※二人目のターゲット
中学高校と生徒会長を務め、学生時代から変わらずの黒髪ロングで、見た目通りの真面目で堅物な性格。
職業は大手女性ファッション誌の出版社に勤める副編集長。
数か月前までは編集長だったが、不祥事を起こして編集長から副編集長になった。
その不祥事というのが、別の部署で編集者として勤務していた夫が、職場の女性と不倫して逮捕されたというもの。
今も逮捕されている夫の愚痴も吐かず真面目に職務に励む彼女だが、毎日のように同僚や部下から陰口を叩かれ、時に笑い者にされてかなりストレスを溜めている。
そのため、浮気・不倫を毛嫌いしており、接触した場合は通報する恐れがある。
恋愛経験は乏しく、交際人数は三人だけ。
その内、性行為をしたことのある相手は職場で出会って結婚した旦那のみ。
けれど性欲は強く、結婚生活で旦那よりも彼女の方から誘う回数は多かった。
お堅い見た目だがベッドの上では大胆で、一度発情すると自分を抑えられなくなる。
お酒に弱く、付き合いの席では呑まないか断ることが多い。
日常的に溜まったストレスを愛用のおもちゃを使って解消しているが、溜まる一方で、愚痴を吐ける気の置ける友人はいない。
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あの日から、俺の生活は少しだけ変わった。
昼間は自堕落な生活を送り、たまに佐代子を犯して楽しむ。
そして夜になると、
──ピンポーン。
インターホンが鳴り、麗子が家にやってくる。
そして彼女はいつもこう言う。
『夕食、一緒にどう?』
あの日から数日は向こうからアクションを起こしてこなかったが、マンション内ですれ違うたびに『あの日は楽しかったですね?』と思い出させるように刺激したらこうなった。
夕食をご馳走してくれる。
その言葉は優しい言葉だが、その夕食には必ずお酒が付いてくる。
なので自然と……。
「ああっ、いい♡ そこ、そこ気持ちいいの……っ♡ ああん、ダメっ♡ 激しく指で弄られるのダメぇ……っ♡」
酔った状態のままお互いを慰め合っている。
どちからからとかはない。
料理を楽しみ、お酒を楽しみ、気付いたらそうなっている。
ただ、まだセックスはしていない。
その一線はどうにか超えないようにしているのだろう。
ここまで堕ちて、その一線だけは我慢できる女性を俺は見たことがない。
素直に感心した。
そして逆に、いつまで我慢できるか楽しみにもなってきた。
──と、そんな完全なマンション内不倫が日常化して二週間が経った日のこと。
俺は麗子に家へ呼ばれた。
いつも通り彼女の手料理を楽しみ、お酒をご馳走になる。
流れはいつもと同じ。
だが違うのは、
「その、少し相談があって……」
「相談?」
食事も一段落したとこで言われた。
どこか悲し気な表情の彼女は茶封筒をテーブルに置く。
「警察からね、証拠品としてこれを送られてきたの」
「証拠品。旦那さんのですよね?」
「ええ。内容を見てみたら、その……あの人の不貞行為を撮った録画映像だって」
「録画? もしかして、ハメ撮りみたいな」
麗子は小さく頷いた。
なんで決定的な証拠を残しておくのか、という言葉が真っ先に出るが、男としてハメ撮りは最高のプレイの一つだからな。
まあ、撮りたくなる気持ちもわかる。
「それで、こういうのって見た方がいいのかしら……。正直、見たくはなくて。でも、警察からは確認して本人かどうか確かめてくれって言われて」
「なるほど。それで相談って? これをどうしたらいいかってことですか?」
「えっとその、言いにくいんだけど……一緒に、見てほしいの」
ほお。
という声は出さなかったが出そうになった。
「一人で見る勇気がなくて。誰かとなら堪えられるかもしれないと思って。だけど、こういうのを一緒に見てくれそうな人、あなたしかいなくて」
「なるほど」
「駄目、よね……。ごめんなさい、忘れて」
「いや、いいですよ。どうせ見ないといけないなら、一人で見るのは辛いでしょうから。一緒に見ましょうか」
「……ごめんなさい、ありがとう」
そう言って麗子は準備を始めた。
そして、テレビに映し出されたのはテーブルが多く並べられた事務所らしき場所。
おそらくここは職場。
麗子も働く出版社のオフィスだろう。
そこで繰り広げられる旦那の不貞行為。
夜中だろうか、窓の外は暗く、他に人はいない。
いつも使っているデスクを使い、大胆に始められた不倫セックス。
楽しそうに交わる二人を見つめながら、麗子は悲しそうに目を伏せる。
『奥さんとわたし、どっちとするセックスが気持ちいいですか?』
『そんなのお前に決まっているだろ。だってあいつは、そこまでセックスが好きじゃないんだ。愛海くんのように、毎日のように求めてくれないんだ』
『えー、かわいそう。じゃあ、わたしが奥さんの分までたーっぷり愛してあげますね』
そんな会話を聞いて限界だったのか、麗子は一時停止を押す。
「ごめんなさい、もう大丈夫。本人だってわかったから」
「そうですか」
「こんなのを見るのに付き合わせてごめんなさい。お酒、飲みましょうか。新しいワイン開けようかしら」
そう言った彼女を引き留め、俺は唇を奪う。
「ん、ちゅ……んっ、ちゅ、ぱあ」
「もういいんじゃないですか?」
「……どういう、意味?」
「もう堕ちましょうよ、一緒に。その方が楽ですよ」
そう言うと、傷心した表情の麗子は少し迷ってから小さく頷いた。