その男傲慢につき 作:アマチュアダックスフンド
ヒロインは徐々に追加していきます。
1話はエロなしです。
割とガバいです。雰囲気で読んでください。
第一話 傲慢
時刻は午前11時、本来の高校生なら黒板やノートと睨めっこしてる筈の時間帯。
「ご機嫌よう神楽真央くん。貴方は外見に似合わず図書室が好きなのですね」
「あ?誰だお前」
そんな時間帯に図書室で2人の生徒が居合わせた。
「相変わらず記憶力が皆無ですね。何度目の自己紹介でしょう」
「ああ悪いなモブキャラの名前覚えるの苦手なんだ」
小柄で西洋の人形のような美しさを放つ麗しき少女『坂柳有栖』
大柄で心斎橋で歩き煙草してるチンピラのような男『神楽真央』
「貴方の怠惰でクラスポイントが減点されています。これが最終警告です」
「何で俺がお前らの言う通りに動かなきゃならねぇ。ここは実力至上主義の学校だ、俺に命令出来るのは俺よりも上の人間だけだ」
チンピラにしか見えない風貌で厨二病のような発言をしているこの男。入学初日から他者を蔑み、クラス内外で問題を起こす分かりやすいトラブルメイカーだ。
普通なら学校もクラスメイトも放っておかない。たがこの学校は普通ではない。
『実力至上主義』正にその言葉が相応しいこの学校では、実力と金銭の変わりに配布されるポイントがあれば何だって出来る。
男はビッグマウスではない。慢心でも過信でもなく圧倒的な自信があるのだ。
「…いいでしょう。なら貴方の『実力』とやらをこの目で確かめさせて頂きます。明日の放課後、この場所で私と勝負をしましょう」
「俺が勝ったら?」
「私は貴方の手となり足となり3年間『奴隷』のように過ごしましょう」
「俺が負けたら?」
「その逆…私の『
学校内に青春の音色が響き渡る。夕焼けに照らされた図書室の外からは賑やかな声が聞こえる。あの頃に戻れたら..そう呟く者は数知れない。
廊下からコツコツと音が聴こえる。
「あら?もういらっしゃったのですか?怖気付いて逃げてしまったかと思いました」
扉を開けるが否、坂柳は神楽を挑発する。
「女が男を待たせるなよ」
「随分と時代に逆行していますね。外を眺めているようですが…憧れているのですか?」
「憧れ?笑わせるなよ。逆だよ、哀れんでるんだ。今日でお前の青春が終わってしまうことにな」
激しい口撃が飛び交う。互いに互いを見下し合うその様は、滑稽に思えるが2人の纏うオーラを見たら皆が圧倒され、そんな考えは消え去るだろう。
「勝負の内容は『チェス』です。ルールくらいは理解しているでしょう?」
「
「貴方が隙あらば駒を触る程、チェスが好きなのは把握しています。お互いに知識理解があるチェスが最も平等かつ公平に勝負出来るのでは?」
定められた盤上で、定められた駒を動かし、2人で競い合うチェスに運の要素は存在しないといっても過言では無い。
坂柳は1枚の契約書を取り出しサインをした。
「このチェスの勝者が『主人』。敗者が『奴隷』。神楽くんサインをお願いします」
契約書の隅々まで目を通す。揚げ足を取るような契約が存在しないかしっかりと確認しておく。
契約書
勝者は敗者に対してあらゆる命令をすることが可能。
敗者は勝者の命令を必ず遂行しなければならない。
この契約は3年の間、如何なる場合でも破ってはならない。
尚犯罪を助長させるような行為は禁止とする。
「つまんねぇ、1番下を無くせよ。俺が勝ったら全裸で土下座させて靴舐めさせるつもりだったんだけどな」
「…最低限の人権は尊重するべきでは?これは貴方の為でもあります」
男の下衆な発言に明らかに動揺を見せる坂柳。
「んなこと言って自衛の為だろ?そんだけ威張っても所詮は乳臭ぇガキだな」
常に冷静を保つ坂柳はこの程度の挑発には乗らない。だが彼の余裕そうな笑みが発言が坂柳のプライドを逆撫でる。
「奴隷とか言うからよ、中世ヨーロッパ的なマジの奴想像したけど..所詮ガキのおままごとじゃねぇか。クラスの地位を維持する為に俺の力が必要なんだろ?俺が他のクラスに行ったら己の立場が危ういもんな?」
「うざったいくらいに俺に声掛けるのもクラスのカスに頼まれたんだろ?頼れるリーダー気取ってるお前は断れないもんな?ダメでしたじゃ自分が自分を許せねぇもんな?」
男の挑発は止まらない。
「リーダーでも俺の制御は出来ねぇ。でも試験がある度に俺はテッペン取り続ける。どれだけ勉強しても俺には勝てない、精々横に並ぶだけ」
「時間が経つ毎に皆が気付くんだよ。どんだけ頑張ってもお前よりも俺の方が上だっ…」
「受けます。受けてやりますその挑発。貴方の伸びに伸びた鼻をへし折って差し上げます。そうですね…首輪を付けて校内を散歩でもしましょうか。想像しただけでワクワクしてきました」
頭に血が上るとは正にこの状況を表している。散々プライドを傷つけられた坂柳は男の挑発に乗ってしまった。思えばこの時点で既に勝敗は決まっていた。
激昂し感情的になる坂柳に対して、ニヤニヤと余裕の笑みを浮かべる神楽。盤上を見なくてもどちらが優勢か予想出来るかもしれないが、意外にも勝負は拮抗していた。
1つ、また1つと駒を動かす。放課後ということも相まって周囲に人の気配は無い。まるでこの部屋だけ時が止まっているかの如く静寂に包まれていた。
負けたら文字通り学校生活が終了する。両者勝った時の命令を口にしていたが、間違いなく出任せではなく本当に指示するつもりだろう。
「…」
両者真剣な様子だ。口数が分かりやすく減っている。
それもその筈だ。この勝負はスマホで録画している。敗者が無様に騒ぐ可能性もなくはない。
勝負が始まってから1時間程経った頃。静寂を破ったのは坂柳だった。
「ステイルメイト…引き分けですね。正直驚いています貴方がまさかここまでやるなんて…」
チェスには引き分けが存在する。この契約には引き分けの場合にどうなるかが記載されていない。
「日を改めて再度勝負を行いましょう。貴方の性格は良く理解出来ました」
「あ?何言ってんだ?まだ勝負は終わってない..」
男は先程までの仏頂面とは打って変わり、普段のニヤケ面へと変貌させた。
「これでチェックだ」
男は黒のキングを白のキングの前に配置した。
「…何のマネですか?」
坂柳は一瞬何が起こったか理解出来なかった。ここまで熱戦を繰り広げた神楽がチェスのルールを理解していない訳がない。
これでは白のキングを動かすと坂柳の勝利となる。
そして数秒考えとある結論に至った。その刹那、数時間前を遥かに凌駕する怒りが沸々と湧き出した。
「勝利を拾えと?…舐めてるのですか?」
「あ、悪いなミスった」
鼓動が早くなるのを感じる。完全に舐められている。いや、哀れみを受けている。
仕方ねぇから負けてやるよ。
ほら俺の力が欲しいだろ?拾えよ。
坂柳には幻聴すら聞こえていた。
「…ルール上自殺手は打ち直しが可能です。早く元の位置へ戻してください」
「あ、そうだっけ?じゃあもっと前からやり直してぇなぁ..4手前にビショップをe4に置けば良かった。ミスったミスった」
「4手前ビショップをe4…いや、まさかっそんな…」
録画している映像を確認することも可能だが、坂柳の記憶力なら簡単に思い出すことが出来る。そして1つ、いや多くの負け筋が浮かび上がってくる。
もしあそこに置かれていたら?
対応が出来たか?
(身の丈に合わない勝負を挑んでしまい申し訳ございませんでした..)
瞬間、脳に浮かび上がったのはあり得た未来。
全裸で目尻に涙を浮かべ地面に頭を擦り付ける未来。
そして…実現してしまう未来。
「じゃあ、また日を改めて…」
「ました…」
「あ?聞こえねぇよ腹から声出せ」
幼くして天才と称され、周囲に持て囃された坂柳にとって初めての『敗北』
坂柳は生まれて初めての恐怖と挫折に震え上がっていた。
完膚なきまでに敗北し、自身と男の圧倒的な実力差に涙を流した。
「私の負けです。参りました…」
特別試験も書いた方がいいですか?
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はい
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軽く触れる程度で
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いいえ エ口のみ希望