※この作品はR-18です。

モブおじ精液でレベルアップ!? ~でも好みのショタっ子しか手助けしません!!~   作:とけそうだら

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第4話です。
二か月ぶりの小説の投稿となります。

それにしても3Pは難しいですね。
完成まで時間がかかりました。


第四話 モーブル、娼年を買う

 帳簿の最後の一行をインクで汚し、ジンジ・モーブルは満腹の豚めいた呻き声を上げた。

 脂の乗った巨体を反らせると、長年酷使された椅子が悲鳴を上げる。

 重い樫の扉に閂(かんぬき)が下ろされ、『モーブル商会』の一日は終わる。

 

 壁の古びた時計が、待ち焦がれた『その時刻』を告げている。

 確認したモーブルの分厚い唇が、三日月のように粘ついた弧を描いた。

 

「……くくっ、ようやく来たか。月に一度のお楽しみの時間が!」

 

 喉の奥で、獲物を前にした獣が舌なめずりをするような、粘ついた笑い声が漏れる。

 

「ラース、わしは出かけてくる。戸締りは念入りにやれ。ネズミ一匹、虫けら一匹、わしの城に忍び込ませるなよ」

 

「は、はい! 旦那さま、その……お気をつけて、いってらっしゃいませ!」

 

 振り返らずに放った言葉に、カウンターの奥から健気な声が返る。

 主人がこれから向かう場所の険悪さを知る、魔族の少年の黒い尻尾は、ぱたぱたと不安げに揺れていた。

 

 健気な少年の心配など意にも介さず、モーブルは夜の闇へと滑り出す馬車に揺られる。

 目指すは、イングラジア魔導国最大の歓楽街――『ソホウ』。

 

 モーブルは革袋に詰まった金貨の重みを確かめ、夜の宴への対価を数えるように、下卑た笑みを深めた。

 

◆

 

 馬車を降りた瞬間、腐った果実のような甘い毒を孕んだ魔晶石ランプの光が、モーブルの濁った瞳を射抜いた。

 ねっとりと肌に絡みつく夜気は、上等な酒の甘い吐息、噎せ返るほどの香水、そして路地裏から忍び寄る血の鉄錆の匂いを孕んでいる。

 

 ここは、理性が溶け、剥き出しの本能が牙を剥く街ソホウ。

 今宵は、モーブルにとって月に一度だけ許される、歪んだ渇きを満たすための“聖餐(せいさん)”の夜なのだ。

 

 モーブルは獣のように深く息を吸い込むと、荒野を彷徨う飢狼のごとく、極上の【子羊】を求めて石畳を練り歩く。

 やがて脳髄を痺れさせるほど甘美な香りが、とある路地へと彼を誘った。

 

 そこに在るのは――深紅のランタンが心臓のように脈打つ館、『月下の楽園』。

 ソホウにその名を轟かす、選び抜かれた者のみが訪れることを許される娼館。

 背徳の神殿だ。

 

 黒曜石の外壁。

 わずかな隙間から漏れ出すのは、熟れきった果実と汗ばんだ肌、そして蜜の匂い。

 重厚な扉の向こうから微かに聞こえる、押し殺された喘ぎ声が、モーブルの股間をじくりと熱くする。

 

「くく……今宵はどんな無垢なる蕾(つぼみ)が、このわしを待っておるやら……」

 

 卑猥な笑みを浮かべ、節くれだった指で黒檀の扉を押し開ける。

 ギィ――と軋む音と共に、ムスクと薔薇の濃密な香りが襲いかかった。

 

 広間は深紅のビロードに覆われ、倒錯的な虹色の光が金箔を溶かすように照らし出す。

 薄絹をまとった中性の美少年たちが、挑発的な視線を投げかけていた。

 

 一段高くなった場所へ進むと、蜜のように甘い声が耳を舐めた。

 

「ふふっ、モーブル様。今宵はずいぶんと気が急いていらっしゃるご様子。その瞳の奥、飢えた獣の炎が揺れておりますわ」

 

「ふん、今夜は我慢が利かん。血に飢えた狼のように街を徘徊していた」

 

 声の主――“リディア”。

『月下の楽園』の支配者にして、かつて男娼として夜の都を狂わせた伝説。

 

 夜闇を溶かして仕立てたような漆黒のドレスが、蠱惑的な肢体に吸い付く。

 その貌は年齢も性別も超越し、十代の瑞々しさと、幾千の夜を支配してきた者の叡智を併せ持つ、生きた魔性の彫像。

 

「相変わらずその美貌は目に毒だな、リディア。どれほどの敬虔な聖職者であろうと、お前さんのその眼差し一つ、吐息一つで、信仰も何もかも捨てて堕ちるだろうよ」

 

 モーブルが下心たっぷりに腰へ手を回した瞬間、白魚のような指が彼の手の甲を肉に食い込むほどつねり上げた。

 

「痛たたたた! おい、リディア! いきなり何しやがる!」

 

「はしたない手つきは、この『楽園』では無粋というもの。それに……この肌に触れることが許されるのは――相応の対価を支払い、わたくしが許した殿方だけですわ」

 

 甘やかに諭す声。

 だが、その瞳は絶対零度の光を宿している。

 モーブルは舌打ちしつつも、それすら愉しむように口の端を吊り上げた。

 

「けっ、相変わらず手厳しいこった。……で、今夜はどのような趣向で楽しませてくれる? わしの好みを、この長い腐れ縁のお前さん以上に理解している者など、この世におらぬはずだ」

 

「ふふ……もちろんですわ、モーブル様。貴方様の『穢れなき純潔の美少年を愛(め)で、魂ごと喰らい尽くす』という深遠なるご趣味、このソホウの夜に知らぬ者はおりません。今宵も、貴方様の底なしの渇きを癒して差し上げましょう……遥々かの地より取り寄せた、“神聖なる双つの果実”で」

 

 リディアは滑らかな仕草で一歩近づくと、モーブルの手を取り囁く。

 その細指が、先ほどつねられた箇所を慰めるように撫で、ぞくりと甘美な疼きを走らせた。

 

「シルヴィオとルチオ……神々の加護篤(あつ)きヴァルクリア神聖王国の聖域にて育まれ、未だ俗世の汚れた指一本触れられていない、穢れ無き双子。今がまさに、最高の食べ頃かと存じますわ」

 

 その口上に、モーブルの瞳の奥で、飢えた獣の獰猛な光がギラリと煌めく。

 

 リディアは恭しく一礼し、優雅に手を打ち合わせた。

 合図に応じ、広間の奥、二階へと続く豪奢な螺旋階段の上から、幻影のごとく音もなく二人の少年が姿を現す。

 

 金糸で聖印らしき複雑な刺繍が施された、揃いの、肌さえ透ける薄絹の純白のチュニック。

 それを纏(まと)う、神聖にして危うい、蒼髪を持つ双子の男娼――。

 

 陽光を知らぬ、磨かれた陶器のごとき滑らかな肌。

 蒼の糸で紡がれたような艶やかな髪が、シャンデリアの倒錯的な光を受け、きらきらと乱反射する。

 

 兄シルヴィオは、どこか儚げで、物憂げ。

 その翠の瞳には吸い込まれそうな甘い光が揺らめき、守護欲と加虐心という、相反する感情を同時に掻き立てる、退廃的なまでの美貌。

 

 対して弟ルチオは、どこかやんちゃで、悪戯っぽい。

 その橙の瞳に宿るのは、好奇心と冒険心という、無邪気な子供らしさ。

 しかしどちらも等しく蠱惑的な魅力を纏い、見る者の心を妖しく搦め捕るのだった。

 

「ほほう、これは……これは、極上だ……! 『神聖』とは、この双子のためにある言葉か。実に穢れを知らぬ愛らしさよ。なるほど、これならば、わしの金貨袋が空になろうと本望というものだ!」

 

 双子は鏡映しのように完璧な所作で階段を降りきると、二人はモーブルの眼前で音もなく恭しく跪いた。

 そして、その小さな手でモーブルの節くれだった大きな手を取り、その甲に、祈るように、あるいは絶対の服従を誓うように、そっと柔らかな唇を寄せた。

 

「今宵は私たちをお選びいただき、心より、感謝、申し上げます……」

 

 絹を擦るような、シルヴィオの柔らかな声が、微かな震えと共に囁かれる。

 

「僕たち、初めてのお仕事だけど、いっしょうけんめい頑張るねっ!」

 

 ルチオの無邪気な、しかしどこか妖艶な声が、まるで歌うように紡がれる。

 その倒錯的な光景に、モーブルは脳髄を溶かすような愉悦を覚えた。

 

「うむ……良い、実に良いぞ。この初々しさ、この怯え……それこそが、わしが長年追い求めている至高の味だ」

 

 彼は双子から手を離すと満足げに頷き、リディアを振り返る。

 

「ふふ、どうやらモーブル様にはお気に召していただけたようですね。いかがです、まるで清浄なる祭壇に捧げられた美しき生贄のようではございませんか? どうぞ、今宵は貴方様の思うがまま……この穢れなき二輪の蕾を、存分に手折(たお)り、その蜜を味わい尽くしてくださいませ……」

 

 リディアの囁きが、モーブルの背徳的な欲望に最後の一滴の油を注ぐと、モーブルの口元がだらしなく緩みきる。

 

「くふぅ……これは、たまらんな……。極上の花……いや、生贄か。このわしをここまで熱くさせるとは、とんだ傾城(けいせい)どもよ……!」

 

 モーブルの脳裏で、穢れを知らぬ双子の天使が己の腕の中で乱れ喘ぐ光景が、熱い奔流となって駆け巡る。

 その純粋さを蹂躙し、絶頂へと導く瞬間を思い描き、彼はごくりと獣のように生々しく喉を鳴らした。

 抑えきれない衝動が、彼の全身を支配していた。

 

「……モーブル様、こちらへ……どうぞ……」

 

 モーブルの獣じみた反応を敏感に感じ取ったのか、シルヴィオは伏せていた双眸をゆっくりと上げ、潤んだエメラルドの瞳で絡みつくようにモーブルを見つめた。

 そして、その大きな節くれだった手を、両手でそっと包み込み、二階の閨(ねや)へと誘う。

 その誘いにモーブルは満足げな笑みを深くし、リディアに顎で軽く合図を送る。

 

「じゃあな、リディア。この『神聖なる双つの果実』との饗宴、心ゆくまで楽しませてもらう」

 

「ええ……存分に。貴方様の楽園でのひとときが、至上のものとなりますよう……」

 

 リディアは、全てを見透かすような完璧な微笑みを浮かべ、深々と恭しく頭を垂れた。

 モーブルは双子に視線を戻すと、その小さな背中を押すように促し、欲望渦巻く部屋へと続く階段を、ゆっくりと、だが確かな足取りで上り始めた。

 

♦

 

『月下の楽園』の二階。

 

 モーブルのために用意されたそこは、閨というより、背徳の儀式を執り行うための聖域だった。

 部屋の中央には豪奢な天蓋付きの巨大な寝台が祭壇のように鎮座し、華美すぎない上質な調度品が厳かに配置されている。

 窓はなく、壁や天井に灯された魔晶石ランプの揺らめく炎だけが、二人の少年の白い肌を妖しく照らし出す。

 その仄暗さが、白檀と没薬を焚き込めた濃厚な香油の香りと交じり合い、淫蕩な熱を孕んだ空気を淀ませていた。

 

「……お初にお目にかかります、モーブル様……。今宵は精一杯、ご奉仕させていただきます……どうか、思うがまま……可愛がって、くださいませ……」

 

 シルヴィオが寝台に腰掛けたモーブルの足元に跪き、その華奢な指で、恭しく彼の革靴を脱がせる。

 

「うむ、苦しゅうない。お前のエッチな身体で、わしを存分に愉しませるのだぞ」

 

 モーブルは満足げに頷くと、獣が獲物を手懐けるように、シルヴィオの柔らかな蒼髪をゆっくりと鋤いた。

 びくり、と小さな肩が跳ねる。その透き通るような頬は、一瞬にして熟れた果実のように朱に染まった。

 自分の初めてを捧げる相手であろう大人のオスの熱に、無垢な魂ごと戸惑っているかのようだ。

 

(この震え、この初々しい赤らめ……演技ではないな。これは男をまだ知らぬ明らかな証拠。むふふ、この清らかさこそ、わしがこの『楽園』で探し求めているものよ)

 

 モーブルがこの娼館で求めるのは、色に染まりきっていない純潔の美少年。

 男の肌も、その欲望の熱も知らぬ、未成熟で壊れやすい肉体と、純粋すぎる魂そのもの。

 少年が初めて味わう男の気配に戸惑い、羞じらうその反応こそが、彼の心を何よりも強く掴んで離さないのだ。

 

「さて初物ならば、キスすらまだしたこともなかろう?  まずはその愛らしい唇の純潔を、このわしに捧げてみせよ」

 シルヴィオとルチオは、おずおずと顔を上げ、潤んだ翠色の瞳でモーブルを見上げた。

 

「はい……モーブル様のお気に召すままに……どうぞお召し上がりください……」

 

「うん……僕たちの『初めて』を、もらって……」

 

 二人は囁くようにそう言うと、薄く開いた桜色の唇から、熟れる前の果実のような赤い舌を、恥じらいがちに覗かせた。

 それは娼婦の媚態とは似て非なるもの。

 性に目覚めきっていない無垢な少年が放つ、怖れと期待が混じり合った表情そのものだ。

 そして二人は、モーブルの乾いた唇にそっと己のそれを寄せ、おずおずと触れるだけの口づけを交わした。

 

「ん……ちゅ……」

 

「んむ……はむ、んん……」

 

 小鳥がついばむように。

 あるいは無垢な子供が、親鳥に餌をねだるように。

 そのたどたどしい仕草と、柔らかな感触の心地よさに、モーブルは我を忘れそうになる。

 だが――彼はまだ満たされない。

 

「くふ……なんとも初々しい。では、今度は舌を使ってみせよ」

 シルヴィオとルチオは小さく頷き合うと、ちろりと出した赤い舌で、モーブルの唇をなぞり始めた。

 やがてモーブルが口を開き、舌を差し出すと、二人はそれを味わうように、ちろちろと舌を這わせていく。

 

「そう……そのままだ……そのままわしの舌に絡ませるんだ……」

 

 

「は、はい……んむ……ちゅる……」

 

「う、うん……あむ、れろぉ……」

 

 やがてそれは、雛鳥の餌付けのような無垢な戯れから、次第に淫靡で官能的な交わりへと変貌していく。

 モーブルの舌が二人の口内を侵し、蜜のように甘い唾液を求めると、双子の口から濡れた音が漏れ始めた。

 

「はぁ、んむ……ちゅぷ……んん……はふ……♡」

 

「んむ、れろ……ちゅぷ、んん……はふぅ……♡」

 

 モーブルの舌を唇で柔らかく挟み込み、必死に、そして情熱的に舌を絡ませようとする二人。

 だがその動きは決して技巧的ではなく、ひたすらに拙い。

 しかし、その必死な奉仕の健気さと、未知の快感に溺れまいと必死に耐える表情が、モーブルの背筋に脳が灼けるような背徳の悦楽を駆け上がらせた。

 完成された娼婦の技巧では決して味わえぬ、純粋さが故の究極の煽情。

 それこそがモーブルを狂わせるのだ。

 

(むほほほ♡ そうだ、これだ。男を知らぬ純潔の蕾が、おずおずと差し出す初めての蜜……この濃厚で甘い唾液こそ、天上の果実を熟させて初めて得られる、究極の甘露よ……!)

 

 モーブルは堪えきれずに唇を離すと、二人の口の端から顎へと伝う、自身が与えた快楽の証である銀の糸を、獣のように舌で舐め取った。

 

「くふふ、まるでなっておらんな。口づけひとつ、これほど拙いとは」

 

「あ……も、申し訳、ございません……」

 

「んふぅ……ごめん。僕たち、下手くそだった……?」

 

 シルヴィオとルチオは熟れた果実のように頬を染め、おずおずと潤んだ瞳で上目遣いにモーブルを見上げる。

 

「ああ、足らぬ。まったく足らぬわ。このわしの猛りを鎮めるには、こんなもんでは足りぬようだ」

 

 モーブルは下卑た笑みを浮かべ、双子の柔らかな臀部を鷲掴みにする。

 

「…………そうだ、余興といくか。今度は貴様たち兄弟で絡み合うがいい。互いの肌を、舌を、存分に味わうのだ」

 

「え……? そ、それは……」

 

 シルヴィオの翠玉(エメラルド)の瞳が、絶望に濡れて揺らめいた。

 長い睫毛が微かに震え、薔薇色の唇が小さく開いたまま固まる。

 少年の無垢な狼狽が、モーブルの胸の奥で、黒い炎を歓喜に燃え上がらせる。

 

「いいから、はやくやれ。わしは待つのが嫌いな性分でな」

 

 モーブルの言葉はあくまで穏やかだが、その声に潜む絶対的な圧が、シルヴィオの心を追い詰めていく。

 

「で、でも……わたくしたちは、血を分けた兄弟、です……そのような、ことは……」

 

 シルヴィオの声はか細く途切れ、床の一点を見つめて俯いてしまう。

 

「何を気にする。愛しい弟にその身を暴かれ、乱される兄の姿か……くく、想像しただけで、そそるではないか」

 

 モーブルは口の端を愉悦に吊り上げ、目を細めた。

 

「ね~モーブル様ぁ♡ それ、ちゃんとやったら……特別に、チップを弾んでくれるんだよね?」

 

 その時、空気を読んだルチオがするりとモーブルの腕に絡みつき、子猫のように身体を寄せてきた。

 

「くふっ……抜け目ない奴め、ルチオ。よかろう。兄をたっぷり可愛がって鳴かせることができたなら、相応の褒美を取らせてやる」

 

 モーブルは小さく笑い、ルチオのしたたかさに目を細める。

 

「やったぁ! ありがと、モーブル様! 大好きっ!」

 

無邪気な笑顔を咲かせたルチオは、戸惑う兄をよそに、モーブルの頬にちゅっと軽い口づけを落とした。

 

「ねえ、シルヴィ、やろうよ。モーブル様がご褒美くれるって!」

 

「で、でも……」

 

 シルヴィオはなおも口ごもり、視線を彷徨わせる。

 

「何言ってるのさ。僕たちは母様の胎の中にいた時からずっと一緒じゃないか。湯浴みのたびに裸の付き合いはしてるんだから、今さら恥ずかしがることなんてないでしょ!」

 

 ルチオは悪戯っぽく笑い、兄をからかうように肩を軽く叩いた。

 シルヴィオは逡巡を重ねるが、その瞳の奥に微かな期待と好奇心が灯っているのを、モーブルは見逃さなかった。

 

「今宵は特別な宴よ。もしこのわしを心から悦ばせることができたなら……お前たちの一月分の収入に匹敵する金を与えることも考えよう」

 

「聞いた、シルヴィ? モーブル様、銀貨じゃなくて金貨をくれるってさ」

 

「あ……」

 

 シルヴィオの淡い唇が微かに開き、ルチオの笑顔をじっと見つめた。

 深く息を吸い込むと、頬の紅が一層濃くなる。

 

「や、やります……モーブル様……」

 

 その声はかすかに震えていたが、確かな決意を宿して響いた。

 

 そして震える指先がルチオの絹のような腰布を捉える。

 その瞬間、ルチオの手がシルヴィオの胸元へと忍び込み、衣の下で鼓動を探り当てた。

 二人の吐息が不純に混ざり合う。

 

「んっ……ルチオ、くすぐったいよ……」

 

「シルヴィだって……ボクの触ってるじゃない……」

 

 二人は恥ずかしそうに笑い合いながら、ぎこちなくも互いの性器を撫で始めた。

 

「そう……良いぞ。では、今度はキスをしながら触り合うのだ。互いの唇を感じながら、もっと深く触れ合うがよい」

 シルヴィオとルチオは頷き合い、顔を寄せて再び唇を重ねた。

 ちゅっ、ちゅっと小さな音を立てながら、二人は互いの唇を味わう。

 同時に、手の動きも少しずつ大胆になり、互いの性器を握り、ゆっくりと擦り始めた。

 

「んむっ……ちゅっ……♡ ルチオ、気持ちいい……?」

 

「うん……シルヴィも、僕も……んっ♡ 気持ちいいよ……♡」

 

 ぴちゃぴちゃと舌を絡ませる水音と、くちゅくちゅと擦れる小さな音が混ざり合い、部屋に淫靡な響きを満たしていく。

 二人の息は次第に荒くなり、キスもより深く、激しくなっていった。

 

「はぁ……ん……んん……♡」

 

「あふ……シルヴィのここ、もうこんなになってる……♡」

 

「る、ルチオこそ……こんなにおちんちんの先が濡れて……♡」

 

 やがてシルヴィオは舌先でルチオの唇を割り開き、口内へと侵入させた。

 二人の吐息が混ざり合い、唾液を混ぜ合う音が響く。

 

「んんーっ!♡ んっ、んふっ♡♡」

 

 シルヴィオが背筋をのけぞらせて悶え、二人の唇同士が離れた。

 

「だ、だめ……るちお……そんなにしたらっ♡♡」

 

「ふぁっ!♡ あっ!♡ あっ!♡♡」

 

 ルチオの手の動きが激しくなるにつれ、シルヴィオの腰も淫らに揺れ始める。

 

「あ、シルヴィ……僕、もう……♡」

 

 ルチオは切なげに眉を寄せた。その琥珀色の瞳には涙の膜が張り、今にも泣き出しそうだ。

 

「ルチオ……ぼくも……あっ!♡ ああっ!♡♡」

 

 シルヴィオも限界が近いのか、内股をきゅっと閉じながら腰を震わせている。

 そして――二人は同時に身体を痙攣させた。

 

「んんんっ!♡♡ んっ♡ んんーっ♡♡♡」

 

 二人の手の中で、幼い性器から白い飛沫が飛び散り、シーツに染みを作っていく。

 シルヴィオは力が抜けたように、ルチオの肩にもたれかかると、そのままぐったりとその身を預けた。

 

「……はぁ……ん……♡」

 

「ふぅ……えへへ♡ 気持ちよかったね、シルヴィ♡」

 

 ルチオは満足げに笑い、兄の白い首筋をぺろりと舐めた。

 

 モーブルは、目の前で繰り広げられた痴態の残滓に満足げに頷き、ねっとりとした視線を双子に送り続ける。

 

(くくく……即興の戯れであったが、これほどとはな。神々にすら許されぬであろう、美しき双子による禁断の睦み合い……。これぞ背徳の極致、わしだけが創造し、鑑賞を許された生きた芸術よ! この光景を眼に焼き付けられるならば、金貨袋が空になろうと安いものだ)

 

 モーブルは、喘ぎの余韻を残す双子の肢体に目を細め、その震える尻に、所有印を刻むかのようにじっとりと手を這わせた。

 

「ふふ、よく頑張ったな。だがお前たちの仕事はこれで終わりじゃないぞ。この先何をするか、お前たちはわかっているな?」

 

 シルヴィオとルチオは一瞬顔を見合わせ、頬を染めながらもおずおずとモーブルの足元に跪いた。

 

「……はい、もちろんです」

 

「うんっ、ちゃんとリディア様にやり方も教わってるよ!」

 

 シルヴィオの長い睫毛が震え、ルチオの瞳は興奮の輝きを宿していた。

 二人の呼吸が不意に速くなる。

 

 まず、シルヴィオの震える指先が、最後の純潔を守るかのように結ばれた衣の紐に触れた。

 一枚、また一枚と薄絹が剥がれ落ちるたび、魔晶石ランプの揺らめく光が、その白い肌を暴き、舐めるように照らし出す。

 ついに完全に解き放たれたその肌は、誰の足跡もついていない新雪のごとく純白で、華奢な鎖骨のくぼみには、羞恥に濡れた汗の珠が宝石のように光っていた。

 

 対照的に、ルチオは挑むように、蝶が蛹を破るがごとく大胆に衣を脱ぎ捨てた。

 程よくついたしなやかな筋肉が、生命力に満ちた柔らかな曲線を描く。

 兄と同様の白磁のような肌を持ちながらも、その無垢ゆえに恐れを知らぬ笑みは、この背徳の閨(ねや)にあって、あまりに眩しい。

 

「ふむ。二人とも汚されていない純潔の処女にふさわしい、いやらしい身体つきをしている。それでこそこのモーブルのおちんぽ様もいきり勃つというものよ」

 

「あ……」

 

 シルヴィオが、思わず声を上げる。

 彼の目の前に現れたものは、赤黒く怒張し、血管を浮き上がらせた巨大な男根だった。

 それは天に向かって反り返り、先端からは透明な先走り汁を滲ませている。

 

「これが……大人の男性の……」

 

「わあっ……おっきい……! でも大人のちんこってグロくてちょっと気持ち悪いね」

 

「こらっ、ルチオ! モーブル様に失礼だよ……!」

 

 シルヴィオが慌てて窘めると、ルチオはぷうと頬を膨らませた。

 

「くふふ、構わんよ。わしは、美しい少年には寛容だからな。……では、これからお前たちの処女(はじめて)を散らす儀式を始めるぞ」

 

「……はい……どうぞ可愛がってくださいませ……」

 

 シルヴィオとルチオはモーブルに促されるままに仰向けに横たわる。

 そして、おずおずと両脚を開き、その初々しい蕾を自らの指でそっと開いて見せた。

 その中心では、無垢な色と形をした薄桃色の性器が、微かに震えながら顔を覗かせている。

 

「これは素晴らしい……素晴らしいぞぉ! 穢れなき天使の蕾が二つも、わしを誘っておるわ……!」

 

 モーブルは興奮を抑えきれずに、その長い舌をちろりと出しながら、ゆっくりとシルヴィオの尻穴へと顔を近づけた。

 

「モ、モーブル様? いったい何を……」

 

「お前たちは男を知らぬからなぁ。まずは、この小さな穴をじっくりほぐすことから始めるとしよう」

 

 そして彼は、シルヴィオの尻たぶを掴むと、ぐいっと割り開き、その蕾へ舌を挿し入れた。

 

「ぬぷっ、れろれろん……」

 

「ひあっ!? モーブル様っ……そんなとこ舐めちゃ……やめてくださ……!」

 

 不浄の穴を舐められるという初めての体験にシルヴィオが悲鳴を上げるも、モーブルはそれを無視し、ぬらぬらと舌を這わせていく。

 

「ん……ちゅぷ、れろぉ……これが処女ショタのおまんこの味かぁ……れろぉれろ……」

 

「ひぅっ……! そ、そんなところ汚いです! お願いですから、やめてくださいっ!」

 

 シルヴィオが羞恥と快楽に身悶える。

 その初々しい反応はモーブルの獣欲をさらに煽り立てるには十分だった。

 彼は舌を引き抜くと、今度はルチオの尻たぶへ口を寄せ、同じように舐め始めた。

 

「ひぁっ……! モーブル様のベロすごく熱いよぉ……!」

 

 ルチオもまた不浄の穴を舌で弄ばれて、戸惑いと羞恥に身悶える。

 だがシルヴィオと違って彼はその行為を受け入れているらしく、むしろ快楽を感じているかのように甘い声を上げ始めていた。

 そしてモーブルは、さらに舌による愛撫を続けていく。

 

 すると二人のペニスが、再び鎌首をもたげ始めた。

 

「ぐへへへ、わしの舌技は気持ちいいだろう? 多くのショタっ子たちをこれでメスに堕としてきたからなぁ」

 

 シルヴィオは羞恥に頰を染めながら、こくり、と小さく頷く。

 ルチオもまた快楽に蕩けきった表情で、はぁはぁと息を荒らげていた。

 

「うん……なんかヘンな気分だけどすごく気持ちいいよ……!」

 

「よしよし。たっぷりわしの唾液を注ぎ込んでやったぞ。これで行為もスムーズになるだろう」

 

 モーブルはそう呟くと、二人の尻穴から舌を離す。

 そして、二人の体を抱き寄せるように覆い被さった。

 

「では……お前たちの『処女(はじめて)』をもらうからな。まずはシルヴィオからだ。力を抜いていなさい」

 

 シルヴィオの両脚を大きく開かせ、その間に自らの身体を割り込ませた。

 硬く張り詰めた男根の先端を、モーブルはゆっくりとシルヴィオの未踏の蕾へとあてがった。

 

「あっ……んっ!」

 

 シルヴィオが小さく喘ぎ、緊張に震える声が漏れる。

 

「シルヴィ、僕がついてるから」

 

 ルチオが、そっとシルヴィオの手を握る。

 

 モーブルは妖しい笑みを浮かべながら、腰をじりじりと押し進めていく。

 そしてついに、先端がきつく閉ざされた入り口をメリッと押し開いた瞬間――

 

「いっ、痛ぁっ!?」

 

 シルヴィオが鋭い悲鳴を上げた。

 まだ男を知らないそこは狭く、異物の侵入を拒むように入り口を閉じようとする。

 だがモーブルは無理やりこじ開けて入ってきて、それが焼けるような痛みを彼にもたらす。

 

「ああっ! だ、だめっ……もっ、無理ですっ……お尻がっ、壊れちゃいます……!」

 

 メリメリと軋む音と共に引き裂かれる感覚に襲われ、シルヴィオは涙声で訴えた。

 

「なにを言っておるか。せっかく先っぽが入ったのに今さら止められんわ!」

 

 モーブルは意に介さず、力強い腰使いでさらに奥へと進む。

 彼の亀頭がシルヴィオの蕾を押し広げ、内側へと滑り込むたび、シルヴィオは耐えきれず呻いた。

 

「ひぎっ……! あぐぅっ……!」

 

 未知の激痛に身体が震え、涙が頬を伝う。

 シルヴィオの白い肌は緊張と痛みで汗ばみ、シーツをぎゅっと握りしめる指先が震えていた。

 

「おほほほほ♡ さすがは神聖なヴァルクリアからやってきた清純なる双つの果実よ。汚らわしいわしのちんこを拒むかのように、ケツまんこの中がうねって押し出そうとしてきおる」

 

 モーブルは満足そうに笑いながら、頬を流れるシルヴィオの涙をペロリと舐める。

 

「痛いか? そうだろうな。なんせ初めてのセックスなんだからなぁ」

 

 シルヴィオは必死に痛みに耐えながら、モーブルの言葉に黙ってこくこくと頷いた。 

 痛みで涙を流す少年の姿を前に、改めてモーブルは初めてを奪ったことへの実感を得て、嗜虐的な笑みを浮かべた。

 

「素直でよろしい。うむ、初めてなのに無理させて悪かったな」

 

 シルヴィオの半ばまで入っていたペニスを一旦引き抜こうと腰を引く。

 凶悪な大きさのペニスが徐々に引き抜かれるにつれて、シルヴィオの未発達な肛肉が逆方向にめくれ上がっていく。

 

「はっ……はぁっ、やめていただけるのですか……? ありがとうございまっ……!」

 

 シルヴィオが安堵したように息をついたその時。

 

 モーブルは意味深な笑みを浮かべると、シルヴィオの腰を強く掴み直し、再び彼の尻穴を深々と貫いた!

 

 ドチュンンッ!!

 

「っ!? ひぎぃぃいいっ!?」

 

 再び訪れた激痛に、シルヴィオが悲鳴を上げる。

 しかし今度は止まることなく、一気に根元まで挿入されたペニスが、直腸の奥にある結腸の入り口をゴツンと叩いた。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ……!?」

 

 狭い内蔵を押し拡げられる感覚に、シルヴィオは息も絶え絶えに喘ぐしかなかった。

 

 口をぱくぱくさせ、言葉にならない声を漏らす。

 彼の瞳は潤み、焦点が合わないほどに苦痛と混乱で曇っていた。

 

「あはぁー、この締め付けぇ♡ 安堵で一時的に緩んだ油断した肛門が、不意の一突きで尻穴の筋肉が一気に収縮するくる感じ。これぞ初物でしか味わえない無知な少年独特の尻穴の締め付けよ。おほぉ♡ たまらんぞぉ♡」 

 

 モーブルはあまりの気持ちよさによだれを垂らしながら上目をひん剥いた。

 

「ひどい……モーブル様、止めるって言ってたじゃないか!」

 

 ルチオが抗議するとモーブルは肩をすくめて笑う。

 

「ん? やめるなんて一言も言っておらんがの。いやー、やはりこの聖なる国から直送された初物おまんこはいいなぁ! お前の兄ちゃんのおまんこ最高だぞ! 今度、お前もヤらせてもらうといい」

 

 モーブルは歓喜の声を上げながら、激しく腰を振り始めた。

 

 ドチュッ、ドチュンッ、ドジュッ、ドチュッ

 

「あぐっ! ああぁっ!」

 

「おうおう、お前のおまんこの中がわしのちんぽの形に変わっとるぞ? これはもうわし専用のおまんこと言えるのではないか! げははは!」

 

 シルヴィオは答える力もなく、ただ大粒の涙を零す。

 

「感激のあまり声も出んか。だが心配することはないぞ。おまんこで気持ちよくなれる一人前の娼年になれるように。わしが手助けやるからな! むふー、初めての男が優しいモーブル様で良かったなぁ」

 

 モーブルはシルヴィオの下半身を持ち上げてまんぐり返しのような姿勢にすると、さらに上から激しく腰を打ち付け始めた。

 

 ズボッズボッ…ズブッズブッ…

 

「ひぃっ! はあっ、あっ、ああっ!!」

 

 内臓を押し込まれる衝撃に、シルヴィオは悲鳴を上げた。

 その声からは苦痛以外のものは感じ取れなかった。

 

 その様子を見たルチオが、震える声で割って入る。

 

「シ……シルヴィ、大丈夫?」

 

「う、うん……大丈夫……だよ……。ルチオ……心配しないで……」

 

 シルヴィオは弱々しく微笑んで見せた。

 脂汗を浮かべながらも、ルチオを安心させようと痛々しい笑みを浮かべる。

 その笑顔は、ルチオの胸を締め付けた。

 

「ねえ、モーブル様! シルヴィオばかりずるいよ! そろそろボクにも同じことしてっ!」

 

 ルチオがモーブルの服の裾を引っ張り、切なげに訴えた。

 彼の目は、シルヴィオの苦痛を和らげたいという願いで潤んでいた。

 

「ほう、ルチオ。お前もわしのが欲しいのか?」

 

「うんっ! 僕、お尻の穴ににおちんちん入れたいよ!」

 

 ルチオは自らの尻穴に手を伸ばし、指先で広げながら訴えた。

 ピンク色の蕾が切なげにピクピク動いている。

 

「くふふ、よかろう。 ではお前の蕾にもたっぷり味わわせてやろう。ただし……」

 

 モーブルはシルヴィオから男根を抜き取ると、ルチオを寝台に横たえた。

 そして、彼の尻穴に自らの剛直をあてがう。

 

「甘く考えているようだが、わしのちんこはとびっきりデカいからな。あとでリディアに泣き言を入れても金は返さんぞ」

 

「えっ……? 」

 

 そして、ルチオの小さな尻穴目がけて自らのモノをあてがい、一気に貫いた。

 

 ズボォオオオオオオオッ!!

 

「ひぎぃいいいいいいいいいっ!?」

 

 衝撃にルチオが甲高い悲鳴を上げ、身体が跳ねる。

 彼の小さな身体は、モーブルの男根に貫かれ、限界まで押し広げられていた。

 

「あうっ! あぐぅっ! 死んじゃうぅ!」

 

 まだ成長途中の身体を内側から押し拡げられ、ルチオは苦しそうに喘いだ。

 そんな様子をモーブルが愉しそうに眺めている。

 

「おほほっ♡ これもいい処女穴だ! 兄弟揃って中でつぶつぶが締め付けてくる名器ぶり! これなら店の人気娼年として兄弟ともども客から多くの指名をもらえるだろうよ」

 

 ずぷっずぷっずぷっずぷっずぷっずぷっ

 

 モーブルが腰を揺らし始めると、ルチオの蕾は軋むような音を立て、痛みに耐えかねて涙が溢れる。

 

「い"っ、痛ぁっ……! おひりぃ……こわれちゃう……!」

 

 ルチオは涙を浮かべ、首を振って苦痛を訴える。

 だがモーブルは止まらない。

 腰の動きを加速させ、パンッ、パァンと肉がぶつかる音が部屋に響き渡る。

 

「もっと泣き叫んでもいいぞ、ルチオ。お前が苦痛を表すほど、わしが初物を奪ったことの証明(あかし)となる。さぁ、シルヴィオのぶんまでわしを喜ばせろ!」

 

「や、やらぁ……! 痛い…… もっ、もう許してよぉ……!」

 

 ルチオの懇願にも耳を貸さず、モーブルは容赦なく犯し続ける。

 弟が涙を流しながら喘ぐ姿に、シルヴィオは顔を青ざめさせた。

 

「ルチオっ……! もうやめてください、モーブル様……お願いします!」

 

 シルヴィオは涙で濡れた瞳を懸命に見開き、声を震わせて懇願した。

 その儚い叫びは、背徳に染まる閨に、唯一の祈りのように響き渡る。

 

 モーブルはそんな必死なシルヴィオを眺めながら、楽しげに目を細める。

 唇がゆるやかに、嗜虐の弧を描いた。

 

「……いいなぁ。互いを庇い合うその姿、まるで聖堂に捧げる供物のようだ。美しい兄弟愛……そして、幼い少年の無垢で真っすぐな心――それこそが、わしの渇きをもっとも煽るものだ」

 

 じわりと笑みを深くすると、モーブルは大仰に問いかけた。

 

「さて、どうしたものかなぁ?」

 

 シルヴィオは身を震わせながら、なおも弟を庇い、頭を深く垂れる。

 

「どうか……ルチオの代わりに、私めをお使いください……! わたしがどうなっても構いません。だから……弟だけは、ご容赦ください……!」

 

 その健気な願いは、空しくも大人の論理に薙ぎ払われる。

 

「うむ。いい心掛けだ、ヴァルクリア神聖国の生まれらしい実に立派な美徳を持っているようだな。だが――この『月下の楽園』では、理想や慈悲は通用せんぞ」

 

 モーブルはゆっくりと顔を寄せる。

 

「わしはこの夜のために大金を払っている客。お前たちは娼夫。仕事として客を心から喜ばせるのが務め――だろう?」

 

 微笑みをそのままに、モーブルは冷ややかに宣言する。

 

「だからこそ……お前ら二人を、仲良く交互に味わわせてもらう。これこそ、客への誠意――いや、遊戯の流儀というものだよ」

 

「そんな……!」

 

 シルヴィオの声は絶望に沈み、ルチオを強く抱きしめるその細い腕が、震えながら闇に沈んだ。

 絶望したように表情を曇らせるシルヴィオを抱き寄せ、ルチオから引き抜いた勢いそのままに、今度はシルヴィオの尻穴に挿入する。

 

「ひぎっ……!?」

 

 硬い亀頭が、容赦なく肛内を穿った。

 

 ドチュッ、ドチュンッ! ドチュッ、ドチュンッ!

 

 容赦のないピストン運動で、腹の奥深くまで一気に突き刺されて揺さぶられる。

 その衝撃と痛みに、シルヴィオは激しく頭を振った。

 

「あぐぅぅっ……! あ"あ"あ"っ……!」

 

「くふふっ♡ おほほぉっ♡ 絞られるっ! わしのが絞り取られるれるぞぉ!! 聖なるショタおまんこがわしを拒んでいるのにちんこを離すまいと必死に締め付けてくるギャップがたまらん!」

 

 モーブルは興奮した様子で叫んだ。

 シルヴィオの腸内はまるで別の生き物のように熱く絡みついてきて、肛門全体がうねってピストンに合わせて茎を刺激している。

 

「よーし、じゃあまず一発目! わしのありがたい高級ザーメンを二人にぶっかけてやろう! こっちに顔を向けえぇええ!」

 

 モーブルはシルヴィオからペニスを引き抜くと、赤黒い亀頭の先端から白濁液を放出させた。

 

 ぶびゅるるるるっ、ビュルルルッ!

 

「ひっ!? く、くさいよぉ……! 」

 

「うぶっ!? あ、熱いですぅ……」

 

 双子は驚いて目を瞑った。

 美しい兄弟の顔や髪、胸に生暖かい液体が容赦なく降りかかる。

 まるで汚らわしい獣が無垢なる魂にマーキングしていくかの如く。

 

「おほほほっ……♡ おほおっ♡ どうだ、これが“大人の男”の味だぞ? 一度でも舌に触れれば、もう二度と忘れられん――癖になるだろう?」

 

 戸惑いの色を湛えた二人の顔。

 その微かな震えが、モーブルの歪んだ笑みに新たな満足を与える。

 

「ふふふ……ぐへへへ。どうだ、二人とも――処女を失った実感は湧いてきたか? 初めてを奪ったわしの存在、しっかりと、魂に刻みつけておけよ?」

 

 重く響くその言葉に、双子はただ顔を青ざめさせ、怯えた瞳で小さく首を振ることしかできなかった。

 モーブルは、それこそ愉悦の証とばかりに満足げな笑みを浮かべると、二人の尻を軽く叩いて褒めた。

 

「よくやったな、可愛い子羊たち♡ 頑張ったご褒美に、とびきり美味しいものをくれてやろう」

 

 愛用の上着の懐から、ひときわ鋭い輝きを持つ小瓶を取り出す。

 その中の液体は深紅に煌めき、不吉な魅力を放っていた。

 

「あ、あの……モーブル様、それは……?」

 

「余計なことは考えずに、さっさと飲むがいい。これはわし特製の、特別なドリンクだ。大人の夜には必要な“ご褒美”さ」

 

 涙交じりの顔のまま恐る恐る視線を合わせる双子。

 兄弟としては飲みたくない――だが、モーブルの機嫌を損ねれば、どんな罰が待っているかわからない。

 

 小さな手が、震えながら瓶を受け取る。決意を込めて、二人はおそるおそる深紅の液体を口に運んだ。

 

「……あ、甘くて……美味しい……」

 

「……ほんとだ……ジュースみたい、だよ……」

 

 数瞬前まで苦痛で歪んでいた顔立ちが、年相応の子供らしい驚きと喜びに変わる。

 芳醇な香りに誘われて、二人は小瓶の中身を夢中で飲み干した。

 するとすぐに身体が反応し始めた。

 汗ばむ白い肌、先走り汁が滴り反り返る陰茎、そして何より二人の尻穴がヒクヒクと動き出す。

 

「あれ……? 僕、なんだかおかしいよ……?」

 

「ああぁ……身体がなんだか熱いですぅ……!」

 モーブルはそれを見て、勝ち誇ったように笑った。

 

「ふむ、効果は抜群だな。これはわしが調合した媚薬入りポーションだ。お前たちのケツおまんこを敏感にし、強烈な催淫効果でわしの逸物なしではいられぬ身体にしてくれる。さあ、これからが真のお楽しみだ。本当の快楽というものをわしが手ほどきしてやる」

 

 モーブルは薄暗い部屋の中でそう言い放つと、シルヴィオとルチオの首筋に舌を這わせた。

 ねっとりと濡れた舌が少年たちの白い肌を舐め上げると、汗と媚薬が混ざり合った甘い匂いが立ち上る。

 さらにモーブルはシルヴィオの細い腕を掴み、強引に脇の下に鼻を押し付けた。

 

「たまらんな。淫らなメスの香りがするぞ。くふふ……この発情した少年独特のフェロモンを含んだ汗の匂い……ヴァルクリア神聖国出身とは思えぬほどの淫靡さよな」

 

「はぁはぁっ……違います! 私たちは……そんなはずは……」

 

 シルヴィオが涙を浮かべて頭を横に振る。

 その反応に、モーブルは嘲笑うように喉を鳴らした。

 

「くふふ……まだそんなことを言っているのか。では、今どんな状態になっているのか……わしが直々に調べてやろう。どれ……」

 

 モーブルはシルヴィオの下腹部に手を伸ばし、ピンと勃っている小さな陰茎を摘んだ。

 

「やぁっ!?」

 

 そのまま激しくしごくと、たちまちそれは硬さと大きさをさらに増していく。

 同時に尻穴もヒクヒクと動き、愛液がトロトロ流れ出す。

 その反応を見て、モーブルは満足そうに笑った。

 

「くふふ……やはりな。お前のケツおまんこはもう完全に発情しておるぞ? ほれ、素直に言ってみい。わしのちんぽが欲しいんだろう? ん?」

 

「ち、違います……っ!」

 

 シルヴィオは目に涙を溜めて、首を激しく横に振る。

 だがその反応とは裏腹に、彼の陰茎は硬く反り返り、先端から透明な液体がトロトロと溢れていた。

 モーブルは意地悪く笑うと、シルヴィオの耳元で囁いた。

 

「強情な奴だな……ならば、お前のケツおまんこにぶち込んで直接聞くことにしよう。もう取り繕う必要もあるまい?」

 

 シルヴィオの顔が羞恥と恐怖で引き攣った。

 

「い、いやっ……やめてくださ……ああっ!!」

 

 モーブルは彼の細い腰をがっちりと掴み、肉棒を一気に奥まで突き入れた。

 熱く脈打つ肉棒がシルヴィオの蕾を押し広げると、ぬるりとした感触と共に卑猥な水音が響き渡る。

 

「あひぃっ!♡ あ"あぁっ!!♡♡♡」

 

 シルヴィオが悲鳴を上げた瞬間、彼の小さなペニスがビクビクと震え、勢いよく白濁した精液を噴出させた。

 モーブルはそれを見下ろし、口元を歪めて笑う。

 

「なんと! わしのを一突きしただけでイったか。清純ぶっておるくせに淫乱な小僧だ。だが良かったな。これで尻穴でイクことを覚えたってわけだな」

 

「はぁはぁっ……そんなぁ……♡」

 

 シルヴィオは悔し涙を浮かべた。

 その悲痛な表情を見て、モーブルはますます興奮し、情欲を昂ぶらせる。

 

「ぐふっ♡ それでは高級淫乱メス娼年になったお前の尻穴の具合が良くなったか……直接わしが確かめてやろう!」

 

 モーブルはシルヴィオの腰を掴んだまま激しくピストンを開始した。

 

「うあっ!♡ ああっ!!♡♡  やだっ……!♡  もう許し……てぇっ!!♡♡ あぁああああ!♡♡♡」

 

 パンッ、パンッと肉同士がぶつかる音が響き渡り、彼の尻穴からはぬるぬるとした液体が溢れ出ていた。

 小さな尻穴を蹂躙され、泣き叫んではいるものの、先ほどまでの苦痛とは明らかに異なる快楽を感じているのは明白だった。

 少年の表情はすっかり蕩けたものへと変わり、唇の端からはよだれが、鼻からは鼻水がうっすらと垂れている。

 

「ああぁんっ!♡♡ お尻っ……気持ち良すぎておかしくなっちゃうぅっ!♡♡♡」

 

 少年の甘い声を聞くたびに、モーブルの男根はさらに怒張していく。

 モーブルはさらに激しく腰を動かし、シルヴィオの尻穴を犯し続けた。

 

「んっ……♡ あっ……♡ シルヴィ……♡ 可愛い、よ……♡ こんなに……気持ちよさそうな顔して……♡」

 

 一方、ルチオはモーブルの荒々しい腰使いを見ながら、自ら尻穴に指を入れ、くちゅくちゅと掻き混ぜる。

 モーブルはそれに気づき、にやっと笑う。

 

「どうした? ルチオ。一人でケツおまんこを弄って、そんなにシルヴィオが羨ましいのか?」

 

「うんっ……♡ シルヴィが気持ちよさそうで、僕もお尻がムズムズするの……♡」

 

 ルチオは切なげな表情でモーブルに訴えた。

 そして自らの指をさらに激しく動かした。

 

「ぐふふ♡ そうかそうか。では、お前の大好きなわしのデカちんぽで可愛がってやろう♡」

 

 モーブルの陰茎がシルヴィオから引き抜かれると、ルチオの蕾は物欲しそうにヒクついた。

 

「あぁっ……モーブル様ぁ……はやくちょうだい♡」

 

 ルチオは歓喜に打ち震えるように甘い声で呟いた。

 その顔は赤く紅潮し、目尻には涙を浮かべている。

 その幼い蕾に巨根の先端が押し当てられると、少年娼年の口から熱い吐息が漏れた。

 

「はぁっ……♡ おちんぽぉ……♡ 早くぅ……お、おまんこに欲しいのぉ……♡♡♡」

 

「ぐふふっ♡ もう我慢できんか? よーし、お望み通りくれてやろう! くふふっ♡」

 

 モーブルは一気に挿入する。

 

「あぁあああぁあぁあああん!!♡♡♡」

 

 その瞬間、ルチオの口から悲鳴にも近い嬌声が飛び出し、その幼茎の先端から白い液体が飛び出した。

 

「おやおや、もうイったのか? だがまだ終わりではないぞ?」

 

 モーブルはルチオの細い腰を両手で掴むと、激しく腰を動かし始めた。

 その激しい動きに呼応するように、彼の小さな蕾からはぐちゅりぐちゅりと淫らな水音が響きわたる。

 

「あ"あっ!♡♡ しゅごいっ!♡♡♡ お尻っ……気持ちいいよぉっ!♡♡♡」

 

 先ほど浮かべていた苦痛の色が嘘であるかのように、ルチオは激しく乱れていた。

 その様子を見ているシルヴィオも、もう限界だった。

 

「モーブル様ぁ……っ!♡ ルチオばかりずるいです……♡ 私も、お尻でイキたいです……!♡♡ どうか私にもお慈悲をお願いしますっ……♡♡」

 

「ぐふふ♡ いいだろう。では、二人同時に犯してやろう。お前たち兄弟は最高の性奴隷になるぞ」

 

 そう言うと、彼は兄弟二人を互いに抱き合わせ、シルヴィオのアナルを一気に貫いた。

 

「はうぅっ!!♡♡♡」

 

 シルヴィオが背中を仰け反らせ、ペニスが激しく脈打ち、熱い精液を放つ。

 

「ふへへへ……シルヴィオ、またイったのか? そんなにわしのモノが良かったか? 可愛いやつめ……」

 

 モーブルは満足げに笑いながら、兄弟を交互に犯し始めた。

 

 パンッ! パァン! と肉がぶつかる音が部屋に響き、シルヴィオとルチオの口からは悲鳴と喘ぎが混ざり合った声が溢れ出す。

 

「あぐっ……らめぇっ!♡♡ おひりぃっ、壊れちゃうぅっ!♡♡♡」

 

「ひゃあんっ!♡♡ お尻っ、気持ち良すぎるよぉっ!!♡♡♡」

 

 二人の可愛らしい尻穴がモーブルの剛直に貫かれるたび、ビクビクと痙攣する。

 シルヴィオは涙を流しながら快楽に悶え、ルチオは恍惚とした表情で涎を垂らす。

 そんな二人の様子を、モーブルは満足そうに眺めつつ、腰の動きをさらに加速させた。

 

「どうだ? 二人とも。初めてがわしで良かっただろう? これがメスの悦びというやつだ。これからお前たちはもっと多くの男を相手にすることになる。しっかり覚えておくんだぞ?」

 

「うっうんっ♡♡ わかったぁっ♡♡♡ モーブル様と気持ちいいことたくさんするぅうう♡」

 

「ありがとうございますっ♡♡♡ もうずっとモーブル様とこのままでいたいですぅっ♡♡♡ あへえっ!?♡♡♡♡」

 

 シルヴィオとルチオは涙を流し、甘い吐息を漏らしながら、モーブルの責めに悶え続けた。

 そんな二人の様子を見下ろしながらモーブルは笑い、さらに激しく腰を振り続ける。

 

「あはぁっ♡ 気持ちいいっ!♡♡♡ モーブル様もっと僕を犯してぇええ!♡♡♡」

 

「モーブル様の極太おちんぽ素敵ですぅうっ!!♡♡♡」

 

「ぐふふ……いいぞ、お前たち。最高の肉便器になれる素質がある! もう完全にわしのちんぽの虜になったな? さあ、一緒にイクぞ!」

 

 モーブルはラストスパートをかけ始める。

 

 パンッパァンッ! ドチュンッドチュンッドチュンッ!!

 

「あ"っ♡ あへぇえっ!!♡♡♡ しゅごいよぉおお!♡♡♡」

 

「あ"ぁあぁあっ♡♡♡ もうだめっ、イキそうですッ!♡♡♡」

 

 二人の尻穴は淫らに絡みつき、腸壁がきゅうっと締まった。

 

「ふへへ、イキそうか? わしもそろそろイきそうだ……どこに出して欲しいか言え」

 

 モーブルが尋ねると同時に、彼の男根はさらに膨れ上がり、二人の中でビクビクと痙攣を始めた。

 二人は同時に目を見開きながら叫ぶ。

 

「ああぁあっ!♡♡♡ なかっ!♡♡♡ 僕のおまんこのなかにいっぱい出してぇええっ!♡♡♡」

 

「私も中出しがいいですっ!♡♡♡ おまんこに精子出して欲しいですぅっ!♡♡♡」

 

 シルヴィオとルチオは同時に懇願した。

 モーブルは満足そうに頷き、息を荒くする。

 

「ふへへへへ、二人とも覚悟しろ! わしの特濃ミルクをお前らの中にたっぷり注いでやるからな! おっ、イクっ、出るぞ! 受け取れぇっ!」

 

 モーブルが一際深く腰を打ち付けると同時に、熱い液体が二人の腸内へと放たれた。

 

 

 ビュビュッ! ビュルルゥ! ブュビュッルリュルル〜!

 

 

「あひぃいいっ!!♡♡♡ あついの出てるぅうう!♡♡♡」

 

「イクゥウウッ!!!♡♡♡♡♡」

 

 二人は絶叫し、全身を痙攣させるように激しく体を仰け反らせながら精液を放った。

 同時に尻穴が激しく締まり、モーブルの男根を刺激する。

 その刺激によって、モーブルの射精は勢いを増していき、二人の腹を満たしていった。

 

「ふへへ……最高だったぞお前たち」

 

 満足げに笑いながらモーブルが肉棒を引き抜くと、彼の太い男根を離さんとばかりに蕾が激しく収縮する。

 シルヴィオとルチオはそれぞれ尻穴から大量の精液を垂らしながら、ぐったりとベッドに倒れ込んだ。

 

「ああ……♡ モーブル様のが溢れてるっ…♡」

 

「精液あついです……♡」

 

 シルヴィオとルチオは同時に身体を震わせ、モーブルの精液に塗れた小さな蕾からさらに淫らな音が響いた。

 

「ふへへ……お前たちの未使用おまんこが、すっかりわしの形になってしまったなぁ。なぁ、もうわし以外の男に抱かれてもイケない身体になったんじゃないか、ん?」

 

「あ、ああ……モーブル様ぁ……そんなぁ……♡♡♡」

 

 シルヴィオは涙で濡れた瞳を向けながら、切なげに呟いた。

 モーブルは満足げに笑い、二人の尻穴に指を突っ込んで中に溜まった精液を掻き出す。

 

 ルチオもモーブルに尻穴を掻き回され甘い吐息を漏らしている。

 

「ぐふっ、まだまだこれからだ。今日は一晩かけて、お前たちの心も身体もわしのモノにしてやるからなぁ♡」

 

 モーブルが再びシルヴィオに覆い被さろうとしたその時―――。

 

「……ん?」

 

 不意に、モーブルは肌を粟立たせるような違和感に気づいた。

 シルヴィオとルチオ。

 シーツの海に沈む二人の体が、微かに、しかし確かな燐光を放っている。

 それはまるで、内側から魂が発光しているかのような、神々しくも不吉な輝きだった。

 

「馬鹿な……!? この光は……まさか、発動したというのか!?」

 

 モーブルは血の気が引くのを感じながら、咄嗟にスキル『レベル鑑定』を発動させる。

 彼の眼前に、二つの青い光の窓(ウィンドウ)が音もなく開かれた。

 

 

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【シルヴィオ・グドヴァルセン】

年齢:11歳

性別:男

職業:娼夫(元・聖魔法士)

レベル:13(限界レベル:↑19)

体力:94

攻撃力:9

防御力:18

魔力:386

魔法耐性力:42

知力 :49

素早さ:26

運:22

経験値:2130/2430

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【ルチオ・グドヴァルセン】

年齢:11歳

性別:男

職業:娼夫(元・聖騎士)

レベル:13(限界レベル:↑19)

体力:138

攻撃力:24

防御力:47

魔力:124

魔法耐性力:35

知力 :29

素早さ:19

運:17

経験値:2130/2430

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「……っ!」

 

 モーブルは息を呑み、目の前の現実を静かに見つめる。

 

「間違いない……限界値(リミット)が、こじ開けられとる」

 

 彼は舌打ち混じりに嘆息し、テーブルのグラスを掴んだ。

 琥珀色の液体が、乾いた喉を焼くように滑り落ちていく。

 そして、不安げに部屋の中を徘徊し始めた。

 

(迂闊だった……まさか、こやつらが元・冒険者だったとはな……)

 

 椅子に腰を下ろし、ゆっくりと目を閉じる。

 そしてモーブルは思考の渦へと意識を沈めた。

 

 冒険者が世をはかなみ、娼館へと身を堕とす――この世界では、悲劇ではなく日常の光景だ。

 

 冒険者という職業は、一見華やかに見えて、実態は常に死と隣り合わせの綱渡り。

 安定など望めはしない。

 むしろ過酷な運命に翻弄され続ける、生業のひとつ。

 

 ギルドからの容赦ないノルマ、無慈悲なランク査定。

 才能という壁に阻まれ、課題を乗り越えられなかった者は即座に切り捨てられる。

 名もなき若者たちは、武具の借金だけを背負って夢半ばで去っていく。

 そんな退場者たちを、モーブルはこれまで幾度も見送ってきた。

 

 目の前の兄弟も、これまで幾千と見てきた絶望の末路に流れ着いたのだろう。

 生きるため、選択肢など残されず、己の身を商品として売るしかなかった、元・聖魔法士と元・聖騎士。

 なんと皮肉な、転落譚だ。

 

 『冒険者』という肩書きが、いかに残酷な篩(ふるい)にかけられる役割か――

 商人の身であるモーブルに、それを知らぬ者はいない。

 それなのに、欲望に浮かされ、素性の確認もせず、少年たちを貪ってしまった。

 すべては自身の油断、怠慢の結果にすぎない。

 

(……この世界で、娼館で――素性の知れぬ者を相手にするならば、こういった不測の事態は起こりうる。結局、すべては確認を怠ったわしの責任だ……)

 

 モーブルの視線が、穏やかな寝息を漏らす美少年たちに注がれる。

 二人は、夢の中でも無意識に、互いの手を強く握りあっていた。

 

 ――レベルブレイク。

 他者の成長限界を強制的に越えさせる、禁忌の秘術。

 

 この世界で『レベル師』とは、神域を侵す反逆者として、存在自体がおぞましい禁忌。

 もし魔導国がその力を察知すれば、どんな手段を使ってでも、能力者を捕らえ、未来永劫その力を封じ込めるだろう。

 モーブルにとって、“レベル師”としての力は決して知られてはならぬ命綱。

 同時に、処刑台へと自ら足を運ぶ鎖でもある。

 

(わしの浅はかさゆえに申し訳ないことをした……だがもし奴らがこの現象の正体に気づき、わしの秘密を外へ漏らすことがあれば……)

 

 最悪を想定した瞬間、答えはひとつに絞られる。

 

(始末するしか……選択肢は残されていない……)

 

 シルヴィオ。そしてルチオ。

 顔立ちも、肢体も、まさに自分の趣味のど真ん中。

 極上の『獲物』だったことは疑う余地がない。

 だが、それでも……。

 

(危うい『獲物』は、牙を剥く前に終わらせる。それが、この世界で愚かに生き残る者の鉄則だ)

 

 静かに息を吐き、モーブルはベッドサイドの鞄へ手を伸ばす。

 指先に感じた冷たい金属が、目覚めた殺意に呼応するかのように重くのしかかった。

 引き抜いた短剣の刃が、薄暗い部屋の魔晶石ランプを受けて妖しく煌めく。

 

「恨むなよ、小僧ども。自分が生き残るために他人を犠牲にする――それが、この弱肉強食の世界では呼吸と同じくらい普通のことさ」

 

 冷徹な声で、モーブルは眠る兄弟の寝顔を見下ろして呟く。

 

「……ふん。これから命を摘まれるとも知らず、天使の如き寝顔で無防備でおるとはな。そんなんでは元・冒険者の肩書が泣くぞ」

 

 音もなく立ち上がり、枕元へ影を落とす。

 短剣の刃が、再び冷たい光を返す。

 心臓の鼓動、たった一拍分の時間があれば、二つの命を終わらせる──それが最も確実で、合理的な選択だ。

 

 シルヴィオの喉へ、切っ先をゆっくりと近づける。

 白磁のような肌、

 揺れる喉仏。

 あと一刺し、腕の力を込めれば――温かな血がシーツを濡らし、すべての過去も秘密も、闇へ溶けて消えるはずだった。

 

 ……だが、その一瞬。

 

 焼印のような記憶が脳裏に蘇る。

 先程までの、少年たちのもがき、涙、互いを守ろうとする姿。

 苦痛に顔を歪めながらも弟を庇い、「ルチオ、大丈夫……」と囁く兄シルヴィオ。

 苦しむ兄の身代わりになろうと、必死に自分を差し出すルチオ。

 それは底なしの絶望にも縋る、ただの肉欲の交わりではない。

 

 ――痛みを分かち合い、互いに寄り添い、慈しみ合う。

 

 歪んだ世界の中で、唯一無二の支え合いの絆。

 あまりにも美しい、兄弟の愛だった。

 

「……チッ」

 

 無意識の舌打ち。

 握り込んだ刃の力が、僅かに緩む。

 眠る二人は、どこまでも穏やかな寝顔。

 その手は、今も固く握り合ったままだ。

 

(……何を迷っている、わしは。命に比べれば、どんな絆も情も、ゴミのようなもの。――殺すしかない、今、ここで)

 

 理性が、商人としての冷徹な掟が、刃を振るうよう促す。

 だが心の奥底で、錆びついた記憶の扉が軋みを立てる。

 

 誰にも頼らず、孤独に生きてきた己の過去。

 もし、自分の隣にも寄り添い合える兄弟がいたのなら――。

 あり得ぬ願いが決断を鈍らせる。

 

「……面倒な話になったものだ」

 

 モーブルは小さく吐き捨てると、再び眼前にステータス画面を呼び出す。

 今度は、より深い素顔に迫るべく、“来歴鑑定”の権能を重ねた。

 

 やがて、青白い光の文字列が画面下部に浮かび上がる。

 

 

 

【来歴:シルヴィオ&ルチオ・グドヴァルセン】

 

――ヴァルクリア神官の家に生まれるも、両親は流行り病で急逝。後ろ盾を失い、莫大な借金を背負い家を追われる。

――生きる術もなく、少年たちは僧侶と聖騎士として互いを支え、冒険者の道へと足を踏み入れる。

――依頼の合間、貧者や老人を見過ごせず、報酬の多くを分け与え常に困窮。それでも、彼らの顔には底抜けの笑顔があった。

――才能の壁、ギルドからの昇級ノルマ。達成できず、周囲からは『お人好しの出来損ない』と蔑まれた。

――ついには資格を剥奪され、借金返済のため最後の矜持を捨て、娼館『月下の楽園』へ。理由は「二人、共にいられる居場所」――

 

 

 

「…………」

 

 淡い光の文字列を、モーブルはひとり静かに目で追った。

 その生き方は、ひたすらに正しく、果てしなく優しい。

 だからこそ――あまりにも愚直で、脆い。

 腐敗しきったこの世界では、清廉な魂ほど傷つきやすく、だが同時に、思いもよらぬ奇跡を呼び寄せるのかもしれない。

 

 もしかすれば、だからこそ。

 自分が持つ“レベルブレイク”という異能も、彼らの誠実さと響き合い――

 レベル師となった自分を、この瞬間にレベル神が導いたのではないか、などと。

 普段なら笑い飛ばすような妄想すら、今は妙に心にすっと落ちてくる。

 

 モーブルは、静かに長く息を吐いた。

 胸に渦巻いていた殺意も警戒も、冷たい霧のようにゆるやかに消えていた。

 

(……お人好しの、出来損ない、か)

 

 その言葉がふいに蘇る。

 かつて商人ギルドの片隅で――泥にまみれ、這いずるように生きていた自分。

 何度も何度も、同じ侮蔑を浴びた遠い日々。

 

(……ふん。今さら善人ぶるつもりはないが――それでもこの兄弟の未来に、賭けてみたくなるのは、いったいなんでだろうな)

 

 絶望の底でくすぶるわずかな可能性。

 恐れて排除するより、もう一歩踏み込んでみるのも悪くはない。

 

 モーブルは、短剣を無音で鞘に収めると、

 そっと、シーツの端を掴み、冷えていた兄弟の肩へやさしくかけ直してやる。

 

「――拾った命だ。せいぜい、わしのために馬車馬のように働いてもらうぞ。ヴァルクリア神聖国からやってきた元・冒険者様方よ」

 

 誰にともなく、らしくもない言葉がぽつりと零れた。

 唇には、いつもの下卑た笑みとは違う、ふと緩む微かな安堵と諦めが混じる。

 窓の外では、夜の闇が払いのけられ、どこか遠くで朝焼けが世界を静かに染め始めていた。

 

◆

 

 ソホウでの一夜から、いくつもの朝と夜が過ぎていった。

 

 首都で豪華な邸宅が十軒は建つほどの大金を『月下の楽園』に叩きつけ、モーブルが双子を身請けしたあの日から――ジンジ・モーブルの日常は、見違えるほど忙しなくなった。

 

「ラース! 在庫リストはまだだ!」

「そのポーション棚、埃だらけだぞ! 磨け磨けッ!」

「ぼさっと立ってる暇があったら、呼び込みの一つでもせんか、この木偶の坊!」

 

 カウンター奥――山積みの帳簿に埋もれたモーブルの怒号が、かつて静かな午後を切り裂いて響く。

 彼の目の下には、睡眠不足を物語る濃い隈。

 顔は“不機嫌”という文字が刻まれたような、深いシワだらけだ。

 

 その理由は、言わずもがなだった。

 あの双子の身請け金で、長年積み上げた貯えは見事に消え失せたのだ。

 

「だ、旦那さま……少し、休まれては……」

 

 おずおずと声をかけるラースに、モーブルは血走った目で振り返る。

 

「戯けたことを言うな! 寝てる暇があったら手ぇ動かせ! 聞けラース、今月の売上目標は三倍だ! 三倍! 1エクス金貨でも足りなければ、お前の角をへし折って売り飛ばすぞ、いいか!」

 

「ひぃぃっ――さ、三倍ですかぁ!?」

 

 ラースはぴょんと跳ねて、尻尾をちぎれそうなほど振る。

 “本気”と書いて“狂気”と読むようなご主人様の命令に、涙目になりつつも必死に店内を駆け巡る。

 陳列、床磨き、客引き、それらをこなす小さな体は、すでに限界ギリギリで、うっすら湯気まで立てていた。

 

 ――その時だった。

 

 外から、通りの古い窓越しに、明るい声が聞こえてきた。

 モーブルはペンを走らせる手を止め、苛立たしげに外へ目をやる。

 

 そこには、見違えるほど凛々しい二人の少年――シルヴィオとルチオの姿。

 新しい武具に身を包み、朝日を浴びて輝く銀髪、笑顔は屈託がない。

 冒険者ギルドの依頼で、今まさにダンジョンへ向かうところなのだろう。

 かつて娼館で過ごした日々とは違う、その足どりには未来への力強さがあった。

 

「……ふん」

 

 モーブルは、遠ざかる二人の背中に短く鼻を鳴らす。

 その楽しげな後ろ姿は、ささくれだった彼の神経には、苛立たしいほど眩しいものだった。

 

(――あいつらのために、虎の子の財産をほとんど溶かした。愚かな話だ)

 

 だが。

 心の奥で、モーブルは言い訳のように自分を納得させる。

 

(……得体の知れぬレベルブレイカーを娼館に置いておくよりはマシだ。いつ誰が目をつけてくるかわかったもんじゃない。これは“投資”だ……。目の届く範囲で管理するための、“保険”なんだ。……それだけのことだ)

 

 自嘲気味にそう結論づけると、再び帳簿へ視線を落とす。

 カリカリとペンを走らせる音だけが、雑多な店の喧騒の中で妙に耳につくのだった。

 

 






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