そんなこんなで、タケシとメガデスは遺跡調査の依頼を果たした。
「大したものはありませんでしたよ」
「お、おう……そうか……」
ちゃっかりザンゴへの『万理解析』による読心も怠らずに報告する。
(ま、マジか……!? ギミックはともかく『凶獣』と『剣魔』以外にあの化け物を2人で倒せるヤツがいるだなんて……!!)
(『凶獣』? 『剣魔』? ……ダメだ。万理解析でも解明できない。流石にコイツ本人が知らない情報までは解析できないのか)
その恐怖をまるで見せないのもある意味ザンゴの器量だ。とタケシは妙な所で感心した。俗にリーダーにとって重要な資質は危機管理能力だ。と、どこかの本で読んだ事もある。
ハッタリをかますのもこの【†魔竜の牙†】の顔役故か。
「で、リップヴァーンさん。依頼を果たして俺のランクはどうなるんですか?」
(これは一足飛びでナーガ……いやドレイク、もしかしたらドラゴン級なんてのもありか? まいったな〜)
などとタケシにしては珍しく意気揚揚としている。それを見たザンゴが少しだけ眉間に皺を寄せた。
が、リップヴァーンはしれっと言ってのけた。
「リザード級ですけど何か問題でも?」
「え……?」
(そ……そんなっ!? どうして……!
どうしてっ……!?)
ぐにゃあ〜……とタケシの視界が歪んだ。
異世界転生して邪神の力やアバターとしての肉体を得たとはいえメンタルは生前と変わりなかったのだ。
ー
「……」
「元気出してくださいよ、デザイア様。やっぱりあのギルド潰した方がいいんじゃないですか?」
「……」
ショックの大きさ故か自身の拠点である『頑迷孤籠』の私室に戻ってなおタケシは放心状態。そんなタケシをメガデスは肩を揺さぶったりじゃれついたりして慰めようとするも効き目はまるでなかった。
「ぷ……ぷぷっ……うぷぷぷぷ」
そしてそんな2人を出迎えたのは笑いを堪えているバクシーシであった。
彼女はマイアバターキャラではなくNPCだったキャラをアイテムで再召喚したため、階層守護者に比べ遠慮や自重という言葉がない。
「何笑ってンの?」
無論、タケシの言葉ではなくメガデスの言葉だ。これまたここなら遠慮の必要はなし、と本来の青い肌色とボンテージスーツ姿に戻り、大鎌をバクシーシに突き付ける。
「いや……。だって、1回仕事しただけで一気にランクアップできると思っていたとかどんだけ社会経験ねーんですか? って思うじゃないですか?」
「シャカイケーケン? なに言ってんのお前」
マイアバターキャラの悲しさか。
嘗て彼女(メガデス)が存在していた【インフィニティ・プリズン】に存在しない言葉は知覚できない。
そして皮肉にもメガデスの慰めではなく、バクシーシの痛罵によってタケシははっ、と感づいた。
(それもそうだ。ここは元々ゲームとはいえ現実の人間、社会と大して変わらない場所だった)
立ち直るとタケシの反応は早い。
「いいよ、メガデス。コイツなりのフォローなんだ。 悪かったな、バクシーシ。ちょっと夢見てただけさ」
「まあ、タケシ様、もといデザイア様がそう言うなら……」
タケシは苦笑しながらメガデスを制すると彼女は渋々と矛ならぬ鎌を納め、そのまま自室へと転移していった。
「ありゃ? 意外と冷静ですねぇ。
こんな入口のないこどおじクランダンジョンを作る位だから、『俺をバカにするなぁ!』ってキレだすのかとばかり」
「まあ……彼奴等がいるからそんな真似はできないって」
階層守護者達のまえで無様はできない。とタケシは自らを律しながら呟く。
「……ですが、あのまま舐められて黙っている訳にもいきませんな。デザイア様」
「いや、別に? 聖騎士タケシは単なるアバターだし」
悪代官の様な笑みを浮かべてこの世界に波乱を巻き起こさせんと唆すもタケシは軽くいなしてしまった。
(この辺りはバクシーシもゲームデータのキャラなんだよなあ……。別に俺本人が貶されたワケじゃないから皆が言う程腹は立たないって感覚は解らないだろうな)
「えーっ!? 闇堕ちして暗黒騎士になる展開とかは?」
「いや、ギルドで出世できないから闇堕ち
するは流石に引くだろ。
そんな事よりもコイツを見て欲しいんだ」
と言って先に倒した『ガチタン・ミンチメーカー改2』の部品を取り出した。
「これは今日のダンジョンで見つけたものなんだけど、【インフィニティ・プリズン】の大ボス的なものはまだ生きているって事なのか?」
「メインストーリー進めてなかったんですか?」
「うん。デイリー討伐ボスは誰かに封印されたって話しか知らんなあ。王都での悪魔王騒ぎの時に黒幕の悪魔からそう聞いた」
部品を手に取り確認していたバクシーシの視線がタケシに向けられる。
その目つきは彼の手落ちを咎めるようなじっとりとしたものである。
「何でそいつに『万理解析』使わなかったんですか? そうすりゃ私たちの世界がサ終した後、どんな流れでこの世界になったかも掴めたでしょう。あ〜、情けない」
「え、その……俺の恩人の名前をパクリやがった! このクソ悪魔が、とカッとなってしまいまして……えとその……」
感情を抜きにすればもっともな意見なのでタケシは反論できず縮こまる。
生前の叱責される経験を思い返したのか聖騎士や邪神とは思えない畏まりぶりだった。
「はぁ〜、自分の事はいい。だが仲間を悪く言うのは許さん。ってヤツですか?
私はデータの蓄積なんでそういうの全然判りませんが」
(シビアなヤツだな……。
あ、そう言えばコイツからのダメ出しのおかげで大事な事を思い出した!!)
とタケシはバクシーシの在りように苦笑した。しかし自分に欠落しているものを補ってくれる幕僚として非常に心強い存在だなとも再評価した。
「そう言えば『万理解析』を現地のギルド冒険者を使った時に見慣れないワードが出てきたんだよ。『凶獣』と『剣魔』ってな。【インフィニティ・プリズン】にこの手の代名詞があるヤツやプレイヤーっていた?」
「少し待ってくださいね……」
質問をイヤがったワケではなく、課金誘導キャラ、即ちサーバーと繋がっていた時の過去の記憶(データ)を思い出す(照合する)様にバクシーシは暫し沈黙した。
「ないですね。本人が知らない情報は読めないんじゃないですか?」
「ないか」
(と言ってもああ良かったとはならないのな)
タケシは陰気で拗らせた人間だが傲慢でも愚鈍でもなかった。
『本人が知らないなら読めない』
『じゃあ記憶を書き換えられている奴は? 洗脳されていて、或いはドルクニフの様に本人が本気で俺を救世主と思い込んでいる類の妄想を信じていたら?』
『或いはパラノイアに似た能力持ちに憑依されて人格ごと乗っ取られていたら?
はたまた他の転生者にも解析妨害スキルがあるかもしれない。そもそもメガデスみたいにNPCが自我を持つなら、他人のNPCが生命に対して敵意を有した自我を形成している可能性だってある』
汲めども尽きぬさながら重油ばりにねばつき精神を侵食するかの様な疑惑の源泉。
が、その疑惑もうまく精製すればさらなる発展と勝利への英知を生み出す事をタケシは理解している。
皮肉な事にこの世界で彼を最も過小評価しているのは彼自身であった。
「じゃあ、その2人について調べておいてくれないか?」
「各地で交易させているプルータル様や、
貴方の文字通りに影武者のパラノイア様に任せたほうがいいんじゃないですかね?」
反論というよりは提案であった。
確かにその方が適切には思えるだろう。
ただし、それは個々の感情や性質を考慮しない場合に限ってだ。
「いや、彼奴等は俺への忠誠心が強すぎる。何れ俺の脅威になると判断したら相手の出方やデータ、戦法が判明しない内に玉砕覚悟で向かっていく危険がある。
その点お前はヤバくてもヤバくなくてもさっさと帰ってくるだろ?」
「つくづく不思議な人ですね。
現地の人間は信用せず、疑い深いくせにデータである私のいう事は信用するんですから」
「お前は欲得や善悪じゃない所で動いているからな。欲深い奴はキリがない。
善悪に拘るヤツには理屈が通じない。
名誉にしがみつくヤツは逆恨みする。
けど、お前はそうじゃない。
快不快で動くヤツは俺が見ていて面白い限りは裏切らない。
俺の顛末を見届けるまでは暴走する事もない。そういう意味じゃお前は誰よりも信頼できる」
(たぶん、こんな話をするのはコイツに対してだけだろうな。皮肉なモンだ)
自嘲気味にふっ、と鼻で笑うタケシ。
そんな彼にバクシーシは予想だにしないリアクションをした。
「それってもの凄く遠回しなプロポーズですか? あっ、それなら無理ですごめんなさい。 私、ケチで執念深くて自己肯定が低くて疑い深い割にちょっと優しくされただけで両思いだって飛躍する人はタイプじゃないのでイヤマジで……あいたたた!」
「マジメに話してんだよ俺は。というか物理無効だろお前」
タケシはバクシーシの頬を引っ張りながらそう言った。だが言葉のわりにその口調や表情は怒りに満ちたモノではなかった。
タケシの人生でこういう軽口を叩き合う仲の友人がいたのならこの世界に転生することはなかっただろう。
それは悲劇なのか、それとも喜劇なのか。
「タケひしゃまは耐性貫通もひじゃないでふかー!?」
「あ、それもそうか。悪い悪い。ともかく、頼むわ」
これで将来の備えにはなったが、まだ大きな問題が残っていた。
と言ってもこれは邪神デザイアとしてではなく聖騎士タケシとしての問題であったが。
ー
(誰もいないよな……)
ひとまず拠点の『頑迷孤籠』から王都の聖騎士寮へと転移魔法にて戻った。
保護や秘匿といった対侵攻用の措置がなされていなかったのは幸いだった。
(不用心だよなあ。転移魔法で忍び込まれて食事や井戸水に毒を仕込まれたらどうするんだか。 この国の王様、聖騎士を軽んじすぎじゃないか?)
と、台所内でガサゴソ物音がする。
言っている側からこれか。とタケシは内心辟易しながらも早速スキルブックにより得た【忍び足】【疾駆】を併用して何者かの背後を取り、ナイフを首筋に当てた。
「誰だ?」
暗闇ゆえにタケシには相手の姿がよく見えない。が、相手が震え上がっていることだけは判った。
「あわわわわ!? す、すんませんでしただぁ!?」
「ジーベンちゃん!? どうして!?」
純朴な田舎訛りで相手は聖女の一人であるジーベン・ルクレツィアという事はすぐに解った。例え天地がひっくり返ろうと彼女が聖騎士であるタケシに危害を加える事はない。そのくらいは『万理解析』を使わずともわかる。とんだ大捕物だった。
ー
「成る程。俺が帰ってきた時にお腹が空いているのではないかと思って、夜食の準備をしようとしたら俺が突然現れたと」
「すんません。余計な事をすてすまって……」
先のショックを受けた自分よりも縮こまり、恐縮するジーベンにタケシは逆に申し訳なくなった。真実かどうかを確かめるなら『万理解析』を使えばいいのだが、それはしなかった。それをするのは彼女の誠意を踏み躙る行為である事を彼は理解していた。
「いや、寧ろ嬉しいよ。君みたいな女の子に心配されるなんて。ありがとう」
「と、とんでもねえっす!!」
あわあわと慌てながら両手を振って否定するも満更でもないジーベン。聖女としての務めに誇りを持っている彼女だが、女性としては同年代の少女たちと同じく恋愛に憧れる部分もあるのかもしれない。
(しかし、俺みたいな冴えないおっさん聖騎士じゃない方がいいだろう……。
ってうわっ……! 俺今、とんでもなく調子に乗ってなかった?)
『ケチで執念深くて自己肯定が低くて疑い深い割にちょっと優しくされただけで両思いだって飛躍する人はタイプじゃないのでイヤマジで……』
バクシーシの辛辣な意見は正鵠を射ていた……わけではないが少なくとも今のタケシには慧眼に思えた。
忽ち襲い来る羞恥と自己嫌悪によりタケシは消えてなくなってしまいたくなった。
(最低だ……俺は……)
(最低だす……わだすは……。
タケシ様さ迷惑をかけてしまって)
対面でずーん、と両者共に落ち込んでいた為に気まずい空気が台所を支配していく。
況して照明も碌につけていないのだから余計に空気が重い。
そんな空気を吹き飛ばす旋風が吹いたかの様に部屋のドアがバン! とけたたましく開いた。
「タケちゃーん? いるー!? いなかったら返事よろー!!」
夜だという様にこのテンションの高さときたらどうだ。そしてこのギャル口調。
来訪者はアイン・ルクレツィアの聖騎士であるミカである事は疑い様はない。
「いませーん……」
「なんだ留守か〜。ってコラー!!
ベッタベタなボケじゃ〜ん!! って部屋と空気が暗いし!」
パッと照明をつけるとミカはツッコミを入れた。タケシは少し目がチカチカしたがジーベンの方は驚いてすっかりフリーズしてしまっていた。
「ほらほら、どしたの二人とも? 何があったか話してよ〜」
「え? うん……実は……」
(と、言ってもどう説明するか。ジーベンちゃんに聖騎士を尊敬してくれるのはありがたいが、俺は邪神デザイアであるからそうやって崇拝するのは間違っているから止めた方がいいぞ、とは言えない)
タケシが言い淀んでいる間、ジーベンが説明した。
「あの、じつはタケシ様に夜食ば作ろうと思って、部屋さ入って準備ばしてたんですけど……」
「そんでそんで?」
(心なしか目がキラキラしている……。
まあ、この異世界は現実と違って娯楽は少なそうだもんな……)
「そんで、準備の最中に入ってきたタケシ様にバレてしまったんです。
すいません、ご迷惑をおかけしまして……」
「……」
ミカは目を閉じて瞑想するかの様に暫し沈黙した。そして目を開くや否や……。
「超甘酸っぱいじゃん!! マジパないし! テンアゲっしょ!」
「て、てんあげ?」
(いや、どこが……)
ミカのテンションについていけずにジーベンもタケシもたじろぐばかり。
特にタケシは生前も含めてこうしたノリに触れた事がない故に余計に理解が及ばなかった。
「だーかーらー!
好きな人の所にこっそり夜中に来ちゃった所をばったり鉢合うだなんて、気まずくなるって最高に青春じゃん!?」
「あ、いえ。その……」
ジーベンは頬を染めながらタケシの方を見る。一方、タケシは……
(青春って言われてもなあ……)
アバターも中身も既に中年であった。今更青臭い思い出も未練もない。
況して恋愛に至っては……
(いや、あれは恋愛なんかじゃなかった。ただの依存だ……)
ディーサイド。かのフィートディック(モブ悪魔)が騙った名は彼の心に癒えない傷と楔を打ち込んでいるのだがここでは割愛する。
とにかく、今はミカとジーベンの事である。
「ま、細かい事は気にしない!
あーしら三人で夜食を一緒に食べれば解決っしょー!」
「そうかなあ?」
「そーだし!」
ニカッと屈託ない笑みを浮かべられるとそうなのかも、と錯覚しかけた。だがこのままミカのペースに呑まれると彼女の意図が読めなくなってしまう。それはタケシにとって危惧すべき事だった。
「いい感じって……ミカさん。男の部屋に入るなど聖女として慎みに欠ける……のではない……でしょうか?」
「タケちゃんはそういう事したいからって、手籠めにするようなクズじゃないって皆知っているんだし〜。にゃはは」
(知った風な事を言うな。
俺は『頑迷孤籠』のメンバーと数年付き合っても奴等の本性が分からなかったんだ
たかが数日の付き合いで他人の本性なんて解ってたまるものかよ)
彼の心の海に積乱雲が沸き立ち、にわかに海面が荒れ始めた。だが、それを表に出すほどタケシは短気でも無思慮でもなかった。ただ、ミカの存在に警戒を深めるだけである。
が、ミカは空気を読まずにたたみかける。
「つー事で、明日あーしらを改めて移住のためにノドカナ村を案内してほしーし。あのお団子をぶっ飛ばすシュギョーもしたいし! タケちゃんの生まれ故郷なんでしょ? ジーちゃんだって気になるよね〜?」
「そ、それは……そのぅ……」
ジーベンはミカの問いかけに対してもじもじとしながらも否定はしない。
一方のタケシはというと……
(ま、マズい!! 俺はノドカナ村については何も知らない!
つい口からでまかせで出身を名乗っただけだ。そもそもこの世界の地理さえ未だ把握していないし……まさか馬に乗れとか馬車を操舵しろなんて言われたらどうしよう!? さっきみたいにスキルブックで何とかできるものなのか!?)
「あ、あの……ですね……ハハァ……。
エトソノ……操舵のスキルブックなんてものは……ありますかね……?」
「ないよ」
覇気のない小市民じみた張り付いた笑みを浮かべながらタケシは急にミカへと尋ねるとはっきり言い切った。
「そ、そうですか……フヒヒ……」
「タケちゃん。その顔こわいし」
「あ、はい……」
タケシが無茶苦茶気まずい気持ちでいっぱいになった所でミカが切り出した。
「んじゃー来週の朝に迎えに行くからちゃんと準備してよね〜。それじゃジーちゃん、行くよ〜!」
「ではタケシ様。おやすみなさい」
ミカはジーベンを連れて部屋を去って行った。
当に嵐の様な彼女が去るやいなや一瞬で静寂に包まれる空間。タケシは頭を抱えた。
(ど、どうやって誤魔化すか!?
騎馬なんてやった事ないし、【騎乗スキル】のスキルブックなんて便利なんて気の利いたものは存在しないらしいし!
どどど、どうすればいい!? どうすればいいんだ!? 階層守護者に相談するか?)
『なあー、パラノイア。お前の力で馬に憑依して乗りこなせる様にしてくれない?』
『は? 我々の支配者が馬にも乗れない?
失望しました。頑迷孤籠やめます』
『正直ガッカリっス。マジで引くわー。敬意返せ。利子つけて返せ』
『主、主足らずば臣、臣足らず』
『ふっ、まあ、タケシ様。この私がサポートして差し上げましょうか? 何を勘違いしている。お前が馬だ、四つん這いになれ』
『う、うわあぁぁぁぁ……』
想像の中で階層守護者たちの冷たい目線や罵声、揶揄う声などが響き渡りタケシは居た堪れない気持ちになり、思わず頭を抱えてベッド悶絶してしまった。
サドなカーネイジもありだと思ったのは内緒だ。
そしてバクシーシに対してはつい先刻、己の手落ちを指摘されたばかりでもある。
(そうだ。なら、誰でも乗れるおとなしい名馬的なものを探せばいいのではないだろうか! プルータルには交易させつつ他の国の視察もさせているし! 我ながら名案!)
貧すれば鈍する。誰でも思いつく下策だがタケシは自ら膝を叩いて大いに賛美し、手放しで褒めたたえる始末だった。
(そうと決まれば早速プルータルに連絡だ! いや、今日は夜だし明日になってから連絡だな)
妙な所で常識人なタケシであった。
なお実際に相談したら
タケシ
「俺、馬に乗れないから適当に憑依してくんない?」
パラノイア
(つまり暴れ馬を乗りこなし、聖王の生まれ変わりとしての箔をつけるという事か。マサクゥル。貴様の品種改良で古今無双の名馬を作り出す事は1週間で出来るか?)
マサクゥル
(キハハハハ!1週間!?とんでもない!3日もあれば十分!)
カーネイジ
(ではその3日の間に私が馬になって鞭打たれつつ騎乗の稽古を)
ポスタル
(いや、その理屈はおかしい。義妹である私めが)