※この作品はR-18です。

高嶺の花なクールギャルは、何故か俺にだけ当たりが強い。いい加減限界なので催眠かけてブチ犯す事にした。   作:無様キング

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4.予兆

[主人公視点]

 

 

 

「はい、お代丁度頂くよ。フルーツサンド一個

ね。」

「…………………………ありがとうございます。」

 

 

 昼休み。

 いつも通り須藤に頼まれた品を、俺は一人で買いに来ていた。

 

 

「………………。」

 

 

 ……思考が上手く纏まらない。

 授業の内容や、クラスメイト達との会話……さらには今朝の須藤とのやりとりすらも、右耳から左耳へ流れていく程に集中を欠いてしまっている。

 流石の須藤もぼんやりとした俺に違和感を感じ、「何ボーッとしてるの……キモ」と罵ってくる始末だ。

 

 

「はぁ……。」

 

 

 …………この半日、俺は自分なりに催眠アプリの仕様について研究していた。

 UIを見る限りだと催眠をかけれる人数は一度に一人だけで、対象の人物に対して5m以内まで近づかないといけないらしい。……確かに、触れ込み通りの品物ではある。

 

 加えて今朝の電車で須藤に話しかけられた時に、念の為に催眠アプリの名簿を確認してみたが……やはり須藤もきっちりとリストアップされていた。

 

 

 

 …………その瞬間の事は、きっと死ぬ時まで忘れる事はないだろう。

 

 ゾクゾクと胸の内から湧き上がる背徳感。

 醜い欲望と、底知れない甘い誘惑に誘われる様な感覚が俺を蝕んでいく。

 

 

(どうせ俺なんて……須藤に嫌われっぱなしで……告白なんてした所で上手くいく筈がない……。)

 

 

─────叶わぬ恋……独りよがりな片想い……。

 

 

 

 ならいっそ、このアプリを使えばきっと……。

 

 

「────────っ。」

 

 

──────バシッ!

 

 ……思わず自分で自分の頬を叩いてしまう。

 

 

「……痛ぇ。」

 

 

 ……何考えてんだ、馬鹿野郎。

 幾ら脈無し濃厚とはいえ、人の心を弄ぶような真似だけは絶対にしちゃいけないだろ……!

 

 

 

(…………よし、俺は決めたぞ……。)

 

 

 このアプリは使わない。

 もし仮に使って、万が一にでも須藤に危害を加えてしまったりでもしたら、取り返しがつかない事態になりかねない……。

 

 

 そう考えると一気に頭が冷えてきて、冷静さが戻ってくる。

 

 

 ……そうだ。

 告白なんて、成功するか失敗するかで行うものじゃない筈だ……!

 

 玉砕上等……!当たって砕けろ……!

 たとえ結果がどうあれ、率直に自分の想いを全て告げてみせろ……!

 

 

「……それが男ってもんだよな。」

 

 

 俺は、覚悟を決めた。

 ……もう迷わず、一直線に想いをぶつけてやる……。

 タイミングは、夏休みに入る直前……一学期の終業式だ……!

 

 

 そう心に誓って一目散に教室へと駆け出す。階段を登ると、踊り場の壁にもたれかかった少女の姿が見えた。

 

 

「……えっ?」

「……遅いんだけど。」

 

 

 ………須藤だ。

 彼女は不機嫌そうな表情を浮かべて、じとりとした目つきでこちらを見つめてくる。……一体どうして彼女がここにいるんだろうか。

 

 

「ど、どうしたんだ。」

「……別に。ただあんたがいつまで経っても帰ってこないから、仕方なく待ってあげただけ。」

「……あ、あぁ……そういう事か。悪いな……ちょっと色々あって……列も混んでたしさ。あ……これ、頼まれてたフルーツサンド。」

「…………言い訳はいい。」

 

「あ……そうだよな。結局遅いのには変わりないか……次回からは気をつけます。」

「……次はないから。」

「おう。」

 

「……ふん。」

 

 

 ……どうやら、相当ご立腹のようだ。

 普段から仏頂面な彼女ではあるが、今日はいつにも増して無愛想だ。

 ……というか、少し拗ねているようにも見える。

 

 

「……………………。」

「……………………。」

 

 

 唐突に流れる、気まずい空気。

 須藤はスマホを弄ったまま無言になるし……。

 これは、用は済んだからとっとと立ち去れって事なのか……?

 

 

「………………私、今日放課後図書室で自主勉するんだけど。」

「え…………お、おう。」

 

 

 ぽつりと須藤がそう口にする。

 ………………図書室で自主勉……?そんな事なんだって俺に……。

 

──────瞬間、俺の脳裏に電流が走る。

 

 …………っ、おいおい。

 これ、図書室デートの誘いってヤツか……?

 いやいやまいったなぁ……遂に我がの世の春が来たって事か……!?

 

 い、いやでも須藤に限ってまさかそんな……うーん……。

 

「───帰りの戸締り、面倒臭いから。 5時になったら鍵、職員室から持ってきて。」

「あ、はい……。」

 

 

 ……ですよねー。

 やっぱりいつものパシリか……まぁ、そりゃそうだよな……。

 

 でも……放課後の図書室って……なんか青春っぽくね……?

 

 

「……聞いてる?」

「……っ。あ、あぁ!勿論……うん!」

「……。」

 

 

 ……須藤は無言でジト目を向けてくる。

 ……あ、危ない危ない……。

 つい舞い上がって変な返事をしてしまう所だった……。

 

 

「5時に図書室に合流……おう、分かった。時間になったら鍵持ってそっち行くから。」

「……ふうん。じゃあ宜しく。…………てか、わかったならもうあっち行ってよ。」

 

 

 うっ……相変わらず辛辣すぎるな……まぁもう慣れたけど……。

 

 これ以上須藤の不興を買わない為にも、俺は無言で席を立って自分の椅子へと戻り、次の授業の教科書を机の上に並べていく。

 

 

(……しかし、放課後の図書室ねぇ……。)

 

 

 何だかんだいって、今まで完全に二人きりで話した事なんて無かったし……良い機会かもしれないな……。

 

 

 

 不意に訪れた接近のチャンスに心を躍らせる俺だったが、この時はまだあんな事になるなんて思いもしていなかった……。

 




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