※この作品はR-18です。

高嶺の花なクールギャルは、何故か俺にだけ当たりが強い。いい加減限界なので催眠かけてブチ犯す事にした。   作:無様キング

19 / 19
19.最高の人形/去り際のロマンティクス

 

『────まもなく列車が到着します。危険ですので白線の内側にお下がりください。』

 

 

 プラットホームにアナウンスが流れる。

 時刻は既に午後8時過ぎ。いつもの帰宅時間を大幅に過ぎてしまっている。これ以上遅くなれば家族にも心配をかけてしまうだろうし、須藤の迷惑にもなるので、これ以上は限界だと判断したのだった。

 

 帰宅ラッシュの時間帯ではあるのだが、都心から離れた地方路線ということもあり、そこまで駅内も混んではいないようだ。

 

 

「……電車来たね。さっさと乗り込んじゃお……?」

「あ、あぁ……。」

 

 

 須藤は俺の手を引いて、そのまま車内へと入っていく。いきなり手を握られたもんだから、こっちは内心動揺して仕方ない。

 

 

 空いていたの座席に2人並んで腰を下ろすことにした。

 やってきた列車内には俺達以外の乗客は誰もいない、幸運にも貸切状態のようだ。

 

 

(……結局今日は須藤と2人きりでイチャイチャして過ごしちゃったな……。)

 

 

 昨日までは全く想像すらしていなかった状況だ。人生何が起こるかわからないものだと思う。

 今のこの状況だって側から見ればカップルそのものだ……。須藤みたいな絶世の美少女とこんな事になるだなんて夢みたいだ。

 

 

「……恥ずかしい所見せちゃったな。」

「……別に。私もいっぱい喘いだし……。お互い様だから……。」

 

 

 須藤はまた普段通りのツンとした表情と口調に戻っていたが、頬は少しだけ赤くなっている。どうやら彼女なりの照れ隠しらしい。

 クラスの奴らがこんな須藤の一面を見たらみんな驚く事だろう。

 

 

「……でも、ありがとな。なんか、すげー気持ち良かったよ。癒しっていうかさ……今まで感じてこなった快感で満たされるっていうか……さ。」

「そ、そう……っ♥ならよかったけど……♥」

 

 

 少し照れ臭そうにしている須藤を見て、胸の奥がキュンとなる。……やべぇ、めちゃくちゃ可愛い。

 

 

「てか…さ、黒田はああいうのが好きだったりするわけ……?」

「ま、まぁ……嫌いではない……かもな……。」

 

 

 正直言うとかなり興奮してしまったし、病みつきになりそうだ。

 あの時の須藤は本当に女神だった。優しく包み込まれて、頭を撫でられたり、耳元で囁かれたり、胸枕されたり……。とにかく至れり尽くせりだった。

 

 あれほどまでに女の子に甘えられたのは初めての経験だったので、素直に嬉しかったし、何より幸せすぎて昇天しそうだった。

 

 

「………………。」

「………………。」

 

 

 ついお互い黙りこくってしまう。

 やはりなんと言っても先程のセックスの余韻がまだお互いに収まりきっていないのと、冷静になって考えてみれば明日からお互いにどうやって接すれば良いのかを考えている最中なんだろう。

 

 

(……というかそもそも、今までは遠目で見るだけだった須藤と一緒に帰ってる事自体が……すごい事なんだろうな。)

 

 

 ふと、今更ながらに実感する。

 俺は須藤の事を遠くから眺めているだけで満足していて、須藤の方からも俺の事など気にも留めていないと思っていた。

 

 同じ路線で通学しているのは前々から気づいていた。自動ドアの近くでスマホを弄りながら佇む彼女を何度か見たことがある。

 

 小説の挿絵を眺めるような、どこか遠い存在。それが俺の正直な感想だった。

 手を伸ばしても届き得ない人がこの世には居るのだと、そう思っていた。

 

 しかし、実際は違った。

 俺はなんだかんだ、この絶世の美少女を堕とす事にこそ成功したのだ。

 須藤は既に俺との逢瀬によって、主人と決めた男へのご奉仕精神に満ちた性奴隷と化した。

 

 あの誓いのキスが決め手となって、こうして普段通りに振る舞っているように見えても内心は俺に対して並ならぬ愛情を抱いているに違いない。

 

 

(……これからも、もっと仲良くしていけたらいいんだけどな。)

 

 

 そんな風に考えながら、窓の外をぼんやりと見つめる。

 自分から提案した事とはいえ、俺と須藤の関係性は『セフレ』という所に落ち着いた。

 

 俺も須藤も、もう二度と互いから逃れる事が出来ないくらいに依存してあっているという確信がある。どちらかが能動的に離れようとしても、きっと尋常ならざる独占欲が働いて、永遠にお互いを束縛しあうドロドロなイチャラブカップルになるのは確定した未来だ。

 

 だけどそこに至るまでの過程として、レイプによる逢瀬だけというのは少し違うと思った。

 これから須藤を一生幸せにすると決めたんだ。もっと年頃の男女らしい経験を須藤と過ごしてやる。

 

 

──────とん。

 

 

 すると不意に、肩にトンッと軽い衝撃を感じる。隣に座る須藤が寄りかかってきたのだ。

 

 

「ど、どうかしたか……?」

「……別に。ただ、ちょっと疲れただけ。」

 

「そっか……。」

「嫌なら……離れるけど。」

「い、嫌なわけない!全然大丈夫だ!」

 

 

 慌てて首を横に振って否定をする。

 俺だって本当は嬉しいし、むしろこのままずっとこうしていたいくらいだ。

 

 

────むぎゅぅぅぅぅぅっ……♡

 

 

 須藤の柔らかな身体が密着してくる。甘い香りが鼻腔を刺激して、頭がクラっとしそうになる。

 先程までとはまた違った意味で心臓が高鳴る。今の須藤との距離感は、間違いなく恋人同士のそれである。

 子猫のように頬をすり寄せてくる須藤に俺はいちいちどぎまぎしてしまう。

 

 肩にかかる重みが女子の存在感を否応なく感じさせてきてくる。

 年頃の女の子特有の柔らかい感触が服越しに伝わる。電車が揺れる音よりも、自分の鼓動の方がうるさい。

 

 

「……明日から。私達、どうなるのかな。」

「……正直どうなるかなんて、なってみないと分からないと思う。異性とこんなに親密になったのなんて初めてだし……。」

 

 

 結局、俺たちの関係はセフレという名目で落ち着いた。勿論、須藤は必ず俺の女として生涯かけて幸せにする覚悟は既に決めているのだが。

 

 

「なら、さ……黒田が決めてよ。」

「お、俺に……?」

「うん、私にどういう風に振舞って欲しいか教えて……?私は黒田に都合の良いメス人形なんだから……。────【黒田が望む私】になってあげる。」

 

 

 耳元で淡々とした口調で甘く囁かれる。

 その冷たく透き通った脳髄に染み渡るようなその声色だけで腰砕けになりそうだ。

 

 

「………………っ。」

「イチャイチャな恋人でも、絶対服従な奴隷らしい敬語キャラとか、媚び媚びぶりっ子甘えん坊系JKギャルとか……。口調も……性格も……全部黒田の好きに決めて……?」

「……俺の、好きなように……か。」

 

 

 須藤は文字通り自身の存在そのものを俺に捧げている。まさに人権を完全に放棄しているのだ。

 俺の思うままに、全てを変えることが出来る優越感を須藤はかきたたせてくれる。

 

 

「……っ。」

 

 

 ……俺、正直。

 女王様な須藤、好きなんだよな……。

 

 

「……な……なら、とりあえずは……今まで通りで良いんじゃないか……?突然豹変したら、クラスのヤツらも驚くだろうし……。」

「今まで通り……?なにそれ、変なの。」

 

 

 いや、この言い方は須藤に対して失礼にあたるかもしれない。他のヤツらに俺たちの関係が邪推される事くらい、須藤だって覚悟の上の筈だ。

 

 それに、そんな他人の視線ごときを気にして、俺は今のままの須藤を求めたわけじゃない……。

 

 澄ました顔と冷たい口調で淡々と物事を述べる氷のようなコイツが俺は、心の底からエロいと思っていたから……俺は……。

 

 

「───ありのままの須藤凛音を俺は欲しい。…………それじゃダメか?」

 

 

 寄り添ってきた須藤との近い距離感を逆に利用して、ぼそりとそう囁く。

 

 

「……っ、バカっ……///欲しい……だなんて……。そんな真面目な顔で言わないでよ……っ///」

 

 

 顔を真っ赤にして俯く須藤。

 

 

「ふーん……♥でもそれ……♥ある意味一番変態っぽいかも……♥んーと……♥じゃあ……♥」

 

 

 彼女が小さな間を、一拍置く。

 そして。

 

 

「──────────はい。こんな感じの私がいいんだ。───ご主人様」

「えっ……!?」

 

 

──────ゾクッ……。

 

 一瞬、背筋が凍った。

 

 まるで人が変わったかのように豹変する須藤。

 先程までのオスに媚びる姿勢を弁えた従順なメスとは違う……っ。

 

 そこには確かに数日前の、気の強いあの頃の……堕とす前の須藤が居た。こちらに向けてくるチクチクとした視線、冷めた声色、表情……それら全てが一寸の狂いもなく巻き戻ったかのようだ。

 

 これは、そうだ……例えるなら『仮面』を被ったみたいな……。

 

 一介のプレイとして片付けるにはもったいないと思ってしまうほどのリアリティがあった。

 

 

 ────確か、女優にスカウトされてたって噂があったよな……。 

 

 その言葉に嘘偽りはなく、彼女は紛れもない天才だったのだ。絶世の美貌、そして演技力だって天性のものを持っている。

 

 彼女の才能に惚れ直しながら、思わず見蕩れてしまう。

 

 

(……本当に、すごいやつだよ……お前は……。)

 

 

────背徳感が全身を駆け巡る。

 

 

 ここにいるのはかつての『須藤凛音』なのに……その口で彼女は俺を『ご主人様』と、そう呼んだのだ。

 過去の須藤なら絶対に言わないような台詞を、彼女は全く同じ仕草で当然のように淫語を口にしてみせる。

 

 

(これ……絶対ダメなヤツだろ……。癖になる……クセになっちゃうって……。)

 

 

 本来その演技の才能は、然るべき舞台にて発揮されるべきなのだ。

 

 スカウトの誘いに乗れば、一躍舞台だろうが、テレビだろうが望むがままに名女優の道を突き進めることだろう。

 日本……いや世界中からの名声を欲しいがままに出来るに違いない。

 

 それが須藤凛音にとって……本来あるべき進路で、正しい選択だった筈なのに───。 

 

 

「……そのまま今思ってる事を口にしてみてくれ。」

「は……?何それ……。別にただ、ご主人様がチンポムクムクって服の上から見て分かるくらい勃起させちゃってるのを見て、興奮してくれて嬉しいなって思っただけ……。クールぶったお芝居で満足した?ほんっと、気持ち悪いから……。」

 

 

 ───その将来が今、俺という男の性欲によって踏み躙られてしまっている。

 

 俺だけが知っている、彼女の本当の姿、そして彼女の在り方。

俺の歪んだ欲望を満たすために存在する人形/女神のような女。

 

 俺の肉棒を興奮させる為だけに、その比類なき才能を惜しげもなく消費してしまっているんだ。

 この冷たい嘲笑も、結局は俺を悦ばせる為に須藤が俺に捧げるチン媚びでしかないでしかないのだ。

 

 

 この行いが世間的に見て正しいのか、間違っているかなんて関係ない。

 

 あの人生終了宣言動画を撮影してしまった時点で、もうなにもかもが手遅れなんだ。

 今更、須藤の才能に気付いたところで……俺も須藤も既に後戻りは出来ない。

 

 

──────いや、意地でも後戻りなんてするものか……。

 

 

 だって、俺は今……彼女に求められているのだ。

 彼女が俺を求める限り、俺は彼女を手放さないし、逃がすつもりも無い……!

 

 ────────だから、俺は今日もこうして彼女に溺れていく。

 

 

「はぁ……はぁ……っ。」

「どうしたの?息荒くなってるけど……。もしかして、またえっちな想像でもしてたワケ……?」

「……っ、あ、ああ……っ!」

 

 

俺は我慢出来ず、須藤のスカートの中に手を突っ込む。

パンツ越しでもわかるほど湿っているソレは俺の指に吸い付くようにまとわりついてくる。

 

 

「はぁ……はぁ……。」

「んっ……♥ちょ、ちょっとぉ……。いきなり触らないでよ……♥」

 

 

 だが須藤は決してその演技を崩す事はしない。

 いつものようにツンとした態度を見せながら恥ずかしそうに顔を赤らめる。

 

 自らを『堕ちる前の須藤凛音』と銘打って、俺に味わってもらうのを待ち望んでいるようでもあった。

 

 

 ……なら、遠慮はいらんか。もっと深く、より激しく快楽の底へ突き落としてやる……。

 お前の全てを貪るまで、いつまでも付き合って貰う────

 

 

『─────まもなく、◯◯駅。○○駅です。お降りになるお客様は各ドアに御注意下さい。』

 

 

「……!」

 

 

 俺の理性が壊れる直前で、車内アナウンスが入る。

 止まる駅は須藤が降りる場所……危なかった、このまま暴走していたらもしかがすると最悪の事態になっていたかもしれない。

 もしそんな事になったなら、恐らく社会的には死んだも同然な訳で……。

 

 

「……はい、おしまい。今日はもうお預けだから。大人しく金玉ぐつぐつ煮込んで子種汁溜めこんどけば……。」

 

 

 そう一言呟いて、須藤はスリスリと俺と寄り添っていた身体を離していく。

 まるで今までの事が全て夢だったと言わんばかりな態度だ。

 

 

(あー……。)

 

 

 勿論、さっきまでの行為が彼女の中で無かった事にされている訳ではない。現に手の中には未だ生々しい感触と愛液が残っているし、須藤のうなじには汗が浮かんで居るのが見える。

 顔色こそ普段と変わらないが、耳は真っ赤に染まったままなのだ。内心須藤も昂っていたのだと察せられる。

 

 そうして、彼女は何事もなかったかのように、澄ました表情でスマホを弄ると下車する準備を整える。

 その仕草すらも、倒錯的な光景であると思うと同時に何処までも自然体なものに見えるのだ。

 

 本当にこの美少女/才女はあらゆる方面において天性のものを持ち合わせているらしい。

 

 

(最高……っ。)

 

 

 俺はただひたすらにそのギャップに見惚れること以外出来なかった。

 

 

「……うわ。すっごい悪い顔してる。」

「え?マジで?」

 

 

 俺の顔を見てドン引きしている須藤の反応を見る限り、多分相当やばい顔をしていたのだろう。

 まぁ、実際その通りだし、否定するつもりもないのだが……。

ただ、それはそれでまた興奮してしまうのだから、俺という男は救いようがない。

 

 

「うん。私の人生終わらせて嬉しがってるって感じ……。どこまでも最低で気持ち悪いね。」

「ははっ。そうだな、俺は最低で最悪で……そして最高の気分だよ。」

 

 

 俺の言葉を聞いて須藤は一瞬驚いたような素振りを見せるも、すぐに元のクールぶった笑みに戻る。

 きっと、この反応は俺がどういう人間なのかをちゃんと認識した証拠なんだと思う。

 

 だからこそ、こうして彼女の方から俺に踏み込んでくれるのだ。

 俺が彼女にとって必要な存在であることを理解してくれているのだから。

 

 

「……じゃあな、須藤。」

「うん。バイバイ、変態ご主人様……♥」

 

 

 

 彼女がそう言葉を残したと同時に、電車の扉が閉まる。

 

 ……この逢瀬に一つの区切りをついた。

 なんとなく、そんな想いに駆られてしまう。

 

 うだるような夏の中の、爛れきった日々だった……。

 俺の人生なんて徹頭徹尾、無味無臭で退屈極まりないシナリオだと思っていたのだが。

 

 

「…………どうにも、これからは違うらしい。」

 

 

 須藤は、透いた女だ。

 水のように清らかで、泡沫のように脆く儚い。

 

 これからどんな色にでも染まり、無数の姿を俺に魅せてくれるだろう。

 俺が望めば、彼女はどんな淫らな姿をも演じてくれる。

 

 ────最高の、人形だ。

 

 

「…………。」

 

 

 催眠アプリ────。

 今も変わらず、スマホの中に眠っている『凶器』に目を向ける。

 

 コイツがなければ、俺は未だに善人のままだったんだろうか。

 ……いや、それは他責思考が過ぎる。

 

 このアプリがいかに凶悪であろうと、最後の最後に罪を犯したのは俺自身だ。

 どう足掻いても、そこからは逃れられない。

 

 正真正銘、未来永劫。俺は悪人だ。

 

 

「……でも、悪人でなければ。アイツを手篭めになんて、出来なかった。」

 

 

 なら、この数日を結論づけるとするならば。

 これは────悪人が、高嶺の花を堕とす一部始終に違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読了感謝! Twitterやpixivでも活動していますので、そちらをフォローしていただけると作者が喜びます!

Twitter→https://x.com/noname_memo
Pixiv→https://www.pixiv.net/users/103382182
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。