藤乃代葉ちゃんが、
皆で幸せになる方法を考えるやつです。
続きは、いつか。
夜島学郎と付き合っても
心の読める彼女は苦労しそうだなぁって。
20250525 180000 誤字脱字修正
あの夏、夜島君は私を選んでくれた。
藤乃さん、少しいいですか?そう言って夏祭りの喧騒をBGMに二人きり。
恥ずかしいって気持ち沢山伝わってくる。
顔を真っ赤にして、それなのに真っ直ぐ視線を向けて。
ずっと一緒に居ようって。
俺も藤乃さん、いや、代葉さんの事が好きです。
そう、私の気持ちに応えてくれた。
それからは幸せだった。
彼と過ごす日常は、眩しくて、色づいていて、
あぁ、私にこんな幸福な日々が来るなんて。
夜島君が側に居て、彼と触れ合えて、
彼の珍しい表情を私だけが独り占めできて。
彼の一挙手一投足、彼の全てが心を溶かしていく。
付き合う前より、彼の事を好きになっていく。
大好き。夜島君の事が大好き。愛してる。
彼の体温をずっと感じていたくて、寮でも学校でも一緒。
そんな私達の様子を、仕方ないなぁなんて笑いながらも、皆、祝ってくれていて。
シロ先輩見せつけてきますね。
代葉ちゃん、ええですよ、その調子。
二人ともお熱いねぇ。
なんて、揶揄いながら。
だけど、
心が、感情が読める私には彼女たちの叫びが聞こえてきてしまう。
羨ましい。
忘れなきゃ。諦めなきゃ。
そんなの無理。無理だよ。
好き。大好き。
あぁ、なんで。なんで私じゃないの。
やだ。嫌だ。
皆、そんな気持ちを出さずに、いつもの様に、いや、違う。
私が夜島君と付き合い始める前よりも、
少し離れた距離感で一緒に過ごしてくれている。
私の手を握り、肌を合わせるように隣合う夜島君を見るたびに、皆の視線が、匂いが伝えてくる。
見たくない、見てられない。苦しい。辛い。
大好きな皆から感じ取ってしまう負の感情につられるように私も表情が歪んでしまった。
そんな私の様子を見て、夜島君は、代葉さん大丈夫?なんて、心配そうに身体を寄せてくる。
皆も、心配してくれている。だけど、心は、余計に傷ついて。
…あぁ、これじゃ駄目だ。私だけじゃない、皆も幸せになるべきだ。
皆頑張ってた。にぶい夜島君の気を引こうと、
恥ずかしい気持ちを必死に隠してアピールしてた。
こんなのは私が望んだ幸福な未来じゃない。
私に何が出来る?
皆が幸せになるにはどうすればいい?
夜島君を好きな子は沢山居て。
でも、夜島君は一人しか居なくて。
……、これしかない。
善は急げだ。
世界はとめどなく変わっていって、
私たちの決断を待ってはくれない。
皆の気が変わる前に、早く。
スマホを点ける。
壁紙には、隠し撮りした夜島君の可愛らしい寝顔。
メッセージアプリ、そこで夜島君に連絡をする。
送るのはいつものスタンプ。
夜島君のとこに行きたい。
一緒になりたい。
肌を合わせたい。
そんな合図を彼に届ける。
既読の後、返信が来ないけど、心配は無い。
この待ち時間は、夜島君が心落ち着ける儀式。
もう何度もしてるのこのやり取りも、
まだ彼には恥ずかしくて、少し難しいらしい。
通知音と共に、夜島君から答えが返ってくる。
答えは見なくても分かる。
だって、断られたことなんて一度たりとも無いから。
続けて、もう一人に連絡。
「夜島君の事、まだ好き?」
返ってくるのは、『もう吹っ切れました。』なんて否定の台詞。
嘘つき。
私が心が読めるって知ってるくせに。
『どうしたんですか?何かあったんですか?』なんて言葉続けて、私を心配してくれる。
違う、私が聞きたいのはそんなのじゃない。
埒が明かない。電話だ。
心が読める卑怯な私は、
彼女が、皆が隠している本心をそのまま突き付ける。
数度のやり取り。
すすり泣く声と共に、彼女の思いが聞こえてきた。
「好きですよ。まだ好きに決まってるじゃないですか。」
知ってる。分かってる。
こんな事言わせてごめんなさい。
「私、皆も夜島君の彼女になるべきだって思う。」
「で、でも、そんなの。」
「夜島君の説得は私がする。だから、待ってて。」
「……、代葉ちゃんは、それでええんですか? 折角学君に選んで貰ったのに。」
「私は、皆と一緒に幸せになりたいから。」
後は、私の行動次第。夜島君に認めさせるだけ。
流されやすくて、優しい私の彼氏。
だけど、彼は、ちゃんと自分の意思を持ってる。
だから、普通にお願いしたって
——きっと、首を横に振られて終わってしまう。
身体を重ねたあとなら、
きっと――彼は、私の言葉を真正面から受け止めてくれる。
心も、思考も、とろけた、その隙をついてお願いしよう。
夜島君の部屋の扉をノックする。
覚悟決めろ、私。
私の、皆の幸せがかかってる。
彼の声に合わせて、部屋に入る。
整えられた部屋。
壁につるされたコルクボードには、私との2ショットの写真がいくつも飾られていて、
その中に一つ、浴衣姿の皆との写真。
真ん中に私たち、その周りに皆がおめでとうって祝福してくれていた。
落ち着け。私。
「夜島君、待った?」
「ぜ、全然!」
顔を真っ赤に、彼はベッド腰掛けていた。
私とする時に、このままだと良くないかなって新調したセミダブルのベッド。
そこは綺麗に整えられていて、私の為に準備してくれてたんだなって少し嬉しくなってしまう。
夜島君のすぐそば、肌が触れ合う距離に腰をおろす。
彼は、びくっと小さく身体を跳ねさせた。
ああ、もう――可愛い。ずるい。
我慢なんて、できるわけがない。
身を乗り出して、彼の頬に手を添え、唇を重ねる。
ただ触れているだけなのに、他の接触とはまるで違う。
小さな電流が背筋を走り、脳が痺れる。
離れて重ねて、離れてまた重ねて。
ゆっくりと彼の肩に押して、2人でベッドへと倒れていく。
柔らかなぬくもり。染みついた彼の匂い。
そのすべてに包まれて、思考がふわふわと蕩けていく。
つーっと糸を引きながら、唇を離すと、彼の顔がよく見えた。
頬を可愛らしく染めたその表情――でも、その瞳だけは違う。
どろりとした熱。
重く、濃く、真っ直ぐ私を射抜くような、理性とは程遠い欲情が渦巻いていた。
「ふふ、顔真っ赤。それに……すごい目。」
「……っっ!!」
いつもは、私の言葉一つでたじたじになって、
顔を真っ赤にして、息を詰めて――
でも結局は、最後にはちゃんと受け止めてくれる私の彼氏。
クラスの男子たちから感じる、獣みたいな欲。
だけど、彼はそんな素振りすら見せなくて、
大事にしてくれてるんだって気持ちと同時に、少しだけ残念にも思った。
夜島君のなら大歓迎なのにって。
……だけど、あの日。
初めて彼と一つになった時、
向けられたそれに――私は、はっとした。
ああ、夜島君も男の子なんだ。
嬉しい。そんな風に見てくれるんだ。
そう思ったのも束の間。
甘く見ていた私を、彼の熱は容赦なく貫いてきた。
彼の昂りは、いつまでも治まらなくて。
身一つでそれを受け止めた私は、
泣いて、鳴いて、哭いて――
正気に戻った彼が、『代葉さん、ごめん』なんて、申し訳なさそうに呟いたときには、
私はもう、心も身体も、とっくに彼に明け渡していた。
それからというもの、肌を重ねるたびに、
私の身体は、どんどん夜島君のものになっていった。
毎回、焼き付けられる快楽が、私の奥に刻まれて。
今ではもう、彼のあの目を見るだけで、
私の身体は、勝手に発情してしまう。
なんて、えっちな女の子になってしまったんだろう。
でも――今日だけは、こんな身体にも感謝しよう。
……待たせてる子がいるから。
「夜島君、見て……。」
そっと前屈みになり、彼にだけ見えるように、
パジャマの縁に指を添えて、静かに押し下げる。
夜島君の目が見開かれ、息を飲む気配が伝わってきた。
彼の視線を受け止めながら、焦らすように、ゆっくり、ゆっくりと服を脱いでいく。
脱ぎ終えた服を、ベッドの外へと放って。
そして、彼のズボンへと手を伸ばし――一気に下ろす。
押し隠されていた彼のものが、熱を宿したまま、弾けるように飛び出してくる。
何度も味わって分かっていたはずなのに……。
それでも、見惚れてしまう。
……やっぱり、信じられないくらい大きい。
ゆっくりと彼の上に身体を滑らせ、お腹の柔らかい部分をそっと押し当てる。
びくん、と反応するそれが、じかに肌に触れた。
熱い。硬い。
息が止まりそうになるほどの存在感。
どこまで届いてるんだろう――
思わず、視線を落としてしまった。
臍の上、さらにその少し上まで。
私のお腹に沿って、彼のものがぴたりと張り付いている。
こんなところにまで届いてるなんて……。
いざ、目の当たりにすると、やっぱり、ちょっとだけ圧倒されてしまう。
これを、今から自分で……。
腰を上げて少し前に進む。
待ち遠しいってビクついていた私のものを人さし指と中指で広げる。
中から、とろりと蜜が溢れ落ち、
彼のものへと滴り落ち、濡らしていく。
ゆっくりと腰を下ろして、
腫れ上がった彼の先っぽが入り口に触れた瞬間、
衝動のまま、腰をぐっと打ちつけた。
ごちゅっ、という鈍い音とともに、
衝撃がお腹の奥で弾けた。
……ちょっと、勢いをつけすぎたかもしれない。
自分の体重、全てをそのままのせてしまって、
このままじゃ、壊れてしまいそう。
奥がぎゅうっと詰まって、逃げ場もなくて、
苦しいのに、どうしようもなく気持ちいい。
熱い彼の肉柱が、お腹の中で、私を真っ直ぐに貫いている。
肺が空っぽになって――
頭の中が、真っ白に染まっていく。
だめ、駄目、耐えられない。
息を吐いて、どうにか腰を持ち上げようとする。
……っ、掻き回される。
ゆっくりと引き抜いていくたびに、
お腹側が、擦られて、抉られて、
びくびくって、勝手に震えてしまう。
半分。
そこまで上げたところで、もう限界だった。
これ以上は、無理。
力が抜けて、腰がぺたんと落ちる。
下腹に突き上げられる感覚に、
留めていた声が、抑えきれずに漏れ出た。
あ……忘れてた。
熱くて、苦しくて、それでも気持ちよくて――
身体の奥が、きゅぅっと収縮していくのが、はっきりわかる。
もう一度。
ゆっくりと腰を持ち上げて――また、沈める。
それだけで、お腹の奥がびくんと痙攣して、息が詰まりそうになる。
膝が震えて、指が痺れる。
「……っ、代葉さん、無理しないで。」
無理なんかじゃない。
私は、まだ……ちゃんと、やれる。
たん、たん――と、腰を打ちつける音を響かせながら、
崩れそうな身体に鞭を打ち、私は腰を揺らし続けた。
声が荒れていく。
限界。
もう、果ててしまいそう――。
いつもは夜島君に与えられていた――この快楽を、自分で導いている。
そう思った瞬間、ふいに、少しだけ怖くなって……
気づけば、動きは小さく、震えるようなものになっていた。
……あ。
心が読める私は、彼の中に微かに滲む――抑えきれない熱を、感じ取ってしまった。
もっと深く――もっと激しく――
私の動きなんかじゃ、足りない。
彼の熱は、未だに渇いたまま。
ゆっくりと、腰の動きを止める。
動きを止めた私を、夜島君は、わずかに戸惑いながらも、
熱を帯びた目でじっと見つめていた。
その視線に、背中を押されるようにして――
私はそっと、彼の手を取り、震えている腰へと導く。
指先が触れた瞬間、敏感になっていた身体がびくりと震えた。
恥ずかしさで喉が詰まりそうになるのを、
息と一緒に押し出すようにして囁く。
「ここからは…夜島君の……好きにして、いいよ……。」
声が、甘く、かすれる。
そのまま私は、そっと彼の胸元に身を預け、ゆっくりと、全てを明け渡した。
腰に添えられていた夜島君の掌が、滑るように下がっていき、
やがて、柔らかな膨らみへと辿り着き、ぎゅうっと掴んだ。
肌を這う刺激に、思わず彼にしがみついてしまう。
息を呑む間もなく、上下に動かされる。
ゆっくりと、抜け落ちる寸前まで持ち上げられて――
それから、深く押し込まれるように沈められる。
自分の意思とは無関係に、奥のほうがめちゃくちゃにかき混ぜられる。
そのたびに、下腹の内側――お腹の奥が、ぐりぐりと押し上げられるような感覚。
甘くて、痺れて、
そこばかりを何度も擦られて。
耐えきれず、私は彼の首に腕を回してしがみついた。
声を堪えるように、彼の肩に顔を押しつける。
息が詰まり、全身がびくびくと震える。
熱い。溶けそう。
私はただ、彼の胸に縋りながら、
奥の奥を擦り上げられる甘い痛みに、
声も出せず、果てた。
脈打つ身体に、絶頂の余韻がじんわりと熱を残している。
しがみついたまま、彼のぬくもりに全身をゆだねていると、
少しずつ、ぼんやりとした意識が戻ってきた。
……ああ、そういえば。
初めての騎乗位は、すごく恥ずかしかったけど、想像していたより、悪くなかった。
でも、やっぱり私はこっちの方が好き。
いつもみたいに、
彼の思うがまま、壊れそうになるくらいの快感を押し付けられて。
今もそう。
すごく、すごく……幸せ。
その言葉が心に満ちきるよりも早く、
夜島君の手が、私の腰をぐい、と持ち上げた。
お腹の中が、勢いよく擦り上げられる。
果てたばかりの敏感なところを、
無理やりな動きで引き抜かれるような感覚。
ビクン、と腰が跳ねた。
痺れた足に力は戻らず、
なすがままに背中を押されて、
私は四つん這いにされてしまう。
呼吸が詰まる。
「ま、待って……夜z―――」
振り返ろうとしたその瞬間――
腰を、ぐっと押さえつけられた。
返事はない。
けれど、背後から覆いかぶさってくる体温と、
肌に押し当てられた熱が、
彼の意志を雄弁に語っていた。
今度は――
その大きな身体すべてで、私を押さえつけて、
深く、強く――犯そうとしてくる。
最初のひと突きで、息が止まった。
深いところを、一気に貫かれて――身体が痺れ崩れそうになる。
腰を打ちつけられるたび、奥の奥が抉られて、
肉が擦れ合うたびに、甘い痺れが全身を走る。
息が漏れる、喉が震える。
頭の中がじんじんと揺れて、勝手に声が溢れ出てくる
「代葉さん、声抑えてっ…!!」
無、理…、無理……っっ。
夜島君のお願いなんて、聞いてる余裕は無い。
彼の腰が、ばちん、ばちんって私のお尻に叩きつけられて――
「抑えて」なんて言うなら、まず動くのをやめてほしい。
そんな私の思いは、声にならず吐息となって消えていった。
声を抑えようともしない私に痺れを切らしたのか、
ぐっと腕をつかんで、私から支えを奪ってきた。
こんな状況で、片腕だけで身体を支えきれるはずがない。
徐々に体勢が崩れていき、顔がベッドへと近づいていく。
目の前に見えてきたのは、彼の匂いが染みついた、使い込まれた枕。
あ、まずい。……駄目なやつだ。
視界が傾く。
腰の衝撃に合わせて、顔がどんどんその枕へ沈んでいく。
柔らかな寝具が、私を逃がしてくれない。
肺から押し出された空気が、
枕に押しつけられた唇から、押し殺された喘ぎとなって滲み出る。
空っぽになった臓器を埋めるように、必死に空気を吸い込む。
吸って、吐いて。吸って、また吐いて。
そして――
身体の奥が、夜島君でいっぱいになる。
彼の匂い。彼の熱。
バチバチ、と目の前が明滅する。
呼吸のたびに、身体の中に彼の匂いが染み込んでいく。
奥がぎゅぅぅぅぅっ……と締め付けられる。
息がしづらい。……それなのに息をしても、辛い。
早く、こんなところから逃げないといけないのに。
身体が――言うことを聞かない。
力が入らない。
このまま、前に倒れ込めれば逃げられるのに。
でも夜島君が、そんな私の腰を、腕をしっかりとつかんで、
体勢を崩させてくれない。
「代葉さん、膣内が……っ。」
夜島君が何かを言っている。
けれど――もう、分からない。
音も、色も、温度も。
今の私に、確かに伝わってくるのは、
身体の奥を貫いてくる、絶え間ない衝撃。
膣内に居座るそれが、大きく前後して――
ごちゅっ♡ ごちゅっん♡ と、
何度も何度も、奥を叩いてくる。
ぎちぎちに締め付けられた私の中を、
えぐって、溶かして、そして支配していく。
……そして、もうひとつ。
私を包んで離してくれない彼の匂い。
それが鼻腔に染みついて、脳の奥でとろけて広がっていく。
吸っても、吐いても、彼がいる。
空気も、熱も、私の鼓動さえも、すべてが彼のものになっていって――
私という境界が曖昧になっていく。
薄れゆく意識の底で、聞こえてきた、彼の、限界をにじませたかすれ声。
そして直ぐに――
夜島君の腰が、目いっぱい押しつけられて。
内側を抉るほどの硬い熱が、脈打つように膨らんで――
奥へと、熱を、深く、深く、沈み込んでいく。
私は、その動きになされるまま、
抗うこともできず、身体ごとベッドへと沈められて。
一瞬の静寂。
その直後、
身体の奥底へと、粘りつくような熱が、どぷどぷって注ぎ込まれてくる。
逃げ場のないやわらかな粘膜を押し広げながら、深く沈んでいって。
彼の熱の塊は、脈動しながらも、私の最奥に押し潰すように居座っていた。
引きずられるようにして、お腹の底に溜まっていた熱も蠢きはじめ、じくじくと膨らんでいく――
そして、その熱は、あっという間に限界を越えた。
身体が内側からふくらむように震え、重く沈んでいた衝動が内から弾け出た。
全身が持ち上がり、喉も、腰も、何もかもが跳ねた。
身体中を巡るように暴れ出した熱が、焼きつくような痕をひとつひとつ残していく。
私の意思とは関係なく腰が震えるようにして痙攣を繰り返す。
熱の余韻が身体を撫でるたびに、
腰が、脚が、背中までもがぴくん、と勝手に跳ねた
ひたりと貼りついたシーツに、溢れ出た汗と蜜がじわりと滲む。
乱れた呼吸で開いた口元から、雫が細い糸となって落ちていき、
瞳の端から零れた涙は、頬を伝って濡れた枕に吸い込まれていく。
全身が、崩れ、揺れて――
絶頂の衝撃に押し出されるように、ぴゅ、ぴゅぅっって熱い潮は溢れ出て、シーツを甘く濡らしていく。
あとの身体は、すっかり空っぽで、
ただ、名残の湿り気とともに、身体の奥に感じる2つの熱に溺れるだけだった。
ぴったりと密着していた夜島君の腰が、そっと離れていく。
その動きに合わせて、彼のものが私の膣襞をぞりぞりっと削って、溜まっていた蜜が掻き出される。
思いがけないその刺激が、余韻に浸っていた身体を突き上げてくる。
私の意志とは無関係に、再び痙攣するような震えが走った。
まだ何も考えられない。ただ、身体の奥から勝手にこぼれるように声が漏れる。
ようやく落ち着きを取り戻し始めた私を、彼は優しく抱き上げて、
彼の大きな手が背中に回り、あやすように、ゆっくりと撫でてくる。
私がこんなふうになってるのは夜島君のせいなのに、そんな彼の優しさが、ひどく心に沁みて――
ずるい。
こんなことされたら、彼との行為にハマっていくに決まっている。
皆にも、これを味わってほしい。絶対に、逃れられなくなる。
彼は一度だけ、私に精を注ぎ、私は彼の手によって、何度も果てて。
結局、私たちの交わりは、いつもと同じように幕を下ろし、
お腹の奥に残った熱に身を預けながら、彼の腕に包まれてまどろみ、朝を迎える。
――だけど、今日は違う。
霞んでいた思考が、静かに輪郭を取り戻していく。
心の底に沈んでいた言葉が、ゆっくりと浮かび上がってきた。
呼吸を整えて、私はそっと彼に顔を向け、それを口にする。
「ねえ、夜島君……少しだけ、お話してもいい?」
「代葉さんがお望みなら。」
「私、夜島君にお願いがあるの。」
「お願い? 俺に出来ることなら何でも言って欲しい。」
たった一回で解消できるはずのない渇きを孕んだ欲情を私に隠しながら、
いつものように、優しい声色でそう返してきた。
「夜島君は私の他に彼女が欲しくない?」
「…????」
「第六支部の皆と付き合いたくない?」
「……え? し、代葉さん、ちょっと待って……。み、皆って……」
「皆は皆。先輩、誠乙、莉那、他の子達のこと。」
「い、いや、な、なんで。俺、代葉さんに―――」
「ううん、夜島君に悪いとこは無い。これは私のわがまま。……、皆、まだ夜島君の事が好き、みたい。」
「……そ、それは。」
彼は少しだけ視線を落とした。
「もしかして気づいてた?」
こんなこと聞かなくても分かってる。彼の“心の声”も全部聞こえていたから。
気づいてた。私との関係が始まってからも感じる皆の好意を。
それでも、私のために気づかないふりをしてくれていただけ。
代葉さんを大事にしたい、彼女だけを見ていなきゃ――
そうやって、私のことだけを考えて、他の子の気持ちから目を逸らしていた。
自分が振った、切り捨てた彼女達の視線から、声から、自分への愛情を感じ、
そして、自分を責めて、胸を痛めていたのも……全部知っていた。
「私たち、皆で夜島君を好きでいちゃ駄目? 私一人じゃなくて、皆。全員で、夜島君の“彼女”じゃ駄目?」
嫉妬も、独占欲も、私にだって存在している。
だけど、それ以上に私は皆との幸福な日々を願っている。
今の私があるのは皆のおかげだから。
私がこんなに幸せになれたのに、その代わりに皆が苦しむなんて許容できない。
「それに――」
未だに根元から反り返るように主張を強めている夜島君のモノへと触れる。
彼との行為が始まった時と変わらない硬さを保ったそれは、
私の膣内から掻き出された愛液と、私の奥に収まりきらなかった彼の精液で汚れていた。
――まだ、物足りない。
そんな、苦しそうな心の声が、彼の動揺の裏から滲んで聞こえてくる。
「夜島君に我慢してほしくない。」
「お、俺は我慢なんて…。」
彼の声はかすかに震えていた。それがもう、何よりの答えだった。
苦しそうに言い訳を探してるけど、彼の心が私に正直に語ってくれている。
――騙るなんて駄目。
「嘘つき。」
「…っ。」
「隠し事なんて出来ないって分かってる癖に。私とのえっちに満足出来なくて、一人で処理してたの知ってる。」
「なっ!?」
「証拠もある。烏天狗に写真取ってきて貰った。」
『いやー、学郎様と藤乃様の情事を見せつけられて、何か変なものに目覚めてしまいそうでした!』
そんなことを笑いながら言っていた彼女から受け取った写真は、
ちゃんとスマホの中に保存してある。
回を重ねるごとに、私の身体はどんどん彼の攻めに耐えられなくなっていったのに、
夜島君はどんどん“えっち”に慣れていってしまう。
最初の頃は、彼は何度も精を注いでくれていたのに――
今では、たった一度でもう限界を迎えてしまう私がいる。
「夜島君に満足してほしいし、皆にも幸せになってほしい。それが――私のお願い。」
「……、そ、それは。」
「駄目…?」
彼の迷いのも当然のこと。
だって、私の願いは、常識から外れた、とても歪なことだから。
だから、私は彼を見上げるようにして、甘く囁く。
このお願いのために、彼の私への甘さだって、全部――利用する。
「……、わ、分かった。」
夜島君のその一言で、張りつめていた空気がほどけた。
観念したような小さな溜息。揺れるまなざし。
そして、彼の心の奥にあった小さな壁が、静かに崩れていくのが分かった。
「いいの…?」
「いいよ。それが、代葉さんの頼みなら。」
「良かった。じゃあ、少し電話してきていい?」
「い、今から…!?」
「うん、成果報告。…、あ、もしもし?誠乙、さっきの件。今から夜島君の部屋に来て。」
通話を切り、スマホを脱ぎ捨てられた衣服の上にぽんと放る。
そして、ベッドに腰掛ける夜島君の前に座り、彼の股座にそっと顔をうずめた。
「ちょ、代葉さん!!」
「誠乙が来るんだから、萎えさせちゃ駄目。それに――誠乙とするんだから、綺麗にしておかないと。」
鼻先が基部に近づいた瞬間、強烈な匂いが鼻腔を抜け、脳髄が揺らされる。
さっきまで何度も鳴かされたお腹の奥が、懲りもせずに疼き出す。
……でも、我慢。
ここからは――誠乙の番だから。
私は、丁寧な舌遣いで、上へ、さらに上へと舐めのぼる。
こびりついた私とのえっちの証を、一本一本すくい取るように。
じっくり、ゆっくり。
彼の熱を冷まさないように。冷静さを取り戻させないように。。
トントンと部屋をノックする音が聞えた。
夜島君の『…っ、くぅ……っ。ど、どうぞ。』の声に合わせて、ドアノブが動く。
「し、失礼します。」
恐る恐る開かれた扉の奥から、緊張した様子で誠乙が部屋に入ってきた。
そして、部屋を一瞥するとぎょっとした表情を浮かべる。
私のせいでじっとりと湿って乱れているベッド。
ベッド脇に座る夜島君の足元に座り、彼の秘部に舌を絡めている私。
視線があちらこちらへと動いている。
彼女から感じるのは、私と夜島君の情事を目の当たりして締め付けられるような声。
そして――
これから起きる未来へと、熱を帯びていく期待。
私の唾液まみれになっちゃったけど、十分に綺麗になった夜島君の肉竿から舌を外す。
「誠乙、来てくれて良かった。」
「し、代葉ちゃん。そ、その…っ。」
「落ち着いて。こっちに来て。」
床に脱ぎ捨てた衣服を避けるように、彼女が小さく歩を進める。
火照った頬、わずかに荒れた息遣い。――心を読まなくても分かる。
さっきまで、彼女は一人で慰めていた。
その熱の余韻を、まだ引きずったまま。
私が事前に送った言葉。
『私と一緒。夜島君の彼女になって、彼と愛し合おう? 私が協力するから。』
そんな言葉に期待を寄せて、学君♡、学君っ♡♡って……彼を想いながら、きっと――。
そんな彼女は今、目の前で屹立している夜島君のモノから視線を外せなくなっている。
「誠乙。」
「……。」
「誠乙?」
「…っっ!は、はい!!」
「さっき電話した通り。今日から誠乙も夜島君の彼女。」
「ほ、ほんとにええんですか?」
「私は大丈――違う、私はこれが良い。」
「が、学君は…。」
「お、俺はまだ分からない。だけど、これ以上、辻田さんを悲しませたくない。代葉さんと同じくらい大事に、頑張ってみるよ。」
「それって。」
「夜島君もオッケーって事。……、じゃあ、二人とも今からえっちして。」
二人はびっくりした様子で顔をこちらに向けてきた。
なんで……そんな顔するの?
慌てた様子で、誠乙が私に詰め寄ってきた。
「い、今からですか!?」
「うん。だって、せっかく“そういう関係”になったんだから。」
「そ、その……心の準備とか、が……。」
「……? 誠乙は、もう準備万端のはず。そのために一人で――」
「あーっ!!あーっ!!ちょ、代葉ちゃん、そういうことは言わんといてください!!」
「それに、夜島君も、そろそろ限界でしょ?」
「そ、それは代葉さんが焦らしたからじゃ……。」
――じれったい。二人とも、心の声は全然違うくせに。
私は誠乙の腕を取り、夜島君の足元までぐいっと引き寄せる。
夜島君のそこは、淫らな匂いを纏わせながら、
先端からとぷとぷと、熱を帯びたしずくを垂らしていた。
「見て。誠乙としたくて、こんなになってる。」
「あ……っ。」
「……あ、でも誠乙は見たことあるんだっけ。」
「み、見たことはありますけど……その時は、こんなんやなかったので。」
「夜島君のって、指が届かないところまで、全部に触れてくる。苦しいのに、すごく気持ちいい。」
少しだけ湿り気を帯びた肌に、そっと指を当てる。
そこからゆっくりと、へその上へ向かって、すーっと這わせるように滑らせていく。
肌がわずかに震えるのを感じながら、へその少し上で指を止め、そっと押し込む。
「夜島君のって、ここまで届くの。」
その一点にわずかに力を込めると、誠乙の身体がびくりと跳ねた。
「や……っ、ぁっ、代葉ちゃん……♡♡」
「ねぇ、誠乙。想像してみて?」
彼女のお腹に添えていた指を離して、トントンッと、少し強めに叩く。
「何度もこうして――トントンッ――って叩いて、『やめて』って言っても……夜島君、止めてくれなくて。」
本当は、“トントン”なんて可愛いものじゃない。
でも、誠乙を怖がらせたくないから、言い方だけは優しくしてみる。
「奥の方を、ぐぐぐって……何度も何度も、『もう無理なんです』って泣きそうに訴えても――」
指の動きは止めずに、
私はそっと誠乙の耳元に顔を近づけて囁く。
「夜島君は、全然聞いてくれない。優しい顔しながら……もっと奥、もっとって。」
「……っっ♡ はぁっ♡ はぁーっ♡♡」
誠乙の太腿が擦れて、呼吸が上擦る。
腰をわずかに浮かして、少し触れる私の指へとお腹を押し付けて来て、より強い感触を体験しようとしていた。
夜島君がそれを見て、ごくりと喉を鳴らす。
彼の目は、完全に理性を手放しかけていた。
私は、誠乙の手をそっと取り、彼のものへと導いていく。
そして――彼女の指先が、夜島君のそこに、そっと触れた。
ぴくんと跳ねる反応に、誠乙の肩がびくりと震える。
――彼女は、もう引き返せないところまで来ていた。
「……誠乙のしたかったこと、やりたかったことをしよう。」
夜島君はといえば、限界寸前のように息を詰めて、必死に視線を落としていた。
「が、学君……やさしゅうしてな……?」
誠乙は、そっと彼の手を取り、指を絡める。
二人の距離が、ゆっくりと、けれど確実に――ゼロへと近づいていく。
唇が重なり、静かな衣擦れの音が空気に混じる。
その音を聞きながら、私はふと思った。
夜島君が、優しく……?
できるのかな、そんなこと。
案の定、彼は――我慢なんて、優しくなんて出来なかった。
膝の上で誠乙を乗せて、強く腕の中に抱きしめたまま、
彼女の細い腰を何度も揺すって、彼女を求め続けていた。
確か、「対面座位」っていうんだったと思う。
夜島君のために、勉強しておいた本に、そう書いてあった。
こうなった彼は、身体を全然離してくれない。
腕の中で、誠乙は、まるで溺れるように鳴かされていて――
涙を浮かべながら、それでも恍惚とした表情を浮かべていた。
私も、きっとあんなふうなんだろうな。
彼の耳元で、かすれるような声で彼の名前を呼びながら、
「好きです、好きです」って、何度も愛を囁いている。
……あ、また。
一瞬、彼女の声が詰まったかと思うと、
そのあと堰を切ったように息がこぼれてきて。
ぎゅうっと彼にしがみついて、
壊れそうな自分の身体を、懸命に抱きとめていた。
そうなっちゃうのも分かる。
全身がバラバラになりそうな衝撃。
私も夜島君のおかげで、ううん、彼のせいで知ったから。
そんな彼女から伝わってくるのは、ただ、ひたすらに――幸せだという感情だけ。
よかった。
でも、それも彼の手によって果てる度に徐々に薄れていく。
絶頂の余韻さえも、彼の愛に包まれ、次第に消えていく。
感情も、声も、彼の存在で満たされて――身も心も、夜島君に囚われていく。
誠乙も、私と同じように夜島君のものになっていく。
しまいには、夜島君の名前すら言えなくなって、
彼の背中に添えていた指先からも、すこしずつ力が抜けていって――
「……そろそろ誠乙が、限界かも。」
そう声をかけようとした、その瞬間だった。
夜島君が、彼女の身体をぎゅっと抱きしめて。
小さく、一度、震える。
次の瞬間――彼に貯まっていた熱が、誠の身体の奥へと注ぎ込まれた。
それに応じるように、
誠乙の内から悲鳴のような感情があふれ出して、私に伝わってくる。
……だめだ、このままじゃ、誠乙が壊れちゃう。
そう思って、私は夜島君の頭をぺしんと叩いた。
「夜島君の、ばか。やりすぎ。誠乙、初めてなのに。」
彼ははっとしたように顔を上げる。その額に少し汗が滲んでいて、息もまだ荒いままだった。
私は、真っ直ぐに彼の目を見て、静かに言葉を重ねる。
「気絶させちゃ駄目。……折角の誠乙の“初めて”なんだから。」
彼の視線が揺れた。
「“夜島君がまだ好き”って気持ちを隠して、沢山我慢してきた。そんな誠乙にそんな思い出を作らないで。」
私は誠乙の方に目をやる。
彼の腕の中で、誠乙は息も絶え絶えになりながら、縋りつくように身を預けている。
呼吸は浅く、頬は真っ赤。とろけそうな表情を浮かべていた。
「もっと沢山、名前を呼んで、目を見て、沢山好きって言ってあげて。」
夜島君は唇を結び直し、少しだけ肩の力を抜く。そして、そっと誠乙の頬に手を添えた。
「……誠乙さん。」
やさしく、ひとつ、彼女の名を呼ぶその声に、誠乙の目がかすかに開かれた。
「……えへへ……学君……、ウチ大丈夫ですから。」
その微笑みを見て、私はふっと息をつく。
「一生、忘れられないように。……誠乙の中に、ちゃんと、夜島君を刻んであげて。」
◇◇◇
すやすやと幸せそうな満ち足りた寝顔を浮かべる誠乙の横。
私はベッドの上に座る夜島君の膝の上でさっきまでの3人でのえっちに思いふけっていた。
顔がにやにやするのが止まらない。
皆、幸せになってて、互いの事だけを想い合ってた。
やっぱりこれが一番。
なんて考えていると、上の方からため息混じりの声が聞こえてきた。
「二股最低男になってしまった……。」
誠乙に二発。
さらに、二人での口と胸でのご奉仕で一発。
他にも何度か出して、ようやく冷静に、賢者モード?になったみたい。
そっと顔を上げると、夜島君は静かに表情を沈めていた。
……変なこと言ってる。
どうやら、私の願いが、まだちゃんと伝わってなかったみたい。
「……? 何言ってるの、夜島君?」
「な、何って……」
「幸せにしてほしいのは、誠乙だけじゃない。私は、“皆”って言った。」
「……あっ。」
私は、にっこり微笑んで――静かに告げる。
「夜島君には、これから頑張ってもらうから。皆の説得も……皆とのえっち、も。」
そして、身体を少し起こし、耳元で彼に甘く囁く。
「次は誰がいい? 七咲先輩? 四衲? 莉那? 澪先輩? 私は、誰でも大歓迎。」
一人ずつ名前を挙げていくたびに、夜島君の喉がごくり、と鳴る。
ぴったりと密着した身体がそれを教えてくれる。
――そして。
お尻の下で、ぴくっ、と熱が跳ねた。
あれだけ出したのに、もう硬さを取り戻してる。
正直な夜島君の身体は、次に向けてもう“準備”を始めていた。
私は楽しそうに目を細めて、ぽつりと呟く。
「もう元気になった。……次が、楽しみだね、夜島君。」
あぁ、皆と過ごす、未来が待ち遠しい。