朝の気配が、薄く白んだ光となって室内に差し込んでいた。
小田は布団の中で重苦しい吐息を漏らす。全身の関節が鈍く軋み、筋肉には粘りつくような疲労が張り付いていた。額や胸板、太腿に残る汗は冷え、肌にべったりと張りついている。まるで巨大な肉塊と夜通し格闘した後のような、身も心も擦り切れるような倦怠感が全身を覆っていた。
(身体が……重い……)
かすかな頭痛に眉をしかめながら、ぼんやりとした意識のまま目を擦る。
光が揺れる。部屋の中は、夜の名残がまだ漂っていた。空気は妙に湿り、床に近い場所にはいまだ昨夜の淫臭が淀んでいる。下腹のあたりに感じる生暖かいべたつき――それは汗や唾液だけではなかった。
「……はぁぁ……」
情けなくもため息が漏れた。
自衛官である自分が、こんなだらしない朝を迎えている。
身体に溜め込んでいた性欲が一気に暴発した――そう言い訳できればまだ救われるが、現実はもっと浅ましく、どうしようもない。
異世界という、理性を揺さぶり、すべてを狂わせる世界に迷い込んで、心も身体も、抗いようもなく翻弄されている。
「……いや……これは言い訳だな……」
呟いても、重くこもった声が空しく響くだけだった。
困惑と諦めが入り混じった心情のまま、隣に目をやる。
そこには――カザラがいた。
布団から半身をはみ出し、裸のまま仰向けに眠るその姿は、まさに獣の女王と呼ぶべき迫力と艶めかしさを放っていた。
厚い胸板から張り出した爆乳は、まるで大きな果実が二つ布団の端からこぼれ落ちそうになっている。大きく起伏する肉体の陰影が、朝日に柔らかく浮かび上がる。その頬には静かな寝息と安らぎの表情。昨夜の下品で挑発的な口調や淫語の面影は微塵もなく、今だけはまるで神聖な美術品のように静謐だった。
(……これで下品さも正せば……完璧無欠の美女なんだがな……)
思わず目を細め、手を伸ばせば届くほどの距離にある爆乳を見ないように、そっと顔を背ける。
――だが、それが失敗だった。
反対側には、ネルヴィがいる。
布団の中、丸まった体を晒して眠るその姿は、どう見ても女の体つきだ。柔らかな肩と華奢な腰、ふっくらとした乳房。だが、寝返りを打った拍子に露わになる太腿の付け根には、小ぶりな雄棒と睾丸がしっかりとぶら下がっている。
艶やかに乱れた髪、細い首筋、滑らかな背中、どこまでも雌の線をなぞる肢体。その全てが、昨夜、小田の上で淫らに震えた肉体の名残を物語っていた。
(…ほんと…男か女か、わからねぇ……)
寝顔だけ見れば、眠る少女のようにすら見える。呼吸に合わせて膨らむ胸と、細い指先、枕を抱きしめるような無防備な寝姿。
しかし視線を落とせば、下腹部に男の証が隠されている。
「……朝から……目に毒しかねえ……」
小田は静かに額を押さえ、再び天井を見上げた。
淫臭が部屋にこびりつき、寝汗と体液のぬめりが肌に張り付いていた。
世界があべこべにねじ曲がったような感覚――それを誰にも説明できず、心の内で苦笑するしかなかった。
目を閉じても、まぶたの裏に昨夜の情景がこびりついて離れない。
欲望の波が引いた後に残るのは、得体の知れない虚無感と、拭いきれない背徳の余韻。
小田は深く息を吸い込み、身じろぎもせず、朝の冷たい光と淫靡な空気の狭間で、しばし茫然と横たわっていた。
しかし、小田の肉体だけが独り浮き足立っていた。
夜の余韻がまだ皮膚の下で蠢き、股間には重く火照る感覚がしつこく残っている。枕に顔を沈め、目を瞑って必死に別のことを考えようとしたが、どうにもならない。
脳裏に蘇るのは、汗と唾液、体液と肉の熱が混じり合った夜の記憶だけだ。
(…あ゛ー…別の事考えねえと……)
無理やり意識を逸らそうとするほどに、熱は下半身に集まり、肉棒は朝の光も気にせず昂ぶっていた。
シーツの下で己の欲望が硬さを増し、呼吸は浅く、喉の奥が熱を帯びる。自分の理性が滑稽にすら思えてくる。
「……」
その時だった。
モゾモゾと、隣で何かが動いた。
ネルヴィだ。
小田が息を殺していると、ネルヴィが布団の中で身体を伸ばし、ゆっくりと小田の背に腕を回してきた。
そして、柔らかな太ももが小田の脚に絡むようにすり寄ってくる。
その動きに合わせて、ネルヴィの頭部からは鼠科特有のぴこぴこと揺れる耳――
毛並みの良い灰色の耳が、寝ぼけ眼で小田の肩口を小さく撫でてくる。
甘ったるい体温と獣じみた匂いが、朝の静けさをじわりと溶かしていった。
「……起きてるんだ。」
ネルヴィは眠たげな声で呟く。その声には夜の淫らな熱はないが、どこか湿度を帯びた吐息が含まれていた。
「……安心して寝れる環境じゃないからな」
小田は皮肉っぽく答えた。昨夜の混乱と、今この瞬間も身体にまとわりつく淫靡な気配。何一つ落ち着く理由などない。
だが、ネルヴィはふっと鼻で笑い、むしろ優越を浮かべるように太ももをさらに強く押し当てた。
「……世間知らずだね」
その言葉は静かで、しかし棘があった。ネルヴィは小田の首筋に額を寄せながら囁く。
ネルヴィは、カザラほど圧倒的な体格ではない。
だが、布団の隙間から覗く胸元は、充分に膨らんだ豊かな乳房――
それは人類の女性なら“巨乳”と呼ばれるサイズ相当で、柔らかく、甘い重さが布団越しにも伝わるほどだった。
そんな魅惑的な姿を無自覚に晒しながら、ネルヴィは淡々と続ける。
「この環境がどれだけ恵まれてるか――知らないから、そんなことが言えるんだよ」
小田は言葉を詰まらせ、反論すべき言葉が見当たらないことに気づいて返答を失った。
ネルヴィは、女とも男ともつかぬ色香を漂わせて、ぐっと脚を絡める。その膝が、小田の昂ぶった肉棒を探るように押し当ててくる。
ネルヴィは小さく笑いながら、艶めかしい太ももでさらに小田の股間を挟み込んだ。
皮膚が擦れ、下腹に甘い刺激が這い上がる。
ネルヴィの手が布団の中、小田の太腿から腰骨へ、そして熱く膨張した肉棒へとそっと触れた。
「こうして『ただ』抱かれていられるのが、どれだけ特別なことか――知らないのはあんただけだよ」
その声は、夜の淫靡さよりも、深い諦めと誇りの色を帯びていた。
「……っ」
指先で肉棒をなぞられるたび、熱と羞恥が同時に込み上げる。
布団の中、柔らかな雌体の輪郭に包まれ、雄でありながら雌であるという倒錯と屈辱を押し付けられ――
それでも身体は、いやらしい太腿の誘惑に素直に反応してしまう。
ネルヴィは小田の肩に顔を寄せ、目を細めながら囁く。
「……ほんと、淫乱だね。昨夜だけじゃ足りなかったかな?」
挑発と嘲弄、そしてどこか親密な温もり。
小田の心臓は静かな朝の中で激しく跳ね、布団の下で昂ぶりは更に増していく。
窓の外から差す光が、二人の絡まる影をゆっくりと浮かび上がらせる。
異世界の朝――
小田の肉体も、理性も、まだこの欲望の檻から抜け出すことを許されていなかった。
ーー
「うぅぅんぅ……」
朝の静けさを破るような、情けなくも愛嬌のある声が布団の端から漏れた。
カザラだ。昨夜あれだけ威圧的に、肉欲の嵐を巻き起こしていた女傑とは思えないほど無防備な寝起きの声。その響きは、絶対的な支配者が見せる気の緩みなのか、それともこの状況すらも自分の掌中にあるという確信なのか――
どちらにせよ、その油断は、小田の胸に妙なざらつきを残した。
「……あーあ、カザラ様が起きちゃった。世間知らずにお仕置きしたかったのに……仕方ないかぁ」
にゅこぉ…
ネルヴィが、熱く昂ぶっていた小田の肉棒をゆるく扱きながら、名残惜しげに指を離す。
唇の端に悔しげな笑みを浮かべ、ほんの少しだけ身体を小田から遠ざけた。
「ッふぅ……世間知らずね」
小田は、寝惚けまなこのカザラと、冷めたようなネルヴィの間で苦笑しつつ、強がるように言葉を返した。
「そもそも、俺はお前たちとは違う所から来たんだ。価値観が違うのは当然だろうが」
だが、どれだけ言葉を重ねたところで、身体の奥底に残る昨夜の淫乱な余韻が消え去ることはなかった。股間には、いまだに名残の熱と硬さが残っている。
ネルヴィはそんな小田の虚勢を見抜いたように、艶やかに目を細めて笑う。
「言葉は強がっても……昨日の変態行為じゃあ、説得力ないよ?」
その声音はねっとりとしたからかいに満ち、昨夜の肉欲を再び思い出させる。小田は舌打ちしながら、居たたまれない気分で布団から抜け出した。
肌に張りついた体液のぬめりと、冷えた汗が、羞恥と屈辱をさらに鮮明にする。
「……」
背を向け、床に投げ出されたスーツの場所を目で探す。だが、振り返るとネルヴィはまだ上半身を起こし、小田を未練がましく見つめていた。
その瞳には、昨夜の余韻と、子供のような甘えの色が混ざっている。
「……どこ行くの?」
ネルヴィの声は、ふと寂しさを滲ませていた。昨夜の嘲りやからかいとは違い、今だけは、どこか一人取り残されることを恐れる小動物のような声音だった。
「……別に……トイレだよ」
小田は素っ気なくそう返すが、心の奥底には不思議な罪悪感が湧いていた。
淫靡な夜の余韻、互いの欲望を剥き出しにして交わったその後で、朝焼けの静寂にさらされると、全てが現実離れして感じられる――
衣服を手に取り、背後から注がれるネルヴィとカザラの視線を感じつつ、重い足取りで部屋を出る。
床に足をつくたび、昨夜与えられた快楽と痛みがじわじわと下腹に蘇る。
(…全く、俺は何をイラついんだか……)
そう心の中で自嘲しながら、小田は静かに扉を閉じた。
扉の向こうで、まだ重く湿った朝の空気と淫臭が漂う寝室。
カザラはうっすらと目を開け、ネルヴィの方に身体を向けた。
「……あいつ、ほんと素直じゃねぇな」
消え入るようなカザラの呟きに、ネルヴィは布団に顔を埋め、恥じらいと未練を胸の奥に押し込んだまま、ゆっくりと深呼吸を繰り返すのだった。
ーー
通路を歩く小田の姿は、一見すると普段通りの自衛官のそれだった。だが、昨日の情事と今朝の余韻を引きずる身体は、明らかに平静ではない。
きっちりと着込んだ抑制スーツの下――その股間には、さっきまでネルヴィの手で扱かれていた肉棒の昂りが収まらず、スーツ越しにも盛り上がりがはっきりと浮き上がっていた。
小田は無意識に歩幅を狭め、布地の皺で誤魔化そうとするが、下半身の熱と張りはどうにも隠しきれない。
(……収まりつかない…)
トイレへ向かったのは、尿意以上に、昂った肉棒を落ち着かせるためだった。
理性があれば羞恥や屈辱で消沈してもおかしくない場面だが、この異世界においては“常識”の基準すら通用しない。
そう痛感しながらも、どうにか理性を取り戻そうと足早にトイレへ向かう。
だが――
「おやぁ?♡」
廊下の角を曲がった先、薄明かりの下でぬっと現れた女の声に、小田は思わず足を止める。
皮膚にじわりと汗が滲む。
その女――褐色の肌に筋肉質な肢体、何かの紋章を刺繍した外套。
あの夜、ナズを犯し、さらには「検査」と称して小田自身の尿道を舌でねぶった張本人だ。
「こんな朝早くに誰かと思ったら、小田じゃねえか♡」
女は不敵な笑みを浮かべ、じろじろと小田の身体に視線を這わせる。
「どうした、こんな朝っぱらから?また尿道を舐られたくなったか?」
舌なめずりを交え、下品にからかってくる。小田は眉をひそめ、冷たく睨み返した。
「……てめえに用はねえ。そこをどけろ」
「あん?なにつんけんしてんだよ」
女は挑発的に顎をしゃくり、通路の真ん中を占拠したまま動かない。
その一瞬、廊下の向こうから新たな足音が響いた。
「なにもめてんの、ベニーラ……って、お前ッ!」
新たに現れたのは、またしても見覚えのあるドラゴニュートの女――
忘れるはずもない。
その女はかつて小田が組み伏せ、絞め落とした相手――ライザだ。
ライザは現れた瞬間から血走った目で小田を睨みつけ、鋭い犬歯をむき出しにして威嚇の唸り声を漏らす。
その肩は怒りで震え、爪がカチリと音を立てて拳を握りしめている。
「てめえ……よくものこのこ姿を表しやがったなッ。今度こそぶち犯してやるッ……!」
低く、喉の奥から響くような声。
すべての理性を剥ぎ取られた獣のような執念と欲情が、その双眸に渦巻いている。
しかし、小田も一歩も引かない。
むしろ冷笑を浮かべ、嘲るように返す。
「はっ。この体格差で俺に絞め落とされた雑魚が、何をほざきやがる。」
言葉は鋭く、まるでライザの神経を逆撫でするように淡々と突き刺さった。その言葉に、ライザのこめかみがピクリと跳ねる。
「あ゛ぁ……?」
獣じみた低い唸り声が廊下に満ち、空気が一瞬で重くなる。
周囲の女たちがざわめきかけた瞬間――
間に割って入ったのは、ベニーラだった。
褐色の美女は肩をすくめ、面倒そうに二人の間に割り込む。
彼女の魅惑な肉体が両者の間に壁を作る。
「まぁまぁ……ライザ、落ち着けよ。こいつはカザラ様のお気に入りだからなぁ。ヘタに手ぇ出してみろ、ただじゃ済まないぜ?」
その言葉にライザはさらに歯ぎしりし、悔しげに鼻息を荒げる。しかし、さすがにカザラの名前が出ると、すぐには手を出せず、ギリギリと小田を睨みつけるだけだった。
一方、ベニーラは小田の股間を意味ありげに見やり、悪戯っぽく唇を舐めた。
「しかし……そのご立派なモノ、朝っぱらからそんなに張ってて平気かよ?我慢できねぇなら、また“検査”してやってもいいぜ?」
小田は苛立ちを押し殺しながらベニーラとライザの間をすり抜けようとする。
「……どけよ。用を足したらすぐ戻る」
小田はそのまま通り過ぎようとした。
視線も合わせず、肩をすり抜けるだけのつもりだった。
だが――
がしり、と肩に置かれた重い手が、その動きを止める。
「まぁまぁ……」
低く、愉しげな声。
ベニーラだ。
褐色の指がスーツ越しに肩へ食い込み、逃がさぬと言わんばかりの力で留める。鎧越しでも伝わる体温と筋力に、小田は一瞬、反射的に身構えた。
「俺たちもこれから任務でよ……その前に、ちょっと発散したいんだわ♡」
耳元に顔を寄せ、息を吹きかける。
荒く、獣じみた鼻息が首筋を撫で、汗腺を刺激する。
「……お前も、そうみたいだしな?♡」
視線が、遠慮なく下へ落ちる。
スーツの前部――もはや誤魔化しの効かないほどに張り出した隆起。
小田自身、意識しないようにしていたそれを、あっさりと暴かれ、喉の奥に不快な熱がこみ上げる。
「……ッ」
言葉が出ない。
否定も、拒絶も、理屈も――ここではどれも無力だ。
ベニーラは楽しそうに笑い、さらに一歩踏み込んでくる。褐色の肌が近づき、女の体温と、鉄と汗の混じった匂いが混ざり合う。
「いやぁ〜、お互いスケベでよかったなぁ♡また、あんな“気持ちいい検査”ができるんだからよ」
わざとらしく「検査」と強調する声音。
それが意味するところを、小田は嫌というほど理解している。
背後では、ライザが無言のまま立っていた。
だがその沈黙は、引き下がる気配ではない。血走った眼で状況を眺め、獲物が逃げ道を失っていくのを待つ、捕食者のそれだった。
(……クソ……)
理性は警鐘を鳴らす。
だが、身体は裏切る。
溜まった欲、異世界で刷り込まれた無力感、そして――逃げ場のなさ。
ベニーラが顎で示す。
「ほら……トイレ、空いてんだろ?」
個室の扉が、すぐそこにある。
人目はない。
言い訳も、後戻りも、もはやできない位置。
小田は一瞬、躊躇い――
そして、ほんのわずかに視線を逸らした。
それが、答えだった。
――次の瞬間。
トイレの個室の扉が、静かに閉まる音が響く。
狭い空間。
逃げ場のない距離。
女騎士二人の体温と圧力が、否応なく小田を包み込む。
言い訳は、もう通用しない。
この場所では――そう扱われる。
ベニーラの低い笑い声と、背後でライザの抑えきれない吐息が、個室の中で重なった。
小田は、壁に背を預けながら、重く息を吐く。
(……運が悪いなんてレベルじゃねえ……)
そう思った時には、すでに遅かった。
扉の向こう側には、朝の静かな通路。
扉の内側には、逃げられない“異世界の現実”。
そして――
“検査”という名の時間が、また始まろうとしていた。
ーー
トイレの個室、その狭い空間は朝から淫靡な熱気で満たされていた。
「んじゅぅ……んちゅぅ……」
唇と唇が密着し、舌が強引に割り込んでくる――
溢れる唾液が小田の口腔に流れ込み、ぬるりとした感触が舌の裏を這い、歯茎の隙間までねっとりと塗り込められる。
その瞬間、小田は理解した。ここでは“拒むための間”そのものが与えられない。唾液が喉奥へ落ちていく速度と同じ速さで、判断の余地が奪われていく。
唾液が滴り、喉奥まで流れ込む。ベニーラの唇は熱を帯び、肉欲に濡れきった吐息を小田の口の中へと押し込んでいく。その荒々しい動作の中に、女でありながら獣のような支配欲が滲む。
「……ふ、はぁッ♡」
舌を絡ませている間に、ベニーラの手は器用にスーツのジッパーを下ろしてた。冷たい空気が股間を撫でると同時に、肉棒が熱と期待に膨張しきったまま、露わに晒される。
その昂りは否応なく、スーツの生地を擦り上げて跳ねていた。
「んちゅッ…はぁ♡……ふはっ……準備万端ってか?」
唇を離し、涎の糸を舌先で舐め取るベニーラ。荒い息を吐きながらも、目を細めて下品に笑う。その瞳が小田の肉棒を値踏みし、口の端がますます吊り上がる。
「はぁッ、はぁッ……ベニーラッ!!いいよなッ!アタシから舐るぞッ!」
背後から割り込んできたのはライザだった。
血走った目をギラつかせ、昨日の鬱憤を晴らすかのように鼻息を荒くしている。
「あー、分かった分かった。ライザ、一発目はやらせてやるよ」
ベニーラは軽く手を挙げて譲る仕草を見せる。
その余裕が、ライザの闘志にさらに火をつける。
「ふぅゔぅぅッ!♡昨夜は舐めた真似しやがって……今日はたっぷり礼をしてやるよッ♡」
言葉の端から粘りつく熱気が溢れる。ライザは小田の腰に両手を這わせ、そのまま太腿を割り開くと、股間に顔を押し付ける。
「べろぉ〜……」
膝をつき、獲物を確かめるように、まずは肉棒のカリ首をぬめる舌でひと舐め。
ベロン、と湿った音を立てて舌を這わせ、先端の鈴口に絡みつける。肌を伝う唾液の熱、カリの裏をしつこくなぞる粘着質な舌――
「うぉッ……」
小田は腰を跳ね上げる。快感があまりにも直撃し、膝が小刻みに震える。
その姿をライザは下から鋭い視線で見ながら、肉棒を唇で包み、勢いよく咥え込む。
ベニーラが褐色の肌を輝かせる獣のような美女なら、このライザと言う女はそれとはまるで対照的な美貌を持っていた。
灰色がかった長い髪は滑らかで、光を浴びてほのかに銀の筋が浮かぶ。
額から頬にかけての輪郭は繊細なのに、瞳は捕食者のように鋭く、唇はねっとりと肉棒を吸い上げるたび艶やかに歪む。
どちらも共通して言えるのは――
ドラゴニュートという種族は、口調や態度さえ改めれば、誰もが目を奪われるほどの絶世の美女揃いということだ。
そして、服の上からでもわかる、弾けるような爆乳と張り出した尻――
膝を床につき、小田の股間へと顔を寄せるたび、胸の谷間が露骨に揺れ、布越しに隠しきれない存在感を示している。
尻尾は細く艶やかで、快感と興奮を表すように、嬉しげに左右に振られていた。
ぷぽッ……ッ、じゅるぅ……♡
唇の圧力と舌の動きが同時に襲いかかる。その強い吸い込みは根本まで飲み込み、喉奥にまで届いた肉棒を舌先で押し上げた。
ライザは誇らしげに眉を跳ね上げ、唇を離してはまた深く吸い上げ、音を立ててバキュームする。涎が顎まで滴り、膝の上にはすでに濡れた染みが広がっている。
「ちゅぽッ……ふぅ〜……汁が出てんぞ?♡昨夜の反骨心はどうした?」
顔を上げ、頬を紅潮させながら、ライザは唇を舐め回す。
舌を器用に這わせ、涎と先走りの混じった味を楽しんでいるようだった。
指で肉棒の根元をしっかりと握り、親指と人差し指で竿をリング状に絞めながら上下に扱く姿は、まるで獲物をからかうような緩急をつけていた。
「昨夜のお仕置きの続き、してやるよ♡」
ライザは肉棒を根元まで咥え込み、舌と唇を駆使して喉奥で蠢かせる。
頬が凹むほど肉棒を強く吸い上げ、顎を動かしながら下品な水音を響かせ続ける。
その音が狭い個室に反響し、室内はますます淫靡な空気に染まってゆく。
「……ぅぁあッ……」
ライザは何度も肉棒を咥え込んでは、バキューム音を響せ、昂る竿を舌で蠢かせ続けた。
ベニーラはその間も小田の唇を啜り、頬や首筋を舐め、時折胸元に手を滑り込ませて乳首を弄る。
支配と被支配、快楽と羞恥――あらゆる感覚が乱雑に混ざり合い、個室はもはや淫らな祭壇と化していた。
快感の波が次々と押し寄せ、逃げ場のない熱が下腹に溜まり、脈打つ肉棒からは我慢汁が無様に、そしてとめどなく溢れ出す。
「おいおい♡ライザにばっか夢中になんなよ…」
小田の肉棒が吸引される中、ベニーラは小田の身体にぴたりと密着し、褐色の肌と熱を惜しげもなく押し当ててくる。
小田は無意識のうちに手を伸ばし、ベニーラの背中から脇腹、そして張り出した横乳をゆっくりと撫で回していた。指先がむっちりとした肉に沈み、布越しに弾力と熱が伝わってくる。その感触が、理性をますます遠ざける。
「おぅッ♡…そうだそうだ、お前も今回のカザラ様の取引、同行すんだろ?」
ベニーラが耳元で囁く。舌先で小田の耳殻を軽く舐め、熱い吐息を吹きかける。
「ぁ……ああ……」
返事は朦朧としたものになった。
快感に意識がかき乱され、思わず間延びした声が漏れる。
押し付けられるベニーラの肉体の曲線、その横乳の膨らみと手のひらに吸い付く柔らかさは、女の色気と力強さを同時に感じさせた。
ライザはなおも肉棒に唇を押し当て、強烈なバキューム音を立てながら吸い上げる。
「んちゅぅッ♡……まあ、今回の任務は護衛だからね……アタシたちと一緒だよね?」
先ほどまでの獰猛さが消え、ライザはどこか優しげな声で問いかける。その瞳は満ち足りた光を湛え、まるで情事に陶酔しているかのようだった。
しかし、カザラほどの商人であれば、護衛を何重にもつけるのは当然か――
頭の片隅でそんな理性的な推論が浮かぶが、快楽の波が襲うたびにその思考はあっけなく消し飛んだ。
肉棒の根元に絡みつくライザの舌、首筋や舌を舐め上げるベニーラの唇、褐色の乳肉を指で掴み取る感触――
「……あっ!」
体が突如跳ね上がる。ライザが舌先で亀頭の裏を何度も押し潰すように刺激した瞬間だった。
快感が一気に込み上げ、下腹から熱が突き上げる。
びゅッ…!!
噴き出すような勢いで、精液がライザの喉奥へと叩き込まれる。
ライザは一瞬驚いたように目を見開き、だがすぐに頬を赤らめ、誇らしげに唇をすぼめてすべてを飲み下す。
「んぶぅ♡……んっ、んくぅ……」
唇の端から精液がわずかに溢れ、顎を伝って糸を引きながら垂れていく。ライザはそのまま顔を上げ、口の中に残った白濁を見せつけるように舌を出して見せ、ねっとりと飲み込んだ。
「ふぅ……うま…♡」
満足げに笑い、唇をぺろりと舐める。その目には完全に雌の熱が宿り、膝の間でなおも尻を揺らしていた。
ベニーラはそんな様子を面白げに眺めつつ、今度は小田の頬にキスを落とす。
「…次はアタシの番だよなぁ……」
個室の熱と粘り気はなおも収まらず、小田の全身は二人の女騎士による支配と快楽の連鎖に、再び巻き込まれていくしかなかった。
ーー
「時間ねえから早く済ませるぞ……」
ベニーラが強い興奮を滲ませ、そう吐き捨てる。
手際よく装甲の腰紐を解き、褐色の下半身を大胆に露出させると、小田の身体をぐいと引き寄せた。その逞しくも艶やかな太腿が、無遠慮に小田の腰を掴み取り、自分の上に跨がせる。
太腿の肉は柔らかさと筋肉の弾力が同居し、汗ばんだ滑りが肌へ伝わる。
小田は本能的にベニーラの身体を押し倒すように身を預け、その膝の上に太腿ごと抱え込まれた。
「なあ、ベニーラ……アタシも……」
後ろからライザが、悔しそうに声を漏らす。
だが、ベニーラは振り向きもしない。
今は自分の快楽だけを優先し、声に露骨な苛立ちと独占欲をにじませる。
「ライザッ、今いい所なんだから黙ってろよッ!」
吐き捨てるような語気。
ライザは口を噤むが、その視線は小田とベニーラの結合部を羨望と悔しさを滲ませて見つめていた。
「ちッ……これじゃアタシもできねえじゃん……」
「一発雄汁啜ったんだからいいじゃねえかよっ……こっちはまだ雌穴でこの巨根味わってねえんだぞッ!」
ベニーラは焦れたように小田の腰を掴み、自らの雌穴へと肉棒を導いていく。粘液が溢れた入り口が小田の亀頭に絡みつき、ぬちゅり、といやらしい音が響き渡る。
にゅぅぅう……ッ
「うあっ、熱ッ……!」
一気に呑み込まれる圧迫感、そして生温かな粘膜の締まり――
小田の肉棒が根元まで一気に吸い込まれ、ベニーラの膣壁がこれでもかと絡みつく。
挿入の瞬間、ふたりの体温が一気に高まり、太腿と腹部の肌が汗で滑る。
「文句言ってんじゃねえッ……!」
ベニーラは小田の首に腕を回し、そのまま唇を奪った。
先ほどまでの優しさなど微塵もない、獣じみたディープキス。
舌と舌が粘りつくように絡まり、唾液がこぼれ、鼻息と水音が個室の空間に充満する。
じゅるるるぅ……!
舌が喉の奥まで侵入し、噛みつくように口腔をまさぐる。
ベニーラの瞳は快楽に濡れ、唾液が小田の口角から滴り落ちる。
にゅぅぷっ……!
しかし、その間にも、肉棒が膣の根元まで押し進み、爆発的な快楽が小田とベニーラを襲っていた。
「お゛おぉぅッ?!♡」
あまりの大きさ、硬さに、ベニーラは思わず大きな喘ぎ声を上げた。
膣壁が肉棒を根こそぎ味わうかのように収縮し、奥まで挿し込まれる度にその声は快楽で上擦る。
「ッーー……で、でっけえ〜♡……入れただけでやばッ……!」
膣内の蠢動が亀頭を包み、奥で締め付けてくる。
小田の腰が自然に揺れ、ベニーラの膣奥に何度も突き上げるたび、粘液が溢れ、股間で粘りつく音がどんどん大きくなっていく。
「おいッ、ベニーラ!早く終われよッ!」
後ろからライザがじれったそうに急かすが、ベニーラは無視して小田の腰を自分のほうへさらに引き寄せる。
膣内の吸い付きが更に強くなり、小田の肉棒はヌルついた粘膜に包み込まれていった。
「そう急かすなよッ……!いぃ♡…んえ゛ぇ♡…!」
ベニーラは汗に濡れた額を小田の肩に押し当て、太腿をぶるぶると震わせる。
喘ぎと吐息が混じり合い、体液と汗が混ざって滴り落ちる。
個室の空間は、女たちの色香と粘液の匂い、下品な水音と喘ぎに塗りつぶされていく。
にちゅッ…にちゅッ…ぬちゅッ
「んっ、ふぅぅっ…♡…たまんねえ……!」
小田は太腿の締め付けと膣奥の吸引に抗えず、腰が勝手に跳ね上がっていた。
ベニーラの爆乳や尻肉がぶるんと揺れ、汗と唾液でぬるついた肌が下品に粘り合う。
「ッ…いつもされるがままでいれるかよッ……!」
終わらぬ快楽の中、小田の叫びは、抑圧と屈辱、そして自身のどこかに残る矜持が入り混じったものだった。
女たちに何度も弄ばれ、異常なまでの快楽を植え付けられても、ただ流されるだけで終わることはできない。
だがそれは、もはや“自衛官の意地”などと呼べる類のものではなかった。
任務や規律に支えられた誇りでもなく、祖国や責任に根ざした誓いでもない。
ただ、奪われっぱなしで終わることだけは、どうしても許せなかった。
それは、あえて言うなら、“男の意地”としか言いようのない、原始的な衝動だった。
だが、その唯一の反骨心とも呼べるものが、小田を快楽に沈ませるだけの獲物で終わらせはしなかったのだろう。
肉体は膣の締め付けに支配されつつも、脳髄が焼けるほどの熱が、指先へと滲む。
「……あぁあッ!」
しかし、先に限界を迎えたのは小田だった。
びゅるるるッ、びゅ〜――
肉棒の根元から激しく脈打ち、真っ白な精液がベニーラの膣奥へと打ち込まれていく。
勢いは凄まじく、抽送のたびに膣奥が痙攣し、ベニーラの下腹まで熱が溢れた。
「あ゛ッ!♡ぁぁああッ♡」
ベニーラは絶頂の波に呑まれ、顎を上げ、涎を唇の端からだらしなく垂らす。
太腿がぶるぶると震え、背中は反り返り、筋肉の躍動とともに全身を貫く快感に身を委ねていた。
その瞬間であったーー
小田は、射精の衝撃に震えながらも、両手を大きく広げてベニーラの爆乳を鷲掴みにする。
もぎゅぅぅ…
力任せに揉みこねる。
掌に余るほどの乳肉をこれでもかと捏ね回し、指先で乳輪を押しつぶし、親指で乳首をぐりぐりと弾く。
汗で滑る肌、柔らかな脂肪、血管が浮かび上がる乳首の張り――
すべてが指先に絡みつき、圧倒的な肉感を味わい尽くす。
「んゔぁッ♡ほぉッ♡てめぇッ……!」
ベニーラは絶頂の余韻に身を委ねながらも、小田の反抗的な仕草に瞳を細め、再び支配欲に火をつけられた。
そのまま小田の顔を両手で挟み、唇を奪う――
「じゅぅ……んちゅ、んんッ……!」
激しいディープキス。
舌と舌が口腔の奥で絡み合い、唾液が音を立てて溢れる。
小田は射精の余韻に身を任せつつも、口内で舌を跳ね返し、時に噛みつくように応戦する。
濃密な唾液の味、呼吸の合間から漏れる熱い吐息、頬を伝う汗と涙――
個室の中は、まるで愛し合う恋人同士が互いにむさぼり合う情事そのものだった。
だが、現実は決してそんな美しいものではない。
快楽の果て、肌と肌がぴったりと貼りつき、汗と体液と粘液が混じり合う。
太腿の間からは精液と愛液が混ざり合い、とろりとした滴が床に垂れ落ちていく。
「んはぁ…はぁ〜ッ、はぁ〜ッ……すげえ〜ッ……」
ベニーラは深い息を吐き、恍惚とした笑みを浮かべて小田の顔を見つめる。
乳房を揉まれ、支配と反抗を同時に味わう快感は、彼女の本能をさらに煽った。
「こりゃあ……カザラ様も気にいるわぁ〜♡」
ベニーラは満足げに、そしてどこか羨望すら混じる声でそう呟き、まだ硬さを失わない小田の肉棒を自らの膣奥でしごくように動かす。
その姿はまさに、快楽と反抗、支配と本能が渦巻く異世界の縮図だった。
汗と体液のにじむ空間、熱い吐息と淫声が響き渡る狭い個室。
快楽の余韻がなおも終わらず、二人は本能のままに身体を絡め、抗う意思と欲望の嵐に、ただ溺れていくしかなかった。
ーー
「なぁッ?!次はアタシだよなッ、アタシだよなッ!」
ライザの声は、切羽詰まった欲求と苛立ちがない交ぜになっていた。
既に息が荒く、汗と愛液で濡れた太腿を小田の腰に押し付けながら、恨めしそうに身を乗り出す。
だがベニーラは、荒い息を吐きながらも無情に言い放った。
「はぁッはぁ…ライザ……任務に遅れるわけにはいかねえからな……また今度だ」
「はぁぁあッ?!てめえだけ楽しむなよッ!!」
廊下に響きそうなほど、悔しさと怒りに満ちた叫び。
ベニーラは悪びれもせず、汗まみれの髪をかき上げて肩をすくめた。
「悪い悪いぃ……」
「くっそぉッ!」
ライザはやり場のない怒りを、ベニーラに力なくもたれかかっている小田の身体にぶつける。
小田の尻を、これでもかと揉みこねる。
鍛え上げられた尻がライザの指の腹で歪み、汗と体液のぬめりが指先に絡む。
もぎゅッ…ぎゅぅ
その執拗な揉みしだきは、やがて欲望のままに荒々しさを帯び、ライザの指先が小田の尻肉を強く抉り掴む。爪の腹で皮膚をなぞり、弾力を確かめるようにぐりぐりと揉み込む。悔しさと欲情、独占欲がそのまま力に変わり、ぶ厚い尻の肉は乱暴に形を変えて押し潰された。
ライザは、荒い息を吐きながらそのまま顔を寄せ、小田の尻へとしゃぶりつく。
かぶっ……!
「っあッ……!」
鋭い犬歯が皮膚を浅く食い破るほどに沈み込む。瞬間的な痛みが走り、肩が自然にすくむ。肉が噛まれた場所にはじっとりと生ぬるい唾液が広がり、じわじわと痺れる熱が沁みてくる。
だが、ライザはそこで止まらない。
むぐ、と噛んだまましばらく圧をかけ、満足したように歯を外すと、舌を這わせて噛み跡をなぞった。唾液が噛まれた痕に絡みつき、体温より熱い感触が皮膚を濡らしていく。
「…ああ、ほんとイライラするッ……」
欲望のままに低く囁きながら、ライザは小田の尻の割れ目へと舌を滑り込ませた。左右に割れた谷間を、じっくりと丁寧に――ねっとり、這い回す。
「……ぃッ…ッ!…」
割れ目を舌先でなぞり上げ、肛門の周囲をしつこく舐め回す。甘い唾液が割れ目の奥深くまで染み込み、肌の表面に湿った艶と熱を残す。その感触に、小田の身体は反射的に震えた。
「…クッソ…やりたい…放題じゃねえか…」
呻くような声がこぼれる。だが、ライザの舌は容赦なく尻の谷間を攻め立て、執着の証を一つ一つ刻むかのように何度も何度も舐め上げる。
ライザは満足げに舌を抜くと、今度は噛み跡に自分の指で触れながら、名残惜しそうにじっとその場所を見つめた。
「あ゛〜♡このケツ噛み跡だらけにしてえッ……」
悔しさと情欲に滲んだ呟きが、薄暗い個室にねっとりと残響した。
「おいおい……あんま跡つけっと、カザラ様にどやされるぞ……」
ベニーラが苦笑交じりに言うと、ライザは唾を飲み込み、睨み返す。
「うるせえッ!」
ベニーラはそんなライザの様子を面白がるように眺めながら、小田の衣服を適当に整え始める。
「まあ……この服みたいなの着てれば、どうせわかんねえか」
ベニーラは荒い息のまま、小田の尻肉を一度なで回し、ため息をついた。
「おい、小田、惚けてねえでさっさとカザラ様の部屋に行くぞ」
「はぁッ……ぐ……」
返事もままならないまま、ベニーラは小田の腕をがしりと掴み、力強く背中に引き寄せる。
そのまま半ば無理やり、おんぶするようにして個室を出ようとする。
「護衛の対価の前払いみたいなもんだしな♡ ま、護衛中も一緒に楽しもうぜ?」
女の腕と太腿にがっちりと支えられ、体力も意志も半ば奪われたまま、小田はなすがままに抱え上げられていく。
「おい小田ァ……てめえ、次は絶対アタシとだからなッ!」
ライザはなおも執念深く、小田に叫ぶ。
熱の残る視線が背中に焼き付くようで、再び己の番を主張し、悔しげに唇を噛んでいる。
小田は、ベニーラの背に担がれるようにして、汗と疲労でぐったりと身を預けていた。
朝から続いた情事の余韻と、責められ続けた肉体の痺れ、全身に絡みつく汗と唾液のべたつきが、まとわりつくように感じられる。
太陽の光が差し込む通路の先へと運ばれながら、ぼんやりと天井を見上げる。
(やっとだ……外に出られる……)
心の底で、そんな安堵の声が漏れた。
この閉ざされた館と寝所、快楽と支配の空間から抜け出し、やっと外気に触れられる。
そして――外の世界に出られれば、もしかしたら何らかの手段で日本と連絡を取ることができるかもしれない。
今の自分にとっては、ほとんど奇跡に等しい希望だが、それでもあきらめるわけにはいかない。
その通路には、まだ朝の静けさが残る。
だが、その背後に残された痕跡と、これから始まる任務の気配だけが、否応なく現実に引き戻していく。
そして、小田の心と肉体は、まだ冷めぬ熱を内に抱えたまま、再び異世界の“日常”へと引きずり込まれていくのだった。