魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
ターニアが事の経緯を俺達に詳しく話して聞かせると、魔女が呆れながら言う。
「成程ね……あの男に頼まれたのね……」
「ああ……そうだ、彼は世界樹の樹液が欲しいと言っていた。彼と我等の思惑が重なったから、互いに協力し道具を借りたのだ……」
ダークエルフがそう説明するが俺達や古エルフの親子には全く話が見えてこなかった。
「あの男って誰なんだ?」
俺がそう質問するとターニアは、少し躊躇ったが代わりにモイラが答える。
「その男は……魔導師である錬金術師よ……」
「錬金術師!? この森にも来ているのですか?」
ダリアが驚きながら聞くと、モイラは頷き肯定する。
「ええ……彼の名はアスタール・ルンブラード……。心配しなくても、ここには来てない筈よ……」
「もしかして、モイラ様が以前仰ってた古代魔法王国の錬金術師ですか?」
ロザミアが質問するとモイラは頷く。
「そうよ……彼の事は帰ってから詳しく話すわ……」
そう言うとモイラは一人で歩き出し、ダークエルフ達が侵入してきた結界の穴に入っていく。
俺達もモイラの後を追い中に入ると、そこには黒曜石で出来た砂時計が置いてあったのだ。
その砂時計を魔女は手に取ると観察する。そして、それを見入りながら俺達に話し掛ける。
「じゃあ、この砂時計を貰っていくわ!」
魔女がそう言って砂時計を逆さにすると空間が捻じれて出来た穴が、徐々に閉じようとしている。
「あっ! 待ってくれ!」
「急いで入らないと……」
「ま……待ってください!」
俺達がそう叫ぶと閉じようとしている穴に向かって飛び込んだのである。
そして、古エルフの親子達に別れの挨拶をした。
「じゃあ、またいずれ!」
「バイバイ~~」
「皆さん、お元気で!」
別れの挨拶を言うとダリアとルシアは寂しげな顔で答え手を振っていた。
「はい……また何時か……」
「さようなら……」
俺達が飛び込んだ後、結界の穴は閉じカイファトの森の端に出たのであった……。
カイファトの森の結界から出ると、森の端に無事到着する。そして、魔女は着くなり魔法陣を描いていた。
「お……おい! アスタールとは何者なんだ?」
俺が深く追求しようとすると、魔女は魔法陣を描きイラつきながら答える。
「帰ってから離すと言ったでしょ!」
「お……おい……」
もう一度、追及しようとするがモイラは聞く耳を持たず魔法陣を描き終わると皆を急かすのだ。
「いいから早く魔法陣に入りなさい! 屋敷に着く頃には日が暮れるから!」
魔女に急かされると俺達も慌てて魔法陣に飛び込んだのである。そして、呪文を唱え光に包まれると一瞬にして魔女の屋敷に着いた。
辺りは薄暗くなってきており、もう日が沈もうとしているようであった。
「さあ、中に入りなさい……風呂にでも入って食事の時に詳細に話しましょう……」
魔女はそう言うと屋敷の中に入る。俺達も急いで後に続くと、中に入って行ったのである……。
リュルケ達が結界の外に出て魔法陣で転移しようした時、カイファトの森の結界内で古エルフの親子を1匹の大きな黒い虫が空中を浮遊しながら見届けていた。
虫の気配に気づいたルシアは虫のいる方に振り向く。
「……ルシア……どうしたの?」
「あの虫から……見張られているような感じが……」
ルシアがそう答えるとダリアも虫がいる方向へ顔を向ける。木々を食い荒らしていた虫とは大きさや形も違うが、その虫は唯の虫ではない感じがしたのだ。
「確かに……あの大きな虫が私達を見ているようですね……ダークエルフが放った虫とは違う……」
「私等は、あの虫には見覚えはない……彼から借りた虫ではないぞ」
ダリアがそう答えターニアは否定する。母は不気味な見た目の虫を片付けた方がいいと判断したようだ。
「ええ……あの黒い虫は何か嫌な感じがする……早く始末した方が良さそうね」
「風の精霊よ! 風の刃で、我が命じる対象を切り裂け!」
娘は風の精霊を呼び出して風の刃を虫に向かって繰り出す。召喚された風の精霊から風の刃が放たれると、命中し虫の胴体を真っ二つに斬り裂き緑色の体液をまき散らして地面に落ちていく。
「やりました!」
「気持ち悪い虫だこと……」
ダリアがそう囁くと、虫を真っ二つに斬り裂いた風の精霊が役目を終えたかのように消えていった。
後には古エルフの親子とダークエルフの姉弟だけが、この場に残っていたのであった。
この虫がグヴァリャス大峡谷でリュルケ一行を監視していた虫と同じものであるとは、彼等は全く知る由もなかった……。
俺達はカイファトの森から魔女の屋敷に無事到着していた。そして、夕闇迫る中、今回の冒険で汚れを落とす為に風呂に入っていた。
「はあ~~~! 疲れたな……。今日は本当に色々な事が起こった一日だった……」
俺は浴槽に浸かりながら今日の出来事を振り返っていたのである。そして、先に湯船に浸かっていたディアーネと目が合う。彼女はイライラを募らせ憎々し気に言う。
「あ――っ!……あの糞デブ! 今度会ったら絶対切り殺してやる!!」
どうやら、傭兵崩れ達から襲われ太った男から顔に小便をかけられた時の事を思い出し、怒りが再発した様子であった。
「もう気にするなよ……過ぎた事だし……」
俺がそう言うとディアーネは俺に近付いて来て肩を掴むと揺さぶって訴える。
「そんな事言わないで! アンタだって奴等から顔にザーメンをかけられ犯されたでしょ!」
彼女の強い殺意に圧倒され勢いに呑まれるのであった……。
そして、次に湯船に浸かっていたロザミアが口を開く。
「あの……私も、あの人達とは二度と会いたくないです……ディアーネと同じく、あの禿げには殺意が湧いてきます」
「……そうだね。みんな酷い目に合ったしな」
俺もあの森での出来事を思い出し答えると、ディアーネが俺の方を向いて話し掛けてくる。
「でも、アンタがカイファトの森で殺めることを制止したんだよね? アイツ等、古エルフのテリトリーで命拾い出来て喜んでるじゃない」
彼女は少し怒りながら俺に言う。どうやら、傭兵崩れ達に犯された事よりも小便をかけられた事が許せないようだった。
「ま……まあ、奴等だって古エルフの掟に沿って罰せられるだろうし……」
俺は適当に相槌を打つとロザミアが間髪入れずに言う。
「そう言えば、古エルフではないけどエルフの森を伐採した者達が精霊を使って操られ一生しもべとして働かされた挙句、死ねば木々の養分として利用されるという話は聞いたことがありますね……」
「……そうなのか……」
俺は彼女が話したエルフの刑罰の話を聞いて彼等のその後に少し同情するのであった。
暫く皆無言になり湯船に浸かっているとロザミアが思い出したように話し掛ける。
「それにしても……次の目的はアスタールという錬金術師が持っている星界の雫という事でしょうか……?」
「ああ……そうだろうね……」
俺が答えると、ディアーネが湯船に浸かりながらロザミアに聞く。
「でも、その錬金術師って何者なの? ダークエルフを利用して世界樹の樹液を狙っていたようだけど……」
「そうですね……古代魔法王国時代の錬金術師が……何を目的にして動いているのか見当がつきません……」
「まあ、ここで考えていても仕方がないさ……食事の時にモイラが説明してくれるって言っていたしな」
そう答えるとディアーネ、ロザミアも頷き納得する。それから俺達は湯船から上がり着替えると、浴室を出て行ったのである……。