イ タ ダ キ マ ス ッ !
『蕾にどんな大輪の■が咲くか、■開く前にわかるものか!』
私を蕾と評した方がいた。
『■がそなたの■■の見届け人になろうではないか』
無茶な言い分で、私の想いを肯定して下さった。
『■がおる。フェ■スがおる。■■■は一人ではない』
迷いなく私の在り方を示して下さった。
『うむ……■■■の■■は、やはり■■』
………何……を……?
『■■、■■■■……』
………言っ……て…?
『』
『』
ああ———ゴ チ ソ ウ サ マ で し た ッ !
♦
「お目覚めになられましたかィ」
『女』が目覚めたのは暗い部屋。
彼女に声をかけたのは、外套に身を包む壮年の男だった。
「あなたは…?」
「これから高貴な身となられる方に、名乗れるほどの名は持ちませんで。あしからず」
女の風体は、淑やかな令嬢と言って相違ない。
しかし、本人は現状をまるで飲みこめないようで、琥珀色をした切れ長の瞳を困惑に揺らすばかり。
「本日より、あっしがお嬢様の指導を務めやす。ちょいと不作法かもしれませんが、ご容赦くだせェ」
砕けた物言いの男は、令嬢に四つの事実を教えた。
令嬢が記憶喪失である事。
ここは
団体の統括者の指示で、令嬢の寝食の世話は彼らが行う事。
彼女にはそのうち、一つのお役目が与えられる事。
「先日、さるお貴族さまが戦没されましてなァ。その死を隠すため、お嬢様には替え玉としてお働き頂く予定だったんでさァ」
その貴族の死は彼らにとって都合が悪く、背格好の似た令嬢が代理を担う予定だったそうだ。
「……?」
「ここまではよろしござんすかねェ、お嬢さま」
「あっ。すみません、まだ状況が受け止めきれなくて」
緑髪の令嬢は男の言葉に何か引っかかりを覚えるも、うまく言語化できない。
「いやいや、何も思い出せなんだらそうなりましょうや。おかしなことなンざありやせんぜ」
男は寄り添うように慰めると、最後にこう告げる。
「ひとまず今日はここまで。明日からよろしく頼みまさァ————『クルシュ』様?」
『クルシュ』が感じた違和感。
それが彼女の『加護』に由来するものだと、この時の彼女は気づかなかった。
♢
『クルシュ』はこの世に生きる二十歳の女として、最低限の道義と分別を備えると自認している。
しかし、己が何者かを知らず。土地や人、それに紐づく顔や歴史に覚えが無く。礼法や武術も、経験を伴わぬ知識では実用に至らず。
自分が何をどこまで出来るか想起できない。
何をするにもたどたどしく、自信が持てない。
故に、学び直す必要があった。
龍と王国との盟約の歴史。王選と国内外の情勢。公爵家とその縁者の顔と名前、領民や諸侯との関係性。
この先、公爵として振る舞うにあたり、課題は山積みである。
幸い、教育者として優れる『先生』らのおかげで、『クルシュ』は
知識の蓄積は記憶喪失の『クルシュ』の精神の安定にも繋がり、彼女は積極的に彼らの授業に臨むようになった。
そうして、瞬く間に時は過ぎた。
——書に記された、カルステン家の『牙を剥く獅子』の家紋を指でなぞる。
『クルシュ』はなぜか、その紋章に親しみと誇らしさを覚える。
王家に次ぐ、大貴族に成り代わり働くという重責にも関わらず、不思議と重荷には感じなかった。
むしろ望むところだ、と。
誰に言われるでもなく、彼女の中に強い意志の灯火が育ちゆく。
(記憶が無くとも、立ち止まってなどいられない)
生まれた時から、獅子は獅子なのだと。
そう、証明するかのように。
♢
『クルシュ』が慣れた手つきで紅茶を喫する。
「作法も勉学もだいぶ習熟なされたようで。てぇしたモンですなァ」
「『先生』方の熱心なご指導の賜物です」
彼らの教導に不満はない。
独りで生きる術を持たぬ今、差し伸べられたこの機会は逃すべきではない。
その判断に間違いはないはずだ。
陽光届かぬ部屋は外出こそできないが、意外と暮らすのに不便はない。
影武者の育成は秘事ですから、という『先生』の文句に今は頷いた。
活動が本格化すれば一定の裁量は与えられる、らしい。それまでの辛抱と考えて。
「いやいや。記憶がねェのに取り乱さねェで勤勉に励まれたからよォ。まさに高貴な方となられるにふさわしいってモンでさァな」
「何も分からぬまま騒ぎ立て、あなた方の不興を買っても良い事はないでしょうから。私自身のため、と弁えております」
実際、令嬢は自身の落ち着き様に驚いていた。
己を失ったというのに、自分は自分だという確信に揺らぎがない。
(私は元より、かなり面皮の厚い人物だったのでしょうね)
自らの肝の太さに、思わず物笑いする。
「分かりませンぜ? ウチの大旦那みてェに『万夫不当の一文無し!』とか盛大に騒がれれば、案外もっと好感を得られるかもしれねェ」
「……大旦那さまとやらは、ずいぶん大仰な方のようですね」
まだ見ぬ、己を影武者へ仕立てんとする統括者への評価を更新する。
その時。
「……あれ、…す、みません。少し、めまいが…」
令嬢の思考に霞が差し、
「いえいえ、御心配なさらず。今日の授業は、お嬢様がなさることは何もございやせンので。では——
彼女の耳に入った言葉は、それで最後。
『クルシュ』の意識は闇へと沈んだ。
♦
——ぴくっ!♥ ぴくんっ!♥
令嬢の骨盤を支える肉が、痙攣を起こす。
「……へ? ……え?」
体内を駆け巡る未知の刺激に、『クルシュ』の意識が覚醒させられる。
「おォ、ちょうどようござんした。こっちもひと段落した所でさァ」
目覚めた令嬢はなぜかランジェリー姿。
体は疲労と倦怠感に包まれている。さらには、
「なぜ、私に鎖が繋がれているのですか?」
彼女の首と手足には、天井から伸びた鎖と枷。
明らかに穏やかではない状況。
「あァ、お嬢様にぶっ飛ばされちまわんようにって。大旦那からのありがたいご配慮でさァな」
「…であれば、私にも配慮頂けるとありがたいのですが」
「無論、そっちも抜かりはありませンぜ。ほゥれ」
男がすぐ傍の昇降機をガラガラと引く。
「何、を!? 重っ…!」
体が浮き上がり、逆さに吊るされる。
天井に引かれた手足。猫のように丸まった体。手足の端に体の重みが集まり、体の自由を失う。
「っ、貴方がたは! 何がしたいんですか!」
唐突な異常事態に、つい声が荒ぐ。
「そういや話の途中でござんしたねェ。今は性教育の授業。貴族の女に必要な指南の一つでさァ」
「だからといって、なぜ体を拘束する必要が?」
『クルシュ』は
「授業の意義は認めましょう。ですが、このように拘禁される謂れはありません。どうか今まで通りの形で、教鞭を振るってはくださいませんか?」
感情を抑えつけ、努めて柔らかい物腰で、冷静に主張する。しかし、
「すいやせんねェ。授業はもう、始まってンでさ」
————ちゅぷ♥
「え………?」
股ぐらに、異物感が湧く。
最初、それが何かわからなかった。
理解すべきじゃないと、理性が訴える。
理解してはならないと、本能が叫ぶ。
——くにゅ♥
『クルシュ』が事実を呑み込むより早く。
男の硬い指が、彼女の陰部に侵入していた。
「ひっ!?」
全身から一気に血の気が引く。
Y字に広がったモモの間に、『先生』の手指が滑り込んでいく。
そのまま無遠慮に秘所の線が撫でられると、
くちゅぅ♥
「あぅ!? えっ…!?」
凍り付く背筋とは裏腹に、陰部からじわじわと広がる——熱。
「ひっ、うっ、あっ♥」
甘い、艶を帯びた声。
それが己の口から出たのだと、『クルシュ』はすぐには理解出来なかった。
くちゅ…♥ ずむむ……♥
状況は動揺する令嬢を待ってはくれない。
指はさらに薄桃色の閉じた割れ目を押し開く。
くちゅ…くちゅ…♥
「何を…して、うっ! ふ…ぅ……!♥」
全くの未知。
『クルシュ』の知識の何もかもが役に立たない。
身に宿る加護や体術を想起できない今の彼女では、この状況を覆せない。
「おっほ、結構結構」
障害が無いのをいいことに、『先生』はそのまま肉花弁を掘り進む。
ぷちゅ♥ くちゅっ…♥ ぴちゃっ…!♥
摩擦や痛みはない。
伝わるのは、己が生んだ水気と滑動する異物の圧迫感だけ。
「すげェ濡れとりやすでしょう? 一度絶頂するまで、よゥく準備しやしたんでねェ」
「あっ!♥ そんな、とこっ! やめてくださっ! ひっ!♥」
ぐちゅ! ぐちゅ! ぐちゅ! ぐちゅ!♥
「あああっ! つよっ♥ 止まって…♥ 止めて、くださいっ!♥」
熱を帯びた膣口から水音が耳に届く。
自身の女性器が奏でるはしたない音色に、『クルシュ』の貞操観念が悲鳴を上げる。
(こんな…このままでは……いけない!)
自由と主権の強奪。己を蔑ろにした凶行に、『クルシュ』の心に怒りと嫌悪が沸き立つ。
——それを合図に、彼女の下腹部に刻まれた印が、鈍く輝きを放つ。
「へへッ、ぶふぅうーっ!」
男は印の輝きを確認すると、おもむろに令嬢の処女膜に向け、強く息を吹きかけた。
息吹が裂隙を越えると、
——————ビクン!♥
「あひぃっ!?♥♥」
体内を衝撃が突き抜け、『クルシュ』の背筋が一気に反り返る。
「や゛っ…あ゛っ♥ な♥ なに…?♥」
ただ、吐息をかけられただけ。
それだけで『クルシュ』の怒りも気勢も、一気に消し飛んだ。穢れを知らない貞淑な粘膜が、ハジメテの快楽を思い知らされたのだ。
「だいぶ敏感になってやすねェ。呪印の効果も捨てたモンじゃねェってか」
「は……?」
「これでさァ」
男は、令嬢の下腹部に印された紋様を指さす。
「コイツの効果は、お嬢様があっしらに嫌悪や抵抗、反発感情を抱かれますと、カラダの感度を上げるってモンでさ」
呪印。『先生』のひとりが発動した呪術。
強い制約をもたらす効力もない、粗末な術式ではある。しかし、それでも『クルシュ』のカラダを炙るには十分な代物であった。
「はっ、はぅ♥ …こ、こんなぁ…♥」
股から脳髄にまで抜けた刺激の余韻で、頭を切り替えられない。
彼女は完全に、男たちの術中に嵌まっていた。
「続けますぜェ」
「やっ! まだ! あひっ!♥♥ あっ…♥ ああ…!♥」
角ばった手が膣口を再度かき混ぜる。
ぬちゅ!♥ ぬちゅ!♥
「う~~っ!♥♥ ううぅぅ~~♥♥」
開口部を、先ほどより何度も、強く、ねちっこく。指の感触がより明確に、より鮮明に分かるように。
ぬっ♥ ぬっ♥ ぬっ!♥
「はっ!♥ うあっ♥ なっ♥ こんな…!♥ しら、知らなっ…!♥♥」
這い上がる熱い波に晒され、高揚が隠せない。
瞬く間に解された花びらは愛液を垂らし放題。
もはや貞淑さなど、カケラもみられない。
『クルシュ』の体は呪印と昏睡中の開発によりすっかり出来上がり、本人の意識すら置き去りにしていた。
そんな強制開発敏感生娘ボディに、トドメの一撃。
——ぐにゅうう!♥♥
包皮を剥かれ、赤くせり出した陰核を
「はぅ゛!♥♥ やあぁ゛!♥♥」
『クルシュ』に、電流走る。
「あっ゛!?♥ ひっ゛!♥ ああ、あ゛あ゛あ゛っ!!♥♥」
宙吊りのまま、積もり積もった快楽物質が、遂に弾けた。
ビ ク ン ッ ! ! ♥ ♥ ♥
「!?♥♥♥ !?♥♥ !?♥♥」
——ビクン♥ ——ビクン♥
恥部に指を突っ込まれたまま、元・戦乙女が自覚的な、生涯初のオルガズムに堕ちる。
「ほおお、見事なイき様で。やっぱ起きてっと、反応がもらえて良いモンですなァ」
宙吊り拘束手マン責めで悶え果てる令嬢を他所に、『先生』が他人事のように呑気な感想を述べる。
「あ……♥ あぇ……♥」
調教の順調な滑り出しを見届けた男の顔には、勝ち誇ったような笑みが張り付いていた。
♦
とぽ…♥ とぽとぽ…♥
甘く痺れる肉穴から、快感を示す愛汁が床へと滴る。
「とりあえず、快感ってモンを分かって頂けやしたかねェ」
絶頂の余韻を咀嚼し、『クルシュ』の頭がようやく再起動を始める。
しかし、
「えっ!? ————んんんぅ!!」
『先生』に弁明を求めようとした『クルシュ』の言葉が、口枷によって遮られた。四肢に加え、意思表示の手段をも失う。
「ん゛!? んん゛ん゛ーー!!」
混乱の渦中の『クルシュ』。
せめてもの抗議の意志を込め、男を睨む。
「その意気でさァ。こっからも、優しくご指導させて頂きやすからねェ。いつも通り
彼女の受難は、まだ序の口に過ぎなかった。
IF③.『クルシュ』を眠らせずに伽の授業を始める
『クルシュ』授業の必要性を疑問視・拒絶→痺れを切らして襲い掛かる『先生』→偶発的に加護を用いて『先生』3名殺害→『クルシュ』逃亡→『怠惰』追撃→死亡。
進行度
Lv0清廉無垢な健忘令嬢
エピソード記憶ならびに、本人と関連性の高い意味記憶の喪失
淫紋開発 膣