魔女に敗北した男勇者は性転換させられる~勇者リュルケはメス堕ちしました。そのうえ、魔女の下僕として手足のように使われます~ 作:nene2012
「ぐっ!? ぐあああっ!!」
アスタールの呻き声に気づき、ホムンクルス達は2人と繋がりながらもその様子に驚き手を止める。そして、アスタールの皮膚が壊死するように黒ずんでいき腐敗していく。
それを見た途端、ホムンクルス達が慌てて騒ぎ出すのである。
「ア……アスタール様!?」
「アスタール様! どうなさいました……!?」
「ぐっ! くそっ!! き……貴様……素材に何か不純物を入れたな……!」
アスタールはそう言うとモイラの方を向き憎悪のこもった目で睨み付ける。
彼女は今まで虚ろな表情をしていた顔から一変して、悪意がこもった形相になり高笑いするのであった。
「うふふ……あはははっ! そうよ! 世界樹の樹液に少量の尿を入れておいたのよ!」
「なっ……何だと!? 尿を入れただと!?」
アスタールは驚き、ホムンクルス達は驚愕する。そして、彼女は高笑いしながら言う。
「うふふ! そう! 尿は穢れ、不浄の象徴よ!」
「貴様……魔結晶石の催眠にかかったのではないのか!?」
彼は怒り狂って叫ぶ。だが、彼女は意に介さず言うのである。
「かかってないわよ! アンタが石を光らせる直前に目を瞑って回避したの!」
アスタールは、歯を軋ませモイラを呪い殺すような勢いで睨み付ける。それに対して彼女は嘲るように言うのであった。
「うふふふっ! 馬鹿な男ね! 私の策にまんまと掛かって!」
だが、彼はそれに反論する事なく歯ぎしりするしかなかったのである。その時、ホムンクルス達は主の体の異変に慌てるように悲痛な声で言った。
「アスタール様!! お体が!!」
「どんどん、お体が黒くなっていってます!!」
その途端、彼の体は腐食し黒ずんでいく。そして、彼の黒ずんだ部分から穴が開き、そこからエーテルが漏れ出るのである。
無数の穴だらけになった彼の体からエーテルの眩い光が漏れ、皆眩しくて目を瞑ってしまう。
「ぐおおおっ……! モイラ――ァ!! 覚えてろよぉ――!!」
彼はそう言い残すと肉体が崩壊していき塵となったのである。それを見たホムンクルス達が驚愕する。
「あっ! アスタール様が!!」
「そんなっ!? アスタール様……」
2人共、絶望感に打ちひしがれ呆然とするが、直ぐに気を持ち直し鬼女の如く形相で魔女を睨み付け、怒号を上げた。
「よくもアスタール様を!! 敵討ちだ!!」
「お前のせいでっ!! 許すまじ!!」
彼女達は怒りで叫ぶとディアーネ、ロザミアから離れ立ち上がると手の爪が鋭く長い鉤爪へと変化する。そして、ホムンクルス達は一斉にモイラに飛び掛かったのである。
「このっ!! 魔女めっ!!」
「引き裂いてやるっ!!」
ホムンクルス達はモイラを四方八方から爪で斬り裂こうとしたが、彼女は咄嗟に身の危険を感じ逃げようとする。
だが、狂暴化したジィが逃すまいとモイラの腕に向けて爪で引っ掻き切り裂くのであった。その途端、彼女の左腕から血が滴り落ちる。
「あっ!? い……痛っ!!」
腕を裂かれた痛みで顔を歪ませていると、背後からアミーが迫ってくる。だが、魔女は両手に手枷を嵌めているため俊敏に動けない。
そして、彼女は鋭い爪でモイラの背を切り刻もうと襲いかかるのだった。
「 死ねぇえ!!」
「危ない! 後ろだ!」
モイラの背後から襲い掛かるホムンクルスに気付いた俺は彼女に注意するよう叫ぶ。彼女はハッとし後ろを振り向くと、アミーの爪がモイラの背中を切り裂く寸前であった。
だが、彼女はモイラを仕留めたと思い油断していたのである。
「えっ!?」
「でやっ!!」
俺はその瞬間を見逃さず、咄嗟に彼女目掛けて飛び蹴りを放つ。その途端、俺の飛び蹴りは彼女の背中にめり込み、そのまま蹴り飛ばすのであった。
「はうっ!!」
アミーはそのまま吹き飛び床を転がっていき、倒れるのである。それを見たジィが叫ぶ。
「貴様ぁ!! よくもアミーを!!」
ジィはそう叫ぶと俺に向かって走り出し、鉤爪を振り下ろしてきた。
だが、その攻撃をギリギリで避けると前転しながら転がっていくのである。避けた先で俺は彼女の攻撃で髪が切られパサッと落ちる。
「むっ!」
そして、彼女は起き上がる俺に向かって襲い掛かるのだった。
「喰らえっ!!」
ジィはそう叫ぶと鉤爪で俺に向かって引っ掻いてきたのである。俺はその攻撃を紙一重で避けるが、裸のため肌の一部を切り裂かれた。
そして、俺は斬り裂かれた痛みで呻きながら言う。
「痛ってえぇぇぇっ!」
俺は腹部に付けられた切り傷を触り苦痛の表情を浮かべるも、それを見た彼女は嘲笑するのである。
「ふははっ!! ざまぁみろ! さあ、アスタール様の無念を思い知れ!!」
ジィはそう言うと俺に必殺の一撃を振り下ろそうとした時、床に寝そべっていたディアーネが意を決して自分の足を伸ばし彼女に足を掛ける。
「えいっ!」
「あっ!?」
彼女は足を掛けられ、態勢を崩した。そして、つまずいた状態で星界の雫に向かって爪を振り下ろしてしまうのである。
「うああぁっ!!」
転んだ拍子で星界の雫に爪が当たり、ザクッという音がすると、結晶型の装置から煙が立ち始める。
「ああっ!! しまっ……た!」
彼女は自分のした事に気づき慌てて止めようとするも、時すでに遅く星界の雫は暴走し、激しく光だし始める。
「ま……まずい! 壊れる!」
「これが壊れてしまったら……」
ホムンクルス達は絶望の表情になり、テンパってしまう。
だが、そんな彼女達の焦りを嘲笑うように星界の雫は激しく点滅し、やがて結晶の形を維持できなくなって砕け散ってしまうのであった。
「あ……ああ……」
「エーテルの供給源が……」
ホムンクルス達はあまりの事に暫く言葉を失い立ち尽くしてしまう。そして、彼女達は星界の雫が壊れた事で、館周辺の土地に満ちていたエーテルが無くなったのを認識する。
それだけでなく館を覆っていた結界も消え去り、手持ちの結晶石を見るもボロボロと崩れていき力が消滅したのを感じた。
「そんな……」
「エーテルの力が……消えちゃった」
彼女達は呆然としてしまうが暫くすると俺達に対する怒りが再燃し、血走った目で睨み付けた。
「お前達は……無残に殺さなければ気が済まない……」
「腹を掻っ捌いて、はらわたを引きずり出してやる!!」
2人はそう言い終わると、俺達に向かって襲い掛かってくるのである。彼女達のタガが外れた状態を見た俺は丸腰なので凌ぐ方法が思いつかない。
「くそっ! このままでは殺される!」
「こんな所で死ぬのは嫌っ!」
「せめて、魔法の杖があれば……」
ディアーネとロザミアも、唇を噛むと悔しそうな表情を浮かべ呟く。
だが、そんな時である……モイラはホムンクルス達が襲い掛かってくるのを気にもせず、悠然と立ちはだかる。
そして、手枷を嵌められた手を前に出して彼女達に向かって言う。
「さあ、私の腕を傷つけた罰よ……喰らいなさい!」
魔女はそう言うとニヤリと不敵な笑みを零し詠唱を始める。それを見た瞬間、ホムンクルス達に戦慄が走る。
2人は星界の雫が消滅して館に張り巡されていた魔法無効の結晶石も力を失っている事に気が付くのである。
ホムンクルス達は恐怖で顔が引き攣り、体を震わせ逃げ出そうとする。だが、モイラはそれを許さず魔法の詠唱をし放つのであった……。