魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
俺達は世界樹までダリア親子を連れ去ったダークエルフ達の後を追って、カイファトの森奥深くまで歩いていた。
先頭は俺で、その後ろにディアーネ、ロザミアが並んで、その後ろを魔女が歩いていたのである。
「ダークエルフ達は世界樹に行って何をするの?」
歩いている中、ディアーネが興味津々にモイラに問い掛けてくる。
「世界樹は全てのエルフの聖地なの、 だからダークエルフの聖地でもあるの……」
「へぇ~~そうなんだぁ~~」
魔女が答えるとディアーネは目を丸くして言う。そんな会話を聞きながら俺は嫌な予感しかしなかった……。
(ダークエルフ達にとっての世界樹……たしか、闇の世界樹と言っていたな……)
そう考えている内に森の木々の間から途方もなく巨大な木がチラチラ見え始めたのである。
「あれが世界樹か……」
俺は思わず感嘆しながら呟く。これまで見てきた巨木のどれよりも遥かに大きく、天高く雲を貫きそびえ立つ巨木であった。
幹の太さも巨木と言われる木の何十本分であろうか……。
「本当に……大きいですね……」
「凄いねぇ~~!」
後ろから目を輝かせながら2人も見上げて言う。俺達が世界樹を目前にして立ち止まっていると魔女は急かすように声を掛けてきた。
「さあ! 世界樹の中に入って捜すわよ!」
巨大な根には苔むした石段があり、俺達はその石段を一つ一つ登り巨木の幹に開いた大きな穴へと入って行った。
中に入るとそこは薄暗くジメジメしていて壁や天井から垂れた蔦には苔が生えており、どこからか水滴の落ちる音も聞こえてくる。
そして、中は外よりも巨木の中とは思えない程広く天井も広々とした空間であった。
古エルフ達が長大な年月をかけて作った構造物は自然と調和して洗練されていたのである。
「凄いな……世界樹の中がこんな風になっていたなんて……」
俺は思わず呟くと魔女はクスッと笑いながら言う。
「さあ、 古エルフの親子達を探しましょう……」
魔女の案内で巨木の奥へと進んで行くと急に目の前が明るくなり広い空間に出たのである。そこには天井が高く太い幹には幾つかの扉がありその1つに誰かが入って行くのが見えたのだ……。
「あれか?」
俺は呟くと魔女も真面目な顔をして答える。
「そうね……」
「よし、行こう!」
3人共頷くとその扉に向かって駆けて行く。そして、俺が扉に手を掛け開けようとした瞬間、突然鍵が閉まってしまったのである。
扉が閉まった、その瞬間から突然世界樹の中にある蔦がうねり出し俺達に絡み付こうと動き出す。
「何だ!?」
俺が驚いて皆に振り返ると魔女は舌打ちしながら言った。
「しまった!罠よ!!」
「ええぇっ!?罠っ!?」
ディアーネが驚いた声を上げているとロザミアも焦ったように言う。
「モイラ様!! 火の魔法を使って燃やします!?」
「蔦を燃やしたら私達も煙を吸って死んでしまうわ!」
「ええ~~っ!?じゃあ、どうすんの?」
ヤキモキしたディアーネが催促するように言うと魔女は苦虫を噛み潰したような顔で言ったのである。
「仕方ない……。あの魔法を使うしかないか……」
そう言うと魔女は手をかざし呪文を唱え始める。
「凍てつくと吐息よ! 我に立ち塞がるものを凍えつかせろ!」
すると魔女の手から吹雪のように冷気が吹き出すと世界樹の幹や天井を伝って行き、絡み付こうとしていた蔦を凍らせていく。
「す……凄いけど……室内が寒くなった……」
「さ……寒くて凍えそうです……」
「ハ……ハクション!!」
俺とロザミアがブルッと身震いしディアーネはくしゃみをする。すると魔女は苦笑しながら言ったのである。
「我慢しなさい……凍結呪文を使ったから仕方ないでしょ……」
モイラ以外は寒さで震えていたが彼女は全く平気そうであった。魔女は半アンデッドだから平気なのか……?
そして、俺達は凍り付いて動かなくなった蔦を剣で破壊し、押しのけていくが扉は鍵が閉まったままであった。
「開かないな……どうする?」
俺は扉を叩きながら問い掛ける。すると魔女は溜息をつきながら答えたのだ。
「ええ……そうね……」
「爆発の魔法で破壊したら?」
ディアーネが提案するが魔女は呆れた顔で言う。
「バカな事を言わないで! 爆発したらこの中も無事では済まないでしょ?」
「ええっ? じゃあ、どうするのよ?」
彼女が言い返すとロザミアが閃いたかのように言う。
「そうだ! 私が衝撃吸収魔法を使って皆を守りますので、モイラ様は破壊魔法を使って下さい!」
「分かった……やってみる……」
魔女は頷くと破壊魔法を唱え始めロザミアは俺達に対して衝撃吸収魔法を唱え始めた。
「魔力によりて我を守る泡となれ! 吸収せよ!!」
その瞬間、俺達の体が半透明の泡に包まれ始める。そして、魔女は手の平を扉にかざしながら破壊魔法を唱え始めたのだ。
「我が魔力よ……我を遮る扉を破壊せよ! 砕け散れ!」
モイラが呪文を唱え終わると同時に手の平から扉に向かって凄まじい爆発音と衝撃波が放たれたのだ。
「うわっ!?」
その衝撃波の反動が来るかと思ったがロザミアの衝撃吸収魔法はしっかりと俺達を守っていたのである。そして、扉は粉々に砕け散って行った……。
「す……すごっ~~い!」
「やりましたね! やはりモイラ様の魔法は一味違いますぅ!」
ディアーネが感嘆しロザミアがウットリしながら呟くと魔女はドヤ顔で言う。
「当然よ! 私に掛かればこんな扉なんてイチコロよ!」
「それはいいが……ダークエルフ達を追いかけないと……」
得意気な魔女に呆れ顔で俺は言うと彼女はハッと気が付き溜息をつく。
「やれやれ……まあ、いいわ……急ぎましょ!」
そう言うと魔女は破壊した扉を潜って行く。俺達も彼女の後を追いかけたのであった。
扉の先には世界樹を回れるような回廊があり、床や天井や壁から垂れ下がる葉が生えた蔦が無数に散らばり、まるで自然の回廊を思わせていた。
俺達は回廊を進みながらダークエルフ達を捜していた。すると、1人の若いダークエルフの男が回廊の先から現れてこちらに近付いてくる。
「おい……お前達! 何故此処まで来れた? まだ、あの魔法の薬で麻痺している筈じゃ……」
どうやら扉が破壊された音を聞き慌ててやって来たようだ。彼は怒りを露にして俺達を睨み付けている。俺は毅然とした態度で彼に言う。
「悪いが、ピンチ時に仲間の魔女が助けに来てくれたんだよ……。それより、古エルフの親子を返してもらおうか?」
「諦めて降参しないと痛い目を見ることになるわ!」
彼は初めて見るモイラを一瞥し彼女の堂々とした言い方に一瞬気圧されたが、すぐにニヤリと笑って言う。
「ふん! 誰がお前達に降参するもんか……!」
「交渉決裂ね……」
そう言うと俺は剣を抜き放ち戦闘態勢に入る。ダークエルフの男も精霊魔法を使うために精神を集中させるのであった……。