揺れる馬車内――
俺はどれだけこの横の女に甘えていたのだろうか。
先ほど見た、あの残酷な光景が脳裏に焼きついて離れない。オークの巨体が人型の肉をぐしゃりと噛み砕く音と赤黒く染まった口元。
吐き気と恐怖が胃の底を締め上げ、小田は無意識のうちにカザラの大きな身体へ強くしがみついていた。
胸板に顔を埋め、張り出した乳房の柔肉を自分の顔で押し潰すほど密着し、震える指で彼女の服を掴んでいる。
(……俺は男だ…男だぞッ…)
馬車の規則的な揺れが、二人の身体をより深く絡め合わせる。カザラの体温が熱く染み込み、獣特有の甘く濃厚な匂いが鼻腔を満たす。それでも、小田は離れられなかった。この女の腕の中だけが、今だけはこの地獄から守ってくれる唯一の場所だった。
「ふぅ…そろそろ、だな……」
カザラが低い声で呟いた。窓の外の猥雑な喧騒が、少しずつ遠ざかっていく。
「…♡。おい、小田。こっち向け。」
「……?」
小田が反射的に顔を上げたその瞬間――
ベロ〜ッ…じゅぽぽっ!
「んぐぅッ……!」
カザラの熱く湿った唇に一気に塞がれた。分厚く長い舌が口腔の奥まで容赦なく侵入し、強烈な吸引で小田の舌を根元から吸い上げる。
それはカザラの頬がへこむほどの激しさで、下品な水音を立てながら唾液を大量に流し込んでくる。
んじゅっ……じゅぷぷぅ……レロレロ……♡
舌先がベロベロと小田の舌を絡め取り、ねっとりと擦りながら口腔内を隅々までかき回す。獣じみた、貪欲で下品なディープキス。
息が詰まるほどの濃厚さで、口の端から唾液がとろりと零れ落ち、小田の顎を濡らした。
あまりの激しさに、フェロモン抑制スーツの中で、肉棒が跳ね上がり、再び硬く充血して布地を押し上げる。
「ん゛ぢゅぅ〜……ぷはっ……!」
ようやく唇が離れたとき、長い唾液の糸が二人の口を繋いだ。カザラはそれを舌で舐め取り、艶っぽく息を吐きながらにやりと笑う。瞳は優しく、しかし完全に小田を支配する雌の色を浮かべていた。
「…交渉が終わったら、たっぷり可愛がってやるからな?♡大丈夫だ……お前は何があっても、俺が絶対に守ってやるよ。」
(情けねえ……なのに…)
この女に、完全に甘えてしまっている。恐怖から逃れるための、情けないすがりつき方。それを自覚しながらも、小田の身体はカザラの胸にさらに強く押しつけられていた。
彼女の鼓動が、耳元で低く響く。
「全く……そんなにママになって欲しいのかねえ……♡」
カザラはくすくすと低く笑いながら、ひっついてくる小田の身体を大きな掌で優しく撫で回した。指先が背中を滑り、腰をなぞり、そして迷わず股間へと伸びる。
そしてスーツの上から、硬くなった肉棒を包み込むように掴み――
もにゅっ……にゅるっ……ぐにゅぐにゅ……♡
ゆっくりと、捏ねるように揉みしだき始めた。指の腹が竿の形を確かめるように上下に動き、親指で亀頭の先端を特に念入りに円を描いて刺激する。
布越しでも熱が伝わり、馬車の揺れに合わせてその手つきがリズミカルに小田の腰を震わせる。
「……っ、はぁ……」
小田の息が乱れるのを、カザラは満足げに耳元で受け止めた。
もう片方の手で小田の頭を優しく抱き寄せ、まるで本物の母親のように――いや、それ以上に甘く、獣じみた愛情を込めて囁く。
「ほら、もっと甘えていいぜ……ママが全部、守ってやるからな♡」
馬車はまだ石畳を進み続け、外の地獄はまだ遠くに聞こえていた。
だが馬車内は、もう完全にカザラの温もりと、淫らな慰めだけに満たされていた。
ーー幾分か馬車が進み、騒音が聞こえなくなった馬車内では相変わらずの愛撫が続いていた。
ねっとりとしたディープキスの余韻がまだ唇に残る中、カザラの大きな舌が小田の舌を優しく絡め取り、唾液を交換しながらも、彼女は片目だけを外へと向けていた。
「んちゅッ……♡…おい、甘えん坊。外を見てみな。」
カザラが唇をわずかに離し、熱い息を小田の耳に吹きかけながら囁く。
彼女の指は相変わらずスーツ越しに肉棒の先端をゆっくりと円を描いて捏ね続け、擦る感触が小田の腰を甘く痺れさせている。
「ッ……?」
小田がぼんやりと顔を上げ、窓の外に視線を移した瞬間――
そこに広がっていたのは、圧倒的な貴族の屋敷だった。
白大理石の壁面に金箔の装飾が施され、近世フランスの宮殿を思わせる優美で豪奢な佇まい。高い尖塔、彫刻の施されたバルコニー、広大な庭園に整然と並ぶ噴水。
門の両脇には重装の女騎士たちが並び、武具を立て、視線を鋭く光らせている。その数と威容だけで、ただの金持ちではなく「権威者」であることが痛いほど伝わってきた。
馬車が門に近づくにつれ、しかしその異常性が、じわじわと露わになってくる。
庭園の中央にずらりと並ぶ石像。
本来なら自身の姿や先祖を讃えるはずの場所に――
「……あれは……なんだ?」
小田の声が思わず掠れた。
像は、すべて竜人の雄、だろうか。
女性的に整った顔立ち、細い腰、華奢な手足。愛らしく、どこか儚げな美しさを持っている。だが、その腹だけが――
妊婦のように、異様に膨れ上がっていた。
大きく丸く突き出たお腹は、まるで今にも産み落とす寸前のような張りを見せ、乳首までわずかに尖らせて石に刻まれている。雄であるはずの体が、妊娠の象徴として美しく、誇らしげに飾られている。
(……雄が……妊娠した姿を……像に?)
小田は目の前の光景に唖然としていた。
「ガラン卿曰く、美の化身だとよ」
「美の化身、だと?」
カザラがくすりと笑いながら答えた。彼女の指は相変わらず小田の肉棒を優しく揉み続け、まるでこの異常な光景を慰めるように、擦り上げている。
「俺も最初来た時、やべえと思ったよ。…まあでも、性癖拗らせても話はできるぜ?頭は回るし、金も出す。取引相手としては悪くねえ。」
「……あれは、性癖以前の話だろうが。」
小田は低く吐き捨てるように言った。
胸の奥で、さっき見たオークの食人の光景と、この異様な美学が重なり、吐き気が込み上げてくる。
カザラは肩を震わせて笑い、大きな掌で小田の頭を優しく撫でながら、耳元で呟いた。
「まあ否定はしねえな……さ、準備しな。出発前のベロキス、しとくかぁ?」
「……」
小田は答えられなかった。
先ほどの自己嫌悪――女に甘え、守ってもらおうとしている情けなさ――と、今見せられた屋敷の狂気が混じり合い、言葉が喉に詰まる。小っ恥ずかしい熱が頰を染め、ただ無言で目を逸らす。
カザラはその様子を見て、満足げに目を細めた。
「あ゛〜……マジで可愛いな、お前はッ」
そして再び、熱く濡れた唇を寄せて――
んちゅうゥゥ……♡じゅるるっ……
最後の、ねっとりとしたディープキスを深く、深く落としてきた。
馬車はゆっくりと門をくぐり、胎宮の奥へと進んでいく。
外の異常な美学と、内なる甘い堕落が、小田をじわじわと包み込んでいた。
ーー
馬車が白大理石の内庭に滑り込むと、車輪の音が静かに止まった。
大理石の階段の上から、ゆったりとした足音が響いてくる。
現れたのは――ガラン伯爵。
銀色の長い髪を高く結わえたポニーテールが、陽光を受けて艶やかに揺れる。身長はカザラとほぼ変わらぬ長身で、薄紫のローブの下から覗く胸元は、圧倒的に張り出していた。
豊満な乳房が布地を大きく押し上げ、歩くたびに重たげに弾む。細い腰と長い脚が、女性的な曲線を強調しながらも、どこか雄らしい力強さを湛えている。傍らには女騎士たちが四人、槍を立てて無言で控えていた。
「おお!カザラ殿!久しぶりだな!」
伯爵の声は明るく、しかし粘つく甘さを含んで響いた。唇の端が妖しく吊り上がり、瞳が獲物を値踏みするように細められる。
カザラは馬車から降り、軽く頭を下げた。
「お久しぶりです、ガラン卿。」
「いやぁ〜、前の犬人の雄ッ!たまらなかったよ!あの膨れた腹を撫でながら、産む瞬間を目の前で……ふふ、最高だった!」
伯爵は恍惚とした表情で手を胸の谷間に当て、身をくねらせる。その仕草に、傍らの騎士たちさえわずかに視線を逸らした。
カザラはにやりと笑い、『商人』の顔で答える。
「それは……嬉しい限りです。本日もガラン卿に見合う『商品』を持ってきましたよ。」
伯爵の視線が、隣の小田へと移った。
「ふむ?こちらの雄かな?」
舐めるように、小田の全身を視線が這う。紫の瞳が、ねっとりと上から下へ這い、股間と尻のラインを特に長く見つめる。
「……ドラゴニュートの雄ではないのに、この身長……珍しい種族だな。実に興味深い。」
「生憎ですが、これはまだ売り物ではありません。」
カザラが即座に遮るが、伯爵は構わず近づいてきた。長い指が、小田の腰に伸び――
「……!」
突然、大きな掌が小田の尻を鷲掴みにした。指先がスーツの布地越しに、筋肉の張りを確かめるように深く沈み込む。
「随分と筋肉がついている……触り心地も大変いいな……ふふ、締まりも良さそうだ。私のコレクションにぴったりだよ?」
伯爵の息が熱く小田の首筋にかかる。指が尻肉を揉みしだき、親指が谷間をなぞるように動く。露骨な欲望が、掌の熱を通じて伝わってきた。
小田の背筋が凍りつく。恐怖と屈辱が一気に込み上げ、しかし股間の奥が、昨夜の情事の記憶とカザラの愛撫の余韻でわずかに反応してしまう。
「……ガラン卿。商品については、後ろの馬車に乗っています。」
カザラが低く、しかし有無を言わせぬ声で割り込んだ。伯爵は名残惜しそうに手を離し、満足げに唇を舐めた。
「……私としては……有りだがね♡…ふふ、まあ楽しみだ。」
伯爵はポニーテールを翻し、階段の方へ視線を戻した。豊かな胸が揺れ、騎士たちの間に甘い緊張が走る。
馬車の中の甘い温もりが、まだ小田の身体に残っているのに――ここはもう、完全に胎宮の領域だった。
交渉は、始まったばかりだ。
ーー
大きな屋敷――胎宮の重厚な扉が、静かに開かれた。
一行は白大理石の広間に入り、冷たい空気が肌を撫でる。壁面には金箔の浮彫が施され、天井からは巨大なシャンデリアが吊るされている。だがその光の下に並ぶのは、すべて妊娠した雄の石像だった。
膨らんだ腹を優しく撫でるようなポーズで、歪んだ美が空間全体を支配している。
(悪趣味すぎるな…)
小田が毒付く中、一向は階段を上り始めた。
カザラが小田の背中に手を回し、さりげなく支えながら歩く。後ろからはネルヴィを連れた護衛の女騎士たちが続き、その前をガラン伯爵が優雅にポニーテールを揺らして続く。
伯爵は階段の途中で、ふとカザラに視線を投げた。紫の瞳が妖しく細められる。
「カザラ殿。話は変わるが…貴殿はどうやらケンタウロスとの取引もやっているようだな。」
声は明るいが、底に冷たい探るような響きがあった。
カザラは肩を軽くすくめ、商人の顔で答える。
「ええ……あくまで被支配種族向け、ですがね。」
伯爵はくすりと笑い、長い指で自分のポニーテールを弄びながら続けた。
「この都市…クローズハルデンは先の戦争によって協定を結ばされた都市だ。不服に思う貴族たちも多い……まあ、私もその一人だがね。」
彼女は階段の手すりに掌を滑らせ、視線を遠くへ投げた。声に、隠しきれない憎悪と愉悦が混じる。
「私は君のケンタウロス内部への不穏分子への支援…大賛成だ。あの馬共や虫ケラが苦しむならね。ふふ、奴らが互いに食い合う姿を想像するだけで……ゾクゾクするよ。」
伯爵の唇が、ねっとりと歪んだ。
それは単なる笑みではなかった。他国の傷口をわざと抉り、その痛み方を愉しむ者の顔だった。紫の瞳の奥には、積年の憎悪と、敵が内側から崩れていくのを待ち望む粘ついた愉悦が、静かに滲んでいる。
傍らの騎士たちが、ほんのわずかに息を呑んだ。
誰も口は挟まない。だが、その場の空気は一瞬だけ確かに張りつめた。主君の言葉に驚いたというより、その露悪的な本音があまりにも自然に口をついて出たことに、緊張が走ったのだ。
小田は、その会話を黙って聞いていた。
交易都市、協定、不服を抱く貴族、不穏分子への支援――敵国を正面から叩くのではなく、内側から腐らせ、飢えさせ、崩れるのを待つ。そんな種類の悪意が、まるで談笑のような軽さで交わされている。
(ケンタウロス……ダメだ……この大陸国家の情勢は、一体どうなっているんだ……)
小田は喉の奥で息を殺した。
これまで見てきたのは、もっと分かりやすい暴力だった。食う、奪う、犯す、囲う。露骨で、野蛮で、だからこそ恐ろしい。だが今、目の前にあるのはそれとは違う。
笑いながら、香を焚き、絹をまとい、他国の弱体化を愉しむ者たち。
無論、それ自体は地球においても珍しい話ではない。表立って剣を交えずとも、経済、外交、情報、工作――手段を選ばず相手国の力を削ぐなど、どこの世界でも国家が平然とやってきたことだ。
だが、それをこうも生々しい悪意と快楽を滲ませながら、まるで晩餐の余興のように語られると、話は別だった。
(カザラは…俺に何を求めているんだ…)
この世界の闇は、ただ欲望が剥き出しになったものではない。支配と反逆、交易と憎悪が絡み合い、国家そのものが意思を持って相手を食い潰そうとしている。そのことが、さっき見た食人の光景とは別の冷たさで、小田の胸の奥を締めつけた。
一段、また一段と階段を上るたび、足元がじわじわと侵されていくような錯覚があった。
ここは豪奢な貴族の館のはずなのに、小田には巨大な生き物の腹の中へ踏み込んでいくように思えた。
伯爵は満足げに微笑み、再び前を向いた。
その背中は優雅で、気品さえ漂わせていた。だからこそ、小田には余計に不気味だった。
「さあ、奥の間へ。…楽しもうじゃないか。」
階段の先には、甘く重い空気が待っていた。
ーー
応接室――
それは、現代日本の高級ホテルで言うところの「サロンルーム」のような空間だった。
天井の高い部屋に柔らかな絨毯が敷き詰められ、壁には金糸のタペストリーが優美に垂れ下がり、窓からは庭園の噴水が柔らかな光を投げかけている。客人を迎えるための、品位と落ち着きを演出した部屋。
だが――ここにも、ガラン伯爵の異常な美学が、染みついていた。
部屋の隅に、静かに控える二人の犬人。
女性的に整った顔立ち、ふわふわとした耳と尻尾。体型は華奢で、腰はくびれ、尻は丸く張り出している。雄雌の判別を困難にする柔らかさだった。
(まあ……雌にあんな服装はさせないだろうな)
二人ともメイド服を着せられていた。
黒と白のフリルが可愛らしく縁取られた衣装――だが、胸元は大きくはだけ、豊満な乳房がまるごと露わになっている。
重たくたわわに実った乳肉は、青白い血管が浮き、乳首は既に硬く尖って、わずかに白い雫を滲ませていた。出産を終えたばかりの、熟れた母乳の匂いが、部屋の空気に甘く混じっている。
「この者達は、つい最近出産してね……」
ガラン伯爵は優雅に微笑みながら、机の上からティーカップを手に取った。ポニーテールの銀髪を揺らし、長い指で犬人の片方の乳房に触れる。
「こうして、出産した雄の醍醐味を嗜んでいるのだよ」
そう言い終わるや否や――
ぎゅぅゥゥ〜♡もにゅぃぃ〜……!
伯爵の指が、柔肉の奥深くまで沈み込んだ。乳房全体を鷲掴みにし、親指で乳首の根元を押し上げながら、搾り上げる。
「ぅぁあんッ……♡はぁ……んんっ……!」
犬人の雄は甘く喘ぎ、身体をくねらせた。尻尾がびくびくと震え、膝が内股に寄せられる。
ぷく……ぷく……。
最初は細く、しかし次第に勢いを増して――
ぷしゅゥゥゥ〜♡
白く濃厚な母乳が、勢いよくティーカップに注ぎ込まれた。湯気のような温かさと、甘いミルクの香りが部屋に広がる。伯爵は満足げに目を細め、カップを傾けて香りを嗅いだ。
「今日は出が悪いな……もう少し力を入れてみようか?」
ぎゅぅ〜もにゅっ、もにゅぅぅ……!
再びもう片方の乳房にも指を這わせ、二つの乳首を同時に扱きながら搾り続ける。犬人の雄は涙目になりながらも、恍惚とした表情で身体を預け、母乳が滴るたびに甘い喘ぎを漏らした。
そんな光景に小田は、ただ唖然と立ち尽くしていた。
(……まじ、かよ……)
頭の中で、理性が軋む音を立てていた。
貴族の応接室で、雄の乳を搾り、母乳をティーカップに注いで飲む。
伯爵はカップを唇に寄せ、ゆっくりと一口含むと、恍惚とした吐息を漏らした。
「ふふ……今日も、素晴らしい味だね。」
その瞳は、満足とさらなる欲望で、ねっとりと輝いていた。
そしてガラン伯爵はティーカップを傾け、唇を湿らせながら小田とカザラを交互に見つめた。瞳が妖しく輝き、長い銀髪が肩に落ちる。
「どうだい、君たちも飲むかい?」
その問いかけに、カザラは即座に口角を上げた。
「いただきましょう。」
「おお……さすがカザラ殿。相変わらず、ためらいがないね」
伯爵が満足げに笑うと、カザラは迷わず犬人の雄の前に進み出た。大きな掌でたわわな乳房を鷲掴みにし――
指の腹を深く沈め、根元から先端へ向かってゆっくりと圧をかけていく。
「んぁッ……♡はぁ……んんっ……」
犬人の雄は甘く掠れた喘ぎを漏らし、身体をくねらせる。
カザラは無言のまま、もう片方の乳房にも手を這わせ、二つの豊満な乳肉を同時に扱きながら、容赦なく搾り続ける。白く濃厚な母乳が、勢いよく飛び、ティーカップに次々と注がれていく。
甘いミルクの香りが部屋いっぱいに広がり、湯気のような熱が立ち上る。
(……こういう場合で思うのはなんだが……シュールすぎる……)
高級応接室で、貴族の前で、雄の乳を搾って母乳を飲む。
しかもそれが「商談」の一部だなんて。
そんな中、伯爵は突如としてカップを小田に差し出し、にこやかに微笑んだ。
「さぁ!君もどうだい?」
「えっ!俺、ですか……?」
小田は思わず敬語になってしまい、慌てて口を噤んだ。背筋が凍りつくような緊張が走る。
伯爵はくすくすと喉を震わせるような甘い笑みを浮かべながら、ゆっくりと小田に近づいてきた。
銀色のポニーテールが優雅に揺れ、ローブの下で豊満な胸が重たげに波打つ。甘く湿った吐息が耳朶をねっとりとくすぐり、唇がほとんど触れんばかりの距離まで寄せられた。
そして、熱く溶けるような低く艶めかしい声で、直接耳の奥に囁きかける。
「もちろん……♡」
「だって君……私と同じ、底なしの変態なんだろう?ふふ……『匂い』で丸わかりだ…」
小田は思わずカザラの方へ視線を投げた。
カザラは、わずかに顎を引いて小さく頷いただけだった。
その仕草は「やるしかねえだろ」という、無言の圧力。
商談のルールだと、彼女は暗に言っているようだった。
(……なんでこんな変態趣味に付き合うんだよ……)
胸の奥で毒づきながらも、小田は仕方なく犬人の雄の前に立った。
しかし、本当に……信じられない。
メイド服からはみ出した白い肉塊は、重力に負けず張りつめ、乳首は既に硬く尖って透明な雫を滲ませている。
それでいて、この存在は雄…男だ。
この世界の異種族は見た目だけでは雌雄など区別がつかないが、股間のわずかな膨らみと、乳房に残る噛み跡がそれを物語っていた。
雄なのに……可愛らしい。
犬人の雄は、恥じらいと期待を混ぜた瞳で小田を見つめていた。
視線が合うと、すぐに耳を伏せて目を逸らし、しかしすぐにチラチラと上目遣いに覗き込んでくる。
尻尾が小さく震え、膝を内股に寄せて身を縮めながらも、どこか「早く触ってほしい」と訴えるような甘えた仕草を浮かべている。
狼狽える小田の後ろから、甘く溶けるような声が耳元に落ちてきた。
「そんなに怖がらなくてもいいよ……♡」
ガラン伯爵が、背中にぴたりと寄り添う。
豊満な胸が服越しに小田の背中に押しつけられ、柔らかく重い感触が布地を隔ててじんわりと伝わってくる。
「なあに、お乳を頂くだけさ!……それに、君もママのミルクは飲むだろう?それとも……もっと大きいお乳がいいかな?」
伯爵はそう囁きながら、さらに胸を強く押しつけてきた。
乳房の谷間が背中に沈み、熱い体温が小田の脊椎を這い上がる。
「……」
小田が言葉を失っていると、伯爵は耳たぶに唇を寄せ、甘く命令した。
「早く、絞りたまえ♡この子も、君に搾られるのを待ってるんだよ……?」
ーー
小田は、震える指をゆっくりと犬人の雄の豊満な乳房へと伸ばした。
掌全体で、熱く張りつめた白い肉塊を包み込む。指が沈み込む感触は、想像以上に柔らかく、しかし芯のある弾力があった。
重たく柔らかに実った乳肉が、指の間から溢れんばかりに形を変え、青白い血管がくっきりと浮き上がる。
もにゅぅゥゥ……
最初は優しく、根元から先端へ向かってゆっくりと圧をかけていく。乳房がと波打ち、乳首の先がわずかに震えた。
「んぅぅ……♡はぁ……んんっ……」
犬人の雄が甘く掠れた喘ぎを漏らす。その声は、恥じらいと期待が溶け合った、甘く溶けるような響きだった。耳に直接染み込み、小田の胸の奥をじわじわと甘く痺れさせる。
(ッ…そんな声出されると……)
理性が、ほんの少しずつ、溶け始めていた。
応接室で、『雄』の乳を搾るという異常な行為。それなのに、この甘い喘ぎと、熱く熟れた母乳の匂いが、頭をぼんやりとさせていく。困惑と屈辱が、どこか甘い陶酔にすり替わろうとしている。
小田は無意識に力を込め、もう片方の乳房にも手を這わせた。
乳首を親指と人差し指で優しく捏ね、根元から先端へ向かって扱き上げると――
こにゅぅゥゥ……ぷしゃぁァァッ
「ん!……だめッ♡ぁん……っ!」
犬人の雄の身体がびくんっと跳ね、甘い悲鳴のような喘ぎが部屋に響いた。
面白いほど勢いよく、白く濃厚な母乳が弧を描いて飛び散る。白い液体は連続して噴き出し、ティーカップに次々と注がれていく。
温かい飛沫が小田の手の甲にまで跳ね、甘いミルクの香りが一層濃く立ち上った。
(……出てくる……こんなに……)
小田の息が荒くなる。指を動かすたび、乳肉がたわみ、母乳が止まることなく溢れ出す。
まるで玩具のように扱っているのに、犬人の雄は恍惚とした表情で腰をくねらせ、尻尾を小さく振りながら小田の手に身体を預けてくる。
その甘い反応が、小田の下半身を容赦なく刺激した。
フェロモン抑制スーツの下で、肉棒が脈打ち始め――
やがて、布地の上からでもはっきりとわかるほど、大きく硬くそそり立っていく。股間の隆起がスーツを押し上げ、熱く張りつめた輪郭をくっきりと浮かび上がらせていた。
それを、目の前の犬人の雄が――目を見開いた。
「……っ!」
羞恥と興奮が混じった瞳が、小田の股間に釘付けになる。
次の瞬間、犬人の柔らかくふわふわとした尻尾が、するりと回り込むように小田の太腿を這い上がり――
ふわっ……しゅるっ……
勃起した肉棒の根元を優しく包み込む。
ゆっくりと上下に擦り始めた。柔らかい毛並みが布越しに熱を伝え、まるで生き物のように絡みつき、愛撫する。
尻尾の動きは甘く、執拗で、まるで「もっと硬くしてほしい」と語りかけているかのようだった。
後ろから、ガラン伯爵の荒い息が小田の首筋に吹きかけられた。
「はぁ……はぁ……そうだ…その調子だよ…♡随分と上手いねぇ……」
伯爵の声は、興奮で震えていた。豊満な胸が小田の背中にさらに強く押しつけられ、乳房の谷間が背骨に沈み込む。
「おっぱいは……大好きかな?すっかり、夢中じゃないか♡」
指が止まらない。乳首を捏ね、乳肉を揉みしだくたび、母乳が噴き出し、犬人の喘ぎが甘く高くなっていく。
伯爵は唇を小田の耳たぶに寄せ、熱く囁いた。
「…恥ずかしがらなくていいよ……?しかし……その逸物、すごいなぁ……♡」
伯爵の指が、背中越しに小田の腰に回され、勃起した股間をそっと撫でるように触れる。紫の瞳が、恍惚と欲望で輝いていた。
「ふむ……どうだろう?私のペットになるのは?」
ガラン伯爵の声は、溶けるような甘さで小田の耳の奥に染み込んだ。
「私は珍しい種族に生憎と目がなくてね……たっぷり気持ちよくなれると思うが……?ここで、毎日この子たちと同じようにお乳を搾られながら、妊娠した姿を愛でられて…………どうかな?」
ただの誘いではない。所有欲、性的嗜好、支配欲が溶け合った、粘着質で重い欲望が、小田の鼓膜から脳の奥底まで染み込んでいく。
(これは……どうすればいいんだ……)
小田の胸の奥で、恐怖と混乱が渦を巻いた。
理性が必死に警鐘を鳴らす。ペットになる?毎日乳を搾られ、妊娠させられ、舌で味見される?そんな狂った生活が待っているというのか。
そんなど変態の玩具になる生活さえ…甘いのかもしれない。外で見たあの地獄…あれがもしも自身に齎されるならーー
そう想像しただけで胃が締めつけられ、背筋が冷たく凍りつく。
しかし、身体は裏切っていた。
この異世界で味わった快楽と屈辱…そして恐怖が、身体の芯を甘く、痺れさせる。
まるで毒のように、血管の奥深くまで染み込み、理性の最後の砦を溶かしていく。
応接室の空気は、もう既に完全に甘く淫らな熱に包まれていた。
小田の理性は、母乳の香りと甘い喘ぎと、尻尾の愛撫の中で、ゆっくりと、しかし確実に溶け崩れていく――。