※この作品はR-18です。

お前らの好きな女、俺が全員堕としてやるよ   作:柊咲

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第41話 三人目のターゲットへ

 僕の大学に大嫌いな男がいる。

 

 男の名前は石嶋風雅(イシジマフウガ)

 石嶋グループの一人息子で、いわゆるぼんぼんだ。

 年齢は僕と同じ20才。

 金色の派手な髪に、両耳ピアス。

 どこかのブランド物の服に、首と腕には趣味の悪い柄の刺青。

 体型は170ちょいで、別に鍛えているようには見えない。だけど大学のみんなは、石嶋風雅にへこへこ、ご機嫌を取るようにいつもへりくだった態度。

 

 

「あっ、マジ? それヤバいな!」

 

 

 そんな石嶋は、今日も大きな声で連れの連中と一緒に騒いでいる。

 大学というのは勉学に励む場所だ。

 それなのにあんな浮ついた格好で来て。そもそも、道具も持ってきていないじゃないか。

 

 

「あ? おいオタク、なに見てんだよ?」

「え、僕……? いや、別にその」

「なに、喧嘩売ってんの? やる? あ?」

「い、いや、その……」

「チッ、つまんね。気持ち悪いオタクはとっとと家に帰ってアニメでシコってろよ! なあ!」

「ああ、ほんとほんと! ぎゃはははッ!」

 

 

 石嶋がこっち見て何か言ってきたけど、僕は無視をする。

 いつも僕が睨み返すと、石嶋はそっぽを向くんだ。ほんと、口だけ達者で騒がしい、金魚のフンがいなければ何もできないお坊ちゃまが。

 

 

「もう、風雅……。田中くん、ごめんね」

「え、あ……」

 

 

 石嶋風雅が嫌いだ。

 特に何が嫌いって、あの、優しくて真面目で美人な渚美奈(ナギサミオ)さんと付き合っているってことだ。

 160ぐらい女性にしては大きい身長。

 色白の肌で、茶色のポニーテールの髪型。

 高校時代はテニス部だったらしく、健康的な体型。

 胸も、まあ、Fカップはあるんじゃないのかな、知らないけど。

 見た目は僕の嫌いな派手な感じだけど、大学での受講態度は真面目で、男女問わず、誰にでも優しく接することができる聖母のような性格。

 

 そんな女神が、どうして石嶋なんかと……。

 

 

「あ? もしかして美奈、あのオタクのこと気になってんのか?」

「えっ、いや、そういうわけじゃないよ。ただ、変な言いがかりつけたら田中くんが可哀想だと思って……」

「おいおい、彼氏の前でそういう態度は良くないだろ?」

 

 

 石嶋が美奈さんの体を抱き寄せ、顔を自分の方へと向かせる。

 大勢の大学生がいる中で、美奈さんは恥ずかしそうにするが、石嶋が「俺の誘い拒むの、あん?」と言った瞬間、美奈さんは目を閉じ──。

 

 僕はそこで顔を背けた。

 周囲から歓声が湧く。

 

 

「ああ、やべっ……超興奮してきた。おい、美奈。授業なんてサボってホテル行こうぜ、な?」

「え、で、でも、あたし……」

「なに、俺の誘い拒むつもり?」

 

 

 石嶋が美奈ちゃんの耳元で囁くと、美奈ちゃんは俯いたまま小さく頷く。

 

 

「ご、ごめん、そんなつもりじゃないの」

「だったらいいだろ?」

「……うん」

 

 

 石嶋と美奈ちゃんが教室を出て行く。

 その後ろ姿を、僕は黙って見送るしかなかった。

 

 

「なんで、あんな男と……」

 

 

 あんな男となんて別れてほしい。

 だけど、僕がどうこうなんて……。

 そ、それに、今の時代は彼氏のいる女性に手を出すことすら禁じられている。

 僕が石嶋から美奈ちゃんを寝取ったりなんかしたら、僕のキャリアに傷が付く。

 そうなったらお父さんもお母さんも悲しむ。

 

 

「そ、そうだ、前に見たあそこに頼めば……」

 

 

 お父さんのパソコンに入っていたサイト。

 厳重なセキュリティで見られないように守られていたけど、僕にかかればこんなセキュリティを突破するなんて容易い。

 

 どんな女性でも寝取ってくれる男が在籍しているという、快楽園。

 胡散臭いが、もし本当なら、あそこに頼めば美奈ちゃんも石嶋と別れてくれるかもしれない……。

 

 

 

 

 

 

 ♦

 

 

 

 

 

 

 

 

『次のターゲットの情報を送ります』

 

 

 佐代子と麗子を堕とした後。

 長い休暇を与えられることなく偕楽園の案内人である七鮫から次のターゲットの情報が送られてきた。

 通話したまま、俺はスマホの画面に目を向ける。

 

 

「大学生か?」

 

 

 元AV女優の人妻と編集者の人妻。

 年齢は俺よりも上の二人を堕としたから、また年上の人妻かと思ったら、次のターゲットは俺より少し年下の女子大学生だった。

 

 

『おや、もしかして年上の人妻の方が良かったですか?』

「いや、そういうわけじゃない」

『では、若い女はお好きですか?』

「嫌いな男なんていないだろ」

 

 

 十代、二十代、三十代、四十代。

 それぞれに良い部分があって、そこに優劣は付けられない。

 ただ年上の人妻が続いていたから、若い女を堕とせるというのは楽しみではある。

 味変というやつだ。

 それに。

 

 

「いい女、というよりは、俺にとっては妹みたいに感じるな」

『おや、妹なんていましたっけ?』

「いたらの話だ。顔の雰囲気、妹顔してないか?」

『言われてみたら……なんというか、女性というより女の子って感じですね』

「こんな真面目で優しそうな子が、変態な界隈にターゲットにされるだなんて可哀想に」

 

 

 美人は美人だが、送られてきた写真の女はまだ垢抜けていない──女子高生と大人の間といった見た目をしていた。

 年相応の大学生と言えばそうだが。

 

 

『ターゲットの名前は渚美奈、石破大学に通う二年生です』

 

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