※この作品はR-18です。

鵺の陰陽師 えっちな方まとめ   作:なめたけ伯爵

6 / 9

今回は少し短め。

キャシーさんは、えっちだと思います。


キャシー

 

 

 

「今日は、どこにすっか。」

 

夜もすっかり更けちまって、昼間はガキ共が騒ぎまくってる陰陽寮第六支部の中も、

今は俺様の足音だけがやけに響いてる。

 

ぺた、ぺた――

灯りの落ちた廊下を歩くたび、乾いた音が虚空に滲んで消えていく。

そんな静けさの中で俺様が考えてんのは、つまり、今夜の寝床をどこにするかって話だ。

 

陰陽寮に、俺様専用の部屋なんてもんは用意されちゃいない。

だからいつも、その時々の気分次第で、気ままに寝ぐらを選んでる。

 

月が綺麗に出てる夜は屋根の上、風に吹かれながらそのまま気持ちよく寝落ちる。

酒に酔ってる時は、未成年のガキどもに見つからねえように、鵺の部屋にこっそり隠れて、

鵺にプレゼントしたでっけぇぬいぐるみ――ガンダタに身を沈めてな。

 

けど今夜は、ちぃとばかし肌寒い。

 

となれば、寝床の候補は温もりがあって、寝心地も悪くねぇ場所ってことになる。

……、学坊の部屋にするか

 

そうと決まれば、話は早ぇ。

空間を切り開き、その裂け目の中へと身を滑り込ませる。

向かう先はもちろん、学坊――陰陽寮第六支部隊長、夜島学郎の部屋だ。

 

重力をほとんど感じねぇ、闇ばかりの空間を通り抜けて――

ぽす、と音もなく飛び降りた先、そこはもう学坊の部屋。

俺様だけが出来る空間跳躍。

 

学坊のやつももう寝入ってるだろうし、起こさねえように布団の足元をちょっと間借りするつもりだった。

 

……だったんだが。

 

いつもの位置に視線をやった俺様の目に飛び込んできたのは、何故か、まだ起きてやがる学坊の姿だった。

 

学坊はこちらを見ながら、目を丸くしたまま、石像みてぇに固まっていた。

 

上半身は薄手のシャツ一枚を羽織ってるが、下の方は、ズボンもパンツも布団の脇に乱雑に放られている。

そして、その股の間には鍛えられた右腕が伸びていて……、張りつめたそれをしっかりと握っていた。

 

まぁ、なんだ、これは学坊の自慰中に俺様が乱入してきたってことか。

 

やっちまった。タイミングが悪いにもほどがある。

 

「あ゛ー、これは俺様が悪い、すまん。」

 

とりあえず謝ってみたが、学坊は動かねぇ。声も出さず、ただ唖然としたまま、こっちを見てる。

まるで『どうして』って顔だ。

 

いやだって、お前、明日も朝早くから特訓あるんだから寝てるって思うだろ。

 

「誰にも言わねぇから。じゃ。」

 

片手を上げ学坊へ背を向け、閉じるのを忘れていた空間の裂け目に戻ろうとした時、

勢いよく飛んできた学坊の声が、背中に突き刺さってきた。

 

「キャ、キャシーさん、ま、待ってください!!!」

 

振り返れば、布団であたふたと上半身を動かしているが、そんなのよりも目が行くのは下の方。

慌てて掛け布団を引き寄せたらしいが、見事に布地が盛り上がっていて、その身を主張させていた。

 

「あの、誤解で……、違うんですこれは……!」

 

いやいや、どう見ても誤解じゃねぇよな?

がっつり握ってたし、なんなら布団の横にティッシュまで準備している。やる気満々じゃなぇか。

 

「……違うのか?」

 

試しに聞いてみたら、学坊の顔が見る見る真っ赤になった。やっぱ違わなぇじゃねぇか。

 

「見なかったことにしとくから。ごゆっくり。」

 

俺様はそう言ってまた裂け目に向き直った――が、今度はぬっと伸びてきた手が裾を掴んできた。

手。右手。そう、先ほどまで、自分の息子を握りしてめていた方の手だ。

 

「おまっ!! そっちの手で掴んでくるんじゃねぇ!!」

 

「あ、っ。す、すみません。で、でも、待ってください。お願いします!!」

 

「……っ。あー、もう分かったから早く手を放せ。」

 

はぁ、と小さく溜息をつきながら、裂け目を閉じてやる。「ちゃんと話くらい聞いてやる」って合図。

それが伝わったのか、背中の方から、ごそごそと音が聞こえてくる。

 

「キャシーさん、その、大丈夫です。」

 

落ち着いた声が聞こえてきたのを合図に、俺様は振り向く。

布団はちゃんと整えられていて、学坊は寝巻をきっちり着直し、布団の上に正座するようにして座っていた。

 

「その……お見苦しいところをお見せして、本当にすみませんでした。」

 

ぺこりと頭を下げながら謝ってくる姿は、いつもの真面目な学坊そのものだった。

……まあ、数分前まで下半身丸出しでナニしてたやつとは思えねぇな。

 

「学坊も男だもんな。一人でシたくなるときもあるよな。」

 

「いや、ほんとすみません。」

 

「謝んなって。何も気にせずに部屋に入ってきた俺様が悪いんだから。」

 

そう言ってやってんのに、学坊のやつはしおしおと頭を下げ続けてる。

ここまでされると、逆に罪悪感がすごいことになってくる。

 

――しゃあねぇな。

 

「あー、なんだ。邪魔した詫びに、手伝ってやろうか?」

 

にやりと笑って、軽く顎で布団を指す。

その瞬間、学坊の顔が――ぷしゅうっと音がしそうなくらい、真っ赤に染まった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「ふ、ぅ゛っっ♡♡ ぅ゛っ♡ ……っっ゛♡」

 

なんで、こんなことになってんだっけか。

 

勝手に喉奥から漏れ出た嬌声が頭の奥でぐるぐると反響してる。

 

熱があちこちにこびりついて、冷静になろうとしても、思考の隙間にパチパチと泡が弾けて、全然まとまらねぇ。

 

確か手伝ってやろうかって茶化したら、学坊が本気にしてきて……。

 

「キャシーさん、どう、ですかっっ!!!」

 

……あ゛ー、うるせぇ。

今の俺様の有様見りゃ、聞かなくても分かんだろ。

 

喉が震えて、枕に顔を埋めながら声が漏れるのを必死に押し殺す。

シーツを掴んだ手は、真っ白になるほど力が入ってて――情けねぇ。

 

汗を粒みたいに浮かべ、雄にされるがまま。

誰がどう見たって、快楽に屈した雌そのものだった。

 

おかしいだろ。

 

ついさっきまで童貞だった奴が、なんでこんなに上手いんだよ。

 

身体がもう言うことをきかねぇから、仕方なく心の中で毒づくしかない。

……それが今の俺様にできる、学坊への目いっぱいの反抗。

 

俺様が慣れないように、

いちいち角度を変えて、押し当ててくる圧を調整して、

膣内を滅茶苦茶に掻きまわしてきやがる。

 

腰を逃がそうとしても、がっしりと両の手で掴まれてて持ち上げられて、ぴくりとも動かせない。

 

快楽を逃がすために脚をバタバタと動かしてるが、与えられる快感の方が多くて全くと言っていいほど意味がない。

 

そして――

ある一点を、馬鹿みたいに高いカリがぞりぞりっ♡と擦り上げてきた。

 

肌が泡立ち、背中が勝手に跳ねて、

抑えきれなかった声が、喘ぎ声として、喉の奥から洩れてしまった。

 

「ぅ゛、お゛っっ♡♡♡」

 

まず……っ、反応しちまった。

 

次の瞬間、耐えきれずに反応を漏らしたその場所へ、

ごちゅっ♡――と、迷いもなく、勢いよく突き当てられる。

 

学坊のやつ、たぶん無意識なんだろうが、

周囲の顔色や気配を読むのに慣れきった人生を送ってきたせいか、

こっちの息がひとつ跳ねただけで、すぐ察して――そこを、容赦なく突いてきやがる。

 

また、まただ。

 

身体の奥に、重たくて熱いものを無理やり流し込まれて、

何度目かも分からない絶頂へと、押し上げられていく。

 

「あ゛っ♡ あぁ゛っっ♡♡ お゛ぉっ、っ゛♡ い、いく゛っ♡ い゛っっ゛っ♡♡ ~~~~っ゛っ゛っ♡♡♡」

 

ぐ、ぐぐって腹に力が入り――

押し出された潮が、シーツめがけて勢いよく弾けた。

 

身体をがくがくっと、大きく痙攣させたかと思えば、

ぷつん、と糸が切れたみてぇに、全身から一気に力が抜けていく。

 

ようやく学坊の手が離れて、俺はそのまま、崩れるように布団に倒れ込んだ。

 

だけど、抜き出されるときに襞を乱暴に掻き上げられたせいで、

勝手に腰が、ひく、ひくって、情けねぇほど弱々しく跳ねてやがる。

 

汗、潮、いろんなもんが染み込んだシーツは、ぐっしょりと濡れてて、

そこに沈み込んだ俺の身体は、もう一歩たりとも動けやしねぇ。

 

できることなんて、荒い呼吸を吐くことくらいだ。

 

キーン、と耳鳴りが響くたびに、世界の輪郭がぼやけていく。

 

指にはまだ力が残ったままで、

シーツに食い込んだ手のひらが、じくじくと痺れてる。

絶頂の残り滓が抜けきらず、力を抜くことすら、できなかった。

 

「……っ゛っ♡♡ ……ぐ、ぅっ♡♡ ふっ、ふぅ゛ぅっ♡♡ う゛ぁ、ぅっ゛っ♡♡♡」

 

喉の奥から、押し潰されたような声が零れ出てくる。

これ、本当に俺様の声か?

 

「大丈夫ですか?」

「痛くなかったですか?」

 

ふいに、頭に生える耳へと届けられたのは、そんなお決まりの耳障りの良い台詞。

いつもの学坊よりも低めの声が入ってきて脳が蕩け、耳がぴくぴくって嬉しそうに揺れちまう。

 

やめろ。

その声で囁いてくんな。

優しくされるほうが、今はよっぽど堪えるんだよ。

 

頭が勝手に、勘違いして馬鹿に……っ、なっちまうだろ。

 

「……ふ、っ♡ ……ぅ、っ゛♡♡ ど、どうていだったたや、つがっ♡ い、いっちょ前な台詞吐いてんじゃねぇ……っ♡♡♡」

 

ふざけんな。

なんで、俺様が――学坊なんかに気を使われなきゃなんねぇんだよ。

 

とっさに出た安っぽい悪態。

けど、バクバクと体の中で鳴る心臓だけが、ちゃんと知ってる。

俺様が必死に、ちっぽけなプライドを守ろうとしただけだってことを。

 

……ああ。これだ。

また、この流れだ。

 

学習しないのか、俺様は。

 

「じゃあ、まだ大丈夫ですね。俺、満足できてないんで。」

 

……ほらな。

 

小さな矜持を見せた、その瞬間。

まるで、それを待っていたみてぇに、平然と返してきやがる。

 

その声を聞いた途端、

また、奥の方がじわりと熱を帯びてきた気がして。ああもう、最悪だ。

 

学坊の影が落ちてくる。

 

たったそれだけで、またひとつ、呼吸が乱れる。

 

まだ小さく痙攣している俺様の両手首を、片手で布団へとひとまとめに押さえつけてくる。

もう片方は腰の下、挿入しやすいように軽く持ち上げてから――

 

どちゅんっっ゛♡♡♡

 

学坊の全体重がのった一突きが、そのまま俺様の中に叩き込まれ、また強制的に絶頂かされた。

 

「ふっ゛ぐ……ぅ゛♡ う゛っ♡ いっ♡♡ いっ゛、う゛っ♡ ぅ゛~~~~っ………♡」

 

腹の奥――いや、背中まで貫かれたんじゃないかって錯覚してしまうほどの衝撃。

全身が痺れて、軋んで、何がどうなってるのか、分かりやしねぇ。

 

両手を押さえつけられてるせいで、踏ん張ることもできない。

押し潰されていて息すら満足に吸えず、声も喉の奥でつかえて滲んでいく。

 

……体格差ってもんを、少しは考えろよ。

 

外から見えてんのは、バタバタと暴れる滑稽な足だけか?

あ゛ー、ほんと、笑えねぇ。

 

視界に映る白が、シーツなのか、

それとも脳に閃いた光の名残なのか、もはや分からない。

 

暴れる俺様をよそに、学坊は腰を押しつけたまま、微動だにしない。

布団との板挟みにされた胎の奥から、悲鳴のようなものが鈍く這い上がり身体の中で響き渡っている。

 

「キャシーさん、締め付けが……っ。」

 

……うるせぇ、お前のせい……っ、だろ!!

 

執拗に押し潰されて、こねくり回されて、

徹底的に躾けられた膣奥が、きゅぅぅっ♡て、勝手に吸いついてやがる。

 

違う。

こんなの、俺様の意思じゃねぇ。

これは勝手に動いてるだけ――……そのはずなのに。

 

身体の方はあいつの先っぽをぴったり咥えこんで、命乞いでもしてるみてぇに離そうとしない。

 

「っ……っ゛♡♡♡ ぅ、ぅ゛、っく……♡♡♡」

 

膣ん中が、ぬるく蕩けて、熱くて、甘ったれて、……これじゃまるで学坊のやつに媚びてるみてぇじゃねぇか。

 

奥のほう、ぐちゅっ♡ぐちゅ♡って揺らされる度に、

ぐつぐつと煮えたぎるみてぇな熱が、下腹に溜まっていく。

 

……やばい。また来る。また――。

 

何度も分からされ覚えされられた、この感じ。

あぁ、また絶頂に追いやられんだなって、

唯一まともに働いている脳の隅が、冷静に、そしてどこか絶望的に理解していた。

 

逃げる気なんてもう無ぇってのに、

全体重をかけて、がっちりと腰を押し付けてられる。

 

そのまま、一瞬びくっと、押しつけられた腰が、小さく震え―

 

びゅ~っ♡びゅくっ♡びゅるるぅ~~っ♡♡♡

 

「っ――――♡♡♡ ~~~~っ゛っ♡ っ、く゛ぅ゛っ♡♡♡――っ゛っ゛っ♡♡♡」

 

びったりと密着した学坊の鈴口から容赦無く精液が流し込まれてくる。

 

熱い。……熱すぎだろ。

ぶちまけられた精液が、胎ん中、みっちりと染み込んでくるのがわかる。

 

もしかして、こいつ、幻妖が妊娠しねぇと思ってんじゃねぇか?

 

ぎゅう、って内側が戦慄いて、まるで子宮が……嬉しがってるみてぇじゃねぇか。

 

「……ぅ、う゛、ぅっ゛♡♡♡ お゛まっ、えっっ♡ かって゛、に……っ♡♡」

 

喉奥でぐずつく声も、結局は甘ったれた喘ぎとして吐き出される。

 

しかもこいつ、まったく止める気ねぇ。

俺様の中へと注ぎ込みながらも、また、ぐっ、と押しつけるように奥を撫でてくる。

 

絶頂ってて辛ぇんだから、それやめろ……っ。

 

子宮の奥の方まで、みぢみぢに満たされて、”重み”と”熱”がずっしりと圧し掛かってくる。

 

徐々に意識がふわふわと浮かんでいく。

脳が焼けてんのかってくらい熱くて、でも、逆に視界はどんどん白くなってって、

音も、匂いも、熱も、ぜんぶ遠くなって――そのまま、意識が、ぷつんと切れた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

……あ゛、あぁ゛。

 

喉が……痛ぇ。

ちょっと声出そうとしただけで、ヒリヒリと焼けやがる。

 

身体の方も――う゛っ。……動かねぇ。

肩も背中も腰も、バッキバキに固まってやがる。

 

仕方なく、幻妖の再生能力を巡らせて、強引に身体を立て直す。

それすら面倒に感じるほど、全身がぐったりと重たい。

 

のそりと上体を起こすと、骨のきしみが頭蓋の裏で反響して、目の奥がズキズキする。

 

視界の端に映るのは、ぐちゃぐちゃになったシーツと、鈍く光る朝の気配。

……たった一晩でこの有様かよ。

 

空気の中にも、昨晩の名残がうっすら漂っていて、思わず顔をしかめる。

匂いと共に記憶が蘇ってきて、気分まで重くなる。

 

そして、隣には――

何も知らねぇみたいな顔して、すやすやと寝息を立ててやがる、学坊の寝顔があった。

 

……その寝顔を見た瞬間、昨日の所業――猿みたいに犯してきて、気をやって俺様を叩き起こして続きを始めやがったのを思い出し、

咄嗟に足が跳ね上がる。蹴りを入れてやろうかと思ったが。

 

その直前、身体の方が勝手に止まりやがった。

 

「あ゛……?」

 

中途半端に浮いた足先が、空しく空を切る。

どうにもならねぇ気持ちだけが残って、俺様は胡座をかいて布団の上でぼんやりする。

 

頭の芯がまだふわついてる。

心臓の鼓動が、やけにうるさく鳴っていた。

 

……あぁ、そうかよ。そういうことか。

 

俺様、完全に――やられてんじゃねぇか。マジかよ。

 

馬鹿らしくなって、頭をがしがしと掻いた。

怒る気力も、文句を垂れる元気も出ねぇ。

 

ぐだぐだ考えんのも疲れた。

 

そっと、学坊の腕を引き寄せて、そこに頭を預ける。

目の前にあるのは、昨晩の“ベッドヤクザ”と同一人物とは思えねぇような、子どもみてぇな寝顔。

 

こんなあどけない顔で寝てる奴が、

昨日、俺様をあんな、滅茶苦茶に――

 

……なんかもう、どうでもよくなってきた。

 

少しだけ、もう少しだけ、寝ることにする。

次、目が覚めた時、学坊がどんな顔して俺を見てくるか。

……それを楽しみに瞼を落とした。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。