お待たせして申しわけございません
漸くエロ回です
鼻腔をくすぐる木の香りが、風呂上がりの高揚を柔らかく包む……ことはない。
送られてきた昼食とは異なる夕食の高級料理の数々に、腹と心が満たされる……ことはない。
窓から一望できる絶景の夜景に、心が安らぐ……ことはない。
一日の終わりとして、疲労した身体を解すマッサージなどのルームサービスを謳歌……することはない。
利用者二人分が使うには十分どころかあまりある、リゾートホテルに設けられた木造りの一室。
ここで、愛し合う二人は誰にも邪魔されない熱烈な夜を過ごす……ことはな、今のところなかった。
「………………………………………………………」
「………………………………………………………」
互いに無言。気不味い静寂が流れる。
部屋の中心で向かい合う私とユウくんとの立ち位置は異なる。
規則正しい正座の姿勢で、気まずそうに俯いているユウくん。その目の前で、私は腕を組み仁王立ちで見下ろしている。
静止した状態のまま、互いに言葉を発することなく十分が経過。終わりの見えない沈黙は、彼の精神にかつてないほどの負担を強いていた。キリキリと音を立てる胃の悲鳴がこっちからも聞こえてくる。
正座がきついんじゃない。座禅なんていつもの修行でやっている。それ以上に、私にアレを見られてしまったことに参っているのだ。
「ねぇ」
静かに呼びかける。
そっと撫でるようなトーンを心がけるも、しかしそれが逆に威圧感を与えてしまったらしい。肩を大きく震わせて、恐る恐る私の方へ目を向けてくる。
さながら怯える小動物のようだ。武神の猛攻を正面から受け止め、激烈を叩き込む最強の剣士がこんなにも縮み上がっているなんて、誰が想像できよう。
腕を組んだ姿勢を崩さず、そのままユウくんに問いかけた。
「ユウくん、アレはナニ?」
「アレって、ナンの……ことだ?」
「あ〜、とぼけちゃうんだ。そっかそっかぁ、そうだよねぇ。ユウくんには変にぼかすより、はっきり言ったほうがいいよねぇ」
はぐらかそうったってそうはいかない。とぼける彼氏に、私は淡々とした口調ながらも不満の感情を垣間見せる。
頷く顔はニコニコと笑っているけれど、目は全くと言っていいほど笑っていない。貼り付けただけの仮面の笑みなのだと、ユウくんは即座に悟ったことだろう。
今の私はどちらかと言えば、戦闘時や相手を観察する時の心構えに近い。これから戦う戦士の戦闘力、動きの隙を全て把握する観察眼が発揮させている。
その視線はユウくんの一点、股間へと注ぐ。
「じゃ、単刀直入に聞くね……おっきすぎない?」
「やめろぉ!!!」
それはまるで花火のように。
静寂の夜に、涙声の混ざった叫びが上がった。
顔を伏せ、両手で頭を抱える様は、隠していたエロ本を親に見つかった男子と例えるべきか。
私の指す、おっきすぎない?それは、ユウくんの股間にぶら下がっているイチモツのことだ。
温泉での騒動で垣間見た……。見てしまったご立派な男の子のソレ。凡そ十代の学生が装備していい代物ではない、異性の性器。
……いや、見たのはおとん以外でユウくんが初めてなんだけどね。そんな大人の平均と比べても遥かに上回る、巨根すらも超えた爆根を私は見た。
いくらなんでもストレートすぎたみたい。顔から火が出そうほどの羞恥心で、真っ赤に染まっている。
「だから見せたくなかったんだよ!絶対ドン引きされるって!俺だってコンプレックスなんだよ、このちんこぉ‼︎」
大の男の子が、あまりにも情けない姿で泣きじゃくっている。
それも彼女の前で、小さい子供のように。そんな彼氏の姿を見ていられず、私はどうどうと落ち着かせに掛かった。
「いやいや、そりゃ引いたけどさ。別に貶してるわけじゃないよ?……下世話だけど、大きいっていうのは男として寧ろステータスだよん!誇りに思っていいって。子供の頃に見たおとんのよりも倍以上あったし……」
「最後の言う必要あったか?それ、お義父さんの前で絶対言うなよ、心折れるかもだから」
「おとッ⁉︎そんな、“お義父さん”だなんて……。ユウくんってば気が早すぎるよん!」
「そ、そうだよな。悪り、つい口が滑ったわ。まぁ〜……その、なんだ。今日はもう寝るか。色々あって疲れたし。じゃ、おやす———」
「流すなぁー!さりげな〜く話を終わらせようとすぅ〜るぅ〜なぁ〜!」
「くっそバレた!いや、もういいだろこの話は!頼むから解放してくれ!」
「ダメダメダメ!ユウくん言ったでしょ⁉︎私だけになら見られてもいいって!誰もいない、二人っきりの時なら‼︎」
「それ言ったのお前!勝手な捏造やめろ!」
こと目撃してしまった以上、中途半端で話を終わらせることなんてできない。戦闘時のフットワークを駆使して、逃亡ルートを塞ぐ。
こう言っちゃなんだけどさ。
私も内心、平静ではいられなくなっているから。
家族以外で見てしまった男性器。それも恋人のものとなると、自ずと昂りのスイッチがONになる。
いくら松永燕が壁を越えた猛者であろうとも、花の女子高生。想像を超えた肉棒のインパクトは、忘れろと言われて忘れられるわけがない。
そんなモノを目の当たりにしてしまっては……。女として興味を持つのは当然の摂理なんじゃないかな?
「ちょ、ンだよこの力は⁉︎お前テクニックタイプのクセに、こんな時にパワー発揮してんじゃねぇ‼︎」
ユウくんも戦闘体勢に入る。
猛烈に接近してくる恋人に対して、本能的に危機を察したようだ。殺意、ではない。しかし、私の心は確かに彼のナニを狙っている。
ナニをされるのかなど、分かりきっていた。
「負けないもん!見せて!今!ここで!」
「何でちんこ見るためにそんな必死なわけ⁉︎」
「いいじゃん恋人なんだから!それともなに?結婚は考えてるクセに、ソッチの方はシナイつもり⁉︎」
「ソッチって⁉︎……おまッ!」
「今だぁ‼︎」
「あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ほんの一瞬。赤面と、それによって生じた微かな気の乱れを私は見逃さなかった。
ハリの穴程度の刹那の瞬間、目にも留まらぬ速さでユウくんの股間へと手を伸ばし、そして思いっきりパンツをずり下げた。
気づいた時には抵抗虚しく。若さに満ちた瑞々しい肌色と、雄々しくそびえ立つ雄の象徴が私の目の前で露わとなった。
「…………わぁ」
どうリアクションを取っていいものか。
形容できる言葉が口から出てこない。
やっぱり、見間違いなんかじゃなかった。
温泉で見たのは、ほんの一瞬。直ぐにユウくんが脱衣所の向こう側へと消えていったため、にわに信じ難いと現実を直視できなかった。
だけど今、こうして実物をこの目に収めている。予想はしていたものの、改めて前にするとその迫力にゴクリッ……喉がなる。
網膜に映ったソレの状態は、半勃ちとでも言うべきか。大きさは、おおよそ約二十センチ前後といったところ。先端には先走りが僅かに滲んでいた。
これでまだ勃起というには不完全な状態なのだから、その凄まじさは計り知れない。
まさか、私の彼氏がこれほどまでの巨根だったとは思わなかった。予想を遥かに超えた存在感に、硬直し息を呑む他ない。
「倍なんてもんじゃなかったよ……」
「だからそれ、比べる必要ある?」
今の私の耳には、彼氏のツッコミすらも聞き取れるほどの機能はない。
圧倒的な男の主張に目を奪われる。並外れた異性による誘惑は、内にある“女”を強制的に呼び覚ましてくる。
ああ、思考が焼けていく。お得意の策略を考えるための頭脳の機能までも、男根からくる熱量によってとろけていく。
それが意味するもの……それは即ち。
「んんッ……‼︎」
下腹部に強い疼きが走った。
心臓が子宮の位置に移動して、興奮に脈打っているかのようだ。
要するに、私は欲情している。
私だってまだ思春期真っ只中の乙女。当然性への関心はあるし、その行為に興味がないと言えば嘘になる。
ましてや相手は恋人なんだから、この衝動はおかしいものでは決してない。
しかも雄として最高に位置していると来た。
それなら、雌としてするべきことは一つだよね……。無意識に、手が前へと伸びていく。
ユウくんのムスコに、細い指先が触れる。瞬間、小さな刺激を迎えた肉棒はビクッ!と震え上がった。
大きく太く、盛り上がっていく。反応に呼応するように、指を絡めることで両手でちんぽを軽く握る。
うわ、おっきぃ……。
直接触ってみればよく分かる。大きさだけじゃなく、太さも、硬さも、熱も規格外。
私の手じゃ、全体を包み込むには足りない。
それでも、
「ま、待て燕!お前なにを……⁉︎」
「動かないで」
あらゆる武器を使いこなし、精密機械も手足のように扱う手技をもってして、ペニスを撫でる。巡る血管をなぞり、壊れ物を扱うかのように、慎重に。
「んっ……はぁ……っ」
「おまッ⁉︎」
ゆっくりと上下運動を開始した。
粘液も混じった水音を奏でながら、男根に刺激を与えていく。優しく撫でつけるような触れ方から、少しだけ力を入れた握り方へ。
緩急をつけた手コキに手の中のモノは何度も小さく跳ね上がり、半勃ちから上へ上へと起き上っていく。
上手く……できてるってことで、いいよね?
当たり前だけど、私は知識こそあれど性的な経験はまだない。
それなのに、どうしてか自然と分かってしまう。自分がこの雄に対して、どのような扱いをすればいいのかを。
手淫なんて初めてだというのに、指が勝手に動いていく。的確に性感帯を刺激しては、快感へと導いていく。
従来の器用さがここでも発揮されているのだろうか、卓越した技術を十分に利用して肉棒を大いに反応させる。
浮き出た血管も相まって歪な形に、根元から先端にかけて。次第に太く、硬度も増し、熱量も上がっていく。
「すっごぉい……」
そして遂に、半勃ちから完全な勃起を果たした。
突き出されたちんぽの大きさたるや、私の細い手じゃ指が回り切らない。太さに至っては、下手をすれば成人男性の腕よりも太いんじゃないだろうか。
その先端は丁度私の鼻先の位置で静止していた。
溢れ出る愛液の匂いがダイレクトで鼻腔を突き抜け、脳をピリピリと刺激する。
あぁ……ッ、ダメ。マズい、これはマズいと本能が危険信号を鳴らしているのに、顔を離すことができない。
我慢汁を垂れ流す亀頭を凝視しして、手の動きを更に激しいものへと加速させる。
私を支配する衝動もヒートアップしていく。
粘液と我慢汁が混ざり合った液体に塗れ、手が上下するたびに卑猥な音を奏で始める。
五感全てで感じ取る肉棒は、まるで別の生き物のようにさえ感じられる。そして遂に、手の中で大きく脈打ち始めた。
絶頂の予感が頭によぎる。それユウくんも同じで、彼からの視線が感じられた。
奉仕にラストスパートをかけて、さらに激しさを増していく。
根元から搾り取るように、下から上へと。カリ首を刺激する指使い。そして亀頭を重点的に責め立てる愛撫を施し、男根を射精へと導く。
そんなに快感がすごいのな、ユウくんの腰が浮き上がり、手の内にある肉棒は膨れ上がっていき、今にも爆発してしまいそう。
そして、ついにその時が来た。
「待てつば……ぐっ、あぁ‼︎」
手中で男根が一際大きく跳ねた瞬間、
どびゅッ❤️どびゅるるるるッッ‼︎
噴火の如く、勢いよく精液が発射された。
飛び出した白濁の奔流は天井までもを汚して、顔にまで降りかかった。
熱い……。お湯をかぶったみたい。肌に飛び散る白い雫は火傷しそうなほどに熱く、大量の精液に顔面を汚されていく。
酷い匂い……。生臭い、濃厚な雄の匂い。鼻腔を通り抜け脳髄まで届くと、ピリリと電流が走った。
身震に巡り、軽い絶頂に陥ってしまった。
だけど、そこに嫌悪感は感じない。
寧ろその逆。未だに枯れず止めどない射精を行う雄棒に、女として酔いしれてしまっていた。
身体が作り替えられていくみたい。そんな錯覚に陥るほどの衝撃は、女の部分を激しく疼き上がらせた。
数十秒か、数分か……。射精が漸く終わりを見せる頃には、立派な部屋は見るも無惨な有様に成り果てた。
飛び散った白い雫と、充満する男の匂い。人の心に安らぎを齎す木の香りは上書きされ、情欲の一室へとリフォームを果たす。
それも、たった一発の射精によって。
至近距離で盛大な射精を浴びた私もまた、この身をもって人並外れた威力を体感してしまった。
顔から髪、服にまで飛び散った精液は納豆以上の粘り気の強さを孕む。それでいて、なんて魅力的な……。
へたり込むと、じんわりと股座が湿り気を帯びていることに気づいた。お漏らししたように、下着に染みを作り始めている。
それも無理ない、そう受け入れる。
恋人の、男としての魅力を実感してしまった以上、性的興奮を抑えることは不可能。
多分、今の私は酷い顔をしている。とろけた欲情に染まった顔。絶対に彼氏に見せたくないだらしない姿に、ユウくんの反応は……ペニスで返事をしてくれた。
恋人の痴態。それに興奮しないわけもなく、肉棒は衰えを見せないどころか、もっと大きさを増している。
「ユウ……くん……しちゃう?」
口から溢れでた、切なげな声。荒い吐息混じりの媚びるような目つき、汗と精液に湿った身体。
演技でもこんな淫靡な姿は出せない。
……恋人になると言うことは、つまりそういうことも視野に入れるのは当然と言うわけで。
想像はしていたし、のぞんでもいた。
だけど積極的に誘うっていうのは、場合によっては相手に嫌悪感を抱かれてしまう恐れがある。
交際したのはそういう目的だけの為なのか、もしや身体だけが目的なのではないのか。そう思われてしまわないように、誰もが欲求を抑えてがっつこうとはしない。
スルのは、それなりに時間をかけて仲を深めて、そして雰囲気と気持ちのタイミングを見計らってから。
その理論でいくなら、今この状況は絶好のタイミングと言う他ない。
交際してまだ一週間すら経っていないけど、私達は互いに恋人へ向ける愛は十分あると自負してる。
そして、できるならヤリたいという欲求もある。
というかシタイ、今ここで。君に獣のように襲われたいその願望が頭の中を占めていた。
「い、いいのか?」
「いいよ……。っていうか、ユウくんは嫌?」
「そんなわけない!わけないけど……」
躊躇するのは分かる。
気持ちは十分。だけど後一歩踏み切れないのは、物理的な不安から来るものだった。
二人の視線が、同時に下へと落ちる。
やはり一番の問題はこれ、そそり勃つ肉棒。
さらに次の快楽をと所望するように、ビキビキと音を立てて揺れている剛直が、私の中に挿入るのか、というもの。
壁超えと言っても、私の体格は見ての通り華奢だ。どう見ても、スムーズに包めるサイズ差じゃない。
だけど、私の欲求はそんな不安さえも二の次だと訴える。
「もう、ユウくんってばヘタレ!君は私の全てを受け止めてくれた!なら、今度は私の番!私が、ユウくんの全てを受け入れるから!」
「……ッ!」
半開きだった瞼が、全開となる。
ここまで言われて拒否しようものなら、男が廃る。我慢のしようもなく、彼もまた女を求める男の本能に逆らえるはずもない。
無言で頷き、その場に立ち上がるユウくん。
私も、二人してゆっくりと服を脱ぎ始めた。
風呂上がりの浴衣を開き、隙間から覗く白い肌を露にする。華奢なだけじゃない、武人として鍛えた肉体美は細い腰とへそ周り、そして大きな胸の膨らみに、彼の視線を感じる。
百代ちゃんには劣るけど、私だってアル方だならねん。ブラジャーを外してしまえば、そのたわわな果実の全容を曝け出した。
(み、水着の時とは全然違う。全部……燕の全てが見える)
(海の時とそこまで変わらないのに……海パンがないだけで、こんなに印象変わるんだ……)
たった布切れ一枚ないだけの違い。それなのに、海での水着姿とは比べ物にならない魅力が視覚を貫いた。
一糸纏わぬ姿となった二人の男女。
何を言う訳でもなく、互いを見つめ合っている。相手の瞳の奥に秘められた、感情を読み取ろうとするように。
鼻先に熱い吐息が当たるような至近距離だ。
異性の息づかいを肌で感じ、動悸が高鳴る。
熱っぽい眼差しを向けて、そのままゆっくりと私に顔を近付けていく。互いの唇が触れ合うまであと数センチというところで……。そっと目を閉じた。
意識と神経を唇に集中させる。
数秒後に感じる幸せを無駄なく感じるために。
そして……二つの影が重なった。
優しく穏やかな、触れるだけの軽いキスだけど、肌から伝わってくる熱は十分すぎるほど、性欲を助長した。
「燕ッ……」
唇が離れて、すぐに押し倒される。
肩を掴まれて、上に覆いかぶさるユウくんは、今度は半ば強引に私の唇を奪った。
「ちゅるっ……んふ……れろっ……」
「はむぅっ……んくっ……ぷはっ」
深めの口付けを交わし合う。舌を絡ませ、互いの唾液を交換するディープキスは興奮を一気に煽り、激しく燃え上がらせる。
貪るように唇を重ね続ける。もっと、もっと……君を求める感情の高まりは、無意識にこの手を動かした。
肌と肌が密着する。私がユウくんを撫でると、ユウくんも私を撫でる。その手は流れるように、背中からくびれ、その上にある胸部へと。
「んぁ……」
小さ過ぎず大き過ぎず、掴むには丁度いいサイズのおっぱいを優しく揉みほぐし、時折乳首を弾くように刺激する。
ちょっとぎこちないけど、私を感じようとしてくれている手つきに、快感と悦びを同時に享受する。
そのまま数分間触れ合った後、やがてどちらからともなく唇を離した。
伸びた舌先に透明な橋がかかる。つぅっと垂れる糸が、交わす愛の繋がりがどれだけ強いものなのかを物語る。
……頭がボーっとする。
キスに夢中になりすたせいだり呼吸すらも忘れて、足りなくなった酸素を取り込むべく息を荒くし、視界が霞む。
思考が、霧がかかったかのように定まらない。それでも相手を求める気持ちに衰えはない。
下腹部の奥がキュンと疼く。それは紛れもなく性的興奮によるものであり、無意識のうちに太腿を擦り合わせていた。
———これまで鍛錬と勝負の日々。
———性的娯楽に触れることすら考えもしなかった。
———だが今、武神への勝利以外に手に入れたいものがここにある。
———目覚めちまった以上……。知っちまったからには、もうこの情熱は止められない。
「ユウくん……来て……」
もう、我慢なんてしたくない。声で、目で、吐息で懇願すると、ユウくんは無言で頷いた。
くちゅり、卑猥な音が鼓膜を叩く。潤いに満ちた蜜壺の入り口に、握り拳サイズの亀頭があてがわれる。
それだけで、私の女体は期待に打ち震える。
彼の首に手を回して、密着した肌を通して伝わる体温と鼓動。昂ぶった興奮のままに、突きつけられた雄棒がゆっくりと私の中に沈んでいった。
ゆっくり、だけど確実に。亀頭の尖頂が肉を押し分け挿入されると、甘美な刺激に背筋が痙攣を起こす。
一度挿入を始めたらもう止まらない。粘膜同士の擦れ合いが生み出す強烈な悦楽に酔い痴れながら、奥へ奥へと突き進んでいく。
この手で触れて、口でしゃぶったからよく理解している、彼の魔羅の極悪さを。完全に勃起した太くて長い肉棒はから来る圧迫感は、想像を絶していた。
陰唇を押し開き、亀頭がぬるりと侵入すると、膣内の僅かな隙間を埋めようと膣肉をかき分けていく。
ずぶずぶと音を立てて飲み込まれていく、貞操の消失という実感に、私達は息を飲んだ。
———やば、これ……。想像以上に……。
思わず本能がストップをかける程の激痛が走る。武人として、それなりに多くの傷や痛みを喰らってきたつもりだった。
けど、これは違う。
耐えるとか、受けるとかの次元じゃない。外界から、肉を裂き体内へと侵入してくる異物感は、想像を絶する痛みとなって全身を貫いた。
でも……全部受け止める、そう誓ったから。
溢れ出る愛液が潤滑油になって、膣壁の摩擦を和らげる。お互いを労りあい、挿入はゆっくりと確実に進められていく。
肉襞が一枚ずつかき分けられていく度、異物感と痛みが脳を灼く。破瓜による出血も相まって、結合部は鮮血に彩られる。
それでも、引くことも止めることもしない。
痛みもある。だけとまそこに、彼との繋がりと、確かな快感が生じていたことに気づいたからだ。
か細い糸を手繰り寄せるかのように、ユウくんの腰へ足を絡めると、ぎゅっと抱きしめた。
もっと密着してくれという無言のジェスチャーを理解してくれたみたい、奥へ奥へと腰を鎮めていく。
そして……ついに私達は結合を果たした。
ずんっ———。最奥の到達を知らせる小さな衝撃を感じだ刹那、ほんの一瞬意識が頭からトびかけた。
根元までみっちりと挿入されたペニスは、膣内でドクドクと脈打ちながらその存在感をアピールしている。
「はいったよ、ユウくん……!」
いつの間にか、痛みは消えていた。
さっきまで身を焼く程の激痛は薄まり、反転したかのように微かに感じていた快楽のみが身と心を満たす。
初めてを、好きな人に捧げる。
この瞬間を私は、生涯忘れることはないだろう。
気づいた時には、私達はお互いの瞳を見つめ合い、どちらからともなく口づけを交わしていた。
ただしたい。考えるよりも先に、欲求がそうさせた。熱い衝動に身を委ね、ゆっくりと抽送が開始された。
「ん、ふッ……ぁあ……はぁ」
いい、気持ちいい……。今まで味わったことのない未知に、口から甘い嬌声が漏れる。
挿入時の時とは打って変わった嬉しさを享受する。自然と頬が吊り上がり、笑み……といえるのか。舌を出し、快感に溺れた顔を至近距離で彼に晒してしまっていた。
「あぁ!あはぁ……❤️いぃ、いいよぉ❤️」
形を馴染ませる緩慢な動きにも関わらず、膣内は侵入した異物を快く受け入れて締まりを増していく。
気持ち良すぎる、意識が飛びそう……❤️
最初はぎこちなかったのが徐々に、しかし着実に速度を上げていく腰の動きの変化が分かる。
それは私を愉悦に導いてくれるだけでなく、ユウくんをも強烈な快楽の波に襲われていた。
「あぁっ、はっ……ぁ!だめっ、ユウくん……イっちゃいそう!」
「俺もだ……!燕……!」
増していく喘ぎ声。聞かれたら恥ずかしいそれを、惜しげのなく吐き出す。引かれるどころか、彼氏の興奮を更に駆り立て、ラストスパートとばかりに猛烈な腰使いを生み出した。
打ち付ける度に、溢れ出た愛液が弾けるように飛び散りシーツを彼色に染める。
もう限界……。身体が弓なりに反れていく。
身体が、膣が、子宮が……。愛情と生殖の臨界点を突破して、男の精を欲して肉棒をキツく搾り上げた。
瞬間、大量の精液が私の中に注ぎ込まれた。
どびゅるるるるるるるっ❤️❤️❤️
ぶびゅっ、ぶびゅっ、どぷぷぷぷぷっ❤️
「あっ、ああぁッ!んああぁ❤️」
来る快楽の爆発に、絶頂の声が吐き出る。
一際大きな嬌声が部屋に、ホテルにこだました。
放出された白濁は子宮口まで達し、膣内を溢れ返り、結合部から外に漏れ出ていく。
体内に注がれる熱と奔流。子宮が叩きつけられる勢いすらも強い快感となり、絶頂の余韻を助長さていく。
頭の中に、静電気のような音が鳴る。視界が暗転して、まともにユウくんの顔を見ることができない。
それでも、身体は正直だった。甘美な幸せを逃さないように、布団の上で抱き合ったまま動かない。過呼吸を繰り返しながら、見つめ合いこれで何度目かの口づけを交わす。
これまでで味わったことのない幸福に酔いしれ、それは依存となって手放すことができない。
「あっ、はぁ❤️」
「ちゅるっ、んむ……ッ!」
熱は冷めない、より深く繋がりを求めていく。
唾液を交換しながら、上も下も繋がったまま燃え上がる情欲に薪をくべる。この幸福が永遠に続くことを望みながら。
私の中にある剛直がその証明。あれだけの性液を放出して、まだその高度と熱を保っている。
寧ろ、更に高まっているとさえ感じられる。
性豪、そんな言葉で表せられない優れた魔羅は、一度や二度の射精では満足なんてできない。
私を見る男の双眸は、それを証明するような獰猛な光を向けていた。夜はまだまだ終わらないと。
拒否する理由なんて、あるはずがない。
「ん❤️ぁ、はぁ……ユウくん❤️」
「燕……ッ!」
「ん、ああぁっ!はげし、いぃ❤️」
性の営みが再び始まる。
緩慢だった最初と違って、次は激しいピストン運動が雌穴を蹂躙する。
挿入時は手間取ったけれど、今はもうスムーズに肉を掻き分け、内部を水城ユウ専用の形へと作り変えられていた。
「すご……いい……❤️」
それが、なんと気持ちの良いことか。
一突き一突きが、意識を奪い取る威力。下手をしたら吹き飛ばされてしまいそう。
そうならないために、最後までこの快楽を味わい尽くすために、私は私を犯してくれている恋人にしがみついた。夢中になって腰を振るその鍛えられた肉体を肌で感じ、堪能する。
指を滑らせて、無数の傷の触感をなぞっていく。水城ユウが戦い続けてきた証であり、彼が歩んできた道程でもあるそれを一つ一つ。
この人生の中心に、私がいる。
その実感が、心を多幸感に満たす。
動きに合わせて揺れる乳房が、逞しい胸板を愛撫する。乳首が擦れ、むず痒い気持ちよさを生む。
動きは加速し、重なる腰はぶつかり合うように打ち鳴らされる。嬌声と肉がぶつかり合う音、そして結合部から溢れる白濁が布団に染みを作る。
この時間が永遠に続けばいいのに、とさえ思う。
だけど、終わりは必ず訪れるもの。
そしてそれは唐突に訪れた。
「でるッ……射精すぞ!」
耳元で告げられる、射精宣言。
膣内で肉棒が脈打ち、爆発寸前にまで膨れ上がった感触に身を震わせながら、最高の瞬間を待ち構えた。
どびゅるっ!ぶびゅるるるぅぅッ❤️
ブビュルルルゥッ‼︎
ドブッ!ビュブゥウウッ❤️
「んはッ、あ゛ぁああぁあッ❤️❤️」
子宮口まで到達した先端から、押し広げ、直接注ぎ込まれる熱。本日何度目かの精液が吐き出された。
一発目と劣るどころか、さらに増した勢いと量には、身構えていたにも関わらず絶頂を迎えてしまった。
膣内で暴れ回る肉棒は、射精しながらもなお精を吐き出し続ける。それはまるで、私の全てを染め上げるかのように。
一度目に放った精液と、今回の精液がブレンドされていき、長い射精を終え、漸く引き抜かれた剛直は愛液と白濁の混合液でぬらぬらと妖しく光っていた。
「はぁ……はぁ……いっぱい、出しすぎだよ……もぅ……ゆうくんったら」
掠れた声……。まともに喋れるのが不思議なくらい。だけど口元は文句を言いつつも、だらしなく緩んでいた。
……しかし、まだ終わりではなかった。
「まだだ……」
「……え?」
熱はまだ冷めない。幾度も大量の精を放ったのにも関わらず、全く萎える様子は無い巨根。
脱力に動けない私に覆い被さる恋人の姿は、まるで獲物を食らう肉食獣のよう。
これから起こることを想像した瞬間、心臓が激しい鼓動を起こす。
尽きぬことのない精力に戦慄していた。
「うそ、まだおっきくなって……。ま、まってまってまだやる気?少し休ませ……ああ、もぅ!ユウくんってば、本当にエッチ❤️」
それから、どれだけの時間が経ったか。
二人は飽きることなく交わり続けた。
絶えず吐き出され続ける水城ユウのザーメンは、松永燕の胎内の内容量を優に超え、二人を中心にシミは広まっていく。
長い長い性交の果て、それでもユウの情欲は衰えるどころか、より強く燃え上がり愛する女を求めるばかり。
強烈な性欲に晒される彼女の身体は、されるがままに身を委ね続ける。
終わりなき快楽に、燕もいつしかその理性はドロドロに溶けていき……意識を失う寸前と成り果てる。
触れられるだけで激しく痙攣する肌、おっぱいは何度も揉まれたことで赤く腫れ上がり、乳首もピンと立っている。
それでも構うことなく、雄の勃起は止まらず、燕の膣壁を抉るように擦り上げている。
「くっ、はぁ……!はぁ……!あぁ……‼︎」
漸く最後の一滴まで吐き出し終えると、ユウは肉棒を引き抜いた。ぽっかり開いた膣穴からごぽぉッ……と音を立てて、おびただしい量の精液が逆流してくる。粘度も濃度も平均の何倍もありそうな、固形に近いどろっどろの液体だ。
あまりに濃厚な子種汁は、子宮から卵管に至るまでみっちりと詰まり、胎内に長時間留まり続けることだろう。
腹部を擦りながら息むと、呼吸のリズムに合わせて粘っこいザーメンが絞り出されていく。
ブピュッ!ブリュリュッ!どぽぽっ……ブピッ❤️ぷぴぃぃ~っ……ぬぽぉ……❤️ぶぷりゅぅ……ごぽっ❤️ごぷっ……ぬぽんっ❤️ぶぴぴ……くぱぁ……ッ❤️
おびただしい量の精液が、膣穴から溢れて床に滴る。愛液とザーメンでぐしょぐしょになったシーツは、もはや使い物にならないだろう。
だが、そんなことはどうでもいい。今はただ、この人と一体となった感触に浸りたい一心だった。
もっと気持ちよくなりたい。もっとたくさん中出ししてほしい……。あぁ……これは駄目だ。もう完全に染められちゃった。
もう何回膣内射精されたのかも分からないし、何時間経ったのかすらも覚えていない。だけど間違いなく言えることがあるとすれば……私はこの日、ユウくんの女に堕ちてしまった。
それがとても、幸せに思えた。
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鼻腔をくすぐる木の香りが、目覚めた意識を柔らかく包む……ことはない。
送られてきた昨日とは異なる高級料理の数々に、腹と心が満たされる……ことはない。
窓から一望できる絶景の夜景に、心が安らぐ……ことはない。
一日が始まり、早朝に送られてくるルームサービスを謳歌……することはない。
利用者二人分が使うには十分どころかあまりある、リゾートホテルに設けられた木造りの一室。
ここで、愛し合う二人は誰にも邪魔されない熱烈な夜を過ごした……はずだ。
「………………………………………………………」
「………………………………………………………」
互いに無言。気不味い静寂が流れる。
部屋の中心で向かい合う二人の立ち位置は異なる。ユウは正座のまま静止し、その目の前で燕は腕を組み仁王立ちで見下ろしている。
静止した状態のまま、両者が言葉を発することなく十分。ユウの胃はキリキリと音を立てて、限界を迎えていた。
正座がきついのではない。座禅なんていつもの修行でやっている。それ以上に、彼女からの無言の圧力が恐ろしいのだ。
「ねぇ」
鈴の音のような声。どこか落ち着いている声色は、しかしそれが逆にユウを震え上がらせる。
彼女は組んだ腕を崩さず、そのままユウに問いかけた。
「私が何で怒ってるかわかる?」
「はい、重々承知であります」
「じゃあ、言ってみて?」
「……ヤリ、すぎ……ました……」
「何回ヤッたか覚えてる?」
「……二十から、覚えてません」
「私も途中から気を失って覚えてないんだよねん。記憶が正しければ〜確か〜……四十八回目のあたりから」
「あ、結構意識保ってたのな?」
「うんうん!何回か意識飛びかけたけどね、ユウくんを感じたい想いでギリギリまで保ってて……。じゃなくてさぁ‼︎」
雷が落ちる。
落雷に等しい一言により、ユウの背筋が一瞬にして伸びきる。怒りを露わにしながら、彼氏の目の前に顔をズイッと寄せた。
「四十八だよ四十八⁉︎しかも途中気を失ってるから、多分それ以上ヤッたでしょ!少なくとも五十回は超えてるよん、この量‼︎」
見て!と、両手を広げる燕。そこにはとんでもない量の精液が当たり満遍に飛び散っていた。
もはやホテルの部屋というより異界といえよう。これには、さしものユウも反省せざるおえない。
「いや、正直凄いと思うよホント……。君の性欲ってどんだけあるの?今も勃ってるしさ。なに?限界ないの?」
「俺にもさっぱり。シコったことすらなかったから、制御が難しくて……。あんな気持ちいいの初めてで止まらなくて……。それに、燕が可愛すぎたから……」
「だからもぅ、そういうの反則だって」
これだから自分の彼氏は……。ポッと、頬を染めて怒るに怒れなくなり、へなへなと膝から崩れ落ちる。
気絶する前は自分もノリノリだったのも事実。
そもそも、燕は誘った側だ。乗り気ではなかったユウを無理矢理剥ぎ取り、迫ったのは彼女の方なのだから。
全ての元凶は、やはりどうしたってだいたい松永燕のせいだった。
しかし彼女はここで区切りをつける。
このままでは、この先もずっと昨晩の二の舞だ。それは避けなければならないと、心を鬼とする。
正座する彼氏を見下ろし、告げるのだ。
「どうにかして制御する術を身につけようか。この先ずっとこんな感じじゃ身が保たないもん」
「そ、そうだな」
「セックスも月に一回にしよう。ご褒美タイムって感じにして」
「ああ、分かった」
「でも、この性欲だからはち切れる可能性もあるよねん。だから半月ごとってのはどうかな?」
「おお、それは有難いな」
「けどまぁ、私も女だし?この味を知っちゃったからには、はしたないけどクセになっちゃったっていうか……。週一で手を打たない?」
「お、おう……。お前がいうなら、それに従うよ」
「そう?じゃあ三日に一回の頻度にしようよ。やっぱり、数こなさなきゃ制御なんてできないよん」
「うん?燕……燕さーん?」
「あ〜でも、やっぱ人肌が恋しいってなるよね。わかるよユウくん、なんなら毎日でもいいかな」
「おい、なんかちょっとおかしくね?」
「ユウくんが嫌じゃないなら、半日に一回ってのも……。うん、やぶさかじゃないかなぁ〜」
「待てや。何で俺が決めてるようになってんだ」
「……もう、ユウくんのエッチ」
「お前じゃい!お前‼︎」
「スッゲェもん見ちまった。ンッだよアレ。故郷でもあんなのぶら下げた男はいなかったぞ」
「なんて……そんな……。想像はしていましたが、ユウにあんなものが備わっていたなんて……」
「ありゃ国宝だ国宝。女が独り占めしていい代物じゃねぇ……。なぁ李、頼めばあたしらも、ひょっとしたらユウと……もしかしねぇか?」
「……検討、してみましょう……ダメ元で」