押し付けられる。
とっくに絶頂していた私は、腰を震わせて射精する瑞樹に倒れないよう腕で身体を支えるのに、精一杯だった。
「あ……れ……?」
ぼんやりと滲む視界。
慌てて目尻を指先で拭うと、私は、自分でも気づかないうちに泣いていた。
こんな姿を瑞樹に見られなくて、良かった。
私は瑞樹から顔を背けるようにしながら肉棒を膣穴から引き抜くと、ゴムを外す。
そして、精液で汚れた妖しく光る肉棒を、口で咥えた。
やっぱり、好きな人のものとはいえ精液はまずかった。