魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
俺達は古エルフのダリア、ルシア親子と共に結界を破り侵入してきた一団を迎え撃つために結界の狭間に向かっていた。
「この先に敵の一団が入り込んでいるのか?」
俺がダリアに尋ねると彼女は頷いて答える。
「はい……どうやら彼等と一緒に虫達も入り込んでいるようです……」
「虫?」
「ええ……どうやら、その虫達は木々に穴をあけ、そこから栄養等を吸い上げて枯死させていくのです……」
ダリアは悲痛な顔で言うと、隣にいるルシアも黙って聞いている。すると、ロザミアが虫について聞いてきたのだ。
「その虫ってどんな感じなのですか?」
「黒くて見た事のない種類の小さい虫です……。しかも、1匹や2匹じゃないのです……」
彼女はロザミアの質問に答えると苦々しい顔をして言う。
「虫達を放して木を枯らしていく奴等の目的はなんなの?」
「目的は分かりません……」
ディアーネがダリアに質問すると彼女は黙って首を横に振る。どうやら、詳しく知らないらしい……。
「……とにかく、虫達が世界樹まで侵食していったら厄介だ……。早々に何とかしないと」
俺がダリアに言うと彼女は黙って頷いたのだ。
「皆さん、もうすぐ結界と外界の狭間に着きます……。この先には侵入者達がいるはずです」
ダリアはそう言うと俺達に警戒するように言うが、俺は彼女の言葉を聞きながら考えていたのだ。
(虫を使って世界樹の周りの木々を枯らしている……。だが、何故そんな事をする? 別に木々を枯らさなくても結界を破って侵入するだけでいいのに……)
侵入者達の行動が不可解であった。しかし、今は熟考している場合ではないので周囲に注意しながらダリアに着いていく事にする。
「よし、皆! 気を付けろよ!」
俺が言うと全員頷いたのである。俺達は世界樹の森と外界の狭間の境目に着くと辺りを警戒しながら見渡したのだ。
すると、武装した男達の一団と褐色の肌をした2人のエルフらしき者達と遭遇したのであった。
結界の狭間の方を見てみると一部の空間が歪んで見え、その中を人が通れるようになっていた。
しかも、周りには見た事がない黒い不気味な虫が木々に纏わり付いており、木々は見るも無残な枯れ木に変わっていたのだ。
「あれが言っていた虫か?」
俺は初めて見る虫を見て思わずダリアに聞くと彼女は頷く。どうやら、あの虫が周辺の木々を枯らしたようだ……。
「ダークエルフ……」
ルシアはそう呟くと、ダリアはダークエルフ向かって呼びかけたのである。
「何故、ダークエルフが結界を破ってまでこの森に来たのですか?」
ダリアが彼等に向かって問うと、ダークエルフの女が不敵に笑いながら答える。
「ふふふ……それは世界樹をダークエルフの物にする為よ!」
「何ですって!?」
「神話の時代においてはエルフ、ダークエルフ、古エルフに区別はなかった……しかし、神話の大戦以降に世界樹はお前達古エルフが所有する事になり、我々ダークエルフは世界樹の恩恵から遠ざけられたのだ!」
「それは、光の勢力と闇の勢力に別れた為です! どちらにもつかなかった私達に非はありません!」
「黙れ! 我々ダークエルフは、お前達古エルフも恨んでいるのだ……。だから、世界樹を我が物にし闇の世界樹にする事が我々の悲願なのだ!」
ターニアの言葉にダリアは反論するが彼女は聞く耳をもたない。そして、ターニアは傭兵崩れの男達に命令を下す。
「さあ、お前達! 古エルフ達を排除して世界樹を手に入れるのだ!」
女ダークエルフが命じると男達は武器を構え、俺達に向かってきたのである。それを見たダリアは彼等を止めようとする。
「貴方達、こんな事をしてなんになると言うのですか!? 今ならまだ間に合います……引きなさい!」
「うるせえ!! 俺達は金を貰っているんだ……。こうなったら、古エルフ達を倒してダークエルフに貸しを作るまでよ!!」
ダリアが彼等に命じるが男達は聞く耳を持たない。そして、ターニアは古エルフ達を見詰めると皆、素手で武器を持っていない事に気が付いたのである。
「ほお~~、お前達は武器を持っていないな……もしかして、エルヴンストライクの使い手なのか?」
彼女の言葉にルシアが反応し語気を強めて言う。
「そうだ! 古エルフ達は皆、エルヴンストライクを会得しているぞ!」
「ふふ……それは面白い」
ターニアはそう言うと、腰に差していた剣を抜きキロンに向かって渡す。そして、素手になり拳を構えたのであった。
「私もまた、お前達と同じくエルヴンストライクを会得している……こちらは闇エルヴンストライクと言うがな……」
彼女は不敵な笑みを浮かべて言う。どうやら、彼女はダークエルフが使う闇エルヴンストライクの使い手のようだ……。
闇エルヴンストライクとは古エルフがエルフとダークエルフに別れる前のエルヴンストライクが二手に別れた後、独自に進化したものである。
古エルフやエルフが使うエルヴンストライクとは扱う精霊に違いがある。闇の精霊等の邪な精霊も扱うため普通のエルヴンストライクとは違いがあるのだ。
だが、古エルフが使うエルヴンストライクにも特有の精霊の技があり、独自の進化を遂げている……。
ルシアとターニアはお互い構えながら対峙している。
古エルフが使うエルヴンストライクとダークエルフが使う闇エルヴンストライク、果たしてどちらが強いのか?
2人の戦いが今始まろうとしていた……。
ルシアとターニアは互いに構え睨み合い、対峙していたのである。古エルフはダークエルフに言い放つ。
「闇エルヴンストライクか……。だが、闇の力に我々のエルヴンストライクが負ける訳がない!」
彼女が言うとターニアも強く言い返す。
「お前達こそ我らダークエルフには到底及ばない事を思い知れ!!」
ターニアがそう言うと精神を集中させ、目を瞑り重心を落とし後ろ脚に体重を乗せ構える。
「闇の精霊シェイドよ! 我に敵を滅する力を与えよ!」
彼女の言葉が終わると同時に全身から黒いオーラが出てきて纏わりつく。それを見たダリアは驚愕した顔をしながら叫んだのである。
「あれが闇の精霊を纏ったエルヴンストライク!?」
母の驚く呟きも無視し、ルシアも精霊の力を発動させるため目を瞑り精神を集中させていた。
「樹の精霊ドライアドよ……我が身を守り、我が手足に力を授けよ!」
ルシアはそう呟くと、彼女はゆっくりと目を開けて言う。その瞳は緑に染まり淡い緑色のオーラを纏わせていたのであった……。