結城有紀の女難。 作:cuddle
「よく来たねー、弟くん」
「……どうも」
ニコニコととても嬉しそうに笑っている乃木園子とは反対に、結城有紀は本当に来て良かったのかと今でも疑問に思っている様子だった。
「そんな顔されても今更なんだぜ〜。それに、お礼に釣られたのは弟くんだよ〜」
「分かってます。分かってはいるんですけど……」
今回の話に乗ってしまった自分の単純さに有紀は顔を手で覆い隠す。
報酬の為とはいえ、何か大事な物を失った気がするのだ。
それから園子の手を引かれて案内される。
「約束通り交通費は全部こっちで持つから心配しないでいいんよー」
「はぁ……」
電車に乗る交通カードを渡される。
どこへ連れて行かれるのか不安だが、ここは園子の常識とか倫理観を信じる他ないだろう。
「園子さん。今日は本当にどちらに?」
実は誘われただけで有紀はどこへなにをしに向かっているのかまったく聞いてない。
まぁ、報酬に飛びついた有紀が悪いのだが。
「行けば分かるよー。弟くんは新しい扉が開けちゃうかもねー」
ぽやっとした笑みでとんでもない事を言う園子。
しかし、口から出される言葉は不安しか掻き立てなかった。
それから園子について行って電車で一時間くらい移動する。
なにも持ってこなくて大丈夫と言われていたが、逆に園子の荷物は割と大きめの鞄を二つ持っていた。
今日はなにをするのか質問しても、着いてからのお楽しみとはぐらかされるばかり。
ただいつもより楽しそうに見えるのは気のせいか有紀では判断出来ない。
電車を降りてバスにも揺られる事十分。
そこは会場だった。
ただ、既に中に居る人達は、ちょっと普通じゃない格好をしている。
マンガやアニメなどのキャラクターを模していたり、はたまた怪獣の着ぐるみを着てたり。
「園子さん、ここは……」
「うん!コスプレイベント会場さ〜。規模は小さめだけどね〜」
「え?これで?」
有紀からすればかなり大きな会場に見えるのだが。
そんな有紀の驚きに意を介さず、園子がこっちだよ〜、と手招きしてくる。
つまり、今日はこのイベントの参加に付き合わされるらしい。
着替え用の個室に案内された有紀は先ず椅子に座らされる。
そして、鞄の中から化粧道具を取り出した。
「園、子さん……?」
「それじゃあ綺麗に仕上げてやるぜ〜」
楽しそうに有紀へ化粧を施していく園子。
「おぉ〜。思ったより肌綺麗〜。これならあんまり手間は要らないかな〜?」
パッパと化粧を施し終えると、カバンの一つを渡してきた。
「これに着替えちゃってねー。あ、着かたが分からないなら着せてあげようか〜?」
「……大丈夫です」
服を確認すれば着かたくらい大体――――。
「あれ?」
と、思っていたが、思った以上に構造が複雑ですぐに着かたが分からなくなった。
「ごめんなさい。教えてください」
「お〜け〜。時間もないし、ちゃちゃっとやっちゃおー」
そんな感じで園子に手伝って貰いながら渡された衣装を着る。
有紀にとって幸いだったのが、ピッチリとしたインナーだが、スカートじゃなかった事か。
軽鎧の胸当てやら籠手やらを付けさせられ、最後に薄桃色の長いサイドテールのウイッグに羽のような髪飾りを付けて完成。
「おー!思った以上にゆーゆそっくりだねー」
パチパチと拍手しながら感激する園子。
有紀の格好は、勇者に変身した姉、友奈と同じ格好だった。
等身大の鏡で自分を見ながら有紀はくるりと一回転する。
(サイズが合い過ぎてて怖い……僕、サイズ測られたことあったっけ?)
有紀の為のオーダーメイドと言われても信じてしまいそうだ。
少なくとも、体格的に姉では着るのはキツいと思う。
不思議に思っていると、園子がもう一つのカバンから自分用の衣装を取り出す。
「それじゃあ私も着替えるさ〜。恥ずかしいから外で待っててくれる〜?それとも見たい?」
「外で待ってます!」
有紀は早足で部屋の外へ出て行った。
園子が用意してきた自分用の衣装も半年くらい前に変身した自分の勇者服だった。
態々レプリカの槍も用意して手にしている。
「いざ出陣なんだぜ〜!」
「お、お〜?」
まだ状況に馴染めていない有紀は躊躇いがちに返事をして園子の後ろについて移動する。
会場に入る間近で園子に確かめる。
「あの、園子さん」
「ん〜?どうしたんよー、弟くん」
「やっぱり、変じゃないですか?男の僕がこの衣装って……」
スカートではないとはいえ、どう見ても女子用の衣装だ。
逆ならまだしも、変な目で見られないだろうかと不安になるのも仕方ない。
「大丈夫大丈夫〜。無問題なんだぜ〜。むしろ好意的な意味で注目を集めるかもよー」
変じゃないと保証する園子にでも、と足踏みする有紀。
「ほらほら〜。時間は有限。楽しんでいこー」
「わ、わっ!?」
背中を押されて会場の門を潜る有紀。
中には色んなキャラクターのコスプレ。
人間だけでなく、ロボットだったりマスコットだったり。
時代劇の将軍様や河童だったりと本当に多種多様だった。
その光景に圧倒されていると、大学生くらいで三人グループの女の人が話しかけてくる。
「わーかわいい!それなんのキャラ!」
「これはオリジナルなんですよー。そっちは確かー……」
女の人の格好は有紀もプレイしたがある、少し昔の格ゲーキャラだった。
「そうなんだぁ。似合う?」
「すごくカッコイイですよー」
決めポーズをする一人を園子が褒める。
「ねぇねぇ。写真撮っていいかな!」
「いいですよー。あ、でも撮った写真のデータをこっちにも頂けるとー」
「うんうん!もっちろん!あ、なにかポーズ取ってくれない?映える感じに!」
「えぇっ!?」
「わかりました〜」
突然の要求に困惑する有紀とノリノリの園子。
それを皮切りにたくさんのコスプレイヤーさんから写真を撮られていった二人だった。
「お疲れ〜。弟くん。いや~想像以上に大好評だっんたんよ〜」
着替え室に戻って来た有紀は、たくさんのポーズを要求されては撮られてぐったりしていた。
園子としても、まさか自分達の勇者コスプレがここまでウケるとは思わなかった。
次は勇者部のみんなを巻き込んでも良いかもしれないと思案する。
「それにしても誰も弟くんが男の子だって気付かなかったね〜」
「……言わないでください」
コスプレイヤーの人達はどう考えても有紀を女の子として接していた。
園子も有紀を姉の愛称であるゆーゆと呼んだ事も原因かもしれない。
もうとにかく疲れた。早く報酬を貰って帰りたかった。
とりあえず、ウイッグを外そうとすると、園子からストップがかかる。
「ちょっと待って弟くん」
いつも通りニコニコとした顔で個室の鍵を閉める。
「まだ、この部屋の退出には時間があるんだよ〜」
そう言って椅子に座っている有紀の頬に触れてくる。
ただそれだけなのに、ゾクッと嫌な予感がした。
「ごめんね〜。本当は今日こういうことするつもりじゃなかったんだけどぉ……弟くんと一緒に会場で過ごしてたら変な気持ちになってきて……」
園子の手が下へと伸び、衣装越しに股間に触れてくる。
「ちょっ、園子さん!?」
「あんまり大きな声だしたらぁ、スタッフの人が飛んできちゃうよ〜」
こんなところ誰かに見られても良いの?と暗に示してくる。
それに有紀はとっさに手で口を押さえた。
「でもごめんね?私、弟くんの恥ずかしい声聴きたいかなー」
指を動かしてインナーの中から有紀のペニスを取り出す。
「取り出しながら、弟くんのおちんちんが大きくなってるのがわかったよ〜」
「だってそれは……!」
「うん。私のせいだね〜。だから責任取ってあげる〜」
言うと園子はその場で屈み、ペニスの先端に舌を這わせてくる。
「汗掻いた弟くんのおちんぽ……ちょっと興奮するね〜」
舐めたり鼻をくっ付けて臭いを嗅ぐ園子に、有紀は声を圧し殺す。
竿は手で上下に擦られ、どんどん硬さと大きさが最大になる。
しかし、いざ射精しようとするとピタリと動きを止める。
「あ……」
「ん〜。最後までして欲しい?」
当然の質問。
しかし園子はそれを口にしないとここまでだよ、と告げる。
「さい、ごまで……して欲しい、です……」
言うと、園子は有紀の顔を自分の胸に押し当てる。
「うんうん。えらいえらい。よく言えました〜。でもその前に、一回立ってみようか〜」
「?」
言われるままに椅子から立つ。
しかし、脚に思うように力が入らず、園子にもたれかかる形になっていた。
「ごめんなさい……すぐに離れて……」
「だいじょ〜ぶ〜。むしろ都合がいいんだぜ〜」
「え…………ふやっ!?」
なにを言ってるのか理解する前に、園子はインナー越しに有紀にお尻の穴の辺りに何かを当ててきて。
それが探し当てるようにゆっくりとそれが中に入ってきて、お尻の穴に埋め込んでくる。
「すごく小さなバイブって言っても分かんないか〜。おちんちんの形をした模型って言えばいいのかな〜?それを今ちょっとずつ弟くんのお尻に入れてるんよ〜」
ハァハァ、と熱い吐息を漏らしつつバイブを有紀のお尻に挿入する園子。
自分の中に埋め込まれていく異物感に、有紀は目尻に涙を溜めて首を横に振る。
「や、だ……!これほんと、やだぁ……!」
懇願する有紀に園子は息が荒くなる。
「ゆーゆと同じ顔でそういう顔されると……それも声まで似てて……」
有紀の声は友奈が男の子っぽい声を出してる感じで、赤の他人なら聴き分けるのは難しいかもしれない。
そこで園子の中である邪なアイデアが浮かぶ。
それを耳打ちすると、一瞬訳が分からないという表情をしたが、早く終わらせたくて従う。
「その、ちゃん……?」
「うん。ゆーゆ」
有紀に友奈の真似をさせる。
「ゆーゆは、私のこと好きー?」
「うん……大好き、だよ……!」
ペニスを弄るのを再開する。
シコシコとペニスをシゴかれながら、お尻の中をバイブで掻き回されて正常な思考を奪っていく。
「わっしーよりもー?」
「!?」
「答えて」
バイブをお尻の奥まで押し込んでくる。
園子の胸に顔を押し付けながら薄桃色の髪を振り乱す。
「あ、あ……っ!?うん
「よく言えました〜」
園子はペニスを握っている手の動きを速くすると同時に、バイブを引っこ抜いた。
「ふぎぃ……っ!?」
同時にやってきた感覚に耐えられなかった。
バイブが抜けると同時にペニスから精液が飛び散り、園子の手を汚す。
息を乱して目を閉じると、有紀の頭から薄桃色のウイッグが落ちた。
家に戻ってきた有紀はベッドの上で園子から貰った‘報酬’を眺めていた。
それは、東郷美森の写真だった。
勇者部での写真や小学校時代。東郷美森が鷲尾須美だった頃の写真。
今回のコスプレイベントへの参加報酬だった。
一枚一枚ゆっくりと捲っていると、最後の方の写真にどこかの温泉らしき場所で湯に浸かっている鷲尾須美の写真があった。
「うあっ!?」
ビックリして写真を落とすと、誰にも見られないように急いで拾う。
そして拾った写真にはつい最近撮ったであろう、シャワーを浴びている東郷美森の写真があった。
「そのっち?」
パソコンを使っていた東郷は鳴っているスマホを手に取ると、園子からの音声データが届いていた。
「なにかしら?」
音声データを再生する。
『園ちゃん好きぃっ!!だいしゅきぃっ!!』
『わっしーよりも〜?』
『うん!いち番、しゅきだからぁっ!?』
「っ!?」
思いがけない音声に東郷はスマホをベッドに滑り落とす。
熱の伝わる吐息に艶のある声。
友奈の声に似てはいるが、有紀の声。
「どういうつもりよそのっち……!」
怒り半分。困惑半分と言った感じでまだ続いている声を聴く。
東郷が友奈と有紀の声を聴き間違える筈がない。
園子もそれは分かっている。
分かっていて、こんな音声を送ってきている。
だけど似ているから。
「あ……友奈ちゃん……」
大好きな
そんな妄想に掻き立てられてしまう。
「ち、がう……のに……」
まだスマホから発せられる音声で、園子に溺れる
半NTRみたいになった。解せぬ。
有紀の身長というか、体格は芙蓉友奈が近いイメージです。
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