広いホールの中央、高く位置した半球のドーム。
床以外はすべて透明で、周囲には無数の監視カメラ。
特別な牢獄にして実験室。
『さあて』
枯れた老人の声がスピーカーから響く。
彼の声音には悪辣な、好奇と嗜虐の色が隠しようもなく含まれていた。
『実験を始めようか』
リリィ・アスプルンドは歯噛みした。
──油断した。
ノーランドって誰だよ、ネオ・ブリタニアってなんだよ初耳だぞ。
平和から来る油断、その隙を突いての誘拐。
非力な身体は頑丈な拘束椅子に固定されており、びくともしない。
紆余曲折あって不死身となっている彼女なら、文字通り『骨を折って』脱出することは不可能ではないが。
椅子から逃れたところでその先が続かないし、何より、向かい合うように拘束されたもう一人の囚人を置いていくわけにはいかない。
「気を強く持ってください、サクヤ様。助けはきっと来ます」
長い黒髪を持つ美少女の名は、皇サクヤ。
呼びかけられた彼女は端正な顔に弱々しい微笑を浮かべて「ええ」と答えた。
「……ありがとうございます、リリィ様。その通り。希望はまだ断たれてはおりません」
リリィにとってサクヤは「友人の親戚」。
歳はほぼ一回り離れているものの、リリィは二十歳前後で成長が止まっているため外見的な年齢差はほぼない。
むしろ、肉体年齢よりさらに子供っぽく見られるリリィに対し、サクヤは十六歳にしてほぼ完成された容姿の持ち主。
否応なく人目を惹く豊満な肢体──未だ穢れなき乙女の身体が蹂躙されるのは心苦しいが、
「っ!?」
「ああっ……」
マイクの向こうにいる老人の操作により、拘束椅子が本来の機能を目覚めさせる。
二人の感情などおかまいなしに伸びた機械の手が、やがて拘束衣越しに触れて──。
◇ ◇ ◇
「っ、はぁ……っ♡」
「くっ、このような辱めを……っ♡」
リリィとサクヤの拘束衣は通常よりかなり薄いつくり。
身体のラインを強調したデザインは囚人服よりKMF(ナイトメアフレーム)のパイロットスーツに近いが、その理由は主に下卑た欲望にあるらしい。
生まれつき病弱で起伏の控えめなリリィと、性的魅力に富んだサクヤ。
二人の乳首とクリトリスにアームの先端が押し当てけられる。
敏感な箇所に振動が走り、思わず声が漏れてしまう。
『ほほぅ。経産婦のアスプルンド夫人だけでなく、サクヤ姫も案外淫乱でいらっしゃる』
「なにを馬鹿な……ふあぁっ!?♡」
『気を抜いていてはいけませんなぁ。もっと集中してはいかがか?』
気丈なサクヤを弄ぶように増していく振動。
逃れようにも両手、両足、首に腰までもが拘束されている。
自慰の経験くらいはサクヤにもあるだろうが──自分でするのとは全く異なる容赦ない責めが二人を襲った。
「あっ、はぁっ♡」
「ふぅ、んっ♡」
『くくくっ。これは良い! 美女二人の悶える姿、高い金を出してでも見たい、という方は多いでしょう!』
視られている。
感情のないカメラのレンズが──「向こう側にいる人間」を想像させる。
録画されているとすれば、その数は想像以上に。
怖い。
同時に、断続的な快感がこの状況を『気持ちいい』と錯覚させてくる。
『そら、まだまだ強くなりますよぉ?』
「っ、ふああああっ!?♡」
無段階の振動調節──慣れる間もなく強化されていく責め。
サクヤの美しい顔が歪み、半分ブリタニアの血の入った白い肌が紅潮。
リリィ自身の顔もおそらく似たようなものだろう。
夫も子供もいる身とはいえ、淡白なパートナーを持ったリリィの経験は多くない。
しかし、こうも責められては疼きが生まれ、じわり、と蜜が染み出してしまう。
はぁっ……♡ と熱っぽい息を吐きだして。
まずい。
このままではいいようにされてしまう。
このまま頂へと、相手の思うままに。
ぞく、ぞく、と、身体を走る甘い衝動をなんとか受け流そうと唇を結んで、
「~~~~っっ!?♡」
あっさりと、口が半開きになった。
びくん、びくんと身体が震える。
見れば、サクヤもまた顔を真っ赤にしながら震えていて。
『おーおー。乳首もクリトリスもしっかり勃起して、大変いい眺めですよぉ?』
今の状態では反応を隠すことさえできない。
振動はもはや容赦なく二人を仕留めにかかっていて、
『ほら、そろそろイっちまえ』
冷徹な命令を合図に、限界が来る。
逃れることも耐えることもできないまま、リリィとサクヤは揺れる視界の中、互いの媚態を収めて。
「あっ♡ あああああぁぁぁっっ♡♡♡!?」
二つの嬌声が唱和。
駆け巡る快感に頭が一瞬真っ白に。
徐々に波が引いていく中、猛烈な羞恥を感じて──。
刹那、強烈な揺り戻し。
「ぃっ♡♡ あっ♡ あああっ!?♡♡」
「んっ、ううぅっ!!♡♡」
麻痺していた感覚が戻った途端、ローターの振動でまた『上』に押し上げられて。
落ち着く間もないまま、甘い快感を流し込まれて。
「やっ♡ これっ♡♡ 止めてっ♡ 止めてくださいっ♡♡ お願い、ですからぁっ♡♡」
『────』
懇願に答える声は流れて来ない。
助けを求めるようにサクヤが視線を送ってくるも──その瞳は、生まれて初めて感じる強烈な快感に歪んでいて。
リリィもまた、答えられるほどの余裕はなかった。
イク。
強制的に頂へと再度到達させられて。
「ぁっ、んうううううぅぅぅっっ!?♡♡」
自分がいま、なにをしているのかさえわからなくなる。
リリィとサクヤの声が重なりあって。
永遠のような長い時間、何度も何度も絶頂させられ、蕩けきった表情をすべて撮影されて。
汗と愛液を拘束衣の中にたっぷりとため込んで。
ようやくローターから解放された時にはもう、抵抗する気力はまるでなく。
『ふうむ。今日の実験はこのくらいにしておこうか』
呑気とさえ言える老人の声に、この責め苦が明日以降も続くことを厳然と突き付けられた。
◇ ◇ ◇
複数の男に無理矢理脱がされ、身体を洗われて。
ニヤニヤと視線を投げられながら浣腸まで施され、身体の中身を吐き出させられて。
味気ない食事を与えられると、新しい拘束衣を着せられてまた拘束椅子に。
音声を媒介とした『絶対遵守』──サクヤの持つ強力なギアスも特殊なヘッドギアにより対処されており、役に立たない。
リリィの持つ「コード」の力は単なる不老不死であって、こうした状況には無力。
こうなってしまえば単なる非力な女でしかないリリィたちは、終わらない苦境に肉体と精神を疲弊させられたまま夜を明かして──。
「……また、わたくしたちの身体を弄ぶのですか?」
『当然。お前たちは非常に興味深い研究対象だ。隅から隅まで、調べつくすまで終わらないさぁ』
電子的な命令と共に拘束衣の一部が開放。
露わになった秘所にサクヤが「いやぁっ!?」と悲鳴を上げた。
敵兵によって無毛に整えられたそこは子供のそれのように滑らかで──リリィはせめて目を閉じようとしたものの、それより前にマシンアームが二人の身体へと伸びてくる。
繊細に制御されたそれは、掌部分からローションを吐き出しつつリリィたちの秘所を愛撫。
昨日の責めを思い出した身体は自分からも潤滑液を分泌してしまう。
さらに、金属製の指が内側へと潜り込んできて、
「っ♡ ……お願いします、サクヤ様の純潔だけは助けてください。その分、私がいくらでも責めを負います」
「っ!? リリィ様、いけません、あなたにだけそのような重荷を背負わせるわけには……っ!」
『安心しろよ、二人とも平等に遊んでやるさ』
「っ、ああっ……♡♡」
愛液とローションでとろとろになっていく秘所。
優しくも無遠慮な手つきな適格に割れ目を解し、サクヤの秘めやかな入り口を開かせ、リリィの、子供を産んだとは思えない処女同然のそこをも同じように晒した。
ひく、ひく、と、まるで期待するように動く身体。
椅子からせり上がるようにして現れたのは、男性器を模したバイブだった。
『悪いなあサクヤ様ぁ。せっかくの初めてがこんな玩具で。……まあ、気持ちよさは保証してやるから安心しろよ』
「あっ、あああっ、いやっ、いやああああああっっ!!」
「っ……♡」
煽るような台詞に絶叫しながらバイブを迎え入れるサクヤ。
リリィもまた、サクヤの膣内に疑似ペニスが埋め込まれるのを見ながら──同じ感触を迎えた。
自分が押し広げられる、何度経験しても慣れない感覚。
僅かな抵抗と、お構いなしの挿入。
コードによって再生されたリリィの処女膜と、サクヤの一度きりの純潔が同時に散って。
「あ、ああ……っ。わたくし、わたくしは……っ」
少女の頬を涙がつたう。
サクヤは戦士ではない。むしろ姫と呼ばれるべき立場であり、こんな初体験など覚悟していたはずがない。
「サクヤ様。このように奪われた純潔など気にすることはありません。……あなたの清らかさが真に失われるのは、その心が折れた時……っ!?♡♡」
励ましの言葉は最後まで到達せず。
奥まで到達したバイブが振動を開始、リリィたちは異物感に息を吐いた。
「……そう。その通りです。こんなもので、わたくしはっ……♡♡」
『ほう。なら、もっと楽しんでもらおうか』
「なっ……!?」
秘所よりも後ろ側──尻に新たな解放感。
再び伸びてきたマシンアームが本来、性行為に用いるものではない場所に侵入してくる。
『アスプルンド夫人もさすがにこっちは未経験だろう?』
「っ、悪趣味な……っ♡」
『はっ。そんな可愛い声で罵られても興奮するだけだぜ?』
「っ、ああっ……♡♡」
ゆっくりと尻穴を解されながら、さらに昨日と同じローターを押し当てられる。
じわじわと浸透する快感が膣の振動と共鳴、一気に波を大きくして。
金属の指に尻穴を揉み解される感触さえも快感に変わっていく。
とろり、溢れだした愛液が椅子を伝って床に零れ落ちる。
リリィとサクヤの吐息、そして興奮した雌の匂いがドームを満たし始めて。
ローターとバイブ、強くなっていく振動。
「っあああああああぁぁぁっっ!!♡♡」
絶頂。膣肉が無意識に収縮してペニスバイブを締め付け、さらなる振動を受け取ろうとする。
昨日よりもさらに強い責めが絶頂から帰還することを許さず。
処女を奪われたばかりのサクヤもまた嬌声を上げ、顔を真っ赤にしながらがくがくと身を痙攣させ続ける。
三本に増えた指は尻穴を十分に解したところで離れ、代わりにアナル用のペニスバイブが侵入してきて。
「~~~~っ!?♡♡」
「はっ、ああっ、っ♡♡」
見えているはずなのに視界のほとんどを認識できない。
美しいサクヤのなぶられる姿だけがまるで自分のことのようにわかって、気持ちいい以外の感覚がどこかへ飛んでいく。
膣奥に侵入したバイブと尻穴深くを穿ったバイブが間接的に子宮を揺らし、強制的にボルチオ性感まで開発されて。
何度イっても責めが終わらない。
止めて欲しい、限界を迎えてもその先に連れて行かれ、半ば気絶しているような状態になってもなお絶頂させられ続けた。
「ぁ、ぁ……っ♡♡」
ようやくバイブが止まったと思ったら、圧倒的な快感の余韻にしばらくは甘イキが止まらず──リリィたちはたくさんの男に視られていることなど気にする余裕もないまま、びく、びく、と身体を揺らし続けた。
◇ ◇ ◇
『そら、今日はお前たちでレズってみろ』
毒薬を備えた機械式の首輪が反抗を許さず。
首輪以外の着衣をはぎ取られたリリィとサクヤは、無数のカメラに監視される中、ドームの中央で向かい合った。
「……リリィ様」
「……抵抗するのは危険です、サクヤ様。辛いとは思いますが、ここは耐えましょう」
囁いたリリィは自分からサクヤに身を寄せ、彼女の手に指を絡めた。
「私に任せてください。少しは、やり方を知っているつもりです」
「んっ……♡」
触れるようなキス。
顔を離すと、澄んだ桜色の瞳にリリィの顔が映った。
ほんのり染まった頬。
妙な気恥しさを感じながら何度もキスを重ねる。少しずつ過激に、初めての少女を導くように。
唾液を交換するディープキスを終えると、サクヤは熱に浮かされたように呟いた。
「……初めてがリリィ様で良かったと思います。好きでもない男性に穢されるよりは、ずっと」
「……サクヤ様」
これまでの実験──調教によって性感を引き出されたサクヤの身体はリリィの指に敏感に反応した。
相手の反応を確かめながらの責めは、監視者を満足させるため少しずつ激しくなり、やがてサクヤは秘所にリリィの指を受け入れながら身体を痙攣させ、
「リリィ、様ぁ♡ わたくしっ、もうっ♡」
「ええ、絶頂してくださいませ、サクヤ様♡ お好きなだけ、気持ちよくなってくださって構いません」
「っ♡ あっ──♡♡」
甘やかな絶頂を経験した少女にキスをし、さらに絶頂を与えて。
『ほらほら、もっとエロく責め合えよ。死にたいのか?』
「っ♡♡」
床に寝そべったサクヤにリリィが覆いかぶさり、互い違いの格好を取る。
相手に一番恥ずかしい部分を晒したまま割れ目に口づける。
「リリィ様っ……♡ そんなところ、いけません……♡」
「大丈夫、サクヤ様の身体に汚いところなどありません♡」
囁き、膣内に舌を差し入れる。
優しく壁をなぞり、愛液を舐め取り愛撫を繰り返していると、少女もまた恐る恐る舌での愛撫を返してきた。
視られる興奮を覚えてしまったのか──それとも、自分たち以外が見えなくなっているのか、責めは次第にエスカレートして。
「ふぁっ、んっ♡♡ リリィ、様ぁっ♡♡」
「サクヤ様、そうです。今は余計なことを考えず集中して……あっ♡♡」
舌だけでは不足した刺激を補うように、二人は自然と抱きしめあった。
無機質な機械と違って血の通った人間相手。
女同士とはいえ夫や家への裏切りにあたるかもしれないが、今はほかに選択肢がなく──秘めた事情から来るリリィの性質、同性愛を忌避せず、むしろ適応する能力がいまここにきて花を開いた。
あるいは──理由は異なるにせよ、サクヤもまた。
貪るように互いの唇を求めながら身体を押し付け、割れ目をぴったりと重ね合わせ、クリトリスをこすり合わせながら何度も絶頂を迎える。
連続絶頂に慣らされてしまった身体はなかなか満足せず、二人は飽きることもなく互いを求めあって。
ようやく身を離すと、息を切らせながらも指を絡めて。
「……リリィ様♡」
「お疲れ様でした、サクヤ様♡♡」
元の関係性以上の連帯感を覚えながら見つめあっていると、突然、音を立ててドームの入り口が開いて。
『なかなか面白い見世物だったぜ。さあ、それじゃあ続きと行こうか』
入ってきたのは、リリィたちと同じ首輪を装着させられた黒髪の男──捕らえられた日本人男性たちで。
◇ ◇ ◇
「申し訳ありません、サクヤ様、リリィ様」
「我々にはもう、こうするしか……っ!」
「んっ、む、んううっ!?♡」
屹立した男性器──初めて見る大人のそれに目を白黒させながら、喉で竿を受け入れるサクヤ。
異物感にすぐさま吐き出しそうになるも、突きこまれたままの肉棒が許さず。
必死に呼吸を繰り返しながら、口をオナホールに見立てたようなピストンに耐え、吐き出された精液を胃に落とす。
リリィもまた「止め……っ」と言いかけたところでペニスを突き込まれ、さらに二本を左右から差し出され、イラマチオの苦しさを堪えながら手淫を強制された。
雌の匂いで満ちていたドームに雄の精臭が加わり──。
「んっ♡ ちゅっ、じゅるっ♡」
「……ああ、サクヤ様にこのような行為をさせるなんて」
「お許しください、どうかお許しくださいませ、サクヤ様っ!」
サクヤの豊満な胸が竿を挟むための道具に用いられる。
両手で自らの胸を支えたサクヤは谷間で前後する肉棒に顔を歪めながらも、その先端を口に含み、唾液をまぶしながら舌を絡める。
方法は、スピーカーを通して笑いながら指示してくる『責任者』の誘導。
命を人質にされた男たちは謝罪を口にしながらも、若く美しい極上の女を前に股間をいきり立たせ、交代で次々に自分たちの姫を精で穢していった。
「お願いします、私がもっとお相手をしますから、サクヤ様には……っ!♡」
「地方の名士・篠崎家のご令嬢でブリタニア貴族のリリィ様を嬲るのも心苦しいが……っ」
「馬鹿野郎、ブリタニアなんかに魂売ったコウモリ野郎にはいい薬だ、やっちまえ!」
「んむうっ!?♡ んっ♡ んおっ!?♡」
平和になったと思ったらまたこんな事件が起こって、男たちも鬱憤を溜めていたのだろう。
一度タガが外れるともう、行為は止まらなかった。
口を塞がれたまま前後から挿入され、好き勝手に腰を振られる。
避妊も行われない身勝手な凌辱、だというのに身体は反応してしまう。
口に、秘所に、アナルに精液が注ぎ込まれ、白い髪と肌にも同じように体液が降り注いだ。
「……なあ、裏切り者って言ったらサクヤ様だって半分はブリタニアの血を引いてるんだろ?」
「……そうだよな。こいつらのせいで俺たちはこんなところに!」
「いやああっ!? やめてくださいっ、それだけは! 膣内に射精されたら妊娠してしまいますっ!」
「サクヤ様っ! お願いします、サクヤ様は助けて差し上げてくださいっ!♡」
「うるせえ、こっちは命がかかってるんだよ!」
リリィたちの扱いは次第に「可哀そうな美女」「尊敬すべき方」から「ただの肉便器」へと変わっていった。
サクヤの高貴な身体が蹂躙され、その心地よさに味を占めた男たちは興奮し、率先して彼女の膣内を、アナルを、口を、髪を、肌を穢していく。
「はあっ……♡ あっ、んっ♡ んああっ♡ せめてもう少し、優しくっ……!♡」
「サクヤ様っ♡ サクヤ様……っ♡」
サクヤは男たちの苛烈な責めに必死に耐えながら、彼らの怒りが、悲しみが、恐怖が少しでも収まるようにと率先して奉仕した。
彼らを気遣って笑顔さえ浮かべ、初めて会った相手の肉棒を締め付ける。
絶頂が数えきれないほど訪れ、そのたびに彼女の精神を削り取って──。
『はははっ! 男はまだまだたくさんいるからな? せいぜい楽しんでくれたまえよ?』
捕虜の日本人が足りなくなればブリタニア人の兵士が投入されて。
快楽の宴はリリィとサクヤが息も絶え絶えになるまで続けられた。
コードユーザーの自分はともかく、サクヤはこのままでは倒れてしまう。
精液まみれになった床を這うように進んだリリィは、最後の力でサクヤの傍にたどり着いた。
濁った桜色の瞳がリリィを見て、
「……リリィ様。わたくしは、穢れてしまいました。この身にはもう、なんの価値も……っ」
「いいえ、そのようなことはありません」
首を振って、もう一度──優しく、サクヤに口づける。
本当は彼女の騎士たる者の役割なのだろうが、それに足る人物はまだいない。
だから、リリィが代わりに。
「サクヤ様はお綺麗です。ですから、そのようなことをおっしゃらないでください」
「……リリィ、様」
救出部隊が到着したのは、それから数日後のことだった。
ネオ・ブリタニアを名乗る不埒者の討伐が日本とブリタニアの共同で行われ、並行してサクヤの──正確にはその父親の息がかかった手勢が二人を救出したらしい。
敵のさらなる策を警戒し、秘密裡に皇邸へと匿われたリリィはそう聞かされ「これで、少なくともこれ以上、サクヤ様が苦しむ必要はない」と安堵した。
安堵したの、だったが──。
◇ ◇ ◇
「お待ちください。どうして、このようなことになるのですか……っ!?」
「だって、リリィ様は穢れたわたくしを愛してくださったではありませんか……♡」
皇邸の奥に設けられた、暫定的なリリィの部屋。
否、『新しい監禁部屋』は今まで囚われていた場所と異なり至れり尽くせりで、ふかふかのベッドもゲームもあったが、部屋の出入り口は窓も含めて厳重にロックされており決して開けられない。
深夜、そこを訪れたのはしっかりと身を清めて装いを改めたサクヤと、サクヤにそっくりなもう一人の少女──春柳宮サクラ。
美少女二人はリリィをふかふかの、三人でも寝られそうなベッドに導くと衣装を脱ぎ落とし、美しくもどこか大人の魅力を感じる下着姿に。
サクヤの表情は恋する乙女のそれであり、同時に愛に狂う女のそれでもある。
見つめる先にいるのはほかでもない、歳の割に平坦な肉体を持つ虚弱女──リリィ・アスプルンド。
夫であるロイドはリリィが同性と浮気しようと「あ、そう。ほどほどにねぇ」で終わりだろうが、
「囚われの身となっている間、幾度となく愛し合って確信いたしました。リリィ様こそがわたくしの運命の相手。殿方などわたくしには必要なかったのだと」
だから、信用できる一部の者にしかリリィの所在を知らせず「行方不明」ということにしてここに監禁した。
外に出してしまえばさすがに、サクヤの想いは遂げられないからだ。
リリィはあそこでの行為──集団に凌辱された後も事あるごとにレズプレイを演じさせられたこと、そうするうちにサクヤの所作に感情が籠もるようになっていたことを思い出して「ああ」と頭を抱えたくなった。
「さ、サクラさん。お願いですからサクヤ様を止めてください」
救いを求めて懇願するも──じっくり見比べないとサクヤと見分けがつかない少女は微笑と共に首を振って、
「いいえ。私はサクヤ様のお気持ちを尊重いたします」
「従者として、主の間違った行動は止めるべきでしょう!?」
「間違っているなどとんでもない。……それに、女同士であれば、私もサクヤ様を『お手伝い』できますので♡」
恥ずかしそうに頬を染めるその姿を見て、駄目だと悟った。
彼女もサクヤに並々ならぬ想いを抱いているのだ。忠誠、友情……そして、もしかしたら愛情をも。
二人よりも幾分か可愛らしく清楚な下着に着替えさせられたリリィは天井を仰いだ。
いやまあ、別に嫌なわけではない。
政治的にいろいろまずいと思うだけで、美少女二人に愛されるのはどちらかというと嬉しいのだが。
逃げられない以上、抗っても無意味か。
どうせ永遠に隠し通せはしないだろうし、監禁してくる相手としてはかなり上等。
「……リリィ様♡」
「んっ……♡」
サクヤのキスは、初めての頃とはくらべものにならないくらい上達した。
気持ちまで入ったそれにリリィの身体は蕩けさせられ、夢心地のままサクヤを見上げていると、
「ずるいです、リリィ様……♡」
「ふふっ。それじゃあ、サクラは練習でわたくしとしてみる?」
「っ♡ はいっ、サクヤ様っ♡」
事件の反動で、サクヤは完全に同性愛に目覚めてしまったらしい。
男性への嫌悪。加えて不特定多数との行為の経験が「同性ならだいたいOK」という鷹揚さをも作り出してしまった。
ある意味では大人の余裕と言っていい。
ほぼ同じ顔をした美少女同士のキスはあまりにも清らかで、それでいて艶めかしく──うっとりとしたサクラの表情に思わずリリィも見とれてしまう。
ほう、と、息を吐いたサクヤは「さあ」と言って、
「サクラ。今教えたように、リリィ様へして差し上げなさい♡」
「はい、サクヤ様♡」
何度もキスをされているうち、どちらがサクヤでどちらがサクラなのかが曖昧になってくる。
少女たちの甘い匂いに頭がぼうっとして、身体に触れてくるしなやかな指にゆっくりと性感が引き出されて。
「リリィ様、愛しております♡ ずっと、わたくしの、サクヤのそばにいてくださいませ♡」
「ふふっ……♡ リリィ様、サクラのもう一人のご主人様としてお仕えさせてくださいね♡」
「あっ……♡ ふぁっ、んっ♡ サクヤ、様っ♡ サクラ、さんっ……♡」
夢のような囚われの時間。
半ば強制的に導かれているのに、苦しさのまるでない絶頂。
柔らかく滑らかな肌同士が触れ合うと極上の心地よさが生まれ、サクヤたちの高い声もまた耳を優しくくすぐってくる。
実際の行為は初めてらしいサクラも、行為を経るほどに経験を積み──サクヤと、リリィに特化した技術をあっという間に習得して。
「ああっ……♡ 私、サクヤ様がリリィ様を選ばれた理由がよくわかります♡」
「そうでしょう? リリィ様はとても素敵な方なの♡」
姉妹のように育ち、容姿も似通っている二人は好みも似ているのだろうか。
行為を重ねるうちにサクラの表情にも熱が籠もってきて、三人の行為は激しさを増すばかり。
下着姿で、裸で、時にはメイドの衣装などをまとって身を絡ませ。
キスを求め、相手の肌に指を滑らせ、敏感な箇所に潜らせる。
ついには淫らな玩具までもが用意されて、
「さあ、サクラ。わたくしの代わりに、リリィ様に処女を捧げなさい♡」
「いえ、あの、さすがにそれはサクヤ様が適任かと……」
「ふふっ♡ でしたら……サクヤ様、サクラの『こちら』の初めてをもらっていただけないでしょうか?」
男性器を模したレズプレイ用の玩具──ペニスバンドによって、サクラは前の処女と後ろの処女を同時に喪失した。
本来、結婚相手に捧げるべきそれを失ったにも関わらず、その表情は至福の喜びに満ちていて。
「はぁ……♡ ああ、ありがとうございます、リリィ様、サクヤ様♡ サクラはもう、なにも思い残すことはございません……♡」
「なにを言っているの。まだまだこれからたっぷり時間はあるのだから……♡」
リリィもまた、サクヤとサクラの装着したぺニバンでたっぷりと犯された。
「うふふ♡ リリィ様はとても敏感ですのに、永遠に処女なのですね♡ とっても素敵……♡」
コードの力──状態の復元能力により、リリィの身体は何度でも処女に戻る。
おかげでサクヤとサクラ、両方に『初めて』を捧げた記憶が刻まれることになり、処女のまま感度だけがどんどん開発され、彼女らの責めで簡単に喘いでしまうようになった。
「ふああっ!?♡♡ 激しい、ですっ♡♡ せめて、もう少し優しくっ♡」
「ふふっ♡ そんなことを言って、リリィ様はこれがお好きなのですよね?♡」
処女膜が再生する前に交互に前を責められたり、前と後ろを同時に責められたり。
外せない用事でもない限り、夜ごと催される秘めやかな行為に現実と夢、常識と非常識の境界線が曖昧になっていく。
いずれコードを誰かに渡し、天寿を全うするつもりではあるものの、未だ継承を果たせずにいるリリィにはまだ無限に等しい時間があって。
だから、ここでしばらく無為に過ごすのも悪い話ではなくて。
──何度、甘く淫らな行為を繰り返した頃だろうか。
左右からサクヤとサクラに抱きしめられたまま息を整えていたリリィは、そっと、耳元でサクヤに囁かれた。
「近々、わたくしに男性器を移植しようと思っております♡」
「……え、ええ!? だ、男性器、ですか?」
「ええ。クローン技術を応用し、わたくし自身の遺伝子から培養した男性器です。言わばわたくしの分身……それがあれば、本当の意味でリリィ様と結ばれることができます♡」
ノーランドとかいうバグみたいな男のせいでその手の技術が進んでしまったのか。
確かにそれなら彼女のやんごとなき血が途絶えることは避けられる。
やるならリリィがコードを保持しているうち、出産の負荷を無視できる状態にしてほしいが……って、そういう問題ではなく。
「よろしいのですか? そんなこと、お父上がお許しになるはずが……」
「父は必ず説得いたします。いざとなればサクラと二人、アスプルンド伯爵の第二夫人、第三夫人となっても構いません」
「っ♡」
そこまでしてまで思いを遂げるつもりなのか。
止められそうにない、と感じたリリィは息を吐くと苦笑して、
「ロイドさまは説得できると思いますが……重護さまの説得はサクヤさまが頼りです。必ず、実行前にお話を通してくださいね?」
「っ♡ ありがとうございます、リリィ様♡」
喜色を浮かべて唇を寄せてくるサクヤ。
その温もりをあらためて感じながら、本当に、ノーランドたちは余計なことをしてくれたものだと思う。
サクヤの気が済むのなら、そして彼女の家に子孫を残してやれるのなら子を産むくらいはなんでもないが……日本の皇族とブリタニアの皇族、二つの血を引くサクヤの子供を、ほかでもない自分が孕むことになるかもしれないとは。
本来存在しない異物、部外者のはずの自分だが、まだまだ裏に引っ込むことはできそうにない。
(最近のゲーム機にはネット接続の機能が必ずついているんですよね……。一応、強制オフに設定しているようですけど、ゲーム会社社長を舐めてもらっては困ります)
強引な方法で外部と連絡を取り、サクヤの覚悟を促すことをリリィは頭の片隅でぼんやりと考え始めた。