高嶺の花なクールギャルは、何故か俺にだけ当たりが強い。いい加減限界なので催眠かけてブチ犯す事にした。 作:無様キング
[主人公視点]
「はい、お代丁度頂くよ。フルーツサンド一個
ね。」
「…………………………ありがとうございます。」
昼休み。
いつも通り須藤に頼まれた品を、俺は一人で買いに来ていた。
「………………。」
……思考が上手く纏まらない。
授業の内容や、クラスメイト達との会話……さらには今朝の須藤とのやりとりすらも、右耳から左耳へ流れていく程に集中を欠いてしまっている。
流石の須藤もぼんやりとした俺に違和感を感じ、「何ボーッとしてるの……キモ」と罵ってくる始末だ。
「はぁ……。」
…………この半日、俺は自分なりに催眠アプリの仕様について研究していた。
UIを見る限りだと催眠をかけれる人数は一度に一人だけで、対象の人物に対して5m以内まで近づかないといけないらしい。……確かに、触れ込み通りの品物ではある。
加えて今朝の電車で須藤に話しかけられた時に、念の為に催眠アプリの名簿を確認してみたが……やはり須藤もきっちりとリストアップされていた。
…………その瞬間の事は、きっと死ぬ時まで忘れる事はないだろう。
ゾクゾクと胸の内から湧き上がる背徳感。
醜い欲望と、底知れない甘い誘惑に誘われる様な感覚が俺を蝕んでいく。
(どうせ俺なんて……須藤に嫌われっぱなしで……告白なんてした所で上手くいく筈がない……。)
─────叶わぬ恋……独りよがりな片想い……。
ならいっそ、このアプリを使えばきっと……。
「────────っ。」
──────バシッ!
……思わず自分で自分の頬を叩いてしまう。
「……痛ぇ。」
……何考えてんだ、馬鹿野郎。
幾ら脈無し濃厚とはいえ、人の心を弄ぶような真似だけは絶対にしちゃいけないだろ……!
(…………よし、俺は決めたぞ……。)
このアプリは使わない。
もし仮に使って、万が一にでも須藤に危害を加えてしまったりでもしたら、取り返しがつかない事態になりかねない……。
そう考えると一気に頭が冷えてきて、冷静さが戻ってくる。
……そうだ。
告白なんて、成功するか失敗するかで行うものじゃない筈だ……!
玉砕上等……!当たって砕けろ……!
たとえ結果がどうあれ、率直に自分の想いを全て告げてみせろ……!
「……それが男ってもんだよな。」
俺は、覚悟を決めた。
……もう迷わず、一直線に想いをぶつけてやる……。
タイミングは、夏休みに入る直前……一学期の終業式だ……!
そう心に誓って一目散に教室へと駆け出す。階段を登ると、踊り場の壁にもたれかかった少女の姿が見えた。
「……えっ?」
「……遅いんだけど。」
………須藤だ。
彼女は不機嫌そうな表情を浮かべて、じとりとした目つきでこちらを見つめてくる。……一体どうして彼女がここにいるんだろうか。
「ど、どうしたんだ。」
「……別に。ただあんたがいつまで経っても帰ってこないから、仕方なく待ってあげただけ。」
「……あ、あぁ……そういう事か。悪いな……ちょっと色々あって……列も混んでたしさ。あ……これ、頼まれてたフルーツサンド。」
「…………言い訳はいい。」
「あ……そうだよな。結局遅いのには変わりないか……次回からは気をつけます。」
「……次はないから。」
「おう。」
「……ふん。」
……どうやら、相当ご立腹のようだ。
普段から仏頂面な彼女ではあるが、今日はいつにも増して無愛想だ。
……というか、少し拗ねているようにも見える。
「……………………。」
「……………………。」
唐突に流れる、気まずい空気。
須藤はスマホを弄ったまま無言になるし……。
これは、用は済んだからとっとと立ち去れって事なのか……?
「………………私、今日放課後図書室で自主勉するんだけど。」
「え…………お、おう。」
ぽつりと須藤がそう口にする。
………………図書室で自主勉……?そんな事なんだって俺に……。
──────瞬間、俺の脳裏に電流が走る。
…………っ、おいおい。
これ、図書室デートの誘いってヤツか……?
いやいやまいったなぁ……遂に我がの世の春が来たって事か……!?
い、いやでも須藤に限ってまさかそんな……うーん……。
「───帰りの戸締り、面倒臭いから。 5時になったら鍵、職員室から持ってきて。」
「あ、はい……。」
……ですよねー。
やっぱりいつものパシリか……まぁ、そりゃそうだよな……。
でも……放課後の図書室って……なんか青春っぽくね……?
「……聞いてる?」
「……っ。あ、あぁ!勿論……うん!」
「……。」
……須藤は無言でジト目を向けてくる。
……あ、危ない危ない……。
つい舞い上がって変な返事をしてしまう所だった……。
「5時に図書室に合流……おう、分かった。時間になったら鍵持ってそっち行くから。」
「……ふうん。じゃあ宜しく。…………てか、わかったならもうあっち行ってよ。」
うっ……相変わらず辛辣すぎるな……まぁもう慣れたけど……。
これ以上須藤の不興を買わない為にも、俺は無言で席を立って自分の椅子へと戻り、次の授業の教科書を机の上に並べていく。
(……しかし、放課後の図書室ねぇ……。)
何だかんだいって、今まで完全に二人きりで話した事なんて無かったし……良い機会かもしれないな……。
不意に訪れた接近のチャンスに心を躍らせる俺だったが、この時はまだあんな事になるなんて思いもしていなかった……。
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