魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
次の日の朝、目が覚めて着替えると食堂に向かう。朝食を食べる為に食堂に向かうとディアーネ達も少し遅れて同席する。
モイラは席に座ると俺達が食事を食べ終えるのを待っていた……。そして、魔女は口を開くと今日の予定を説明するのである。
「さてと、今日はアスタールの屋敷に乗り込むわよ!」
「そうだな……」
俺も覚悟を決めたように頷く。まあ、どちらにせよアスタールの屋敷に行かないという選択肢はないのだが……。
それに結界を抜けても相手がどのように対応してくるかは分からない。これは、ある程度は賭けのようなものだ……。
モイラが言うように生ける死体が錬金術師が仕掛けた罠に掛かる事を切に願うのであった。
そして、朝食を取り終えると魔女の屋敷を出る。一緒に2体の生ける死体と意思を奪われた墓守の老人も地下牢から連れ出されていたのである。
「さて、これから錬金術師の屋敷に踏み込むわ! 皆、覚悟はいい?」
「ああ……わかってるさ」
「けど……これからどこに向かうの?」
ディアーネが至極当然な疑問を彼女に投げ掛けてきた。確かに、これからどこに向かうのかは俺達は聞かされていなかったのだ……。
すると、モイラが疑問に答える。
「アスタールの屋敷には転移魔法で向かうわ……彼が住んでいる場所はゾラ平原と言う所なのだけど周りは荒れ果てた大地のようになっているわ」
「ふ~~ん……ゾラ平原……初めて聞く場所ね」
ディアーネが呟くと魔女は頷き話を続ける。
「そこにはアスタールの屋敷以外に何もないわ……ただ、結界が張ってあるので外からは見えないわ」
「なるほど……転移魔法で行くしかないな」
「ええ……だけど、すぐ近くに転移したら魔力を感知され気付かれるから少し離れた所に転移するわ……」
モイラの言葉に俺達は頷くと転移魔法でゾラ平原まで跳んだのである。この時、森の中から1匹の大きな黒い不気味な姿の虫が浮遊しながら彼等を観察するように見ていたのだ。
グヴァリャス大峡谷、カイファトの大森林で彼等を観察していた虫と同じであるが全く気づいてはいないのであった……。
「よし! 着いたぞ!」
俺達が転移した場所は草木が生えず、ひび割れた大地であった。その土地の上空には黒い雲が立ち込めており、いかにも不吉で陰鬱な土地であった。
平原という名称が付いているからには元々は野原であったのが草木も生えない乾いた荒涼とした土地に成り果てていた。
「ここは……人が住める所なのか?」
そんな感想を思わず呟いてしまった。だが、魔女は俺達の疑問に答える。
「ええ……確かに、この荒れ果てた土地には人はいないわ……だけど、彼が星界の雫を使って土地のエーテルを概ね奪ったからよ……」
「なるほど……それで、この有様か……」
魔女の話を聞いて納得する。星界の雫はアスタールが作り出した魔道具で土地全体のエーテルを吸い上げる作用があるのだそうだ。
その効果により大地のエーテルが枯渇し荒れ果ててしまったのだろう。自然の状態を無理矢理、星界の雫で不自然の状態にしてしまった結果である……。
そして、モイラは生ける死体に命令を下す。
「貴方達は彼等の後を歩きなさい! ゾンビを先導させて結界の位置を探るわ」
「……わかった」
魔女はゾンビ達に命令し俺達の先を歩かせる。
そして、俺達は生ける死者と墓守の老人の後から歩き始める。
モイラの背を見ていると、ふと背中に荷物を背負っている事に気が付いたのである。
「おい……何で荷物を背負っているんだ?」
俺が尋ねると魔女は立ち止まり振り返る。そして、ニヤリと笑うと得意気に答えるのである。
「これ? これは神竜の角と世界樹に樹液を持ってきているのよ!」
「持ってくる必要があるのか?」
「星界の雫がエーテルを吸い上げ寄せ集める装置なら、人が持ち運べるような物じゃない筈よ 。だから、2つの素材も持って行かなければいけないのよ」
「手際がいいな……」
感心したように頷くと彼女は再び歩き始める。そして、俺達は荒れ果てた平原を歩き続けた。
すると、先頭を進んでいく男の生ける死体の肉体に変化が表れ始めたのである。
男の顔、手などの服に覆われていない皮膚が爛れていき徐々に剥がれ落ちていったのだ。
「ゾンビの皮膚が剥がれ落ちてきているぞ!?」
俺は驚きの声を上げ指差す。すると、魔女は冷めた表情で淡々と答える。
「どうやら結界に入ったようね……」
男ゾンビの顔や手は肉も剥がれ落ち骨が剥き出しになっていく。その内、服を着ている部分の皮膚が崩れ落ちて服の隙間から肉片や内臓がボトボトと零れ落ちていくのであった。
今や男のゾンビの顔は眼球も抜け落ち眼窩は空洞になり、次第に頭蓋骨もヒビが入ると割れ始め、やがて砕けて脳味噌と一緒に地面に落ちる。
するとゾンビは崩れ落ちるように倒れる。そして、男の体は完全に全身が塵と化するのであった。
だが、それも束の間で後続の女の生ける死体の身体も同様に皮膚が爛れ剥がれ落ちていく……。
「おいおい……これって大丈夫なのか?」
俺はその光景に唖然として魔女を見るが彼女は至って冷静に答えるのである。
「さあ? けど、ここでゾンビ達が台無しになったわ……」
モイラが答えている間も女ゾンビの体はどんどん崩れていき、肉塊と骨に成り果てていた。だが、その体は崩れながらもまだ動いており手足をつきながら進んでいく。
しかし、それも塵と化するまで時間はかからなかったのである。地面を這っていたが殆ど骨だけになり女ゾンビも最後には灰塵と化していった……。
ゾンビ達が灰になっても結界を進もうとする老人の肩を俺は慌てて掴むと引き戻す。
「ふぅ~~……危なかったな……」
「うへ~~……キモい……」
「死人でしたけど、肉片になっていく姿はグロいですね……」
その光景を見てディアーネとロザミアは顔を不快な表情にするが、魔女は全く気にしていない様子だ。そして、俺は疑問を口にする。
「さてと、ゾンビ達がバラバラになったけど結界をどうするんだ?」
すると、モイラは背負っていた荷物から黒曜石でできた砂時計を取り出す。
「これでアスタールが張った結界に穴を開け通れるようにするわ……」
彼女はそう言うと黒曜石製の砂時計を地面に置く。そして、時間をかけ砂時計の砂が全部下に落ちていくと周りの空間が歪み始めたのである。
「どうやら穴が開き始めたみたいね!」
魔女は嬉しそうに言うと穴の向こう側を見渡し、俺達の方に向くと手招きする。彼女は早く来いと催促しているようだ……。
「行くのか……?」
「ええ、行かないと始まらないわ」
俺は恐る恐る聞くと、魔女は頷き答えたのである。そう言うや彼女は穴の中に最初に入って行き、俺達もゾロゾロと続いて入っていくのであった……。