魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
「ロザミア~~!! 怖かったよぉぉ!」
「ディアーネ! 私も怖かったですぅぅ!」
2人は抱き合って泣きじゃくりながらお互いを慰め合っていたのだ。
そして、俺はダークエルフの男に近づくと彼は恐怖で怯えた顔で俺を見て言う。
「た……助けてくれ……」
だが、俺は無表情で冷たく言い放つ。
「助ける訳ないだろ……。お前を人質にして古エルフの親子達との交換を要求させてもらう!」
「ダークエルフは目的の為なら肉親でさえ犠牲にする……。だから、僕を人質にとっても無駄だぞ……」
彼は皮肉を込めて言うが俺はそれを聞き流すと言い聞かせるように言った。
「そうかもしれない……それでも、交渉して取引するまでだ」
「姉さんは……応じないさ……」
「そうかな……?」
そして、俺は魔女の方に目を向けると彼女は真剣な面持ちで頷き俺に言う。
「さあ! 上に行きましょう!」
「ああ、そうだな……こいつの手を縛っておこう」
俺は男を後ろ手に縛り上げ抵抗できないようにすると、彼を連れて古エルフの親子がいるであろう回廊の上層に向かうために階段を上がるのであった……。
階段を上り続けると上層に辿り着いた。だが、そこには誰もおらず、古エルフ達の姿も見えない。
「ここにはいないな……」
「あ! あれを見て!」
ディアーネが奥を見て叫ぶと更に奥の方に巨大な扉があったのだ。
「もしかして、あの奥にいるんじゃないですか……」
「多分な……」
「扉を開けるわよ!」
ロザミアの呟きに俺は返事し魔女はそう言うと扉を開けるために前に出る。そして、モイラが扉を開けるとそこには驚くべき光景が目に飛び込んできたのである。
扉を開けて中に入るとそこは広間になっており天井も、それなりに高かった。そして、その奥には祭壇の様なものがあり、その上には古エルフの親子が磔にされていたのだ。
磔の柱の下の方には窪みの様なものがあり、血が流れれば窪みに溜まるようになっていた。祭壇にはダークエルフの女がいたのである。
彼女は拘束された弟を一瞥すると、怒りの表情で俺達を睨みつける。
「キロン……お前程の精霊の使い手がこいつ等に捕まったのか!?」
「ごめん……姉さん……魔女がシェイドの支配を奪う術を使ってきた……」
キロンと呼ばれたダークエルフは申し訳なさそうに言うと彼女は溜息を吐く。そして、俺達を睨むと吐き捨てるように言う。
「我々、ダークエルフの悲願である世界樹を手に入れる為の邪魔はさせない!」
「親子を解放すれば、お前の弟を解放するが交渉しないか?」
彼女の拘束された弟を俺の前に出すが彼女は不気味にニヤリと笑う。
「たとえ弟が人質になっても交渉はしない! 世界樹を手に入れる事が最優先だ!」
「そうか……肉親が犠牲になっても構わないと言う事は本当だったんだな……」
俺はキロンを不憫に思いながら溜息を吐くと、魔女は彼女に問い掛けた。
「ダークエルフが世界樹を手に入れてどうするのよ?」
「お前達には関係のない話だ!」
「仕方ないわね……交渉決裂ね……」
モイラはそう言うとターニアを見詰め魔法を使おうと手をかざし、ダークエルフと戦闘態勢に入るのだ。
彼女は1対4の状況で自分が精霊魔法を使って、この状況を打破できるか瞬間的に考えていた。そして、結論を出したのである……。
(キロンは闇の精霊シェイドを呼び出した筈だ……しかし、敗北した。他の精霊を呼び出すべきか……)
しかし、そう考えると躊躇もした。もし、他の精霊を呼び出したとしても、キロンの話では魔女が精霊の支配を奪う可能性があるからだ。
だが、この場で肉弾戦をするのは愚策といえた。剣を持って闇エルヴンストライクを使っても彼等に勝てる見込みは低そうだ。
そう考えるとシェイド以外の精霊を呼び出すために精神を集中させるのであった……。
「幻惑の精霊ファントムよ! 我に仇なす者を幻惑し翻弄させろ!」
彼女は呪文を唱えると彼女の周りに白い靄が現れ出したのである。その靄は俺達に目標を定め包み込もうとしてきた。
「う……っ! うわあぁぁ!!」
「ひぃぃいっ!!」
「きゃあぁぁあ!!」
「うううううっ!!」
俺達だけでなくダークエルフの男も叫び声を上げながら悶え苦しみ、ふらつくのであった……。
「どうだ! ファントムによる幻覚は……?」
ターニアは得意満面で俺達に問い掛けるが、同じく幻覚に捕らわれた弟を心配な目で見つめると囁く。
「キロン……」
幻惑の精霊による幻覚を見せられ各々に変化が生じていたのである。
ロザミアは今、周りの人間達が自分を責め立てている様に聞こえており罵声を浴びせされている様な感覚に陥ったのだ。
彼女は頭を抱え、体を丸めて座り込み幻覚から覚めようと必死になっていた。
『アンタは無能でノロマな役立たずの魔法使いでしょ!!』
『お前の魔法抵抗の呪文が効かなかったせいで俺は女の体になってしまった!! お前は魔法使いとして能無しなんだよ!!』
「い……嫌……そんなことない!!」
彼女は自分を貶める罵声を聞きながら、両手で耳を塞ぎ座り込んだ。
「ロザミア!!」
俺はくずおれるロザミアに近付き、彼女を立ち上がらせると手を掴み励ますのであった……。
だが、俺の目にも周りの人間が蔑むような視線で見え始めてきた。耳には俺を罵る声がヒソヒソと聞こえ始めたのだ……。
『勇者を名乗っているのも他人からチヤホヤされたいからなんでしょ!?』
『自称勇者のくせに図々しいよね!!』
「うるさい!! そんな訳ないだろ!!」
周りの人間が自分を罵倒しているように聞こえイラつきながら怒鳴っていた。
この瞬間、ディアーネも幻覚に捕らわれて苦しんでいたのである。
「ディアーネ!!」
座り込んで苦しんでいる彼女に駆け寄り、肩を揺さぶって正気に戻そうとする……。
「ううぅっ!! お父さあぁん! もうしないから許してぇぇぇっ!!」
彼女は幼少の頃に父親からの虐待で苦しめられていた。今でも当時の恐怖と苦しみがフラッシュバックしてナーバスになる事がある……。
今まさにディアーネを苦しめている幻覚は、彼女が父親からの暴力でありリュルケが自分の父として見え恐怖していた。
彼女は俺を見るなり暴れ出し、俺から逃げようと必死だった。
「ディアーネ! 落ち着くんだ!」
暴れる彼女の手を掴み抑え込むが彼女は泣き叫び暴れ続ける……そして、俺の手を振り払い蹲ると頭を抱えて震え出したのである。
「いやあぁぁぁっ! もう、やめてぇぇぇ!!」
叫び声を上げるが俺は彼女を落ち着かせようと抱きつき手を握る。
「ディアーネ! 大丈夫だ……幻覚だから!」
落ち着かせるように言うも俺も幻聴に捕らわれており、ロザミアとディアーネの手を握る事しかできなかったのである……。