魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
穴の中に入って出ると、そこも結界の外とは打って変わって草に覆われた青空が広がった平原が広がっていた。
「結界の外とは、あまりにも景色が違うな……」
「結界の中はエーテルで満ちているのね……」
魔女と俺は中と外の光景の差異に同時に呟く。そんな時、ふと奥を見ると一部が朽ちた巨大な古びた館が見えたのだ……。
これが錬金術師アスタールの屋敷だろうか……。
「どうやら着いたようだな……」
俺がそう言うと魔女も頷いて答える。
「ええ……そうね」
館に向かって歩き始めると、墓守の老人も指示通り俺達の後をついて行くように歩き始めたのである。
玄関まで来ると、魔女は振り返る。
「さてと、ここから先はアスタールの領域よ……警戒して進む様に」
モイラは俺達に注意を促す。俺達は頷くと扉を開け館の中に入って行く……。
館の中に入ると、中は薄暗い空間であった。石の壁には蜘蛛の巣が張り巡らされ、辺りは埃まみれである。
そして、窓から射し込む光が唯一の光源のようで薄暗かった……。
「汚れた屋敷だな……」
思わず呟くとモイラも同意するように頷く。
「ええ……掃除や片付けが全く出来ていないわね」
どうやらアスタールは衛生概念が希薄のようだ……。
「錬金術師アスタールよ! 出てきなさい! 魔女モイラ様が来たわよ!」
彼女はそう言うと、玄関から中に入り真っ直ぐに歩き始める。俺達は彼女の後に続いて行くのであった。
暫く辺りを見渡すがアスタールはおろか誰も姿が見当たらない……。
「おかしいわね? 誰もいないわ……」
「だが、全部の部屋を見ていないだろ? 地下に居るのか?」
俺は1階の部屋を見て呟く。すると、彼女は首を傾げ悩むような仕草をする。
「わからない……けど、くまなく探すしかないわね……」
魔女がそう言うと俺達は大広間に通じる扉へと向かって行く。そして、ドアの直前まで来たら絶妙のタイミングで大広間の扉が突然開き長いボサボサ髪の男が現れたのだ。
「これはこれは……ようこそ我が館へ! よく来られた……魔女モイラ殿……」
彼は40代ぐらいの中年男性で魔術師の様な灰色のローブを着ていた。ヘラヘラした笑顔で俺達を出迎えるが、その笑顔はどこか不気味であった……。
「貴方が錬金術師アスタールね? 何故、私の名を知っているの?」
モイラは彼に向かって不審に思い尋ねる。すると、アスタールは薄ら笑いを浮かべ答える。
「貴女が行く先々に虫を放って監視していたのだよ……」
「そう……なら、私の事は知っているようね」
どうやら、アスタールは俺達の行く先々に虫を使って見張っていたようだ。
俺やディアーネ、ロザミアは今までの冒険で、ずっと監視されていた事に対して羞恥心で一杯になっていたのである。
竜の墓場では竜人族との交わりや、世界樹の森での傭兵崩れからのレイプやダークエルフとの行為の事を……。
もしかしたら、モイラの屋敷での性行為も見られていたのかと思うと恥ずかしさで赤面してしまう。
だが、その事を悪びれる様子はなく彼は俺達をそれぞれ値踏みするように見渡す。
「ふむ……成る程、実物も綺麗な容姿をした女達だな……その老人は除いて……」
「それで? 私達がここに来た理由は分かるわよね?」
モイラはそう言うと腰に手を当ててアスタールを睨みつける様にして言う。すると、彼は肩を竦め鼻で笑う。
「ふふふ…… 魔女殿、分かっているよ……星界の雫を渡せと言うんだろ? だが、渡せる筈もなかろう……」
アスタールはそう言うと、彼の背後から2人の女性が出て来たのである。
彼女達は胸がはだけた灰色のローブを着ており、年代は2人とも20代前半ぐらいで綺麗な顔をしていた。だが、その肌は雪のように白く瞳は赤かったのだ。
彼女達は彼の両脇に付くと、モイラに向かって深々とお辞儀する。それを見た魔女が怪訝そうな顔をすると錬金術師は答えたのだ。
「私の助手だよ……彼女達も中々綺麗だろ……?」
どうやら、彼女達はアスタール自ら褒め称える見目麗しい人材のようだ。
「初めまして……魔女様……」
「お初にお目にかかります……」
アスタールの助手達はモイラに向かって恭しく挨拶するが、その顔は薄ら笑いをしており見下すような印象を受ける。
「ふん……強がっている様ね……これはどうかしら?」
魔女は彼女達の態度が癪に障ったようで指を鳴らすと3人の足元に魔法円が浮き上がる。
「極限の冷気よ! 凍り付け!」
彼女が叫ぶと、魔法陣が青く光り輝き冷気の柱が立ち上がると彼等に襲い掛かった。
「お前の魔法は効かぬよ……」
アスタールが平然とした表情で呟くと、徐々に魔法の冷気の柱が霞んでいき終いには消えてしまう。
「何故!?」
魔女は驚愕し声を上げる。そして、彼はローブの中からキラキラとした結晶型のアイテムを取り出す。
「この結晶は魔力を吸収する魔結晶石だ……これがあれば、魔法など恐れるに足らぬよ」
彼は自慢げに言うと、その結晶を俺達に見せびらかす。どうやら魔女の魔法の効果が無くなった理由は彼の持つ結晶石のお陰らしい。
しかも、取り出した時より一回り大きくなったように感じる。魔力を吸収すると大きくなっていくようだ……。
「これはどうだ!?」
俺は叫ぶと剣を素早く抜き錬金術師に向かって斬りかかる。
「ふん……愚かな……」
彼は鼻で笑うが俺の剣が彼の体を切り裂く筈だった……。だが、剣が彼の体にめり込むとアスタールの体が何か無数の小さい虫の様なものへと一瞬にして変化し剣が空を切ってしまう。
「ええっ!!」
思わず叫ぶが無数の虫が俺を覆いつくすと、空中に持ち上げられ放り投げられてしまっていた。
投げられ落下すると背中を強打して悶絶してしまう。その時、剣も手から離れてしまった。
「うぐぐ……」
「私には武器などの物理攻撃も効かぬぞ……」
「リュルケ!」
彼は鼻で笑いディアーネが叫びながら俺の元に駆け寄って来るが、俺は痛みで動く事ができなかった。
そして、ロザミアが呪文を唱えアスタールに魔法の矢を放つが魔結晶石による魔力吸収作用により全て無効化されてしまう。
「さてと、こっちの番だ……」
彼は含み笑いをして言うと、2人の助手に向かって命令する。
「お前達も結晶石を出して私の結晶と共鳴させろ」
「畏まりました……」
「仰せのままに……」
2人同時にローブから結晶石を取り出して、アスタールが手に持つ結晶石と共鳴させる。
すると、アスタールの結晶石がきらめく様に輝き助手の結晶石と反応し脈動するように光り出したのだ。
そして、3人が持つ結晶石からキィーンという不快で耳に障る音が耳に鳴り響くと頭痛に襲われたのであった。
共振して生じる音自体が脳に直接痛みをもたらし、皆悶え苦しんでいた。
「く……何なの? この音は!?」
「頭痛が……!」
「き……気分が……悪いです……」
ディアーネとロザミアは頭を抱えて呻く。そして、モイラも耳を押さえ息も絶え絶えながらアスタールを睨み付けていた。
「結晶を……共鳴させて……この音を……生じさせてる?」
魔女がそう言うと、アスタールはニヤリと笑う。そして、俺はと言うと床で悶絶しながら不快音で気絶してしまったのである。
ディアーネ達も段々と手足に力が入らなくなり床に倒れ込んで気を失ってしまう。同時に墓守の老人も頭を押さえ倒れて昏睡する。
「くっ……こんなところで……」
モイラは倒れ行く彼女達を見るも、耳を押さえて膝を着き頭痛を堪え錬金術師を睨み付ける。
「ふふ……これで死ぬことはない、安心しろ……」
「ぐぐぐ……」
そう言った途端、彼女は白目を剥いて床に伏せる様に気絶してしまったのである。
「さて……この者達を地下室に運べ……」
彼は助手に命令すると俺達を屋敷の地下室へと運び込む事にしたのであった……。