スロカス姫の追放♡ 〜お尻大好きTS転生美少女は、ハレンチ神スキルでスキルガチャをブン回す〜 作:龍々山ロボとみ
大量のスキルを一度に獲得したボクであったが、オーブ酔いと呼ばれる現象があるのをスッカリ忘れていて、めちゃくちゃグロッキー状態になった。
「き、気持ち悪い……!? お、オエエーー!!」
全身から冷や汗が噴き出し、視界がぐにゃぐにゃになる。
胃液が逆流してきたので慌ててトイレに駆け込み、カエルさんのようにゲーゲーゲロゲロ吐き散らかしてからフラフラ状態で口をすすぐ。
さすがに、こんな状態ではもうお尻弄りもスロ打ちもしたくないので、ヨロヨロと服を着て、ついでにゼリー飲料とスポドリボトルとお菓子をいくつか交換してプレイルームを出ることに。
はぁっ、はぁっ、苦しい……!
頭がクラクラして意識が朦朧とする中、軟禁部屋唯一の出入口扉(普段は外から鍵がかかっている)がコンコンガチャリと開くのが見えた。
「……失礼します、リール姫様。晩のお食事をお持ち、……って、リール姫様!?」
そんな声とともに慌てて駆け寄ってきた誰かの細い腕で抱き起こされたところで、ボクの意識は途切れたのだった。
「……はっ。知らない天井、じゃないや」
「っ! き、気が付かれたましたか、リール姫様……?」
目を覚ますと、いつもボクの部屋にご飯を届けてくれたり着替えをさせてくれたりトイレツボの後始末をしてくれているメイドちゃんの顔が見えた。
「いつものメイドちゃん……?」
どうやらボクはメイドちゃんの顔を下から見上げているらしく、いつもは長い前髪に隠れて見えないお目々から涙がこぼれそうになっているのもよく見える。
って、……涙?
「えっと、……どうして泣いてるの?」
「だ、だって! リール姫様が、苦しそうに床に、倒れて……」
「……あー、びっくりさせちゃった?」
「ううう……、どうしてこのように衰弱されているのですか……? ……はっ! ま、まさか、お昼に私が運んできたお食事に、だ、誰かが毒を……!?」
顔を青褪めさせてブルブルと震え始めるメイドちゃんを、ボクはどうどうと落ち着かせる。
「違うよ。あまりにこの部屋で過ごすのが退屈だったから、こっそり持ち込んでた蒸留酒を飲んでたんだ。そしたら悪酔いしちゃったの」
「……蒸留酒、ですか?」
「うん。部屋の外で見張りしてる兵士たちに頼んで、コッソリ持ってきてもらってたんだ」
もちろん大嘘である。
けど、お尻を弄って手に入れたスキルオーブを10個もまとめ飲みしてグロッキーになっているという話よりは、まだ現実味があると思う。
「……リール姫様。その、数日前に成人されたばかりなのは、存じ上げておりますけど……。そのように大酒を嗜まれるのは、どうかと思いますよ……?」
「うん、そうだね。ごめんね」
「!? あ、謝らないでください……! 私は、その、所詮はただのメイドですので……。わ、私こそ、出過ぎたことを申しました。な、なんなりと処分していただいて構いませんので、わ、私の両親は、何卒、お許しを……!」
ううーん。
相変わらず卑屈だなぁ。
というかボク、メイドちゃんに膝枕されてる?
これってつまり、メイドちゃんの腕力だとボクをベッドまで運べなかったし、部屋の外にいる見張りの兵士にも助けを求められなかったか、求めても無視されたかかな。
まぁ、まもなく死罪になる罪人(罪状・
別に今すぐ手を下す必要もなければ、勝手に死んでくれてたらそれはそれで手間が省けるから、助けるつもりもないってことなんだろうね。
けど、そう考えたら、このメイドちゃんだけは真剣にボクのお世話をしてくれてるんだよなぁ。
「ねぇ、……えっと、」
……あ、やば。
このメイドちゃんの名前、覚えてないや……。
いつも心の中で目隠れモブメイドのA子ちゃんとか呼んでたから……。
「はい、なんですか……?」
「……ボクって、君から慕われるようなこと、したっけ?」
「へっ?」
「いやほら、ボクに優しくしても良いことないと思うんだけど、君はボクのお世話をちゃんとしてくれるからさ。なにか理由があるのかなって」
メイドのA子ちゃんは、パチクリと目を瞬かせる。
それから恥ずかしがるように顔を赤く染めて目を背け「な、内緒です……」とだけ答えた。
ふーん……?
そっか。じゃあ、いいか。
しばらく横になってたらだいぶ気持ち悪さがなくなってきたので、ボクはゆっくりと体を起こす。
「ありがとうね。だいぶ楽になったよ」
「いえ、そんな。とんでもないです……」
「晩ごはん、食べるからそこに置いといて。あと、明日から数日はお昼ごはんだけでいいや。食べきれないかもしれないから」
ボクの言葉に不思議そうな表情を浮かべたA子ちゃんだったけど、晩ごはんの配膳を済ませたらぺこりと頭を下げて部屋から出て行こうとする。
ボクはそんなA子ちゃんを呼び止めて、A子ちゃんの手を取る。
「ひゃっ、は、あの、何か……!?」
「膝枕のお礼に、これあげるね。良かったら食べてみて」
先ほど景品交換して手に入れたアメ玉(黒糖味で、個包装から出したやつ)を一粒、A子ちゃんの手に握らせる。
それからふと思いつき、アメ玉を握らせた右手の甲に、ちゅっとキスをしてあげた。
「ふえっ……!!?」
耳どころか首まで真っ赤になった、黒髪ロングぱっつん目隠れモブメイドのA子ちゃんを部屋の外に出し、ボクは冷え切ったご飯を食べたのだった。