※この作品はR-18です。

よう実 密約と隷属   作:カイト__

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外7:聖女の浄化儀式

暁の光が、まだ眠りから覚めきらない校舎を、淡い紫色から徐々にオレンジ色へと染め上げていく。その、一日の始まりを告げる静謐な光が、特別棟の男子トイレの高い窓から差し込み、磨かれた床タイルと、並んだ白い陶器の便器を、どこか神聖さすら感じさせるように照らし出していた。しかし、その清潔な空間に漂う空気は、消毒液の匂いに混じって、微かなアンモニア臭と、そして濃密な、形容しがたい緊張感を含んで淀んでいた。

 

そのトイレの一番奥、男子用小便器の前に、一人の少女が既に跪いていた。一ノ瀬帆波。Bクラスのリーダーであり、その明朗快活な性格と、誰をも惹きつけるカリスマ性で、学年全体のアイドル的存在。しかし、今の彼女の姿は、そのパブリックイメージとはかけ離れたものだった。

 

彼女は、身体のラインがくっきりと浮かび上がる、光沢のある紺色の競泳水着を身に着け、その上から、なぜかきちんと着込んだ制服のスカートとブラウス(ただし、上着は脱いで傍らに置かれている)という、異様な出で立ちだった。そして、その白い首には、金色の細い革製の首輪が嵌められ、そこから伸びた同じく金色のリード線のようなベルトの端は、彼女自身の手によって、まるで祈りを捧げるかのように、恭しく握られている。神妙な、ほとんど敬虔さすら感じさせる面持ちで、彼女は目の前の白い陶器を見つめていた。

 

やがて、トイレの入り口のドアが静かに開き、一人の男子生徒が入ってきた。綾小路清隆。彼の足音が、静寂の中でやけに大きく響く。彼は、跪く一ノ瀬を一瞥すると、何も言わずに、彼女が待つ小便器の前に立った。

 

「おはようございます……ご主人様」

 

一ノ瀬が、顔を上げ、澄んだ声で挨拶する。その表情には、何の屈辱も、嫌悪も浮かんでいない。むしろ、待ち望んでいた主を迎えるような、穏やかな喜色さえ浮かんでいるように見えた。

 

綾小路は答えず、ただ、こともなげにズボンのチャックを下ろし、硬く、そして朝の生理現象で熱を帯びた自身のものを、露わにした。

 

一ノ瀬は、その光景にも全く動じることなく、むしろ、わずかに頬を上気させながら、迷いのない動きで顔を寄せた。そして、開かれた唇から、熱っぽい吐息と共に、言葉を紡ぐ。

 

「今日も、この一ノ瀬帆波が、ご主人様の朝一番の穢れを、お清めさせていただきます…」

 

そう言うと、彼女は、まるで聖杯に口を付けるかのように、ゆっくりと彼の屹立した先端に唇を寄せた。そして、舌を這わせ、朝一番の、やや濃い色をした尿の雫が、先端から零れ落ちる前に、それを丁寧に、そしてどこか恍惚とした表情で舐め取った。

 

ごくり、と彼女の喉が、柔らかく上下する。朝一番の、濃く、そして生温かい液体が、彼女の喉の奥へと流し込まれていく。その度に、跪いた彼女の、競泳水着に包まれた鍛えられた太腿が、微かに、しかし確かに震えるのが見えた。

 

「ごくっ……んちゅ……ん……今日も、とても…清らかになれます……ご主人様の聖水で、私の汚れた過去も、心も、全て浄化させていただきます……」

 

その様子を、入り口近くの掃除用具入れの物陰から、櫛田桔梗は息を殺して見つめていた。指先が、冷たい壁に、爪が白くなるほど強く食い込んでいる。

 

(うそ…でしょ…? あの、誰からも好かれる、太陽みたいないい子の一ノ瀬さんが……まさか、本当に、こんな…こんなこと…!)

 

信じられない。信じたくない。けれど、目の前で繰り広げられている光景は、紛れもない現実だった。一ノ瀬帆波が、綾小路に、まるで日常の儀式のように、彼の尿を飲んでいる。それも、どこか恍惚とした表情で。

 

綾小路が、空いている方の手で、一ノ瀬の、一つに束ねられたポニーテールを、優しく、しかし確実に掴んだ。そして、まるで指揮者がタクトを振るかのように、排尿の勢いをコントロールし、増していく。

 

「…漏らすなよ、一ノ瀬」

 

「はいっ……! んぁ゛っ!! ぐ…!」

 

勢いを増した液体の奔流に、一ノ瀬の喉が激しく上下し、苦しげな声が漏れる。競泳水着の胸元から溢れんばかりの豊かな乳房が、苦しさに合わせて大きく揺れる。黄色い液体が、受け止めきれずに口の端から溢れ、彼女の頬を伝い、首筋を流れ、そして競泳水着の紺色の生地の上に、濃い染みを作っていく。それでも、一ノ瀬は必死に、一滴も無駄にしまいと、全てを飲み干そうと努力している。そして、排尿が終わると、最後には、まるで感謝を示すかのように、彼のものの先端まで、丁寧に、繰り返し舌で掃除した。

 

「…っはぁ……ありがとう、ございました……ご主人様の穢れを、この身に、全部、受け取ることができました……」

 

顔を上げた一ノ瀬の表情は、清々しい達成感に満ちていた。頬や首筋、そして水着についた尿の痕跡さえも、まるで聖痕か何かのように、彼女の歪んだ信仰の中では輝いて見えているのかもしれない。その清らかな笑顔は、およそこの場に似つかわしくなく、まるで何か神聖な儀式を終えた、若き修道女のようにも見えた。

 

綾小路は、満足したのか、あるいは単に日課が終わっただけなのか、無表情のまま自身のものをしまうと、一ノ瀬が手に持つ首輪のベルトを、くい、と軽く引っ張った。それは、彼女を立ち上がらせるための合図だった。一ノ瀬は、素直に従い、しなやかな動きで立ち上がる。

 

「お前の記録は、今日で何日目になる?」

 

綾小路が、淡々と尋ねた。

 

「はい。本日で、XX日目となります」

 

一ノ瀬は、淀みなく、そしてどこか誇らしげに即答した。その瞳には、一点の曇りもない。

 

「XXX(具体的な日付や出来事)から、一日も欠かさず、ご主人様の朝のお水を、こうして頂いております。おかげで、私の心は毎日、清められています」

 

その言葉に、櫛田は愕然とした。XX日…? それだけの期間、毎日、彼女は自ら進んでこの行為を…?

 

ガタン!

 

物陰で、櫛田が思わず身を乗り出し、近くにあったモップか何かに身体が触れて、大きな音を立ててしまった。

 

(しまった…!)

 

慌てて身を隠そうとするが、もう遅い。綾小路と、そして一ノ瀬の視線が、一斉にこちらに向けられた。綾小路の目は、相変わらず冷たく、全てを見通しているかのようだ。しかし、意外なことに、一ノ瀬は驚いた様子を見せず、むしろ、柔らかく微笑むと、親しげに手を振ってきた。

 

「あら、桔梗さんもいらしてたんですね。おはようございます」

 

その、あまりにも普段通りの、屈託のない挨拶。それが、今の状況とのギャップで、櫛田の混乱をさらに深めた。

 

「な…んで……なんで、あんたが、こんなところに…! こんなことしてるのよ!」

 

櫛田の声は、怒りよりも、純粋な驚きと、理解不能なものへの恐怖で震えていた。

 

「学校中の、みんなのアイドルの一ノ瀬さんが! こんな汚いことして……! もし、誰かにバレたら、どうするつもりなの!?」

 

一ノ瀬は、櫛田の剣幕に、少し困ったように、人差し指で自分の頬を掻いた。

 

「えへへ……そうですよね。実は、クラスのみんなには、絶対に内緒なんです。心配してくれて、ありがとうございます、桔梗さん」

 

その表情は、まるで授業に少し遅刻しそうになったことを友達に咎められた時のような、軽い、表面的な罪悪感しか感じさせなかった。

 

「でも、大丈夫ですよ。ご主人様が、ちゃんと守ってくださいますから。それに、ご主人様のこの『お水』は、私の心を本当にきれいにしてくれるんです。…中学の時に……ほら、私、ちょっと悪いことしちゃった時期があったでしょう? あの事件があってから、ずっと、私の中には黒いものが溜まってて……でも、ご主人様に出会って、こうして毎日お仕えすることで、それが洗い流されていくような気がするんです」

 

彼女の脳裏に、以前綾小路から聞かされた、あるいは自分で調べた情報が閃いた。一ノ瀬帆波が過去に犯したとされる万引き事件――それをきっかけとした、自堕落で不安定な時期を過ごしたというトラウマ。まさか、それが、こんな異常な行為に繋がっているというのか?

 

「……そうだ」隣で黙って聞いていた綾小路が、冷淡な、しかしどこか面白がるような響きを声に含ませて言った。「こいつはな、櫛田。最初から、特に躾ける必要もなかったんだ。こっちが拍子抜けするくらいに、驚くほど従順で、完璧な『便器』だったからな。自分の罪を洗い流したい、清められたいという強迫観念が、こいつを最高の奴隷にした」

 

一ノ瀬は、その「便器」という言葉に、嫌悪を示すどころか、むしろ照れくさそうに俯き、頬を染めた。

 

「そ、そんな……ご主人様に褒めていただいて……光栄です……」

 

「う、嘘でしょ……」

 

櫛田の膝が、がくがくと震え始めた。理解できない。信じられない。あの、誰からも慕われ、正義感が強く、太陽のような存在であるはずの一ノ瀬帆波が、自ら進んで、こんな…こんな屈辱的な行為を受け入れ、それに喜びすら感じている?

 

「あんたみたいな、優等生が……どうして…自ら進んで、こんな……」

 

ふいに、一ノ瀬の目が、すっと細められた。今までの、どこか天然で、柔和な雰囲気が嘘のように消え去り、冷たく、鋭い光を帯びた視線が、櫛田を射抜いた。

 

「桔梗さんこそ。あなたは、ご主人様に対して、あまりにも相応しくない、不遜な態度をとっていませんか?」

 

ぞくり、と櫛田の背筋に悪寒が走った。まるで、心の奥底まで、彼女の抱える嘘や、欺瞞や、浅ましい本性を見透かされたかのような感覚。一ノ瀬は、優雅な、しかしどこか威圧的な足取りで櫛田に歩み寄ると、その細い指で、櫛田の顎をくい、と掴んで持ち上げた。

 

「ご主人様の神聖な儀式の最中に、物陰から盗み見するなんて。それに、その反抗的な目つき。…少し、お仕置きが必要なようですね」

 

次の瞬間、バチン!という乾いた音と共に、櫛田の頬に衝撃が走った。一ノ瀬の掌が、思い切り平手打ちを放ったのだ。華奢な見た目からは想像もつかないほどの、信じられない腕力。櫛田は、数歩よろめき、壁に背中を打ち付けた。

 

「わっ!? な、なにすんのよ、あんた――」

 

「私が、直接指導して差し上げます」

 

一ノ瀬の声は、まるで教会の聖歌隊の天使のように、どこまでも清らかに、しかし有無を言わせぬ響きで、トイレの中に澄み渡った。

 

「ご主人様への、正しく、そして敬虔な奉仕の仕方を」

 

いつの間にか、綾小路は壁にもたれかかり、興味深そうに、しかしどこか他人事のように腕を組んで、これから始まろうとしている光景を眺めている。彼は、止めようとはしない。むしろ、楽しんでいるかのようにも見える。

 

一ノ瀬は、自分の着ている競泳水着の肩紐を、片方だけ、ゆっくりと外した。滑らかな肩のラインと、豊かな胸の谷間が、あらわになる。その露出した肌の白さが、彼女の行動の異常性をさらに際立たせた。

 

「さあ、桔梗さん。まずは、ご主人様の前で、あなたのその汚れた心を反映したかのような、醜い身体を晒しなさい」

 

「や、やだよ! なんで、あんたなんかの言うことを聞かなきゃいけないのよ!」

 

櫛田は、必死に抵抗の言葉を叫ぶ。

 

「ふふ。おとなしくしないと……」一ノ瀬は、にっこりと、しかし目の奥は全く笑っていない、恐ろしいほどの静謐さを湛えた笑顔で言った。「クラスメイトのみんなに、桔梗さんの、あの隠している『本性』について、私が教えてあげましょうか? あなたが、どんな風にクラスメイトを評価し、どんな嘘をついてきたか…」

 

櫛田の背筋が、今度こそ完全に凍りついた。そうだ、この女は知っているのだ。綾小路から聞いたのか、あるいは独自に調べたのか。いずれにせよ、自分の築き上げてきた仮面を、この女は容易く剥がすことができるのだ。

 

震える指先で、なけなしのプライドと共に、櫛田は自分のスカートのファスナーを下ろし始めた。スカートが床に落ち、続いて、昨日と同じ、彼好みの白いレースの下着も、自らの手で脱ぎ捨てた。一ノ瀬は、その様子を、満足そうに頷きながら見ている。

 

「良い子ですね、桔梗さん。理解が早くて助かります。では、次は……ご主人様の前で、自分自身を、もっと汚してみせることです」

 

「……え? 汚すって…?」

 

一ノ瀬が、すたすたとトイレの隅にある掃除用具入れへと歩いていく。そして、中から、一本の、明らかに長年使い古された、先端が黒ずんで毛先が不揃いになったトイレ掃除用のブラシを取り出した。

 

「これを……あなたの、あそこに入れて、ご主人様に、あなたがどれだけ反省しているか、お見せしましょう」

 

「ば、馬鹿なこと言わないで! そ、そんな汚いもの……!」

 

櫛田は、恐怖で後ずさる。しかし、背中は既に冷たい壁にぶつかっている。逃げ場はない。

 

「あんた、本当に善人なの!? 優等生なんでしょう!?」

 

「もちろんです」一ノ瀬の目は、狂信者のように、清らかな光を失わない。「悪いことをした子は、その罪を認め、きちんと反省し、そして、身をもって償わないといけませんから。これは、あなたのための『浄化』なのです」

 

そう言うと、彼女は、その汚れたブラシの、硬いプラスチックの柄の先端を、櫛田の裸の割れ目に、ぐり、と強く押し当てた。

 

「いやあああああっ!!! やめてっ! 汚いっ! あ゛っ!」

 

冷たく、硬く、そして何よりも不潔な感触。櫛田の喉から、引き攣った悲鳴が零れ落ちる。

 

「あらあら、もっと大きな声で鳴かないと。ご主人様がお楽しみになられませんよ?」

 

一ノ瀬の囁きは、子守唄のように優しいのに、内容は悪魔のそれだった。彼女は、櫛田の抵抗をものともせず、ブラシの柄を、少しずつ、膣内へと挿入していく。

 

鈍い痛みと、経験したことのない異物感、そして何よりも強烈な羞恥と嫌悪感。それらが、櫛田の精神を激しく揺さぶる。視界の隅で、綾小路の表情が、明らかに興味と、そして微かな興奮の色を帯びているのが分かってしまった。一ノ瀬は、その綾小路の様子をちらりと確認すると、満足そうに微笑み、さらにブラシを奥深くまで押し込んだ。

 

「ほら、ご主人様……桔梗さん、すごく熱くなって、濡れてきていますよ? 感じているんですね?」

 

「あ゛…んっ! ちが…出る…! 出ちゃう……っ!」

 

強すぎる刺激と屈辱感。そして、恐怖。それらが、櫛田の膀胱の括約筋を麻痺させた。生温かい液体が、意に反して、脚の間から流れ出し、床のタイルを濡らす。

 

失禁。一ノ瀬の前で、そして綾小路の前で。

 

一ノ瀬は、しかし、聖母のような慈愛に満ちた(ように見える)微笑みを浮かべながら、ブラシをさらに激しく、膣内で動かし続ける。

 

「ふふ。良い音がしていますね……桔梗さん、本当は、こういうのがお好きなのでしょう?」

 

「違う…! 私は…! あ゛っ! んあああっ! んんんんーーーっ!!」

 

絶頂が、無理やり引き起こされる。痛みと屈辱に満ちた、汚れたオーガズム。櫛田の身体が、ベッドの上で大きく弓なりに反り返り、後頭部を壁にゴツン、と打ち付けた。

 

ようやく、一ノ瀬は動きを止め、ゆっくりとブラシを引き抜いた。そして、こともなげに、その先端――櫛田の体液と尿で汚れた部分――を、自分の口へと運び、ちゅぱ、と音を立てて吸った。

 

「ん……ふふ。桔梗さんの味、少ししょっぱいですね。でも、ご主人様にも、ちゃんとお分けしますね」

 

その、信じられない光景を目の当たりにして、櫛田の思考は完全に停止した。優等生の仮面を被った、悪魔。あるいは、狂信者。それが、一ノ瀬帆波の正体だったのだ。

 

「…ふむ。お前、一ノ瀬、今日は特に調子がいいな」

 

壁にもたれていた綾小路が、満足そうに、低く息を吐くように言った。

 

「ありがとうございます、ご主人様」一ノ瀬は、屈託なく、心の底から嬉しそうに笑った。「でも、まだ朝の『お水』しか頂いておりませんので……今日の授業が終わりましたら、また、たっぷり補充させていただきませんと」

 

その言葉に、櫛田の視界が、絶望でぐにゃりと歪んだ。この女こそが――自分よりも遥かに深く、歪んだ形で、綾小路に仕える存在。堀北鈴音などではなかった。この、一ノ瀬帆波こそが、真のライバルだったのだ。崩れ落ちそうになる意識の最後に、彼女は、心の奥底で、新たな、そしてさらに暗い決意を固める。

 

(絶対に……! あの女だけには、負けられない……!! 私の方が、もっと、ご主人様のお役に立てる、最高の奴隷だって、証明してやる…!)

 

数日後、再び暁の光が差し込む、同じ男子トイレ。しかし、今度は、櫛田桔梗が、誰よりも先にその場所に到着し、跪いていた。制服の下には、スカートではなく、身体にぴったりとフィットした、動きやすさを重視したかのような、しかし妙に扇情的な紺色のブルマを着用している。頬は、緊張と、そしてこれから行うことへの倒錯した期待で、微かに紅潮していた。彼女は、ドアが開くのを、固唾を飲んで待ち受けていた。

 

やがて、綾小路が、そして少し遅れて一ノ瀬が現れた。

 

「ご主人様……! おはようございます! 今日は、この櫛田桔梗が、一番にご主人様の浄化をさせていただきます!」

 

一ノ瀬が驚きの表情を浮かべるのを横目に、櫛田は、意図的に、まるでその違いを誇示するかのように、履いているブルマのゴムを、パチン、と指で弾いて音を立てた。一ノ瀬が昨日着ていた競泳水着よりも、より直接的で、ある意味、下品とも言える服装。

 

「き、桔梗さん……? その格好は…?」一ノ瀬の眉が、困惑に微かに動く。

 

綾小路は、しかし、その状況を面白がるように、興味深そうに櫛田を見下ろしている。

 

「…ほう。お前、随分とやる気じゃないか、櫛田」

 

「はい!」櫛田は、強い意志を込めた目で、彼を上目遣いに見つめた。「一ノ瀬さんには……絶対に、負けられませんから」

 

そう言うと、彼女は、昨日一ノ瀬がやったように、大胆にも自ら制服のブラウスのボタンを外し、胸元を大きく露わにした。下には、昨日と同じ白いレースのブラジャー。一ノ瀬の水着姿よりも、明らかに肌の露出が多いことを、計算した上での仕草だ。

 

「そして、今日は……ご主人様のために、特別なものを準備してまいりました」

 

櫛田が、傍らに置いていた自分のスクールバッグから、震える手で取り出したのは、一本の、細長い、透明な医療用のチューブ――導尿カテーテルだった。その異様な物体に、さすがの綾小路も、わずかに眉を動かした。

 

「…これは――」

 

「これを、私の身体に直接入れて、ご主人様のお小水を、膀胱で直接受け止めさせていただきます」

 

櫛田の声は、緊張と、そして狂気じみた決意で、わずかに震えていた。

 

「ご主人様のものを、一滴残らず、一番奥で、この身で受け取りたいんです…!」

 

その言葉と、彼女が手に持つものに、一ノ瀬の表情が初めて、明確な驚愕と、そしてわずかな恐怖の色を浮かべて崩れた。

 

「き、桔梗さん、それは…! あまりにも危険すぎます…! それに、そんなこと…!」

 

「どうか、させてください!」櫛田の叫びが、トイレの中に響き渡った。「私だって……! 私だって、ご主人様の全てを受け止められる、最高の便器になりたいんです!」

 

綾小路は、数秒間、黙って櫛田を見つめていた。そして、ゆっくりと、しかしはっきりと、頷いた。

 

「……面白い。やってみろ、櫛田」

 

許可が下りた。震える手で、櫛田はブルマとパンティーをずらし、裸の下腹部を露わにする。そして、持っていた潤滑ゼリーをチューブの先端に塗りつけ、自らの尿道口に、それを慎重に当てた。

 

「あっ……ぅ……」

 

冷たい異物が、身体の最もデリケートな部分に入ってくる感覚。痛みと、経験したことのない不快感。涙が、生理的に滲み出てくる。それでも、彼女は、歯を食いしばり、少しずつ、少しずつ、チューブを奥へと挿入していく。一ノ瀬が、信じられないものを見るような目で、思わず手を伸ばしかけるが、綾小路がそれを無言で制止する。

 

「見ていろ、一ノ瀬。これが、お前に対する、こいつの対抗心だ」

 

「ん……あっ……んぁ……は、入ってます……奥まで…」

 

チューブが、膀胱に達した独特の感覚。その瞬間、彼女の身体が、びくん、と大きく跳ねた。

 

櫛田は、チューブの、身体から出ているもう一方の端を、恥じらいながらも、どこか誇らしげに、唇でくわえた。そして、そのまま綾小路に向かって差し出す。

 

「…どうぞ……ご主人様……直接、この中に、注いでください……」

 

綾小路は、無表情のまま、彼女の口元に繋がったチューブの先に、自身のものを当てがった。そして、排尿が始まった。

 

温かい液体が、チューブを通じて、直接、彼女の膀胱内部に流れ込んでくる。その、今まで経験したことのない、直接的で、生々しい感覚。痛みはない。ただ、自分の内側が、彼の排泄物で満たされていくという、強烈な背徳感と、そして倒錯した充足感。櫛田の目が、驚きと、苦痛と、そして歪んだ喜悦で見開かれた。

 

「あ゛っ! ああっ…! お腹が……! ご主人様の、温かいので、いっぱいに、なっていきます……っ!」

 

彼女の下腹部が、受け入れた尿によって、微かに、しかし確実に膨らみ始めていくのが見て取れた。隣では、一ノ瀬が、自分の記録(おそらくは飲尿の量か、あるいは日数か)を塗り替えられるかもしれないという危機感に、思わず拳を強く握りしめている。

 

「も、もう……限界、です……! でも、もっと…! もっと欲しい…!」

 

溢れんばかりになった膀胱に、さらに彼の尿が注がれていく。ついに、容量の限界を超え、櫛田の目から、今度は悔しさではなく、達成感と苦痛が混じった涙が、ぽろぽろと零れ落ちた。しかし、彼女は、チューブを口から離さず、彼が排尿を終えるまで、その全てを受け止めきった。

 

「……ごちそうさまでした……ご主人様…」

 

チューブをゆっくりと抜く。その際に、受け止めきれなかった少量の尿が、ブルマと床に垂れたが、櫛田は、まるでそれが貴重なものであるかのように、すぐさま床に這いつくばり、それを舌で丁寧に舐め上げた。頬を伝う涙と、床の上の尿が混ざり合いながらも、彼女は、綾小路のものを、文字通り一滴残らず受け入れたという証を、見せつけるように。

 

「…ふっ。お前、この数日で、ずいぶんと成長したじゃないか、櫛田」

 

綾小路が、初めて、賞賛とも嘲笑ともつかない、複雑な響きを含んだ声で言い、まるで忠実なペットを労うかのように、彼女の濡れた頭を、ぽんぽん、と軽く撫でた。

 

一ノ瀬が、静かに歩み寄り、まだ床に膝をついている櫛田の肩に、そっと手を置いた。その目には、驚きと、そしてある種の敗北感が浮かんでいた。

 

「桔梗さん……あなたは、本気…なんですね」

 

「はい」櫛田は、涙ながらに、しかし、はっきりと、狂気じみた輝きを目に宿して笑った。「これからは……毎日、昨日よりもっと新しい方法で、ご主人様にお仕えしてみせます。あなたなんかに、絶対に負けませんから」

 

綾小路が、対照的な二人の少女――完璧な従順さを見せる一ノ瀬と、狂気的な献身を見せる櫛田――を見比べ、心の底から満足そうに、そしてどこか楽しそうに、深く頷いた。

 

「…便器同士の、醜くも美しい競い合いか……これは、実に楽しみだ」

 

その言葉は、これから始まるであろう、さらに歪んだ、終わりなき競争の幕開けを告げていた。

 

 

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