魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
この時、モイラもターニアが呼び出したファントムの幻覚に捕らわれ苦しんでいた……。
彼女が、まだ人間であった頃の記憶が呼び起こされ、同性愛者としての差別を受けていた時の光景が甦っていたのだ。
『同性を愛しているなんて普通の人間じゃない!! お前はこの家の恥さらしだ!!』
『同性への恋愛感情は、人として異常よ!! お前なんか私の娘じゃない!!』
「違う……私は普通の女よ……」
彼女は目を瞑りながら幻覚から覚めようと頭を振り抵抗するが一向に良くならなかったのである。
今しがた見ている幻覚は彼女が両親に自分の性的指向をカミングアウトしたら、拒絶され罵られた時のものだったのだ……。
『異常者のお前は私達の子供じゃない!! 出ていけ!!』
『同性愛者が私の娘なんて汚らわしい!!』
彼女の目には両親が血相を変え、自分に罵声を浴びせていた光景がフラッシュバックしていたのである……。
「嫌だ……嫌だ……」
魔女は幻覚から逃れるため首を振り頭を抱えて必死に耐えていると……。
「……しっかりしろ!」
誰かが彼女の肩を揺さぶり声を掛けていた。誰かと思って目を開くとそこには唇を噛みながら表情は固まっているが眼差しの強さは失っていないリュルケが自分を心配そうに見詰めていたのだ。
彼は自分が見ている幻覚と戦っているだけでなく、幻覚に苦しむ自分の事を気遣ってくれていたのである……。
その眼差しを見て彼女は、ふと我に返った。そして、幻覚から解放されたわけでないがハッとさせていたのだ……。
「リュルケ……私は……嫌な記憶を思い出していた……」
彼女は肩に置かれたリュルケの手に触れ、感謝するように彼の目を見る。
「ありがとう……私を悪夢から一時的に解放してくれて……」
「……いや……そんなつもりは……」
俺が顔が赤らめながら気まずそうにしているのを見てモイラは軽く笑う。そして、真剣な面持ちで問うのだった。
「リュルケ……私は、あの幻覚を見せる精霊を討ち払う事に専念するわ……」
「ああ、わかった……。あの鬱陶しい精霊をどうにかしてくれ」
その頃、ターニアは呼び出したファントムによって彼等が幻惑に掛かり苦しんでいるのを見て勝利を確信していたのである。
「フハハ! やはりファントムに手も足も出ないようだな! このまま気が狂ってしまえ!」
彼女は余裕の表情を見せながら彼らにゆっくりと近付き出す。そして、俺達全員を見渡すと不敵な笑みを浮かべる。
「さて……お前達が抵抗出来なくなるまで待つとしようか……」
俺達は彼女の魔法によって幻惑に掛かり、何も抵抗できずにいた。だが、その時である……。
突然、モイラがターニアに向き直り白い靄に向かって手をかざし呪文を唱えたのだ。
「我が魔力を呪詛に変えよ! 精霊の支配を我の元に! 反転せよ!」
魔女が呪文を唱えると精霊が存在する白い靄が揺らぎ始め、反対にダークエルフに向かって包み込もうとしてきたのである。
「な……なにっ!? ファントムに何をした!?」
ターニアは驚き狼狽えているとファントムの靄は彼女の体に纏まり付くように包み込んでいった。
「う……うわあぁぁっ!!」
彼女はファントムに包まれ苦悶の声を上げると、そのまま地面にしゃがんでしまう。
そして、彼女は耳を手で覆い目を瞑り両膝をそろえて曲げて座ると動かなくなったのである。
どうやら、支配を奪われたファントムに幻覚を見せられているようであった。
その様子を見て俺はハッとするのだった。どうやら俺達に掛けられた幻覚が解けたようだ……。
彼女が見せられている幻覚は、人質となった弟を見棄てたターニアが、弟やリュルケ、ディアーネ、ロザミア、モイラから罵声を浴びさせられる光景であった。
『血も涙もないダークエルフめ!! 」
『この鉄面皮! 平気で弟に見切りをつけるなんて!』
『裏切られた弟さんが可哀想じゃないんですか!!』
『ダークエルフだから情が薄いのは当然みたいね……』
『姉さんは……僕が危険に晒されても平気なんだ……』
皆から、次々に罵声を浴びさせられている幻覚にターニアは必死で耐えて苦しんでいたのだ……。
「違う……私は……見棄ててなんか……ない……」
彼女は目を瞑りながら頭を振って幻覚から覚めようとするが、覚めることは不可能だった。幻惑の精霊から強力な妄想を植え付けられていたからである。
「ううっ……嫌ぁ……」
耳を手で塞ぐと蹲り必死に耐えていた。だが、その幻覚には弟による非難がまだ続くのである。
『姉さんは僕が邪魔者だったんだね……許さない……』
ターニアは弟から罵声を浴びされ続ける幻覚に泣きじゃくるしかなかったのだった。
「うっ……ううっ……もう、やめて!!」
彼女は自分に浴びせられている罵声が止むのを待つしか方法が無かったのである……。
ダークエルフが座り込んで動かなくなったのを確認すると魔女は勝利を確信し呟く。
「もう、いいかしら?」
モイラがそう言うと呪文を唱え精霊を解放すると白い靄は彼女から離れて消滅していく。
「はぁ……はぁ……」
彼女は俯きながら肩で息をするとヨロヨロと立ち上がるが、その顔は青ざめていたのであった。
抵抗する素振りも見られない為、俺は彼女に近寄り手を掴むと後ろ手で縛り上げたのだ。
「くそっ……殺せ!」
彼女は悔しそうに言うと俺は溜息を吐く。
「殺すなんてことはしない……お前達は後で古エルフ達から裁きを受けてもらうからな……」
俺がそう言うと彼女は俯き悔しそうに唇を噛む。そして、魔女は俺達に近付きながら言った。
「さて……古エルフの親子を助けましょう……」
ターニアは縛られている為、俺達に抵抗が出来ず悔しそうにしながらディアーネとロザミアが捕らわれの親子を縄から解放しているのを見ると無念の声を上げていた。
「お前達がいなければ……世界樹は我々、ダークエルフの物になったのに……」
彼女は俺達を睨み付けるが、縛られているため抵抗する気力はないようだ。
モイラは古エルフの親子に近付くと話し掛けるのだった……。
「大丈夫? ダークエルフを退治して貴方達も助けたから、世界樹の樹液だけでは足りないわ」
「助けてくれてありがとうございます……もちろん、それ以外にも私達に出来ることなら何でも致しましょう」
ダリアは、そう礼を言うと項垂れる。隣ではルシアが懸念しながらモイラの次の言動を待っていた。
「そうね……では、貴方達の肉体をご所望していいかしら?」
魔女の言葉に古エルフの親子は怪訝そうな顔をした。まさか、自分の体を要求されるとは想像もしていなかったからだ。
「あの……何故、私達の肉体を求めるのですか?」
ダリアは恐る恐る質問するとモイラは上機嫌に答えるのである。
「もちろん……貴方達の体を抱いて可愛がるのよ」
「私達の体を……ですか……?」
彼女は困惑しながら言うと、親子は顔を見合わせ不安と嫌悪が入り混じった顔をしていたのであった……。