※この作品はR-18です。

TS男子大学生の受難 〜メス堕ちしても、君が好き〜   作:キツネリス

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話はここから冬子先輩視点で展開していきます。
時間は少し遡り、夏樹くんが彼女を自宅へ招き入れた末に襲われてしまった少し後から再び物語は動き始めるのです。


第十章『逃避行』

 日が沈み、辺りもすっかり暗くなった夜のこと。私は1人、息を切らせながら必死に走って家路を急いでいた。……違う。正確に表現すれば、私は必死に逃げ去ろうとしていた。私を苛む、罪の意識から。罪悪感から。犯してしまった蛮行の罪深さに私は耐えきれなかったのだ。

 

「はっ……!はっ……!はっ……!はっ……!」

 

 私は必死に逃げ続けた。少しでも早く、私が犯した罪という存在から遠ざかりたい一心で走り続ける。何度足がもつれて転びそうになったか分からない。心臓が破裂しそうなほどに苦しくて、口の中は喉奥に至るまで苦くて不快な味であふれてて。苦しさのあまり何度も立ち止まりたくなって、それでも走らずにはいられなくて。

 

 だって、もし立ち止まりでもしたら…その瞬間に罪の意識がきっとまた襲ってきてしまう。足を止めた瞬間、罪悪感がのしかかってきて押し潰されてしまう。私は犯した罪と向き合うのがとても怖くて、そのせいでどんなに苦しくても立ち止まることなんてできなかった。……でも。

 

 

 

「痛っ…!!」

 

 

 

 とうとう私は躓いて転んでしまった。咄嗟に両手をつくことは出来たものの、膝から崩折れたせいで両足に鈍痛が走って、じんじんと酷く痛み出す。それはまるで、犯した罪を責められているかのようだった。

 さらに間の悪いことに額にぽつりと水滴が当たる。それは冷たい通り雨の前兆で、ぽつぽつと次第に雨粒はその数を増やしていき、やがてざあああ……と強い勢いの大雨にその規模を拡大させていく。。

 両足が痛み、そして…罪人を罰するかのように降り注ぐ冷たい大雨に打たれてみるみるうちにずぶ濡れになった私は、胸の内で張り詰めていたものがぶつんと切れて…気が付くと1人泣き出していた。

 

「うっ……ううっ……ぐす…っ、ひっぐ……」

 

一度決壊した涙腺からは涙がとめどなく流れ続ける。 何度も何度もしゃくりあげ、苦しさのあまりまた泣いて、胸の内を絶望が埋め尽くしていく。

 やがて下着までずぶ濡れになるほど雨に打たれた頃、ようやく私は再びよろよろと立ち上がった。足取りは重く、よたよたとふらつきながら、それでもゆっくりと自分の家を目指して歩き続けた。

 雨はなおも降り続ける。濡れた身体はやがて芯まで冷えて、ずっと走ってきたこともあり足がひどく痛む。惨憺(さんたん)たる自分の現状に惨めな思いがした。

 

 

 

 もし私が、普通の女の子だったなら…決してこんなことにはならなかったはずなのに。

 

 

 

 私は今日この日…大切な後輩を、かけがえのない友達を…レイプしてしまった。

 

 

 

 私の身体には本来女性には存在しない器官が備わっている。男性器…女の子なのに、生まれつきペニスが付いているのだ。

 

 この世には、女体化症候群の他にもう一つ…女性しか発症しない病気が存在する。その名は、両性具有症。それは私にとっての呪い。忌まわしい病気。そして、この病気のせいで私は…。

 

 

 

 ――

 

 

 

 ほんの数十分前まで、私は夏樹くんの部屋に居た。私は彼に半ば介抱されるような形で連れられてきたのだ。夏樹くんはきっと私のことを心配してくれてたんだろう、語りかけてくれる彼の声はとても優しくて気遣ってくれている様子だった。

 だけど……そんな彼に対して、私はあろうことか牙を剥いてしまった。私は夏樹くんを欲望のままに犯した。あるときは床に組み敷いた彼に覆いかぶさり、またあるときはテーブルに突っ伏した彼に後ろから抱きつき、そして……最終的に私は彼がいつも使っていたであろうベッドの上で、彼を無我夢中で貪った。彼の膝裏を掴んで持ち上げて、まんぐり返しになった彼の上に跨って、どちゅどちゅという肉のぶつかり合う音を室内に響かせながら私は……女になったばかりの夏樹くんの腟内に、いきり勃ったペニスを無遠慮に突き立てたのだ。

 

『はぁっ、はぁっ、なつきくんっ、なつきくんっ!!』

『う、ふあっ、ひ、ひぇんぱ、あ、あ、あっ…!』

 

 物干しにかけられた彼の洗濯物、テーブルに置かれた読みかけの本。彼の生活感がほのかに感じられるその部屋で私は、彼を、夏樹くんをひたすらにレイプした。何度も何度もペニスを突き立て、夏樹くんの漏らす嬌声に歓喜し、ペニスが膣内で擦れる快感に興奮を募らせ、そして……

 

 

 

『ああ出るっ、出るっ、出るううゔっ!!!』

『ん、んんっ、んひいいいいっ……!!!』

 女になった彼の子宮に、何度も何度も精液を放った。私にとってセックスも女性相手の膣内射精のどちらも初めての出来事で、絶えずうねって締め付けてくる膣内のその搾り取るかのような蠕動はペニスにとびきり上質な快感をもたらす。

 

 私は快楽に抗うことができず、数時間に渡って彼を犯し続けた。我に返ったのはベッドの上で彼に跨り何度目かも分からなくなった膣内射精を終えた後のことだった。

『はぁっ、はぁっ、なつきくぅん……っ』

 休む間もなく彼を犯し続けた私はさすがに疲れを覚えたのかそこで腰を振るのを止め、そして猫なで声で彼の名前を呼んだ。……そのとき異変に気がついたのだ。夏樹くんが気を失っているということに。

『夏樹くん……?』

 私は動揺した。そしてそこでようやく自分が何をしでかしたのかを理解すると、顔から血の気が引いていくのを感じた。

 

『ひ……っ!』

 私は犯した罪の重大さに急に怖くなり、ペニスを引き抜いた後真後ろにへたり込んだ。すると私という支えを失った彼はどさりとベッドの上に持ち上がっていた下半身が落ち、その後は時折びくっびくっと痙攣する他はちっとも動かなくなった。つい今しがたまで彼と繋がっていた膣口からは、ごぽ…っと白濁が逆流して噴き出している。

 私の心は急速に罪悪感と恐怖心とに満たされていき、次の瞬間には脱ぎ散らかしていたワンピースを再び纏い、僅かばかりの手荷物を引っ掴むと一目散に逃げ出した。

 

 

 

 ――

 

 

 

 私は雨の中をふらふらとおぼつかない足取りで歩き続けた。両足は相変わらず痛みを訴えてくる。頭の中ではどうしてこうなってしまったのだろう、あのときこうしていれば、ああしていればなどと後悔の念が大渦を巻き錯綜していた。

 だが、考えれば考えるほどに自分の取れた選択肢は限られていたと思い知らされる。病院に向かおうとしていた夏樹くんは今の私よりも足元がおぼつかないほどにふらふらで弱っていて、そんな状態の彼を放っておくなんて私にはまず出来なかっただろう。彼の介助を申し出ておきながら途中で放り出すなんてことも考えることすらしなかったに違いない。

 病院を出る間際彼の家に誘われたときなんて、それこそ私はほんの少しときめいていたくらいだった。意中の男の子の家で、2人きり……例えその先を望めない身の上だったとしても、憧れる気持ちまでもを否定することは私には出来なかっただろう。

 意中の……男の子…………。今、私は確かに彼のことをそう表現した。そのことに気がついた瞬間、悲しみに暮れていた私の心に切ない気持ちが混在し始める。

 

 

 

「そっか……私夏樹くんのこと好きだったんだ……」

 

 

 

 今さらながらに気がついた彼への想い。振り返ってみれば、夏樹くんは私にとって……普通じゃない身体を持っている私にとっては、生涯できることはないと思っていた『異性』の友達に他ならなかった。そして……知らず知らずのうちに私は彼に、恋心を抱いていたんだと思う。きっと私が普通の女の子だったなら、私はためらうことなく彼に恋していたんじゃないか……そんな風にすら思えてくる。

 でも……こんな身体だから、私は彼とは明確に線を引いていた。これ以上踏み込んではいけない、踏み込んでしまえば必ず彼を傷つけてしまうだろうから。

 

 

 

 

 

 

 ……違う。傷つくのを恐れていたのは自分自身。私は結局のところ自分可愛さに中途半端な関係を続けることに甘んじていたのだ。私は彼と過ごしているときの心地良さに溺れて、彼を失うのが怖くなっていたんだと気付かされる。

 一度、学内で夏樹くんが他の女の子からの誘いを受けている場面に出くわしたことがある。彼はそのとき、私との予定を優先してその申し出をきっぱりと断ったのだ。……私はそこまで彼に想われているのをつい嬉しく思ってしまったけれど……それは同時に、彼が他の女の子と親しくなる機会を私という存在が奪ってしまっているのと同義でもあった。

 

 私は……私は夏樹くんをただレイプしただけじゃない。私と出会ったときからの2年間、その若くて大切な時間を私という人間のために浪費させてしまった。私と出会わなければ、彼には普通に可愛い女の子がそばに居たかもしれないのに。

 いつか必ず終わりを迎える…それも私に断られるという形で終焉が訪れるとも知らずに私のことを想い続け、その上身体が変異して弱っていた彼を私は……友人としての親切心から手を差し伸べるふりをして、私に対して想いを馳せてくれていたであろう夏樹くんを私は裏切り、欲望のままに犯し尽くして……その上後から怖くなった私は自分勝手に彼を見捨てて逃げ去ろうとしている。

 考えれば考えるほどどれだけ自分が夏樹くんに醜悪な行いをしてきたかを思い知り、そのことに自分自身が醜く思えてそのことに反吐が出そうだった。

 

 

 

「ううっ……わたし……ひっくっ……最低の人間だ…………!」

 

 

 

 犯した罪はあまりにも重く。失ったものと失わせたもの…そのどちらも、とても大きくて。後悔と自責の念に駆られながらそれでも引き返す勇気も湧いてこず、私は失意のうちに帰路についた。




曇らせって苦手ですか?まあ私もあんまり好きじゃないんですけどね。
でも曇り空はいつか必ず過ぎ去って、後には綺麗な晴れ模様が広がっているって展開のためには必要不可欠……もうしばらく辛抱していただきます。

後は、分かるな?
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