魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
古エルフの女リーダーが素手で構えを取ると威圧感を感じさせる雰囲気を漂わせていたのである。
「我々は武器無くとも素手で戦える……。我が名はルシア・イーガンだ、その名をよく覚えておけ!」
リーダーの女、ルシアがそう言うと彼女は一気に俺との距離を一瞬で詰めてきたのである。距離を感じさせない瞬間的な移動に俺は驚き反応が追い付かない。
そして、彼女の一撃が俺の腹に向けて放たれたのだ!
「ぐうっ!!」
俺は彼女の攻撃を避けきれず、拳の突きをモロに腹に喰らって地面に跪いたのだった……。
「ううっ……な……何だ、その技は……?」
あまりの痛みに悶絶しながら彼女の技に驚いているとルシアは言う。
「エルヴンストライク……エルフが徒手空拳で戦う為の精霊武術だ。武器が無くとも手足が凶器になるぞ!」
彼女はそう言うと再び構えを取り俺を見据えていた。
エルヴンストライクとは他種族より体格で劣るエルフが生み出した武術である。
しかも、精霊の力を借りて身に宿すため攻撃力、瞬発力、防御力ともに半端ないのである。
彼等……古エルフが使うエルヴンストライクはエルフ、ダークエルフのそれより生粋のエルヴンストライクなのだ。
「どうした? これで終わりか? さっきは風の精霊の力を借りたが、次は地の精霊の力を借りて攻撃する!」
彼女の挑発に俺は腹を押さえながら立ち上がると、痛む腹を堪えて剣を構えたのだった……。
そのまま俺に近付くと上段蹴りを放ってきたのだ! 咄嗟に後方に飛び退くが今度は横蹴りで攻撃を仕掛けてくる!
「くううっ!!」
何とか腕を上げてガードをするものの彼女の攻撃は早く、連続攻撃に俺の体は徐々に追い付かなくなってきたのである。
「ほらほら、どうした? 防戦一方だぞ?」
ルシアはそう言うと今度は突きでもって俺を攻撃してきた! 剣でガードするが、彼女はどんどん剣の間合いから近付いていく。
このままでは懐に入られてしまうと危機を感じ、反撃に出る事にしたのだ……。
「うおおおおっ!!」
俺は上段から剣を振り下ろすと彼女の脳天目掛け斬る!
しかし、ガキィ――ンと言う音がしたと思うと彼女は両腕で交差して一撃を受け止めたのである。
剣から、まるで岩を切ったかのような感触に驚くと、彼女はニヤリと笑って言う。
「なっ!?」
「地の精霊のお陰だ! 今の私の手足は岩のように硬いぞ!」
すると俺の剣を払いのけ横蹴りを繰り出し脇腹にヒットしたのだ!
「ぐうっ!」
脇腹に硬い物で殴られたような痛みを感じて俺は思わず片膝を付いてしまった……。
「どうした? もう終わりか?」
ルシアが俺に近付いてくると、彼女は俺の顔目掛けて蹴りを放とうとしたその矢先、誰かの叫び声が聞こえたのだ。
「おやめなさい!! ルシア、もう勝負は着いたわ!」
女の言葉でルシアは急に動きを止めると彼女の蹴りは俺のこめかみ寸前でピタリと止まっていたのである。
森の奥から現れた女性はエルフの姿であるものの神秘的で荘厳な雰囲気を漂わせて立っていたのだ。
「お……お母様! 何故、ここに!」
彼女は突如現れた女性に驚き立ちすくんでいる。そして俺も彼女の姿を見て思わず片膝を付いたまま見上げていたのだ。
「あ……貴方は……?」
目の前に突如現れたのは金色の長い髪をして金色の瞳を持つ美しいエルフの女性であった……。
「私は世界樹の結界の番人のダリア・イーガンです……」
「……結界の番人……?」
俺は現れたエルフの女性に驚き、そしてルシアも彼女を驚愕した目で見ていたのだ。
「お母様、結界の監視はしなくていいのですか!?」
彼女は驚愕した顔のままダリアと名乗る女性に向かって言うと彼女は憔悴した顔で言う。
「この方達が木々を焼いたのを見て駆け付けたのです……。けど、それだけでなく非常事態も起こったのです……」
「非常事態……ですと?」
ルシアが何事かと問うとダリアは頷いて言う。
「ええ、実は世界樹の周りの木々が……虫らしき魔物によって枯死しているのです……」
ダリアは深刻な顔で言うとルシアも暗い顔をする。そして、彼女は俺達を見て言う。
「それだけでなく、どうやら結界を破って侵入した者達が世界樹に近付いているようです……。このままでは彼等が世界樹に辿り着くのも時間の問題です」
「そんな……結界を破られるなんて……」
母の言葉にルシアは驚愕して言葉を失っていると、彼女は俺達に向かって言う。
「……貴方達は人間ですが、この非常事態に力を貸して貰えないでしょうか?」
「えっ!?」
俺達に向かってダリアが頼み事をして来たのだ。しかも、それは世界樹の結界を破ろうとしている侵入者を倒してくれと言うのである。
「もし、貴方達が彼等を一緒に倒してくれるならお礼として私達が出来る事なら何でも致しましょう!」
「お母様! こやつ等にそんな約束をしてはいけません!!」
ダリアの言葉にルシアは慌てて止めに入るが、彼女は首を横に振り言う。
「いいえ、これは私の責任でもあるのです……。だから、結界の責任者である私が依頼するのです!」
「お母……様……」
「ルシア、お願いです! この人達に協力をしてあげて下さい」
彼女は懇願するようにルシアに言う。すると彼女も母親の気持ちが分かったのかそれ以上何も言えなくなっていたのだ。
「どうかお願いします! 力を貸して下さらないでしょうか?」
ダリアは俺達に向かって頭を下げて頼み込んできたのである。俺はそれに対して腕を組んで思案していると魔女が話し掛けてきたのだ。
「ねぇ? どうする? 私は世界樹の樹液が欲しいし……貴女達が古エルフと一緒に侵入者を退治してくれたら、どちらもウィンウィンなんだけど?」
モイラの言葉に俺はどうしたものかと考えていると突然、彼女は思い付きダリアに要求したのだ。
「私達が奴等を退治したら世界樹の樹液以外にも言う事を聞いて貰える?」
魔女の顔付きが下心丸出しなのがすぐに分かった。どうやら、世界樹の樹液以外の見返りを貰おうとしているようだ……。
「ええ、私が出来る事なら何でもしましょう……」
モイラの要求にダリアはあっさりと了承する。その様子をモイラはニヤリと笑い見ていたのだ。だが、その隣でルシアだけは不安そうな顔をしていたのである。
(モイラの奴……見返りとして何の要求をするつもりなんだ?)
俺は魔女がどんな表情をしているのか気になり顔を見ると、彼女はダリア、ルシア親子に舐め回すような目つきで見ていたのであった……。