TS男子大学生の受難 〜メス堕ちしても、君が好き〜 作:キツネリス
『…………ぁぃ………………ん…………』
遠くの方から何か聞こえてくる……人の声みたいだ。私はその声に耳を澄ませてみる。
『…………ぱい…………せ……い…………』
その声は少しずつ鮮明になり、そして徐々に近づいてくる。私はその声に聞き覚えのあることに気がついた。
『……んぱい……せんぱぁい……♡』
やがて、そのどこか妖艶に響いてくる女性の声はいよいよ耳元近くにまで迫ってきた。すると突如として後ろから首元と胴回りに細い腕がそれぞれ回され何者かが抱きついてくる感触と共に女性の声で
『捕まえた……せん、ぱぁい……♡』
(夏樹くん……!?)
抱きつかれた瞬間全身に緊張が走る。背中に押し当てられる柔らかいものの感触はどう考えても乳房のそれで、むにゅうと押し付けられる二つの柔肉には当然というべきかそれぞれ小さくてこりこりとした蕾のような乳首の感触も混在していて、双方が合わさり私の身体の性的興奮を呼び覚まさせる。つい勝手にむくりとペニスが勃起してその鎌首をもたげて持ち上がっていく。
『うふふ……おちんぽ勃ってきちゃったね……♡』
(んんっ……!や、やめて……こんなの駄目だよ……!)
すかさずその勃起したペニスに別の手が伸びてくる。
『おちんぽ気持ちいい?せんぱい……?♡』
(ひゃっ……!い、いやっ……!だ、駄目、こんなの、いけないことなのに……!)
ペニスがしごかれることに戸惑っていると今度は左からもう1人、
『ダメですよせんぱい……♡出すならちゃんと、お・ま・ん・こ・に……♡』
(お願い……もう止めて……夏樹くん……!!)
私の抱いた肉欲を見透かしたように、最後にどこからともなくぬっと
そして……目の前に迫った
(駄目……駄目だよ夏樹くん!貴方は、男の子に戻らなきゃ……!)
私は必死に夏樹くんの淫行を止めようとして声を限りに叫ぼうとした。でも……どういうわけか声が出せない。それどころか思うように口を動かすこともできない。そうしている間にも亀頭が
『『『『せんぱい……ダイスキ♡』』』』
4人の
「あ、ああっ…………!!!」
4人の
するとその瞬間、目の前が白く光ったかと思うとその光は視界の全てを真っ白に染め上げていき……
――
「…………っ!?」
そして、ぱちりとまぶたを開いた瞬間そこには、自分の部屋の天井が写っていた。室内は外から差し込む光で明るく照らされている……すっかり眠り込んで朝を迎えてしまっていたらしい。
「はぁっ……はぁっ……」
私は直前まで見ていた暴力的なまでに淫猥な夢のせいか、ひどく呼吸を乱してしまっていた。目が覚めたばかりで未だ気怠い身体をなんとか起こすと……ふと下腹部に濡れた衣類の貼り付く不快感を覚える。私はまさかと思い片手をパンツの中へと潜り込ませてその不快感の正体を確かめようとした。
濡れている箇所に触れた指先が感じとったのは、にちゃにちゃとした粘っこい感触。おへその下辺りに大量に広がるその粘液の正体は思考を巡らせるまでもなく明らかだった。
「どうして…………どうして…………っ!」
私はその粘液の示す意味にまた泣きそうになりながら悲しげに声を荒げた。あれだけ彼を犯して、辱めて、親密な関係をぶち壊しにしておいて……それでもなお彼に愛されたいと私は願ってしまっているのだろうか……?それも、男性としての『彼』ではなく、変異してしまった『彼女』に。
これではまるで、もう夏樹くんは要らない。彼の記憶と私への好意を引き継いだまったく別の女の子さえ居てくれればそれでいい、と私が下衆な願望を抱いてしまっているようなものだ。……どこまでも恥知らずの恩知らず。わがままで、自分勝手で、あまりにも傲慢な女。
私は果てしない自己嫌悪に陥りながら穿いていたパンツと下着を脱ぎ、どたどたと洗濯機の元に早歩きで迫っていくとそれらをボスッ!と中に叩きつけるようにして投げ捨てた。
「はぁっ……はぁっ……!」
頭の中は自分への怒りと、憎しみと、嫌悪感でいっぱいだった。やり場のない怒りはやがて胸いっぱいに広がる無力感へと変わっていき、その場に私は崩折れてへたり込んでしまう。
どこまで惨めな思いをすれば私は気が済むんだろう?どうすれば私はこの怒りと悲しみから解放されるんだろう?どうすれば?どうすれば?どうすれば…………。
…………何も答えが湧いてこない。
「…………っ、助けて……
私はもうどうしていいか分からずに、気がつけばまた涙を流していた。この期に及んでまだ助けを求めてしまっている。それも、大切な友達だった……『彼』に……。
…………ピンポーン…………
そのとき、不意にインターホンが鳴り響いた。突然響いてきた電子音に私はびくっと肩が跳ね上がり、突如として現実に引き戻される。時計はまだ確認していないが体感としてはまだ朝早い時間帯のはず……別に宅配便の類を頼んでいた覚えもないし、この不意を突くような来客が果たして何者なのか、私には心当たりが全く無かった。
とはいえその見知らぬ誰かを放っておくわけにもいかない。よろよろとしながらも再び立ち上がると、私は来客に応対するため室内に備え付けられた受話器の元へと近寄っていった。すると来客者を映し出すカメラの映像を見て、私は驚愕に目を見開いてしまう。
カメラの向こうに立っていたのは……間違いなく、女になった夏樹くんだった。
カメラに対して少々近すぎる位置に立っているせいか夏樹くんの顔は目元が切れてしまっていた。表情の読めない彼の口元は少し口角が上がっていて微笑んでいるように見えるが、今の私にとってはその微笑みが何を考えているのか分からなくて逆に怖かった。
『はぁ……はぁ……せんぱぁい……♡いらっしゃいますかぁ……♡』
私が受話器を取るのをためらっていると、カメラの向こうで夏樹くんが吐息混じりに呟く。その声色はとても艶めいていて、私の心は大いに惑わされた。私は震える手でどうにか受話器を取ると、やっとの思いで受話口を耳に当てた。
「な、夏樹くん……その、どうして、ここが……?」
私は恐る恐る口を開いた。私は彼に自分の家の場所を伝えたことがない。本来ならこのマンションの入り口に彼がたどり着くことも、私の部屋番号を探り当てて呼び出すこともまず不可能のはずだ。……ではどうしてそこにいるのだろうか?至極当然の疑問、それに対して彼が口を開いた。
『ふふ……駄目じゃないですかせんぱい……ほら、忘れ物ですよぉ……♡』
「…………っ!?」
私の質問に答える代わりに彼はすっと何か取り出してみせた。そしてカメラに向かってそれをかざしてみせる……映し出されたのは私の学生証で、驚きのあまり私は言葉に窮して黙り込んでしまう。きっと昨日慌てて夏樹くんの家から出てきたときに忘れてきたんだと思った。
『先輩の家って、けっこう近いところにあったんですね……おかげですぐ来れちゃいました……♡……ねぇ、中に入れてくださいよ……先輩の忘れ物、今届けてあげますから……♡』
沈黙したまま頭の中が混乱する私に彼は待ち切れない様子でさらにまくし立ててきた。カメラになおも迫る彼の様子がなんだか恐ろしくて、どうしたらいいか分からずに私は口をただぱくぱくさせてしまう。
私が相変わらず対応に困ってまごついていると、痺れを切らしたのか彼の口元から笑みがすぅ……っと消えていった。その後彼がカメラから距離を取る。そして、画面の中でそれまで口元のアップが映されていたのが今はその上半身を広く捉えるように、彼は自らの立ち位置を変えていった。
画面の中に映る彼の服装は色の組み合わせこそ昨日と違っているけど、服のデザイン自体はほとんど変わっていなかった。空色のタンクトップの上に白い半袖のシャツを羽織り、下はいつものだぶっとした太めのズボン。
彼の考えが全く読めずに固まったままでいる私の前で、彼は唐突に自分の着ているタンクトップの裾へと手をかけた。そして再び緩く微笑みながら口を開く。
『早くここ開けてくださいよせんぱぁい……♡一緒に昨日の続きしましょ……?♡ほら……せんぱいの大好きなおっぱい、触り放題ですよぉ……?♡』
「あ、あ、ああ……っ!!」
夏樹くんが囁く声と共に、ゆっくりとタンクトップの裾を持ち上げ始める。その光景に私は思わず目を見開きながら驚いてしまい、狼狽えながらもその光景から目が離せずにいた。少しずつ布地が持ち上がっていき、下に隠れていた彼の柔肌が徐々に露わになっていく。おへそが見えて、お腹が少しずつ顔をのぞかせていき、そして、いよいよ下乳が見えそうになって……!
「だ、駄目、止めて夏樹くんっ!!あ、開ける、今開けるからそれ以上は駄目っ!!」
私は次の瞬間通話口に向かって叫びながら、入り口の自動ドアを開けるボタンを力の限り押し込んだ。あんなところで露出行為になんて及んでいるところを他の誰かに見られでもしたらと思うと彼のことが心配で気が気じゃなくて、この状況下で私に彼の侵入を阻むなんて真似は出来るわけも無かった。
私がボタンを押したことで自動ドアが開き、カメラの向こうで夏樹くんもそれに気がついたらしく顔を一度横に背けたかと思うとそれまでタンクトップをたくし上げていた手を離した。ストンと布地が落ちて柔肌が再び隠れ、私はひとまずホッと胸を撫で下ろした。……だが、根本的な問題は解決していないし、状況はむしろ悪化している。
『ふふ……今、そっちに行きますね?せん、ぱい……♡』
夏樹くんはそう最後に呟くと画面の外に消えていった。当然のことながらあと1分もしないうちにこの部屋の前まで来るだろう。私は慌てて新しい下着とパンツを取り出して身に着け、昨日乾かさずに寝たせいでやや乱れた髪をブラシで整え一応の体裁を整える。せめて恥ずかしいところは見せないようにしないと……様子のおかしい彼を目の当たりにした戸惑いと混乱が、皮肉にも私からそれまでどうにもできなかった悲しみと罪悪感を一時的に奪い去っていた。それだけ私は突然の夏樹くんの来訪に焦っていたのだ。
ピンポーン……
もう一度インターホンのチャイムが鳴り響く。私は思わずブラシを握っていた手を止めながら玄関の方へと振り向いた。
今、ドアの向こうには夏樹くんがいる。それも……恐らくは、男としての『彼』ではなく、心まで変異しかかっている『彼女』が。
私には今この場をどう切り抜けるべきか、全くいい考えが浮かんでこなかった。ただ『彼女』に押されて流されるがまま、突き進んでくる『彼女』をなし崩しに受け入れてしまっているだけ。どうしたら止まってくれるのか……もう考える時間は残されていない。
ピンポーン……
足が震えて竦む私を急かすようにチャイムがもう一度鳴る。まるで、早く開けてよ先輩……と呼びかけてくるかのように。
私はギュッと唇を真一文字に結びながら、ブラシを置いた後ようやく玄関口へと歩き出す。
とにかく、謝らなくちゃ。許してもらえるか分からないけれど……このまま流され続けて、『彼女』に好き勝手させちゃいけない。どうにかして夏樹くんを……『彼』を、取り戻してあげないといけない。
玄関口へとたどり着いた私は、カチャリとドアの鍵を回して開けた。そして、ぐっとドアノブを掴むとゆっくり息を吸い、そして緊張のあまり高ぶった神経を落ち着けるべく……ゆっくりと息を吐く。私は一呼吸おいた後、少しずつドアを押し開いていった。徐々に向こうの景色が、そして向こう側に立っている夏樹くんの姿が、徐々に私の視界に写し出されていく。
やがてドアをあらかた押し開くと夏樹くんの顔が目に入ってくる。彼は頬が紅潮していて、小さく開かれた口元からはわずかに乱れた息づかいが漏れている。
そして、彼もまた私の顔を見るとその途端……にこぉ……っと彼は妖しく微笑んだ。
私はその妖しげな微笑みを見た瞬間まるで金縛りにあったかのように動けなくなってしまう。硬直した私に向かって『彼女』がゆっくりと動き出して迫ってくる。
「はぁ、はぁ、せんぱい、せんぱい……っ♡」
「な、夏樹く、はうっ…!」
ゆっくりと伸びてくる両腕。やがて私の身体を2本の腕で絡め取るようにして夏樹くんが抱き着いてくる。ぎゅううう……っと抱き締められると『彼女』の乳房が思い切り押し付けられてしまう。それだけじゃない、彼女の身体はとても柔らかくて、今日はなんだか昨日よりも甘くていい香りがして、私の身体には興奮を覚えて欲情する予兆が現れ始めていた。
(だ、駄目、止めなきゃ、夏樹くんを止めなきゃ……っ!)
「せんぱい、やっと、やっと会えた……んっ……♡」
「な、なつきく、あ、や、あっ、んん…っ!!」
私は急速に刈り取られて削れていく理性をあと一歩のところでギリギリ保ちながら夏樹くんを制止するために呼びかけようとした。だけど、『彼女』は私の言葉を待たずに唇を寄せてきて、そのまま私は唇を奪われてしまった。私は夏樹くんに唇を熱烈についばまれ、舐められて、思わず口を開いてしまえば舌が潜り込んできて……彼の前のめりに貪ってくる情熱的なディープキスに終始押され気味になってしまう。唇を奪われる瞬間驚きのあまり見開いた瞳も次の瞬間には潤みだして、とろんとまぶたが落ちそうになってくる。
私は『彼女』にキスされながら部屋の中へと一歩ずつ押し込まれていった。玄関のドアがガチャンと閉じた後、しんと静まり返った玄関先に2人の息づかいと、ぴちゃぴちゃといやらしい水音とが静かに響き渡る。『彼女』に強く抱き締められながら唇を重ねているうち、私の彼を止めなければ、元に戻る手助けをしなければという思いは……だらんと力の抜けてしまったこの腕と同様に、上手く働かなくなってしまっていた。
私は今日に至るまで同年代の相手にこんなに強く抱きしめられるという体験をしたことがない。それだけに私はきっと、こういう行為を潜在的に望んでいたんだと思う。愛されたい、求められたいという欲求が満たされていく喜び。私の醜い欲望を自ら引き出そうとしてくる『彼女』。拒みたくてもこの身体は一切言うことを聞いてくれそうにない。
そして……私の身体はたちどころに勃起させられてしまった。今朝見た夢のように、『彼女』はとても強く私を抱きしめてくる。人数こそ一人きりだけど、強く擦れ合う柔らかな女体の感触が、艶めかしく舌と舌とが絡み合ういやらしい感触が……私の心を狂わせようとしていた。
私は今、『彼女』という沼に足を取られ、理性を失いかけて、そのままずぶずぶと沈んでしまいそうになっていたのだ。
さて、ついに第九話を経て夏樹くんが再び先輩の前に姿を現しました。しかしながらなんだか様子のおかしい彼。果たしてこの先どうなってしまうのか?先輩の運命は!?NintendoSwitch2の抽選結果は!?