※この作品はR-18です。

ニヤニヤ教授・ハードコア   作:roborobo

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おまんこはんだごてペットのご飯は道端の吐しゃ物

 

 

 薄暗い路地裏には、いつだって喧騒から遠くの場所にその身を置いていた。日向の下では歩くことが出来ない、影の住人たちを迎えるための受け皿は、変わることなく後ろめたい者たちを抱擁するように暗闇の道を落とす。

 

 ブラックマーケット。明るい青春を送る学園都市キヴォトスにおいて、まばゆい光によって生み出される濃ゆい影その物だった。

 

 ここは外部からの風通しが悪く、法の者の手が及ぶことはほとんどない。己が欲望を外界に晒すことが許されない者たちも、ここでならば大手を振って歩くことが出来た。

 

「ふぅ……今日はいい散歩日和だなぁ」

 

 快活な青年が、ブラックマーケットの道を気ままに歩いていた。タンクトップと短パンにサンダルを履いていて、まるで朝のランニング途中といいたげな様子だった。

 

 この日は平日だが、青年の仕事は休みだった。どこかの企業に所属せず、フリーランスで働いている一人暮らし。わずらわしい上下関係によって気をもむことはないモノの、自らの力で人との関係を構築せねば明日の飯も約束されない彼の生き方は、苦しくありながらもどこか充実感のある毎日だった。

 

 しかし、とはいえ。仕事が楽しくても休息は必要である。オンとオフの使い分けこそが、仕事のできる大人としての第一歩なのだ。

 

「ははっ、なんだよ。今日は元気いっぱいだなぁ。よし! このまま公園の方にまでいってみるか!」

 

 手に持ったリードを引っ張りながら、紐の先にある物がもごもごと蠢いた。首輪をつけられている『それ』は、ふるふると愛らしい愛玩具のごとく、まるで嬉しそうに大粒の涙を漏らしながらへたへたと這いずった。

 

 ひくひくと戦慄くそれは、二本足で歩く猿のような外見をしていた。ピンク色の頭部をしきりにきょろきょろと左右に動かし、ぷるぷると震えた体は前足で体を引っ張るようにずりずりと前へと進んでいっている。下半身のほう、股座あたりから何かがにょきりと鉄の棒みたいなのが生えていて、コレが体を引きずるたびにかちっ、かちっ、と二本の棒が楽器の様に音を鳴らしていた。

 

 『これは』青年のペットだった。フリーランスになってからという物の、仕事の忙しさによって荒れた心を癒すために自ら『調達』した家族だ。

 

 首輪をつけられて引っ張られる『ペット』は、先ほどから何かを言いたげにジッと青年を見つめていた。それだけ、青年に対する想いが込められているのだろう。きっと、自分を家族にしてくれた彼に対して、言いたいことがたくさんあるに違いなかった。

 

「? どうした? トイレか? ごはんか? ……んー、お昼ごはんにはまだ早いしなぁ」

 

 そう言って悩む素振りを見せる青年は、ペットのわがままに対して困り顔を浮かべてしまう。

 

 ペットとは可愛らしいものだ。どのような考えを持っていたとしても、その姿、愛くるしさがあれば何をされても許してしまう。

 

 だが、だからこそだ。わがままを許してはならない。健全な生活と規則正しい食事のタイミング、その時その時のベストを選びながらもお世話してあげるのがペットを飼う上でのコツなのである。

 

 ……とはいった物の、やはり何か伝えたいことがあるなら聞いてあげたいものだ。

 

 ジッと見つめてくるペットの頬に手をやりながら、にこにこと青年は『彼女』に言葉を向けた。

 

「ん~……? どうしちゃったのかなぁ? 何か言いたいことがあるの?」

 

 

「――っ……ひゅ゛、か、かえひへっ゛……!! も、やべでっ゛……っ゛」

 

 

 ものを言えぬハズのペットが、まるで人の言葉をしゃべるようにしてパクパクと口を開いた。

 

 地を這いずっているケダモノを、一言で表すのならばどう表現すれば良いか。いくらか表せる言葉があるならば『化け物』が最適だろうが、より適したものを選ぶのならば『四つん這いの禿げ猿』といったところだろう。

 

 体中が傷だらけの体は、これがかつて『彼女』と呼ばれるものが『ペット』に至るまでに刻まれた『躾け』の痕だった。一人の少女を想う青年の心のこもったお世話は、このペットを二本足から四本足に変え、大も小も問わず垂れ流しのケダモノらしい股の緩い下半身へと変わることが出来た。

 

 顔の方も中々の仕上がりであった。顔、を通り越して頭部全体にみみずばれの様に腫れあがった痕がそこかしこに浮き上がっていて、頭髪があった部分も焼け野原の様になっていて毛髪の一本も残っていない。これらは焼き鏝を押し付けることによって、邪魔な毛髪その物を焼きつぶす脱毛処理による物だった。艶めかしいほどの鮮やかなピンク色の部分は、焼かれた後によるむき出しになった地肌だ。

 

 目元の部分は、かつてはすっきりとした瞳と愛らしい彼女の特徴だったのだろう。だが、それも瞼その物すら切り抜かれてしまって、閉じることすらできなくなり、常時見開きっぱなしの目元はぎょろぎょろと蠢いて止まらない。遮られることなく無防備となった眼球が冷たい風によって撫でられて、だらだらと垂れ流される涙は一向に止まらない。

 

 かつて、ブロンドヘアーをたなびかせていた愛くるしい少女としての姿を保っていた――ニヤニヤ教授と呼ばれていた物体が、禿げ猿のペットと化して地を這いずっていた。

 

 彼女が彼女だった証は、もはやその頭部に浮かび上がるヘイロー以外何もなかった。

 

「ん~……? あれ、ちゃんとペットの言葉を使ってくれてないなぁ」

「っ……!!!」

「お世話が足りなかったのかなぁ。ちゃんと躾けが足りなかったのかなぁ……?」

「は、はひっ゛……ま、まっひぇ゛……!! あの、ごれっ、ぜめで、ごれ、どっで゛っ゛……!!」

 

 涙声で震えながら、ぷるぷると『コレ』のことを指し示していく。それが、下半身にある二つの棒のことを言っていることに、ペットはすぐに気づいた。

 

 それは、二本の鉄の棒だった。硬く太く、細長い金属質の物体がペットの陰部とアナルに性玩具のごとく深く挿入されている。冷たい硬質の感触が、何ら優しくない触れ心地をペットの膣ナカと尻の穴に冷たく鎮座している。

 

 これが何なのかは、ペットの反応から見ればディルドといった性玩具とは無関係であると証明していた。

 

「……ねぇ、スイッチ押す? じゅーっていっちゃうよ?」

 

 ふりふりと手に持ったスイッチを見せつけられて、ペットの顔が青ざめる。

 

 もう、何も余計なことを言わなければいい。そうすれば、必要以上にひどいことをされることはない。そう思って、押し黙った。

 

 青年が手に持っているのは、二つの穴に挿入された道具――充電式のワイヤレス『はんだごて』のスイッチである。

 

 学校の図工の授業や機械関係の職業に従事している者ならば、はんだ付けによって使われる道具であることは誰もが知っているだろう。熱くなった鉄の棒の先端で、はんだを溶かして道具と道具を接着させるための物だ。

 

 それが今、ペットの、少女の二つの穴に冷たく挿入されている。熱い熱い秘部のナカ、膣穴の中に陰茎のごとく深くみっちりと咥えこんで。冷たい機械の感触を、女の証である雌の穴でしっかりと感じていた。

 

「……はぁ。ご主人様ちょっとがっかり。せっかくキミと仲良くなれたと思っていたのにな……」

「っ゛っ……!! ふっ゛ ふぅぅぅ゛っ……!! ふっ゛! ふぅぅぅぅ……!!!」

 

 ぷるぷると体を小刻みに揺らしながら、必死に青年の気を引こうとしていく。

 

 か弱い小動物が自分よりも大きな獣に許しを乞うように、自分はあなたに従順なペットですと必死に伝えるように。体に刻まれた『お世話』と『しつけ』の痛みを思い出しながら、体に残された痕跡をじっくりと見せつけながら何とか青年に伝えていく。

 

「……そっか。ごめんね。そうだよね……キミのこと、もうちょっと信頼してあげなきゃね」

「む゛……! ふっ゛! ふぅ゛っ……!!」

 

 悲し気な表情を浮かべた青年の顔を見て、ペットの心の内が安堵で包まれる。

 

 気まぐれで気難しい人だから、些細な反応ですぐに行動に移されてしまう。それでも穏やかな顔をしている時は、ある程度落ち着いているのか理性的に行動してくれることを、ペットは長い長い調教を受けたうえで学習していた。

 

――なぜ、このようになったのか。そのことについては、特に長い話を必要とはしない。

 

 単純な話だ。彼女が、かつて『ペット』と呼ばれる前、『ニヤニヤ教授』と呼ばれていた一人の少女だったころ、とある噂を聞きつけてブラックマーケットに足を運んできたのだ。

 

 それは、異常な性癖を持った一人の青年の話。彼に接触し、どのような人物なのか、それを確かめるためにやってきたわけなのだが……結果はこの通りであった。彼女は、自分の持ちうるすべての物を青年の手で踏みにじられてしまった。

 

 異常な性癖とはよく言ったものだった。彼がどのような人物なのかを調べ終える前に、不用意に接触してしまったがために、彼の下で出してくれたお茶を口にした途端、彼女に待ち受けていたのは歓迎とは名ばかりの苛烈な調教その物だった。

 

 気づけば、もう後戻りが出来ないところまで仕込まれてしまった。両手足はもう二度と使えないだろうし、こんな顔だって表を歩くことなんてできない。

 

 今の自分は、人権を剥奪された哀れな奴隷そのものだ。だけど、青年の機嫌がいい限りはずっと大切にしてくれる。そうしなければ、自分に待ち受けているのは二つの穴の棒で灼熱の責め苦を受けさせられるだけだ。

 

 ぐすぐすと目元の涙をぬぐう姿を、内心喜色悪く想いながらもジッと主人の反応を待ち続ける。

 

 パッと上げてきた顔、彼の目と合った瞬間、青年の方から口を開いた。

 

「じゃ、ごはんにしよっか! ほら、アレ食べてきていいよ!!」

「……ふぁ、ぁは……っ?」

 

 すっ、と指さした方向に目を向ける。彼が見せたかったものを、何とか視界に収めることに成功して「あれを見せたかったのか」と自分自身に納得させることは出来た。出来た、のだが。肝心の『理解』における部分に至ることが出来ない。

 

 地面に落ちているのは、鮮やかな薄黄色をした液体が放射状に広がっているような物体だった。液体にまみれてぬらぬらと光るような輝きを放っている物は、汁状に濡れた魚や肉類に野菜を思わせるいろんな種類の具材たち。その具材一つ一つをコーティングしていたかのように、酸味を伴った異臭が周囲に放たれている。

 

 汁気を含んでいるように見えるが、きっと、最初はそうじゃなかったのだろう。これらの具材たちは、水気を含んでいたのではなく、後から水分のあるものと一緒に混ぜ合わされて、それを具材ともども地面にぶちまけた物だったのだ。迎える直前に『何か』で擦り切るように細かく砕き、まるで鍋か何かに『受け皿』にぶち込んで混ぜ合わせて、それを後から地面にぶちまけて――

 

 どれだけ自分に言い聞かせようとも、無理だった。遠回しに思考を巡らせても、今目の前にあるこの物体の正体が、誰かが口にした食べ物の吐しゃ物――つまり、ゲロの物体だということを思い知らされてしまった。

 

「んむっ゛っっ゛っ……!!! ンんん゛っっ……!! ンふぅぅ゛~~~んぅ゛っ……!!」

「喜んでくれてよかった! じゃ、いっぱい食べてね!」

 

 道端に落ちた吐しゃ物に向けて指さしたまま、にこにこと青年は笑うだけだった。

 

 地面に落ちたものはじっとりとシミとなって広がっている。ペットボトルの中の水をまき散らしたように広がっているソレは、顔を近づければぷぅん、と鼻の奥に臭気を纏って鼻孔を満たしてくる。

 

 胃からせり上がってくるものを感じる。荒い呼吸がズタズタになった口元から溢れてくる。

 

 道に落ちたゲロを食え。そんなド直球に告げてくる内容に、呂律の回らない口元で拒絶の言葉を何度も吐き出しそうになる。でも、してはいけない。その意図を青年に伝えた途端、自分の秘部と尻穴に挿入された鉄の棒が文字通り火を噴くのだから。

 

 否定はしない。肯定もしない。ただただ、歯を食いしばりながらぶるぶると体を震わせて、目にも入れるのも拒絶したくなる液状の成れの果てを目に入れるしかない。

 

「……嫌なの?」

「っっ……!!!」

 

 悲し気に見つめてくる青年の瞳は、切なげにペットの心へと訴えた。カチカチと鳴らされている彼の手の中の機械が、残酷なまでに秘められたその意図は、ペットに対して選択肢なぞ最初からなかったのだとわからせた。

 

 幾度も震える体が、頭で考えるよりも決断して踏み切る以外に道はないのだと自分に言い聞かせた。頭の中で拒絶するよりも先に、顔を突っ込ませなきゃいけないことをすぐに考えさせた。

 

(食べなきゃ食べなきゃ食べなきゃ食べなきゃッ……!!! じゃなきゃ殺されるっ……!! 殺される殺される……っ!!)

 

 四つん這いのまま、ほうほうとご飯の下へと向かっていく。地面を濡らす薄黄色のシミに顔を近づけ、それでもなお、まだ残っている液状の部分に顔を寄せた。

 

 鼻の中を満たしてくる酸味を含んだ異臭。これを食していた物は、よほど普段から良い物を食べているのだろう。色とりどりの肉類を含んでいる中、ほんの僅かに香っているのはキヴォトスでもめったに見れないアルコールの類も含んでいるようだ。

 

 どこぞの中年男性の胃の中で熟成された、野菜と肉類の酒の混ぜ合わせによるゲロ茶漬け。豪華なランチタイムに、ペットはすすり泣きながら舌を突き出した。

 

――ぺろっ……

 

「ンむっ゛っ゛っ゛!! んぅうううぅぉ゛ぇえ゛っっ゛!!!」

 

 ぺろりと地面の液状をひとすくい。途端、鼻の奥から胃にかけて広がっていく、酸っぱさを含んだ異物感が喉の部分にまで這いあがってきた。

 

 味を感じる感じない以前の問題、これは人が口にして胃に含められるものではない。体そのものが、舌に触れたものを食べ物と認識できなかった。

 

 それでも、食らうことでしか生きることを許されていない現状、肉体の反射的な拒絶感を抑え込みながら、口をぶちゅりと地面にくっつけながら一気に啜り上げていく。

 

――ぢゅぞぞぞぞっ゛! ぢゅるるるるるっ゛っ!! じゅぞぞぞぞっ゛……!!!

 

「ンンんん゛っっ゛、エェ゛っっ゛っ!! ん、ンぉ゛ぇええっ゛っ……!! ん゛っ、ぢゅ、ずずずっ゛ぅ゛ぅ゛ ……ぅ゛ぇえええっ゛っ゛……!!」

「よかったぁ……ちゃんと喜んでくれたんだね! たくあんあるからゆっくりよく噛んで食べてね!」

 

 青年の悦びの言葉をBGMに、異臭漂う物体がしみ込んだ地面に口づけながら、必死になって啜っていく。

 

 口いっぱいに広がる悪臭漂う吐しゃ物の口触り、舌の上を転がっていく胃液とアルコールにまみれた食べ物類の感触。味を感じるよりも先に何とか胃に送り込もうと必死になって嚥下し、こくこくと喉の奥へと押し込むように迎え入れていく。

 

 臭い、汚い、気持ち悪い、昇りあがってくる吐き気すらも奥へと追いやって、んくんくと喉を鳴らしながら流す。後ろの方で聞こえてくる青年のうれしそうな声が聞こえてくるたびに、自分の身の安全は保障されるのだという事実が、彼女の心を支える唯一の希望へと変えて。

 

 咀嚼されたくしゃくしゃの肉、べちゃついた糊の塊みたいのなのはご飯粒の塊、かみ砕かれてばらばらの野菜、それらにしみ込んだ胃液たち。

 

(理解しちゃダメっ! 理解しちゃダメ! 理解しちゃだめっ!!! だめ、だめっ!!)

 

 口に含んでいくたびに、彼女の元々の自頭の良さが、『それ』が何だったのかを解析してしまう。口が嘔吐によってもたらされた物体であることをわかってしまえば、途端に奥から昇ってくる吐き気に負けてしまうからだ。

 

 だから、口に含んだら頭が理解しても体の脊髄反射に任せてごくごくと嚥下する。口に含めたら飲む、液体も喉を鳴らして何とか奥へと飲む。噛まずに、飲む。味合うことなく飲む。

 

(きもぢわるいっ゛! きもぢわるい゛っ゛!! ぎぼぢわるぃぃぃぅ゛ぅっ!!)

 

 焼けるような嫌悪感が胸を疼かせる。腹の底から湧き上がってくる拒絶感によって吐き出してしまいたくなる。

 

 それでも、冷たい鉄を熱せられるよりも、今この場で他人が咀嚼したゲロを呑み込んだ方がずっとましなのだ。自分の陰部と尻の穴を守るために、捨てられるものを選びながら進んでいくしかないと自分に言い聞かせていく。

 

 やがて、地面にシミを広げていた物体と液体がなくなっていった。量もそこまで多くなかったから、お腹いっぱいとまではならなかったのは幸いだろう。昇りあがってくる嘔吐感だけは、量なぞ関係はないのだが。

 

(だ、だべたっ゛……!! ぢゃんど、ぢゃんどだべぎっだっ゛……!! よ、よが、っだぁ゛……!!)

「ふふ! 美味しそうに食べてくれてよかった! いやぁ、道端にご飯が落ちててよかったね!」

 

 うっぷうっぷと喉から吐き出しかける物を出さないように自力で抑え込んでいく。少しでも油断してしまえば、勢いに任せてどろどろと流れていきそうだった。

 

 自分を見ている青年の顔は穏やかだった。先ほどまでの悲しみに満ちた表情はどこにもなく、にこにこと機嫌よくペットの方に視線を向けてくれている。

 

 陰部の中に挿入された鉄の棒の感触が、異物感のある気持ち悪さを覚えても冷たいままでいてくれたことが何よりもうれしかった。どれだけ屈辱と嫌悪に見舞われても、途方もない激痛を伴うお仕置きに比べたら今の方がマシなんだと……そう自分に言い聞かせながら。

 

――かちっ……

 

「――……んふぁっ……??? ふぇ、へぇ……? な、へぇ……?」

 

 無機質に鳴らされた、青年の手元にあるボタンがかちりと音を鳴らされた。

 

「ちゃんとご飯を食べれて偉いね。でも、ね。ほら、よーく見てよ。まだちょっと残ってるでしょ? ご飯を粗末にしちゃ……駄目だよね……?」

 

 指をさした方向の物を見せられて、ペットの表情がだんだんと青ざめていく。

 

 彼が行っているのは、もしかして地面に落ちていた具材だけでなく、放射状に広がっているシミのことを言っているのだろうか。

 

 そんな、そんなの、わかるわけないし、出来るわけがない。表面の汁を啜るだけならともかく、そのシミともなったら地面ごと食べなきゃムリじゃないか。コンクリなんて、飲み込むどころか消化なんて出来るわけがないじゃないか。

 

「悲しいけど……ね……お仕置き、しなきゃだよね」

 

 悲壮感たっぷりに纏われた青年の顔が、その悲しみと共にオンになったスイッチを手に持ったまま、グッとペットの少女を見下ろしていた。

 

 ペットの冷えた表情が、青ざめる色合いから段々と白へと変わっていく。体の中にある異物感、冷たい鋼鉄の感触が、数秒経つごとにその感触を暖かな物へと変わりゆき――瞬間、例えようもない高熱が体の中で爆ぜた。

 

「ん゛ン゛ぷ゛ぎぃいいぃ゛ぃ゛イ゛いいいぃ゛っ゛!!! ぷぎょぉっ゛ォ゛オ゛っ゛!? オ゛オ゛ぉお゛ぉおお゛ー゛ー゛っ゛!!!??」

 

 びくりと体をひっくり返した裸猿が、びっくんびっくんとその身を魚のごとく跳ねさせていく。途端に自身の痛みを周囲に伝えるかのように、激情の咆哮が裏通りに響いた。

 

 じゅうじゅうと焼き上げていく高熱の音が、ペットの股座から煙を立てていく。陰部に挿入されたはんだごてが、一瞬で最高温度にまで達したようで、密着しているキツキツの膣肉を鉄の肌でじっくりと直火焼きしているようだった。

 

 鉄板に肉を押し付けるような、焦げ臭い香りと音が秘部から奏でられていく。むき出しともいえる弱所に向かって、無機質な感触が膣壁に密着したまま熱を押し当てているのだ。触れられた肉壁は焼き肉屋さながらの小気味良い音を立てながら、ペットがかつて少女だった時の雌穴を焦げ付かせるまでに炎の鉄で焙っていった。

 

「ぷぎょぉぉ゛ぉお゛ォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ぉぉ゛ぉ゛っっ゛!?!? んお゛ぉっ゛、んぎ、ひぃいい゛イ゛ぃ゛ぃい゛っ゛!!!!」

 

 痛みに悶えながら背中を弓なりにし、何度も体をブリッジの様に跳ねさせていく。

 

 絶え間なく体に襲い掛かる痛みの奔流は、彼女の体が全身で表現している。ブリッジの体勢を保っていく中、つんっと頭を下に向けている表情は想像を絶する痛みを堪えながら舌を突き出し、むき出しの瞳はたらたらと脂汗が混じった涙を流しながらスロットマシーンの様に瞳をぐるぐると回転させている。

 

 ぴんっ、と突き出した両足はほぼつま先立ちの様にして伸ばされていた。痛みの元は下半身の方だからこそ、どこよりも激しいまでの激痛を感じられるところだからこそ、余計に耐えがたいのだろう。腰を持ち上げているがために、挿入されているはんだごてが股座からぶらぶらとぶら下げられていて、じりじりと陰部を焼き尽くしていくその音を自分の体の中で感じながら、いかにしてその痛みから逃げられないかと試行錯誤するほどに。

 

「あぢゅぁぁあああ゛ぁあ゛アアアァア゛!! ア゛ーーーーーーっ!! ぁ゛、あっ゛! ア゛ァアァアア゛ア゛ァ゛ア゛ーーーーっ゛!!!」

 

 ひりつく股座の痛みは、絶え間ない火傷の痕をじっくりと残そうとしていく。

 

 例えるならば、皮が剥がれた生の地肌に、塩を塗った紙やすり何度も刷り込んでいくような、ひりひりとした摩擦にも似た焼ける痛み。それが、本来であれば守らなければならない少女の肉穴と尻の穴に、数千度も上がる炎の鋼鉄で丹念に焼きつぶしていってるわけだ。

 

 じゅうじゅうに焼けた秘部が、音を立てながらぐずぐずに焼かれていく。縦裂の割れ目にあるびらびらも、膣唇も、陰核も、その中にある粒ひだ一つ一つを鋼鉄の炎でごうごうと焦げ付くまでじゅうじゅうと焼き尽くすように。

 

 尻の穴なんて、もっと最悪だろう。大便の存在を感じられる器官に、高熱の鉄棒によって直腸その物すらも焼かれていくのだから。この痛みを乗り越えたところで、その先にあるのはもう二度と排泄行為なんてできない、人工肛門を強要される人生が待っているのだ。

 

「どっっっッぢぇぇぇ゛ぇ゛ぇ゛っっ゛!!!! ごりぇっ゛!! どっぢぇえぇぇ゛ぇ゛え゛!! どっっっぢぇぐだぢゃいぃぃい゛ィ゛っ゛、ンぎぃ、んぢひぃぃいい゛ィいい゛ぃ゛!!!!」

「こらこら、そういうこといっちゃ――」

 

 痛みを伴ったお仕置きに耐えられないペット。ご主人様はがっかりとした表情を浮かべる。

 

 これは痛みを感じなければいけない物なのに、そんなわがままを言ってしまうペットにはわからせなければいけない。

 

 青年の片足が、彼女の腹にめがけてあげられた。つんのめっている腹に向けて、上げられた片足がかかと落としの要領で一気に踏み抜き、地面に向かって叩き伏せた。

 

「だめでしょ!」

「ぷぎょぉ゛ぉお゛おぉ゛オ゛ォ゛オ゛っ゛!゛!!?゛?? ぎ、ぎひぃいいぃ゛ィいい゛いいぃ゛!!!」

 

 痛みを誤魔化すために、ブリッジの体勢を取っていた体が地面に向かって叩き伏せられた。

 

 背中と地面がくっついて、背を伸ばしたままびんっ、とその場で体を伸ばしていく。腹の方は足で押さえつけられて、体を弓なりにすることはもはや不可能だった。

 

 じりじりと焼け付く痛みが、ジッと体に広がっていく。二穴に挿入された灼熱の鉄棒が、無慈悲にも敏感な粘膜すらも高熱で焙りつくしていく。

  

「ん゛ぎぃぃ゛ぎぃぃいぎぃ゛!! ぎっ゛! ぎひひぃい゛ぃぃぃぃ……!!!」

 

 ぶるぶると大粒の涙を絶え間なく流しつくし、歯を食いしばりながら堪えていく。

 

 見るも無残だった顔は、もはや調教される前の面影を残していない。痛みに震え上がる頭は血管を浮き上がらせて、目ん玉は大きく見開きながらくるくると瞳を回し、鼻の穴は限界にまでかっぴらいて、口元は強く食いしばりながら口端に血の混じった泡をぶくぶくと噴いている。言葉にもならない苦悶の声を何度も上げていくものの、もはや聞き取れる言語を発生することすらできないようだった。

 

 下の方も煙を上げ始めていた。膣壁と尻穴の中が焼かれて、擦り切れて流れた血がはんだごてを濡らし始めたようだった。血と愛液が混じる煙が、しゅうしゅうと湧き出ていく。

 

「……あ、そろそろやめよっか。機械のほうが壊れちゃうや」

 

 煙を立てた陰部を見て、慌てた様にスイッチが切られていく。

 

 あくまで、機械の方が心配だった。ペットの方はいつでも調達できるが、使用しているはんだごてはなるだけ大事に使っていきたいからだ。

 

 ようやくになって高熱のお仕置きが終わり、ペットの方もぱたりと騒ぎ立てるのをやめた。

 

「っっ……ひゅぉぉぉぉぉぉ……っっ……! んふ、んふぉぉぉぉぉ………………っ」

 

 息も絶えるようにひくひくと地面の上で体を震わせている。白目を向きながら血混じりの泡を噴き散らかし、ガニ股の姿勢でがくがくと痙攣させている。

 

 しかし、そこはキヴォトスの生徒。これだけの責め苦を受けても、彼女はまだ生きているし、意識もある。頭上のヘイローが、何よりの証だった。こういった特性があるからこそ、生徒たちは簡単に死ぬことはないし、死ねないのである。

 

 ジリジリと股座から煙が上がっている。ぼたぼたと溢れてくるのは膣壁を焼かれた血の河。焼き付けられて焦げた肉の匂いが陰部から流れて、耐えがたい激痛がペットの体を震わせている。それでも意識を手放せないまままでいられたのは、彼女がキヴォトスの生徒だからだろう。だからこそ、死ねないというのもあるだろうが。

 

 体の内側を焼かれる痛みに悶えながら、陰部とケツの穴から焼けて密着したはんだごてがカチカチと鳴らしあっている。先ほどの高熱が、中の肉穴を焼いてただれさせ、はんだごてと接着してしまったようだった。このままでは、無理やり引きはがさなければ取れないだろうが……おそらく、青年の性格上、麻酔もなしに引き抜くのだろう。この後も、地獄のような躾があるのはほぼ確定して待っていた。

 

「……んー、そろそろお散歩の続きをしよっか。ほら、いくよ」

「こ、ひぃ゛ーーー……っ、んひ、ぃ゛ーーー……っっ゛……」

 

 ぷるぷると震えたペットに対し、返事もしないその様子を見ながら青年は「やれやれ……」と呆れつつも彼女を引きずっていった。

 

 ずるずると雑に扱われながら、苦悶の声を上げていく。見るも凄惨な姿へと変えられたが、キヴォトスの生徒特有の頑丈な体が死ぬことを許さない。

 

 ブラックマーケットの道を、明るい青年が歩いていく。愛用のペットと共に。引きずられているソレの末路がどうなるか、それは青年が飽きるか、先に息絶えるのが先かはわからないが、この日の散歩がまだ終わらないのは確かだった。

 

 

 

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