モブおじ精液でレベルアップ!? ~でも好みのショタっ子しか手助けしません!!~ 作:とけそうだら
その夜――『マクシミリアン商会・別館』の客室。
静かな灯りの下、二つの影は甘い熱を帯びて重なっていた。
広々としたベッドの上に、ラースが所在なさげに腰を下ろしている。
黒い尻尾がシーツの上をそわそわと撫で、羊のような角が小さく震えた。
褐色の肌を持つ魔族の少年は、モーブルの視線を感じるだけで頬を赤くし、膝の上で両手をきゅっと握りしめる。
逃げたいのに、逃げない――そんな矛盾が、仕草の端々に滲んでいた。
「うぅ……だ、旦那様……。ほ、本当に……今夜は、だめですからぁ……?」
声はいつも通り、気弱で甘く、掠れている。
何度も抱かれた身体だというのに、毎回のように“初めて”の顔をする。
その恥じらいが――モーブルにとっては、何より質の悪い媚薬だった。
「本当に今夜は、じゃねーわ。ずっと我慢してたんだ。十日間も少年を抱かずに過ごすなんて、わしにとっては拷問だからなぁ」
モーブルは上着を脱ぎ捨て、シャツ一枚の姿でベッドに近づく。
でっぷりとした中年男の体躯が、灯りに照らされて長い影を落とす。
「で、でも……下の階は居住スペースで、クレオ様も従業員の皆さんもいますし……聞こえちゃいます……」
モーブルはラースの細い肩を掴み、強引に引き寄せた。
少年の小さな身体が、簡単に胸に収まる。
「ひゃっ……!」
黒い尻尾がびくんと跳ね、羊の角がモーブルの肩に軽く当たる。
魔族特有の甘くスパイシーな体臭が、鼻腔をくすぐった。
「ふん、ばかものが。お前、今日もずっとわしのそばにいて、匂いだけで発情してただろ」
「そ、そんなつもりじゃ……! 旦那様が我慢してくださってるの、知ってましたから……だから、僕……」
ラースは目を伏せ、恥ずかしげに呟く。
その従順さと優しさが、モーブルの欲望をさらに煽った。
「知ってたなら、責任取れよ」
モーブルはラースの顎を掴み、強引に顔を上げさせる。
そして、容赦なく唇を奪った。
ちゅっ……ちゅぷ……れろぉ……
深いキス。
モーブルの舌がラースの小さな口内を蹂躙し、少年の舌を絡め取る。
ラースは最初こそ抵抗するように身をよじったが、すぐに甘い吐息を漏らして応じた。
「んっ……ふぁ……♡ 旦那様ぁ……♡」
キスが離れると、銀の糸が引く。
ラースの瞳はすでに潤み、頰は真っ赤に染まっている。
「服、脱げ」
短い命令に、ラースは震える手で服を脱ぎ始めた。
上衣を脱ぐと、細くか弱い胸が露わになる。
魔族の肌は人間より少し冷たく、触れるとひんやりとする――それがモーブルのお気に入りだった。
下衣を脱ごうとすると、ラースは恥ずかしさのあまり尻尾で股間を隠そうとする。
だが、モーブルはその尻尾を優しく、しかし力強く掴んで引き剥がした。
「隠すな。お前の全部、わしのものだろ」
「……はい……旦那様の……ものです……」
ラースの慎ましいペニスは、すでに半分硬くなり、先端から透明な雫を零していた。
後ろの小さな蕾も、緊張でぴくぴくと収縮を繰り返している。
モーブルはラースをベッドに押し倒し、上から覆い被さった。
少年の細い手首を片手で押さえつけ、もう片方の手で胸の突起を摘む。
「んあっ……!」
小さな乳首を指で転がされ、ラースの身体がびくんと跳ねる。
魔族の敏感な部分を、モーブルは熟知していた。
「ここ、好きだろ?」
「ひゃうっ……! す、好きです……旦那様に触られると……すぐ……変になっちゃう……」
ラースの声が甘く溶けていく。
モーブルは満足げに笑い、乳首を口に含んだ。
ちゅぷ……れろ……ちゅううっ……
舌で転がし、軽く歯を立てる。
ラースの背が弓なりに反り、黒い尻尾がシーツを掻く。
「あっ、あっ……! 旦那様……そこ……弱いんです……!」
もう片方の乳首も指で摘まれ、少年の息が乱れる。
ペニスは完全に硬くなり、先端から雫が止まらなくなっていた。
モーブルはさらに下へ手を滑らせ、ラースのペニスを握った。
「ひゃんっ!」
小さなそれを優しく扱きながら、モーブルは耳元で囁く。
「お前、今日もすぐイきそうじゃねえか。頑張って働いたご褒美だ、たっぷり搾り取ってやるよ」
「い、イやっ……恥ずかしい……そんなに言わないで……」
ラースは顔を振って抵抗するが、身体は正直だった。
モーブルの大きな手が上下に動くたび、腰が小さく浮き上がる。
やがて、モーブルはラースの両脚を大きく開かせ、後ろの蕾に指を這わせた。
「ここも、準備しとくか」
指先に唾液を塗り、ゆっくりと押し込む。
「んうっ……!」
一本目が入ると、ラースの身体がびくんと震えた。
魔族の内壁は熱く、モーブルの指をきつく締めつける。
「相変わらず狭いな。お前、わし以外に入れられたことねえもんな」
「……はい……旦那様だけ……です……」
ラースの声が震える。
モーブルは満足げに笑い、二本目を加えた。
くちゅ……くちゅ……
指を動かすたび、湿った音が響く。
ラースの息が荒くなり、尻尾がモーブルの腕に絡みついてくる。
「んぁ……あっ……旦那様……そこ……奥……!」
前立腺を擦られ、ラースのペニスから雫が飛び散る。
モーブルはさらに指を増やし、三本で内壁を広げていく。
「はぁはぁ……もう十分濡れてきたな。……よーし入れるぞぉ」
モーブルは自分のズボンを脱ぎ、すでに限界まで硬くなった肉槍を露わにした。
巨大なそれを目にしたラースの瞳が期待と恐怖で揺れる。
「ひゃうっ……! だめ、だめですよぉ……」
モーブルはラースの腰を抱え、入り口に亀頭を押し当てた。
熱い先端が蕾に触れると、ラースの身体が小さく震える。
「ぐへへへへ、今晩は十日分だぞ。覚悟しとけよぉ?」
「……はい、旦那様♡」
モーブルがラースの小さな蕾に先端を押し当て、ゆっくりと沈めていこうとしたそのとき。
「ほぅ、魔族の裸というものは――存外、綺麗なものですね」
声が聞こえた。
モーブルが反射的に振り向くと、そこにいたのは――
「く、クレオ!? お前、なぜ!?」
クレオが手を顎に当て、興味深そうにベッドの脇に座っていた。
いつの間に入ってきたのか、気配すらしなかった。
驚愕と苛立ちがないまぜになったモーブルの表情とは裏腹に、クレオはあくまで涼しい顔をしている。
「別館は、私どもの持ち物ですので。合鍵を使わせていただきました。……客室で不審な物音がすれば、それを確認するのも主の務めですから」
「ぐぬぬ……」
完全に言い逃れできない正論をぶつけられ、モーブルは呻く。
ラースはあまりの事態に、シーツを頭まで被って震えている。
「それにしても、魔族を好んで抱くとは……先輩も酔狂な趣味をお持ちで」
クレオは皮肉げに笑い、震えるシーツの塊を一瞥した。
「なんだ? お前、もしかしてわしに抱いてほしいのか?」
「まさか。あなたと寝るのは願い下げです。――ですが、これはちょっとした“商談”です」
「商談?」
「はい。先輩にお渡しした『宿泊規約』第十三条にある通り、当客室での“風紀を乱す行為”は原則禁止となっております。……ですが」
クレオは言葉を切ると、優雅に足を組み替えた。
「ここは私が所有する建物。主が黙認すれば、それは例外となります」
「……つまり、袖の下をよこせってことか」
「そういうことです」
クレオはにっこりと、営業用の完璧な微笑みを浮かべて掌を差し出した。
その仕草は、チップをねだる給仕のように自然で、借金取りのように容赦がない。
モーブルは盛大に舌打ちをし、枕元の財布から金貨を数枚掴み出すと、乱暴に投げつけた。
「お前ぇ……! 店が回ってねぇ中、遠路はるばるカヴェナから来て、十日も面倒見てやった恩を忘れて……金まで毟るのか! この薄情者め……!」
金貨が、ちゃり、と涼しい音を立ててクレオの掌に収まる。
クレオは枚数を確かめ、何事もなかったように懐へ滑り込ませた。
「当然です。恩は恩、商売は商売。――私は先輩の教え通り、あなたのやり方で、きっちりと利益に変えさせていただいただけですよ」
シーツ越しに二人のやりとりを聞いていたラースは、思わず小さく噴き出してしまった。
「ちっ、金は払った。もういいだろ、とっとと部屋から出ていけ」
「お断りします」
即答だった。
モーブルは眉間の皺を深くする。
「はぁ? お前、ふざけんなよ。せっかく、今からお楽しみタイムだってのに……金まで取った上に、邪魔までする気かよ」
「邪魔などしません。私はただ、“研修”のために残るだけです」
「研修?」
「ええ。私たちが今後、魔族を正式に雇用するとなれば――彼らの“夜の性質”についても、深く理解しておく必要があるでしょう?」
クレオは澄ました顔で、とんでもない理屈を並べた。
要するに、ただの野次馬根性だ。
それをさも業務の一環のように言い換える手腕には、呆れるほかない。
「……ふん。つまり、わしとラースがヤるところを、かぶりつきで見学したいってことか」
「人聞きが悪いですね。あくまで“観察”です」
クレオは平然と返した。
「先輩の助言を素直に受け入れ、魔族への理解を深めようとしているだけですよ? それとも先輩は、可愛い弟弟子の向学心を否定なさるんですか?」
一拍、間を置いて続ける。
「商業組合が誇る“若き俊英”のご機嫌取りですよ。将来トップに立つ人間の機嫌が――先輩とラースの“観察”ひとつで取れるのなら、むしろ破格でしょうに」
「……それを自分で言うかよ」
「私が言っているのではありません。組合がそう評価しているだけです」
モーブルは一瞬、言葉を失った。
クレオの顔は完璧な平静を保ち、営業スマイルのまま微動だにしない。
だが、その涼しい瞳の奥にちらりと覗く好奇と、わずかな興奮の色を、モーブルは見逃さなかった。
「……お前、本気で言ってるのか?」
「本気です。商売のためですし……それに、先輩の“実践教育”は、いつも勉強になりますから」
言うが早いか、クレオは優雅な手つきで椅子を引き寄せた。
そして、ベッドの真正面――文字通りの“特等席”に座り直す。
まるで高級な芝居を観劇する観客のように足を組み、肘掛けに頬杖をついて、にっこりと微笑んだ。
完全に、居座る気満々だ。
シーツの塊――ラースは、その下で限界まで縮こまっていた。
尻尾をぎゅっと巻きつけ、ガタガタと小刻みに震えている。
見えない褐色の肌は羞恥でさらに濃く染まり、羊の角がシーツを突き破りそうなくらい揺れていた。
「だ、旦那様……クレオ様が……見てるのに……そんな……」
小さな声で訴えるラースに、モーブルはため息をついた。
「ふん……いいだろう。見たいなら見せてやる。お前も、いつかは魔族を抱くかもしれんからな。その時の予行演習だと思って、しっかり目に焼き付けておけ」
モーブルはラースのシーツを乱暴に剥ぎ取り、少年の裸体を完全に露わにした。
ラースは「ひゃあっ!」と悲鳴を上げ、両手で股間を隠そうとするが、モーブルに簡単に払いのけられる。
「隠すなって言ったろ。……クレオ、お前もよく見ろよ。魔族のここは、人間とは違うんだぜ」
モーブルはラースの黒い尻尾を掴み、根元から優しく撫で上げる。
尻尾の付け根は魔族の性感帯の一つで、ラースの身体がびくんと跳ねた。
「んっ……!♡ あっ……♡ 旦那様……そこ……♡」
尻尾を撫でられるだけで、ラースの慎ましいペニスがぴくんと反応し、先端から雫が零れる。
クレオの瞳が、わずかに見開かれた。
「……なるほど。尻尾が性感帯とは……興味深い」
クレオの声は冷静だが、喉が小さく動くのがモーブルにはわかった。
モーブルは内心でニヤリと笑い、ラースを四つんばいにさせる。
「ほら、ラース。お尻をこっちに向けろ。クレオに、魔族のいいところを教えてやるんだ」
「い、いやっ……クレオ様に見られるなんて……恥ずかしい……」
ラースは涙目で抵抗するが、モーブルに腰を掴まれ、強引に尻を高く掲げさせられた。
褐色の肌に映える桃色の小さな蕾が、ぴくぴくと収縮を繰り返す。
すでに指で広げられた後で、わずかに開き、内部のピンクが覗いていた。
クレオは椅子からわずかに身を乗り出し、息を呑む。
「……美しい。人間の少年とは、色の濃淡が違う……」
「ぐへへ、だろ? 魔族のここは、締まりが良くて熱いんだ。……見てろよ」
モーブルは自身の肉棒を2,3回しごく。
より硬度を増したそれをラースの蕾に亀頭を押し当て、ゆっくりと擦りつける。
「んうっ……!♡ 旦那様……大きい……♡」
ラースの声は、甘く震えながらも、恥じらいに満ちていた。
褐色の肌が汗で光り、黒い尻尾がシーツをそっと掻く。
モーブルは少年の反応を愉しむように、ゆっくりと腰を進めた。
「我慢しろよ。クレオが見てるんだ。……ちゃんと声出して、感じてるところを見せてやれ」
ズブッ……と先端が沈み込む。
熱い肉壁がモーブルをきつく締めつけ、ラースの小さな身体がびくんと跳ね上がった。
「ひゃううっ……!♡♡♡」
背が弓なりに反り、尻尾がモーブルの腕に絡みつく。
クレオの視線が、繋がった部分に釘付けになる。
冷静を装ったその瞳が、わずかに揺らぐのがモーブルにはわかった。
モーブルはさらに腰を進め、半分まで埋め込んだ。
「くっ……相変わらず狭いな。お前のここ、わし専用にできてるみたいだ」
「んあっ……♡ あっ……♡ ……奥まで……入ってきてる……♡♡」
ラースの声が甘く溶け、羊の角が枕を軽く突く。
クレオは無意識に喉を鳴らし、椅子の肘を強く握りしめていた。
息が、明らかに乱れている。 モーブルは根元まで一気に沈め、完全に繋がった。
「全部入ったぞ、ラース」
「はい……♡ お腹……旦那様ので……いっぱいです……♡♡」
ラースの腹がわずかに膨らみ、内部の輪郭が薄く浮き出る。
褐色の肌の下で、モーブルの肉槍が少年を満たしているのが見て取れた。
クレオの息が、はっきりと荒くなった。
モーブルはゆっくりと腰を振り始めた。
ずぷっ……ずぷっ……ずぷっ……ずぷっ……
「んあっ……あっ……♡ 旦那様ァ……!♡♡」
ラースの甘い声が客室に響き渡る。
尻尾がシーツを掻き、羊の角が枕を突き、細い腰が自然に揺れる。
魔族の少年の反応は、人間とは違う――より素直で、貪欲で、媚びるように甘い。
モーブルは速度を上げ、ぱんっ! ぱんっ! と肉がぶつかる音を立てた。
「あっ、あっ、あっ……!♡♡ 奥……当たってる……!♡♡」
ラースのペニスがびくびくと跳ね、先端から透明な雫が飛び散る。
クレオは目を逸らせず、頰がわずかに赤らみ、唇を軽く噛んでいた。
「どうだ、クレオ。魔族を抱くと、こんな感じだぞ。……生半可な人間の少年より、入口はずっと締まるし、中はホカホカで熱いんだ」
「……なるほど……反応は人間と似ていますが……声も、身体の動きも……よりみだらで、いやらしい……」
クレオの声が少し掠れ、冷静を保とうとする努力が透けて見える。
モーブルはそれを聞き逃さず、ニヤリと笑った。
「ただ見てるだけじゃ、わからんだろ? ……一緒にヤってみるか? お前も、魔族の味を知ったら、商売の幅が広がるかもしれんぞ」
「いえ……観察だけで……十分です……」
だが、クレオの視線は熱を帯び、椅子から立ち上がる気配すらなく、ただベッドに釘付けだった。
息が浅く速くなり、指先が椅子の肘を強く握りしめている。
モーブルはラースの腰を強く掴み、激しく突き上げ始めた。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「あああっ……!♡♡♡ 旦那様……すごいですぅっ……!♡♡♡ 僕のおまんこ……壊れちゃいますぅうう……!♡♡♡」
ラースの声が高くなり、身体がびくびくと痙攣する。
尻尾がモーブルの腰にきつく巻きつき、離さない。
褐色の肌が汗で輝き、羊の角がシーツを掻きむしる。
「イく……!♡♡♡ イっちゃうよぉ……!!♡♡♡♡」
ラースのペニスから白濁が勢いよく噴き出し、シーツを汚した。
「くっ……受け止めろ、ラース! 全部注いでやる!」
同時に、モーブルも最奥で限界を迎え、爆発した。
びゅるるるるっ! どくん、どくん、どくん……
「はぁああっ……!♡♡♡ 熱いぃいいい……♡♡♡ 旦那様の精液……いっぱい……♡♡♡ お腹ァ……たくさん熱くなってますぅうう……♡♡」
灼熱の白濁がラースの内側を満たし、少年の腹がさらに丸く膨らむ。
入りきらなかった分が、尻穴から逆流し、太ももを伝ってどろりと滴り落ちた。
褐色の肌に白い糸が絡みつき、淫らな光景を演出する。
モーブルは繋がったままラースを抱きしめ、荒い息を整えた。
ラースは蕩けた瞳でモーブルを見上げ、尻尾を優しく絡めて甘える。
クレオは、静かに拍手を送った。
だが、その手はわずかに震え、頰は赤く染まっていた。
「……見事です。先輩の“技術”も、ラースの反応も……大変、勉強になりました」
声は平静を装っているが、掠れが隠せない。
モーブルはそれを聞き、満足げに低く笑った。
「ふん……お前もいつか試してみろよ。女には困ってないだろうが、魔族を抱くのは商売の幅を広げるだけじゃない。……一度味わったら、忘れられなくなるぞ」
「そう……かもしれませんね……」
クレオは微笑んだまま、視線だけは逸らさない。
その瞳に宿る熱が、静かな答えだった。
好奇と、わずかな嫉妬、そして抑えきれない興味。
「なんだ? 何か言いたげな顔してるが」
「いえ、先輩。ラースを抱くときの方が……私のときより、ずっと気持ちよさそうな顔をなさるんですね。――だらしなくて、みっともなくて……とても、興味深い」
「おい。そのことは秘密にしておけと前に――」
クレオはそこで小さく首を傾げ、涼しい顔のまま最悪の要求を口にした。
「続けてください。そして、もっと……先輩の“みっともない姿”を見せてください。昔のように」
モーブルは一瞬言葉を失い、苦笑を漏らす。
「……お前、相変わらず意地が悪いな。まあいい。わしもまだ足りん。ラースには一晩で十日分、たっぷり注ぎ込んでやる……」
モーブルはラースの汗ばんだ褐色の頰を優しく撫で、再びゆっくりと腰を動かし始めた。
繋がったままの肉槍が内壁を擦り、ラースの身体がびくんと震える。
「クレオ、しっかり見ておけよ。――魔族の“躾け方”ってのを、隅々まで教えてやる」
再び、ラースの甘い吐息が客室に響き渡った。
尻尾がモーブルの腰に絡みつき、羊の角がシーツを掻き、少年の声が高く甘く昇っていく。
クレオの“観察”は、夜通し続いた。
甘い熱気と肉の重なる音、喘ぎと吐息が満ち、朝の光が差し込むまで――
その部屋の熱は、決して静まることはなかった。
◆
早朝。
モーブルが発つ日。
商業都市セレンスは、深い朝霧に包まれていた。
別館の前――馬車を囲むように、クレオと店員たちが並ぶ。
十日前とは違う。
そこにあるのは義務感ではなく、胸の奥に残る確かな名残惜しさだった。
「世話になったな。……ま、しばらくは顔も見たくないだろうが」
モーブルは憎まれ口を叩きつつ、懐から雑に折り畳まれた羊皮紙の束を取り出した。
無造作に放られたそれを、クレオが慌てて受け止める。
「……これは?」
「滞在中に気になった点の覚え書きだ。店の悪い所、改善案……あと、まあ、褒められる所もな」
クレオは束の端をつまみ、胡散臭そうに目を細める。
「……随分と律儀ですね。もしかして――私への贖罪のつもりですか?」
「は。買いかぶんな」
モーブルは視線を逸らし、ぶっきらぼうに吐き捨てる。
「投資だ。お前が伸びりゃ商売の流れも変わる。――こっちにも都合がいい」
クレオは紙束へ視線を落とす。
走り書きが、容赦なく、びっしり。
それは単なる皮肉屋の戯れ言ではない。
相手の店を“観察し続けた者”の、緻密な記録だった。
目の下にうっすら隈を残したまま、クレオは苦笑する。
「……ふふ。ええ。貴方のやり方は、心臓に悪い。……ですが、全て正しい。――私が悔しいほどに」
言いかけて、クレオの指先が髪に挿した銀の三日月へ触れる。
確かめるように。
思い出を撫でるように。
「……このピン。昔、貴方に買ってもらったものだって――気づいていましたか?」
モーブルは足を止め、目を丸くした。
「……あ? そんな安物、やったか?」
「安物ですよ。露店で買った、ただの銀メッキです。……私がまだ、路地裏で泥水を啜っていた頃の」
クレオの視線が、遠くへ逃げる。
完璧な仮面の奥――少年だった頃の記憶を、そっと掬い上げるように。
「貴方は忘れているでしょうね。……でも、私は忘れていません。あの日、貴方がくれたパンと、このピンが。私に“人間の生活”を教えてくれた」
そして、まっすぐにモーブルを見る。
今だけは商売人ではなく、ただの弟分として。
「私の性格がねじれたのは、貴方のせいじゃありません。……貴方に追いつきたくて、背伸びをしすぎた。――それだけです」
モーブルは一瞬、言葉を失った。
それから照れ隠しみたいに鼻を擦り、吐き捨てるように言う。
「……ふん。適当なこと言いやがって」
「先輩。……ありがとうございました。貴方は、私の永遠の目標です」
クレオが深く頭を下げる。
それに合わせて、リアとエリックも声を上げた。
「ありがとうございました! ……正直、最初は怖かったですけど! ラース、また来たらクッキー焼いてくださいね。今度は、とびっきりの紅茶――いちばんいい茶葉、用意しておきますから!」
「モーブルさん、また来てくださいよ! それとラース。……もしモーブルさんの店が嫌になったら、うちに逃げてこい。歓迎するぞ。そんときゃ俺がビシバシ鍛えてやるから覚悟しておけ!」
店員たちの言葉に、モーブルは口の端をつり上げてニヤリと笑った。
横に立つラースも、慌てて背筋を伸ばす。
涙目のまま、息を吸い込み――精一杯の声で告げた。
「ク、クレオ様! リアさん、エリックさん、皆さん! ありがとうございました……! 僕……頑張ります! いつか、僕も皆さんみたいな、立派な商人に……! ひぐっ……」
「お前はまず、その泣き虫を直せ。あと……夜の声がデカすぎる」
「ひゃうっ……!?」
耳まで真っ赤にするラースを見て、リアが吹き出し、エリックが肩を震わせた。
クレオだけは咳払いで取り繕ったが、視線が一瞬だけ泳いだ。
モーブルは豪快に笑い、馬車に乗り込む。
「じゃあな。……稼げよ、若造ども」
鞭の音が響く。
馬車が動き、車輪が石畳を叩く音が少しずつ遠ざかる。
霧の中へ消えていく背中を、金髪の美青年はいつまでも見送っていた。
その横顔は――朝陽よりも眩しく、そして、どこか晴れやかだった。