※この作品はR-18です。

その男傲慢につき   作:アマチュアダックスフンド

17 / 22
第十六話 欲求

 

「あ?俺の聞き間違いか?もう一度ゆっくり話せ」

 

「櫛田さんが貴方を堕とそうとしているわ。自分の男にして私から奪ってやる、彼女はそう豪語したのよ」

 

 堀北と神楽は2人で湯船に浸かっていた。神楽の部屋でセックスをした後は2人で風呂に入るのがお約束。汚れた体のまま帰宅させてしまうと、匂いや髪の毛の乱れ方で簡単にバレる。神楽は一度だけ汗だくでムンムンとしたフェロモンを出した状態の一之瀬を部屋まで送り届けたことがある。幸いにもエレベーターを利用した時には周囲に人が居なかったが、居たら匂いで速攻バレるだろう。

 

「俺を堕とす?身分の違いを弁えろって伝えておけ」

 

「それは無理ね。ああなった以上は彼女を止められないわ」

 

「俺の言う事が聞けないのか?」

 

 神楽は目の前に座る堀北の胸を背後から荒々しく揉み、乳首を抓る。

 

「んんっ!で、でもっ」

 

「俺に首輪を付けるつもりか?下手に出たらいい気になりやがってよ」

 

 神楽は堀北を堕とす際に櫛田から情報を貰ったことがある。堀北を陥れる為ならクラスをも裏切る、そんな櫛田を少しばかり気に入っていた。現に名前をしっかりと把握している。

 

「んぐぅぅ…や、八つ当たりしないでぇ」

 

「同じ中学で同じクラスだろ?テメェが何とかしろや」

 

「あ゛ぁ!!い、痛ぃ」

 

 神楽は堀北のクリトリスを強く抓った。浴室に堀北の叫び声が響く。

 

「い、痛いっ…あっ!んんっ!んぁ!」

 

「喜ぶなよ…」

 

 とうとうここまで堀北が堕ちてしまったが、今はそんなことどうでもいい。この俺を堕とす?単純に好意を抱いているから付き合いたいという訳でもなく、堀北にマウントを取る為だけ。要はこの俺を利用してやると言っているんだなあの女は。

 

「そもそも何でバレてんだ?答えろ」

 

「そ、それは…その…意識してるのがバレバレだって」

 

「ああ、知ってるよ。毎度すれ違う度にチラチラ見てきやがってよ。少しは隠せよ」

 

 身体を捧げてから堀北は常に神楽のことを考えて生活している。廊下ですれ違う度に立ち止まり、必死に目で追う。

 

「貴方のせいいいっ!やめっ…あ、やだっ」

 

 貴方のせい。彼女が良く口にする台詞。ただ、これだけで他責思考というのは余りにも可哀想だ。自分を1番に優先しろと命じる割には、堀北からの接触を神楽は嫌がる。

 

 矛盾。ただ堀北には指摘することが出来ない。神楽の欲を満たすのが自分の仕事。ただ今では求められずとも自分から神楽を求める淫乱女。

 

「そういやまだここは弄ったことなかったな」

 

 堀北のアナルを触り羞恥心を煽る。

 

「怖いか?」

 

 堀北はコクリと頷く。これまで4人の女と関係を持った神楽だが、未だにアナルに挿入したことはない。坂柳が軽く玩具で弄ばれたくらいだ。

 

「傷物にはしたくねぇし…ああ、丁度良い練習相手がいんじゃん」

 

「え?」

 

 堀北は真っ先に一之瀬を思い浮かべたが、神楽のニヤニヤと何かを企む顔を見てその考えを捨てた。そして自分に何かと因縁があるとある生徒の顔を思い浮かべる。

 

 


 

 

「櫛田いるか?」

 

 期末試験が近付き他のクラスとのいざこざ増えてくる今日この頃。Aクラスに所属し、学年トップクラスの知力を持つ神楽真央はHRが終わるや否やDクラスの教室へと足を運んだ。

 

 乱雑に扉を開けて教室に入り要件を伝える神楽。突然の来訪者の存在に他の生徒たちは驚いている。

 

「えっと…私に何の用かな?」

 

「2人で話がしたい。着いてこい」

 

 端的に要件を伝える神楽、その様子に周囲の生徒は慌てふためく。中でも目立つのは男子生徒たちだ。彼等にとって神楽の存在は妬み嫉みの対象、多くの女を誑かす神楽に怒り心頭のようだ。

 

「ま、まさか…告白?」

 

 最初に発したのは誰か分からない。ただその一言がキッカケでクラス内は騒然とし出す。

 

「お、おい!俺の桔梗ちゃ…」

 

「あ?お前らに用はない黙ってろ」

 

 お前に興味は無いと言わんばかりに目線すら合わせない神楽。その威圧的な態度に先程のざわめきか瞬く間に消え去り、クラス内で彼に対する警戒心が一気に高まる。

 

「…神楽くん、あまり威圧」

 

 クラスのリーダーがこのような状況を見逃す訳がなく、堀北がすかさず仲裁に入る。ただその声には普段より覇気がないようにも思える。普段から神楽のペットとして躾けられている堀北は逆らうことに多少の躊躇いがあった。

 

「喋りかけんな阿婆擦れが。テメェに用はねえ、俺は櫛田を呼んだんだ」

 

 だが、この男にはそんな甘さは存在しない。昨日あれだけ愛し合ったにも関わらず、皆の前で簡単に突き放す。

 

「神楽、お前調子乗り過ぎじゃねぇか?ああ!?」

 

 そんな神楽の態度に腹が立ったのか机を蹴り、声を荒げる須藤。彼は体育祭が終わって以降、気が立って仕方がなかった。神楽に完膚なきまでにやられたこと、堀北の心境の変化、周囲の視線、そして今のこの状況。

 

「お前に言われてもな..俺はサボるけど人殴らねぇし。試験で結果残せるしな」

 

「んだと!?テメェ!!」

 

「おい、落ち着けって」

 

 神楽の見え透いた挑発に乗ってしまう須藤。池や山内が止めに入るも大人しくなる気配はない。

 

「み、みんな落ち着いて!ほら、神楽くんは私と話したいだけらしいし..」

 

「そういうこった。悪い迷惑かけたな」

 

「あ、ああ…」

 

 神楽は櫛田に宥められ素直に引いた。好戦的な彼が急に大人しくなってしまうと、自分も引くしかない。2人はそのまま教室から出て行った。

 

 


 

 

「…それで、私に何の用?」

 

 教室から中庭に移動してベンチに座る。周囲に人の気配はなく、櫛田は思う存分本性を曝け出せる。

 

「その前に…どうだった?率直な感想を聞かせてくれよ」

 

 本題に入る前に確認しておくことがある。それは、あのような露骨なやり方でもコイツの機嫌を取ることが出来るのか否か。

 

「大勢の前で堀北が情けない姿を晒し、反してお前は喧嘩を仲裁..間違いなくあの瞬間はお前があの場所の中心にいた」

 

「っう!本当にいい気味。見た?堀北のあの顔..アイツあんたに惚れてんでしょ?なのにその本人に突き放されて..あぁ最高の気分ね」

 

 堀北を下げて櫛田を上げる、その上でこの俺が謝罪する。櫛田に取っては最高のひと時だったに違いない。恍惚とした表情の櫛田を見れば一目瞭然、だから俺はここで確信した。

 

「そこでだ…俺と取り引きをしよう」

 

 コイツを堕とせると。

 

「取り引き?まだあの時の対価すら貰ってないんだけど」

 

 あの時とは体育祭のこと。櫛田はクラスを裏切り、俺に情報を流して堀北陥落のサポートを行った。何の利益もなしに動く程にお人好しじゃない。

 

「堀北はまだ退学してない。1ヶ月あれば出来るとか言ってなかった?」

 

 堀北を退学させてやるから情報を渡せ。俺と櫛田が秘密裏に結んだ契約。無論守るつもりなど一切ない。

 

「ああ、言ったな。もう既に準備は出来てるぞ」

 

 実際やろうと思えばすぐにでも出来る。嘘は言っていない。

 

「っ!?なら今すぐにでも!」

 

 余程堀北が気に食わないのか、俺の話に一気に食い付く櫛田。ただ俺も堀北を失うのは惜しい。あれ程従順で良い女は少ないからな、それにまだ遊び尽くせてない。

 

「まあ、待てよ櫛田。良く考えてくれ、アイツを退学させるよりももっと楽しめる方法があるだろ?」

 

 さて、ようやく本題に移ろうか。俺を利用しようなんて考える愚かな雌には罰を与えなきゃな。

 

「はあ?私はすぐにでも消えて欲しいんだけど」

 

 そうだ、この女は自分の欲を満たす為なら手段を選ばない。過去の様にネットに情報を拡散し、クラスを破滅に導くのは管理されたこの高校では不可能に近い。だから邪魔な存在だけを排除し、自分が上に成り上がろうとしている。

 

 ここまでが櫛田が1人で模索し考え抜いた策。だが実現が出来ない、堀北はムカつく程に優秀だからだ。櫛田と堀北の差は中学以上に広がっている。次第にクラスの人気でも負けるだろう。

 

「お前はアイツがリーダーとしてではなく1人の女として堕ちていく様を見たくないか?」

 

 そこで、俺は1つの考えに至った。女が2人で足を引っ張り合っているなら、俺が介入して2人とも地に落としてやろうと。

 

 堀北は既に堕とし、残すは櫛田。遅かれ早かれこの女を奴隷にしてやろうとは考えていたからな。攻略する名目が出来てラッキーだ。

 

「…聞かせて」

 

「簡単だ。アイツのハメ撮りを流出させた上で退学させずにクラスに残し続ける。人気、信用、立場、あらゆる全てが地の底に落ちても退学することは出来ない。3年間に笑われ者のまま時を過ごす。

 

「は、ハメ撮りって…ヤったの?アイツと」

 

 俺の策云々よりも堀北と肉体関係にあることが気になるようだな。これは寧ろ好都合か?

 

「まあな、知ってるか?俺にハメて貰う為なら土下座もするんだぜ?」

 

「ほ、堀北が土下座…」

 

 櫛田は信じられないと言わんばかりの表情を浮かべる。ただ妙に信憑性がある、それ程までに堀北は神楽に惚れている。視線に敏感な女性なら皆気付くレベルで堀北は神楽を意識していた。

 

「見るか?動画もあるけど」

 

 そう言って神楽は徐に動画フォルダをスクロールし出す。そこには堀北らしき人物が馬乗りになっている動画や、一之瀬が口で奉仕する動画、坂柳が猫耳を付けている動画など、神楽との噂が絶えない女性陣の淫らな姿が映し出されていた。

 

「っ!?そ、その動画を晒せば堀北は…まあ、確かに私にとっては夢のような時間が過ごせそう。はあ、それで何がお望み?また情報?」

 

 櫛田は完全に乗り気だった。神楽が提案した作戦が遂行された後、皆が堀北を虐める様子を妄想して1人で興奮していた。

 

「いいや、お前だ。櫛田」

 

「はあ?」

 

「3日間、俺と肉体関係を持って貰う。たったそれだけだ」

 

 数秒間の沈黙、後に顔を赤く染めて櫛田が狼狽する。

 

「はあ!?だ、抱かせろって言いたい訳!?そ、そんなの!」

 

「たかだか3日だぞ?3日我慢するだけで堀北はクラスのリーダーから雌豚のビッチに成り下がる。お前の過去なんて霞むレベルの大失態だろ」

 

 3日我慢するだけで3年天下取れるなら本望だろ。まあ天下取るのはお前じゃなくて俺だが。このバカは徐々に自分が追い詰められていることに一切気が付いていない。堀北のあの映像を見て、今後を想像して舞い上がっている。正確な判断が出来ていない。

 

「何で私がアンタなんかと」

 

 どれだけ自分を過信してるんだよこの阿婆擦れが。

 

「まあ、そう言うと思ったよ。用はお前は邪魔者を消し去りたい訳だろ?…本当に堀北だけでいいのか?」

 

「…どういう意味?」

 

 餌に食いついたな。あとは逃さないように釣り上げるだけ。そして俺の手で綺麗に調理してやる。

 

「さっき見ただろ?俺は堀北以外にも坂柳や一之瀬の映像も持ってる。同時にアイツらを落とすことも可能って訳だ」

 

「お前は1人蹴落としたらまた1人、もう1人と歯止めが効かなくなる。現にそうやってクラス崩壊させたんだろ?」

 

「なら、ハナから全員潰してお前がトップに立てばいい。放っておいても2、3年は勝手に居なくなる」

 

「それに、俺もあの3人だけで終わらせるつもりはない。適当に女を探して遊ばせて貰う。飽きたらお前の好きにしていい」

 

 俺が堕とした女を全員見捨てて櫛田に全額投資。はっきり言うが全く釣り合ってない。愛嬌は一之瀬、身体能力は堀北、頭脳は坂柳、洞察力や判断力はひよりに軍配が上がる。

 

 要は使い捨ての駒。俺の気まぐれでほんの一瞬遊ばれるだけの存在。

 

「ほ、本気で言ってんの?何者なのアンタ…狂ってる」

 

 櫛田の表情は険しい。一之瀬が俺に好意を寄せていることや坂柳と行動を共にしていることは学年では有名な話。自分に親しくしてくれる存在を全て捨ててまで自分の身体を欲している。

 

「…」

 

 言葉が出ないとは正にこのこと。神楽の考えた策に乗ればあの時のような優越感に常に浸ることが出来る。想像しただけでゾクゾクする。

 

 ただこの男に身体を捧げる必要がある。櫛田自身は恋も知らない処女、相手は学年トップクラスに優れた女を次々堕としているヤリチン。

 

 未だに恐怖心が勝る。

 

「まだ悩むか…そうだな、堀北の流出させる映像だが…お前の指示通りの状況を作り出してやる」

 

 ただ、櫛田がこの状況に陥ることも神楽にとっては想定通り。これが正真正銘最後の餌、それは櫛田にとってこれ以上ない極上の味。

 

「はあ?どういうこと?」

 

「アイツは俺の命令なら何でも聞く。俺を通してお前の好きにしていい。どれだけ無様で恥辱の限りを尽くしてもいい」

 

「そうだな…最初の2日は俺と、最後の1日は堀北を呼び、俺とお前の2人でアイツを虐めるのもアリだな」

 

 目の前で堀北が快楽に、愛する男に捨てられる絶望に、じわじわと堕ちていく様を見届ける。

 

 この瞬間、櫛田の中で恐怖心よりも知的好奇心が勝った。

 

「っ!!?くくっ…あはは!アンタが敵じゃなくて本当に良かったわ…良いわ乗ってあげるその取り引き」

 

 たかだか3日でしょ?櫛田はそう呟く。先程まで性行為を怖がっていたとは思えない。堀北に最大限の屈辱をこの手で味合わせることが出来る、その快感を想像するだけで有頂天になっている。

 

「そうか、心の準備が必要だろ?適当に時間を作るから抱かれる覚悟が出来たら連絡しろ。じゃあな」

 

 勝ちを確信した神楽は笑いを堪えてその場を後にする。僅か3日、されど3日。これまで神楽と関係を持った女性は皆数日の内に自ら快楽を求める。

 

 何も知らない櫛田は鼻唄を歌いながら帰路に立つ。この女もまた神楽のことをチョロい男だと思っている。

 

「あはっ…男の子ってみんなあんな感じなのかなー神楽くんもただのヤリチンぽいし。まあたった3日だし、大丈夫かな」

 

 櫛田は悪夢のような時間が始まることを知らない。実現する筈のない未来を想像して1人笑っていた。

 

特別試験も書いた方がいいですか?

  • はい
  • 軽く触れる程度で
  • いいえ エ口のみ希望
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。