魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
俺達と傭兵崩れの男達も2人が精霊の力を宿させて対峙する姿に食い入るように見入っていた。
「あれが……エルヴンストライク……」
俺は呟くとディアーネ、ロザミアも驚きの表情をして言う。
「凄いわ……ルシアの体が緑色に光ってる……」
「本当ですね……まるで、精霊同士が対決しているかのようです!」
2人が興奮しながら言う言葉に俺は頷いたのである。確かに2人の周りには淡いオーラが漂っており、それが精霊なのだろうと思った。
ふと、モイラが気になり周りに目をやると魔女の姿が居なくなっていたのに気が付いたのである。
(モイラめ……何処に行った? まさか、1人で世界樹の元に行ったんじゃないんだろうな!?)
モイラの行方が気になりつつも2人の対決に目を戻したのであった……。
2人が精霊の力を宿し構え合うと、ルシアはターニアに向かって言う。
「いざ参る!!」
彼女が言葉を発するとターニアに向かって突進する。ダークエルフはそれを待ち受けるように構え応える……。
「かかってきな!」
ターニアが叫ぶとルシアは彼女の間合いに飛び込み拳を振りかざした。
「はっ!」
ルシアは拳を繰り出すがターリアはそれを難なく躱す……そして、彼女は拳が伸びきったところに蹴りを放つが、ルシアも咄嗟に後方に飛んで避けたのだ。
2人の拮抗した戦いを見て俺は至って感心していた。
あのダークエルフの女も、かなり強いな……。ターニアの動きを見ながらそう感じたのである。だが、ルシアも負けてはいなかった。
彼女の攻撃を避けた後、すぐに間合いを詰めて今度は拳で突きを放つがこれも避けられる。しかし、避けられた後に速やかに上段回し蹴りを放ったのだ……。
その蹴りがターニアの顎先を掠るように振り抜くと、彼女は少し驚いた様な表情になった。
「いいねえ……古エルフが、ここまでやるとは……」
ターニアは不敵に笑うと、ルシアの蹴りが掠った顎先を手で押さえながら後ろに下がり、構えを直す。
「今度はこっちからだ!!」
ターニアは叫びルシアに向かって駆け出すと、彼女も応戦するために走り出す……そして2人は拳や蹴りを繰り出すもお互い躱しあいながら攻防を繰り広げたのであった……。
2人が戦っている姿を俺達は見守っている中、キロンが傭兵崩れの男達に向かって叫ぶ。
「ボーッとするな! お前達も古エルフや人間達に攻撃を仕掛けろ!!」
彼の命令で彼等も武器を構え、俺達に襲いかかって来たのである。それを見た俺とディアーネも剣を抜き、ロザミアは杖を掲げ魔法を唱える準備をして迎え撃った。
「よし、あいつ等を迎え撃つぞ!!」
「了解!」
俺とディアーネは剣を構え傭兵崩れの男達に斬りかかる……すると、彼等は持っていた盾で俺達の攻撃を受け止めるが、その隙にロザミアが魔法を唱えたのである。
「魔法の矢よ! 我が敵を貫け!」
ロザミアの杖の先から魔法の矢が幾筋放たれ数人の男に直撃すると、その衝撃で後ろに吹き飛ばされる。
そして、それを見た男達は標的を俺とディアーネからロザミアに変え襲いかかって来たのである。
「魔法使いの方から片付けろ!」
「ロザミアが攻撃されないように奴等を近づけさせるな!」
「分かってる!」
ディアーネが返事をすると同時に俺は傭兵崩れの男達に攻撃をする。俺は剣を逆さにし鍔に近い刃を掴み相手の体や頭部に打ち叩きつけた。
「ぐおっ!」
俺の攻撃を受けた傭兵崩れの男達は呻き声を上げ、地面に倒れると動かなくなったのだ。それを見たディアーネが俺に言う。
「流石ね! 斬りつけないで倒すなんて……でも油断しちゃダメよ」
「ああ……分かってるよ……ディアーネも古エルフの森で余計な殺生はよせよ」
「あはっ! 分かってるって!」
彼女の返答に答え、それからも剣を絡めて地面に倒した男の鎧の腹部の隙間に剣の柄を突き入れて気絶させる。防具から剥き出しの肉体を斬らないよう気を付けて攻撃したのである。
「くそ! こいつら強いぞ!」
ターニアとルシアがお互い戦っている最中、男達が俺達に手こずっているとダークエルフの男が彼等に向かって叫んだのだ。
「何をしている!? たかが女3人だぞ? さっさと片付けるんだ!!」
キロンが叫ぶと男達は武器を構えて再び襲いかかってきたのである。それを見た俺は剣を構え直し、奴等の攻撃に備え……そして、ロザミアは魔法を唱えようと杖を掲げる。
「魔法の雷よ! 敵の頭上に落ち壊滅させよ!」
ロザミアが魔法を唱え杖を振り下ろすと、空が暗くなりゴロゴロと雷鳴が轟き稲妻が男達の頭上に落ちる。
「ぎゃあああああ!!」
「うぎゃああああ!!」
ドッカァ―ンと言う雷鳴と共に落ちた雷は男達を直撃し、断末魔のような悲鳴を上げてバタバタと倒れて行く。それを見たキロンは驚愕した顔で言ったのである。
「バカな! たった3人に……傭兵崩れ達が全滅だと!?」
狼狽している弟に気が付き、ターニアはルシアとの戦闘を一旦中断し大声で呼びかけた。
「キロン! もらった魔法薬を使って形勢を逆転させろ!!」
彼女の呼びかけに対し、キロンは我に返り叫び返す。
「わかった! 今から 使うから、姉さんは息を止めていろ!」
彼は所持していた荷物袋から瓶を取り出すと俺達に向かって放り投げる。
瓶が地面に落ちガシャーンと音を立て割れると中から紫色の煙がモクモクと立ち込め、瞬く間に俺達を包み込んだのであった。
「何だこれは……!?」
煙が辺り一面を覆うと、俺達はそれを吸ってしまい僅かに甘い香りが鼻腔に入ってくる……そして、キロンの掛け声が辺りに響いたのである。
「その煙を吸ったら体が痺れて動けなくなるんだよ!!」
俺は咄嗟に息を止めるが既に手遅れだったのだ……。
「ぐ……体が……」
体の力が抜けて片膝を地面に付け、剣も落としてしまう。そして、ディアーネやロザミアも同様に煙を吸ってしまい倒れてしまったのである。
「し……痺れてくる……」
「私も……」
2人がそう言うと同時に近くに居たダリアと他の古エルフ達も煙を吸い込んで倒れてしまった……。
「くそ……卑怯な……」
ルシアも煙を吸い込んで、よろめき倒れてしまう。無理矢理立ち上がろうとするが、体が痺れていて上手く立ち上がれない。
「ふはははは! どうだ、この魔法薬は? エルヴンストライクでの勝負とはいかなかったが我等の勝ちだ!」
そんなターニアの勝ち誇った声が煙の中から聞こえてきたのである。
「く……くそぉ……」
俺はそう呟き、体が痺れて動けず気を失ってしまったのであった……。