Meine Ehre heißt Treue ~遠坂家の使用人~ 作:彼処舐ノ助嗅過
今回のシーンには、主人公の自慰シーンが含まれています!
「ではどうかご武運を、わが師、時臣様。そして兄弟子、言峰殿」
「聖杯戦争中の間、妻と娘をよろしく頼むよ」
「もちろんでございます。お2人は僕が命に代えても守り抜きます。ですからどうか、勝利を」
「ああ、わかっているとも。では綺礼、行こうか」
こうしてわが師、遠坂時臣と兄弟子、言峰綺礼は聖杯戦争に向かっていった。
2人がいなくなってから、僕は師の娘、遠坂凛と妻である遠坂葵の2人に声をかける。
「奥様、凛様……あらためまして今日からお2人と、この屋敷の護衛をさせていただく、スヴェン・ラインハルトです……。よろしくお願いいたします」
僕はそう、挨拶をした。
すると、遠坂凛……凛様がこういった。
「ねえ、スヴェン。何あらたまっちゃってるのよ! いつも通りでいいじゃない」
「そ、それはそうかもしれませんが、一応正式な挨拶はしておかなくては……」
「いいから! お父様がいない今、私たちを守ってくれるのはあなただけなんだから。それに、聖杯戦争が終わるまで3人しかいないんだから、堅苦しいのはなしよ」
凛様はそういうと、僕に微笑んできた。
「はい! 凛様がそうおっしゃるのなら」
「ふふっ。凛、あまりスヴェンくんを困らせてはだめよ? スヴェンくん、いつもありがとう。あなたがいてくれて本当に助かるわ」
「そんな……もったいないお言葉です」
遠坂葵……奥様も僕に微笑みかける。
その後、2人に紅茶とケーキでティータイムを取っていただいている時だった。
「ねぇスヴェン! お父さまたちなら絶対勝って帰って来るわよね」
「はい! きっと勝ってらっしゃいますよ!」
僕はそう返答したものの、そう簡単な話でもない。
魔術師としての実力はわが師、遠坂時臣は非常に優秀と言える。加えて、言峰綺礼や教会の後ろ盾もある。これはかなり心強いだろう。
そして呼び出したサーヴァント、英雄王ギルガメッシュは規格外だ。しかし、あの英雄王がはたして言う通りに動いてくれるのだろうか?
マスター同士の決闘にも懸念点はある。ケイネス・エルメロイ・アーチボルト……アーチボルト家の当主。この男の魔術師としての実力は突出している。無論、協力者の多いわが師の方が総合的に見れば有利だ。
だが、もしも真正面から魔術師同士の戦いになった場合、実力的にはやはりケイネスの方が優れている。遠坂時臣が弱いのではない。ケイネスが規格外なのだ。
それに……衛宮切嗣という男も不審だ。この男は魔術師でありながら魔術師ではない。魔術師殺しとまで言われる、魔術世界では忌避される人物だ。その力は本物だ。
彼のパートナーであり、聖杯戦争の発端となったアインツベルン家の娘であるアイリスフィール・フォン・アインツベルンも恐らく聖杯戦争に関わって来るだろう。不安要素は多い。
だが、わが師も綺礼さんも万全の対策をしているはずだ。
準備に抜かりはなく、勝率自体は低くはない。あとは風向き次第というより他にない。
「どうしたの? スヴェン」
凛様が少し不安そうに僕を見つめている。
「いえ、なんでもありません。ただ……遠坂時臣様ならきっと大丈夫だと、そう思っていましたので」
僕は凛様を不安にさせてしまったことを反省しながら、そう答えた。
「ふふっ。大丈夫よ、スヴェン! お父さま達なら絶対に勝って来るわ!」
その笑顔は父を信じて疑わない、そんな純粋なものだった。
「凛、その話はやめましょう? それに、宿題は終わったの?」
奥様は凛様にそう語りかける。
「うう……宿題なんて知らないわ!」
「凛……。スヴェンくんを困らせてはダメよ?」
「はぁい」
凛様は、紅茶を飲み終えると学校から出された宿題をやりに部屋へと戻っていく。
「スヴェンくん……ありがとう。本当は本国に帰る選択肢もあったのに、危険を承知でここに残ってくれたんでしょう? 本当にありがとう」
「奥様。僕は僕の意思で残りたいと思ったのです。師の恩に報いるために」
「そう……ありがとう」
奥様は少し悲しげに微笑んだ。そしてこう続けたのだった。
「でもスヴェンくん、もしあなたが望むのならいつでも本国に帰ってもいいのよ? あなたはまだ若いのだから。こんな危険を冒さなくても……」
奥様は僕を気遣ってくださるが、僕はそれを否定した。
「いいえ! お気遣いはありがたいのですが、僕は時臣様の弟子です。そして……奥様や凛様をお守りしたいんです!」
僕は奥様にはっきりとそう告げた。すると、奥様は僕に優しく微笑みかける。
「スヴェンくん、ありがとう。でも……無理はしないでね」
「はい。わかりました、奥様!」
僕はそう返答すると、しばらく奥様との会話を楽しむのだった。
少ししてから夕食の準備に取り掛かった。
3人で囲む食卓は幸せなひとときだった。しかし、こうしている間にも、聖杯戦争は始まろうとしている。
僕は、この幸せな時間が少しでも長く続くようにと願った。
そして夜が更けていく……。
窓の外を1人眺める奥様。その横顔から、夫の身を案じている様子がうかがえた。
「奥様……。きっと大丈夫です。時臣様はお強いお方です」
僕は、奥様を安心させるようにそう語りかける。すると、奥様は少し安心した様子でこう答えた。
「ええ、そうね……。ありがとうスヴェンくん」
そう言って奥様は僕の頭を撫でてくれた。
僕が、海外で師に拾われてすでに3年。奥様はまるで息子のように接してくれる。
3年経っても未だに顔が赤くなってしまうのは、奥様の前だとどうしても気恥ずかしくなってしまうからだ。
「あ、あの。奥様……僕はもう子どもではありませんので」
「あら? そうだったわね、ごめんなさい」
そう言うと奥様は僕の頭から手を離す。
僕は赤くなった顔を誤魔化すように話題を戻した。
「奥様、心配なのはわかりますが、そろそろお休みになられてはいかがでしょうか?」
「あら? もうそんな時間なのね……。そうね、そうするわ」
そう言うと奥様は自室へと戻られるのだった。僕はその後ろ姿を見ながら思う。
(奥様と凛様は必ず守りぬく……)
僕は決意を固めるのだった。
そして同時に秘めた想いが口に出てしまう……。
「奥様……」
僕はそう呟くと、もう一度屋敷内外の見回りに向かうのだった。
「ふぅ……今日の業務一段落かな……。お風呂に入って寝よう」
僕は浴室へと向かい、シャワーを浴びて汗を流す。ふと、脱衣かごに目が行く。そしてそこにある奥様の脱いだ服を見つめる。
無意識のうちに、その下を見るとそこには奥様の下着が綺麗に畳んであった。
「奥様……奥様の……下着……」
僕はその下着を手に取り、匂いを嗅いでしまう。
「はぁ……はぁ……ごめんなさい……ごめんなさい……奥様……」
鼻の中に広がる奥様の香り。僕はその香りを嗅ぐたびに、僕の下半身は熱を帯びていく……。
「奥様の下着でこんなことしてごめんなさい……」
そういいながら、僕は自らのモノをしごくのだった。そして、やがて訪れる絶頂の時……
「はぁはぁ……い、いくっ! 奥様!」
ドピュッ!ビュルルルッ!ドプッ!! 勢いよく飛び出した精液が床に飛び散る。そして僕は我に返り自己嫌悪に陥るのだ。
(僕は……なんてことを)
「はぁはぁ……」
しかし、一度火がついた欲望は止まらない。僕は再び自らのモノをしごき始める。
「奥様! 奥様!」
僕は自分の顔に奥様が跨って、愛してくれている想像をしながら……
「ああ! 奥様!」
ビュルルッ!ドピュッドピュー!! またしても大量の精液が飛び散る。そして、僕は大きな罪悪感と興奮に襲われながら、自らのモノを綺麗に掃除するのだった……。
「はぁはぁ……」
床についた僕の欲望の塊……それを見つめながら、再び自己嫌悪に陥る……。
(はしたない……。こんなことをして)
僕は深いため息と共に、奥様の下着を元に戻すと、再び体を洗ってベッドに横たわるのだった。
翌朝。
「おはようスヴェンくん」
「お、おはようございます」
僕は、奥様の顔を直視できない。
彼女の顔を見たり、彼女の声を聞いたりしてしまうたびに、昨日の下着の甘酸っぱい匂いを思い出してしまい、強い罪悪感を感じてしまう。
だけど、それと同時に、奥様に対する劣情を強くしてしまう自分がいる。
やはり昨日の出来事が尾を引いているのか、なかなか顔を見ることができなかった。
それでも僕は自分の役目を果たさなければならない。僕が奥様と凛様を守るのだ。
「奥様、朝食の準備ができました。お食事にしましょう」
「ええ、ありがとうスヴェンくん」
僕はなんとか平静を装っていた。
そして朝食を済ませた後は、奥様と一緒に凛様の学校への送迎だ。
「いってらっしゃいませ! 凛様!」
「いってらっしゃい」
「うん! お母様、スヴェン、行ってくるわ!」
凛様は元気よく手を振って出かけていく。
車内は奥様と2人きりになった。奥様にとっては、いつもと変わらない日常だろうけど、僕にとっては気まずい時間に感じられた。
(僕があんなことをしなければ……)
「スヴェンくん、今日は食糧を少し多めに買いたいから、買い物に付き合ってもらってもいいかしら?」
「は、はい! かしこまりました!」
僕は奥様に心の中で謝りつつ、返事する。そして僕はまた罪悪感に苛まれるのだった……。
買い物中も、油断するとつい奥様の綺麗な髪、腰やお尻に目が行ってしまう。前を歩いている時、屈んで商品を選んでいる時、つい……。
「スヴェンくん? どうしたの?」
「い、いえ! なんでもありません」
奥様が不思議そうに僕を見つめている。僕は慌てて目をそらした。もう一度視線を戻すと、いつものように優しく微笑んでくれる奥様。
(奥様はこんなにも優しいのに、僕は……最低だ……)
自らの頬を叩き、今一度自分を律すると僕は、そのことをできるだけ考えないようにするのだった。
買い物を終えて、屋敷に戻った僕たち。
「奥様、すぐに昼食をお作りいたしますので、少々お待ちください」
「スヴェンくん、今回は私が作るわ。いつもあなたに作らせていては申し訳ないもの。たまには私に作らせてちょうだい」
「そ、そんな奥様! 僕にお任せください!」
僕は慌ててそう言ったが、奥様は頑として譲らない。結局、奥様が料理を作ってくれることになった。
やはり奥様は、1人の妻としてとても素敵な女性だと思う。
奥様のような女性を妻に迎えられて、時臣様も幸せ者だな、と思うと同時にチクりと胸が痛む。
時臣様が奥様と結婚したのは
「配偶者の血統における潜在能力を最大限引き出した子を産むという」
という奥様の特殊体質ゆえらしい。
つまり魔術師として最高の能力を持った子供を産むことができるということ。
時臣様が以前、僕に話してくれた。
もちろん時臣様が、奥様のことを本当に愛しているのは間違いないだろう。しかし結婚の決め手はそれで間違いないだろう。
なにせ、あの間桐臓硯も、家のためにその体質を欲していたと聞く。実際に凛様の妹、桜様を間桐家に養子に迎えている。
……桜様は大丈夫だろうか? 正直、間桐の家はあまりいい噂を聞かない。魔術は蟲だし……。
ともかく……。時臣様のことは尊敬しているけど、奥様の優れた子供を産むという体質を目当てに結婚した。そう思うとやはり心穏やかではなかった。
(いや、何を考えているんだ僕は……)
「スヴェンくん? どうしたの?」
じっと料理をしている奥様を見ながら考え事をしていた僕に、不思議そうに奥様が尋ねてくる。
「い、いえ! なんでもありません」
そんなことを考えていると知られるわけにもいかず、僕は慌ててごまかすのだった……。
奥様が作ってくれた美味しい昼食を済ませた後は、再び屋敷内の見回りを行う。表立って攻め入る者はいないだろうけど、警戒は怠れない。
「スヴェンくん、いつもありがとうね」
「いえ……。これが僕の仕事ですから」
奥様は僕に優しく微笑みかけてくれる。しかし、僕はその微笑みにすら罪悪感を感じてしまう。そんな自分が嫌になると共に、やはり奥様のことが気になってしまうのだった……。
夕食時、テレビに映っていた人物を凛様が指差す。
「ねぇ、お母様、スヴェン。この人悪い人なんだよね! 学校の先生が教科書読みながら言ってた!」
テレビには演説をする国民社会主義ドイツ労働者党、つまりナチスの総統であるアドルフ・ヒトラーが映っている。
「そうね……。スヴェンくんはどう思う?」
奥様に尋ねられた僕はしばし考え込むとこう答えるのだった。
「はい……。確かにヒトラーは非人道的なこともしたかもしれません。しかし彼は権力を手にした後も、国民の利益のために行動しました。そして実際、政策も国民から支持されていました」
「ふーん? なんでだろうね! 私だったら悪い人の言うことなんて聞かないけどな!」
凛様は無邪気にそう話す。僕はそんな凛様を微笑ましく感じていた。
その話はそこで終わってしまったが、僕はテレビに視線を戻す。
そこには力強い演説で、国民を沸かせている総統の姿があった。
アメリカのレンドリースさえなければ、あるいは目標を絞って攻撃できていれば、ドイツはソ連に敗北していなかったかもしれない。あるいは大日本帝国が北進論を採用し、ドイツと日本でソ連を挟み撃ちにできていれば……。
(総統……残念なことにドイツは敗北しました。しかし僕は今でも、いつの日か強いドイツが復活することを信じています……ハイル・ヒトラー!)
そう……僕は、魔術によって数十年の眠りについていたドイツ人だ。そして僕はヒトラー・ユーゲントの一員だった。
来るべき作戦の日に備え、数人の仲間と別々の場所で眠りについていた僕だったが、目を覚ますとドイツは敗北し、総統もこの世を去っていた。
自分の信じていたものを全て失い、身寄りもない。
そうやって絶望していた時、海外旅行中の時臣様と奥様に出会ったのだ。
「スヴェンくん? 大丈夫?顔色が悪いけど……」
「あ!はい!大丈夫です」
僕は慌てて取り繕うのだった……。
(今、僕は遠坂家に仕える者だ。それを忘れるな)
そう自分に言い聞かせ、僕は心を落ち着かせるのだった……。
「さぁ、凛。お風呂に入ってしまいましょう?」
「はぁ~い!」
奥様はそう言って凛様の手を引いて行く。
「奥様、凛様、どうぞごゆっくり。お風呂上りに冷たいデザートを用意しておきます」
「まぁ! ありがとうスヴェンくん」
2人は嬉しそうに微笑んだ。そんな奥様の笑顔を見ると、僕まで嬉しくなってしまう……。
僕はそんな気持ちに蓋をすると、早速デザート作りに取り掛かる。
しかし、デザート作りの最中もあの敗戦時のドイツのことが思い出され、僕の胸を締め付けるのだった……。
日本に来てから、総統の話題を見聞きすることは無くなっていた。
だけど今日、たまたまテレビに映る総統を見た。画面の中の総統は、まるで今でも生きているかのように感じられた。
普通の人にとっては、すでに半世紀近くも前の人物。しかし、僕にとってはまだ3年前のお方だ。
僕の手を握り、力強い目で君のような優秀な少年がドイツには必要だ、
と言ってくださったことが昨日のように思い出される。
……過去を振り返ってもしょうがないのに……。
「さ、今は奥様と凛様に美味しいデザートを作らないと!」
今度こそ気持ちを切り替えて、僕はデザート作りを始めるのだった。
僕がデザートを用意し終えると、ちょうど2人がお風呂から出て来たようで、脱衣所の方で2人の話し声が聞こえる。
あの扉の向こうに、奥様の裸があるのだ。ついついそんなことを考えてしまう。
いけないいけない……僕はどうしてこんなに強欲なんだ……。
やがて脱衣所から出てきた2人。
僕が用意したケーキを見ると、凛様は嬉しそうな声を上げて駆け寄る。
「わぁ美味しそう!」
そのまま食べようとした凛様を、奥様が制する。
「こら、凛。作ってくれたスヴェンくんにお礼を言って、いただきますしてから食べなさい?ね?」
「は~い、お母様」
そう言うと、凛様は僕の方を向いてにっこり笑う。そして元気よくお礼を言ってくれた。
「スヴェン! いつもありがとう! いただきます!」
その笑顔を見て僕も幸せな気持ちになる。やはり凛様は可愛いらしい……とても癒される笑顔だ。
「さぁ凛。美味しいデザートをいただきましょう? スヴェンくん、ありがとうね」
「はい、奥様」
2人はそれぞれケーキを食べ始める。2人の笑顔を見ると、僕の気持ちは本当に晴れやかになるのだ。
その日も一日が終わっていく。
凜様はすでに横になられ、奥様は夜空を見ながら1人ワインを嗜まれている。
その後ろ姿は美しく、そして儚く見える。聖杯戦争に参加した愛する夫の無事を祈る奥様。
「奥様、そろそろお休みになられてはいかがでしょうか?」
僕はそんな後ろ姿の奥様が心配で声をかける。
「ええ、そうね……。でももう少しだけ……」
その声は少し震えているように感じられた。
その時僕の脳裏に、僕自身の過去の記憶が蘇る。
魔術師でありながら陸軍に参加し、戦争に向かった父を待ち続ける母の後ろ姿。父の戦死を知って泣き崩れる母の後ろ姿。そして僕がヒトラー・ユーゲントの一員として、遠方の地に向かうことになった際に強く抱きしめて涙を流す母の顔。
その全てが蘇ってくる……。
「奥様……」
そしていても立ってもいられず、僕は思わず奥様を後ろから抱きしめていた。
「スヴェンくん……?どうしたの?」
突然のことに少し驚いた様子の奥様だったが、すぐに振り向いて僕を抱きしめてくれる。
「すみません……。両親のことを思い出していました」
「スヴェンくんのご両親は、事故で亡くなったんだったかしら?」
自分が最近魔術で目覚めただけで、第二次世界大戦時代の人物だとも言えず時臣様や奥様には嘘をついていた。
父は戦争で戦死、母に至っては僕が魔術に失敗して目覚めるのが遅れたせいで、もはや生きているのか亡くなっているか確かめる術もない。
「え、ええ……。なんだか奥様を見ていたら、母との思い出が甦ったんです」
奥様は僕の頭を優しく撫でてくれる。
「辛いときは無理しなくてもいいのよ。スヴェンくんだってまだ子供なんだから」
その手のぬくもりが、本当に心地よく感じられた。
「さ、そろそろ休みましょう?」
やがてそう言った奥様は、僕の頭をポンと軽く叩いて微笑んだ。その笑顔にドキッとした僕だったが、すぐに平静を装う。
「はい、そうですね。僕はもう一度屋敷内を見回りしてから横になりますので、奥様は先にお休みください」
「ありがとうスヴェンくん。それじゃよろしくね」
そう言うと、奥様は自室へと戻られるのだった……。
僕は見回りをしてから自室へと戻る。
昨日のように、脱衣かごにある奥様の下着に手が伸びそうになってしまう。しかし、そんな自分をなんとか律し、ベッドに横たわる。
「はぁ……。最近は奥様に対する邪な欲望が強い……。時臣様がいないから? 僕は、僕を救ってくれた遠坂家に恩を返さないといけないんだ。"Meine Ehre heißt Treue(忠誠こそ我が名誉)"。奥様に対する想いは今日限りで抑え込むんだ。僕が今、忠誠を誓うのは遠坂家だ」
自分に何度も何度も言い聞かせ、そして眠りに就くのだった。