異種恋花譚 作:洩矢廻戦
あとパンツを脱いで読んでください。
社殿の奥深くに漂うのは、ふたりの吐息が混ざり合う濃厚な熱気だった。
薄暗い灯籠の光が、重なり合う二人の影を静かに畳の上に投じている。
「……んッ、ふ……っ」
諏訪子は乱れた衣類の隙間から覗く白い肩を震わせ、てゐの胸元に顔を押し付けるようにして息を荒げていた。
神としての威厳はどこへやら。その大きな瞳には涙が浮かび、朱に染まった両頬は火照りで熱を帯びている。
てゐはそんな諏訪子の頭を優しく撫で下ろしながら、耳元に顔を寄せ、意地の悪い笑みを浮かべて囁いた。
「まだ序の口もいいところだってのに、そんなんで最後まで持つの?」
「うぐ……っ、そ、それは……初めて、だし……」
「言い訳はいいから。ほら、ちゃんと私の顔を見な」
てゐは左手で諏訪子の顎をそっと持ち上げ、自分を凝視させた。
視線が絡み合う。
諏訪子の瞳の奥には困惑と恥じらい、そして抗いがたい甘い情念が交差していた。
「神でも妖怪でも、子供の作り方ってのは変わらないんだよ。分かる?」
「な、なんとなく……? でも私――」
「分かってるって」
てゐは右手を滑らせ、諏訪子の華奢な腰元からゆっくりと内腿へと滑り込ませていく。
服の繊維越しに伝わる体温は先ほどより高くなっており、指先が素肌に触れるたび、諏訪子の体が小さく跳ねる。
「ひゃ……っ」
「今も
てゐは優位に立った口調を崩さず、むしろ相手をじっくりと観察するように撫で上げていく。
滑らかな肌の感触を慈しみながら、同時に指先で微かな刺激を与え、諏訪子の吐息を乱させていく。
「ん……っ! へ、変化って言っても……私、本当に苦手で……っ」
「……まっ、そんな事だろうと思ってた。……ほら、力抜きな。まずはしっかり気持ちよくなりなって」
てゐはあえて強めに腰を抱き寄せ、密着度を深めた。
互いの小さな胸と胸が押し付け合い、互いの鼓動がはっきりと伝わってくる。
「神だろうと欲はあるんだ。しっかり気持ちよくなってればそれでいい」
人間の信仰から生まれたが故に、神が子を宿す行為は人間のそれと変わらない。
だが諏訪子の容姿は少女のままであり、当たり前の話だが女体で出来る事は子を孕むのみ。
つまり、諏訪子の目的である巫女に子種を注ぐ行為は物理的に不可能なのだ。
(どうせ理性が邪魔をしてるんだろうし、色に溺れさせれば勝手に身体も変わるだろうよ)
てゐの狙いはこのまま諏訪子を快楽に溺れさせ、理性を消失させて本能のままに突き動かす事だった。
ある程度の容姿は信仰内容に沿うとはいえ、ここまで変化が苦手な神をてゐは見た事がない。
本人の性格的にも、今の少女姿に強い思い入れがあるようにも思えない。
となると、本当に彼女の言う通り『やり方が分からない』だけなのだろう。
ならば、その取っ掛かりを彼女に掴ませ、それからちゃんと子種を注げるように男へ変化させる。
その為に――。
「諏訪子」
てゐの胸の奥に、理性を塗りつぶすほどの甘い欲が渦巻いていた。
国を統べる崇高な神が、いまや自分の手の中で喘ぎ、翻弄されている。
更にこれから、自分はこの神を情事で溺れさせ、その理性を飛ばす事を最終目的としているのだ。
この事実だけでも、脳が痺れるほどの快感が込み上げてくる。
「……ちゃんと私に溺れなさい」
てゐは言い含めるように静かに言い放つと、再び諏訪子の唇を奪った。
先ほどの荒々しい口づけとは異なる、粘着質でじっくりと相手の吐息を吸い尽くすように濃厚な口吸い。
舌と舌が絡み合い、互いの唾液が混ざり合う音が静まり返った社殿に小さく響く。
「んっ、ふぁ……んっ……」
抵抗する力を完全に失った諏訪子は、てゐの背中に回した手に力を込め、自分からその唇を受け入れ始める。
拒絶の言葉はもう出てこない。
ただ熱に浮かされたように、てゐの首筋にしがみつき、そして与えられる刺激を必死に耐えながら貪っている。
「ぷはっ……」
長い口吸いが終わる。
てゐはそれから、濡れた唇を拭うこともせずに諏訪子の耳を小さく噛んだ。
「あむっ……」
「……っ! ぁ……っ」
耳を噛まれる微かな刺激に身体を跳ねさせた諏訪子の首筋から、てゐの手は静かに腰元へ向かう。
そしてその時、てゐの左手がようやく諏訪子の服の帯の結び目を捉えた。
そしてするりと、帯が解けて畳の上へと落ちる。
「あっ……」
諏訪子の口から漏れ出たのは、哀願のようにも聞こえる小さな吐息。
てゐはその反応に満足げな笑みを浮かべると、帯を失ってゆるんだ服の襟元に手をかけ、ゆっくりと脱がし始める。
一瞬、諏訪子の指先がてゐの手首を掴み、小さな身体を引くようにして抵抗の素振りを見せた。
それは神としての誇りか、あるいは初めて晒される己の素肌に対する純粋な羞恥か。
だが、てゐが手を止めてその目をじっと見つめ返すと、諏訪子の身体からふっと力が抜けた。
てゐの瞳に宿る独占欲と熱量に圧され、諏訪子は掴んでいた手をそっと離し、目を開けたままされるがままとなった。
「いい子」
てゐは囁くように褒め言葉を投げかけながら、諏訪子の服を肩から滑り落とさせ、完全にその衣を脱がし去った。
露わになったのは想像通りの、美しく滑らかな肌だった。
灯籠の微かな光を反射し、まるで白磁のようにきめ細やかな肉体。細い首筋から華奢な鎖骨、そして小さくも可憐な膨らみを描く胸元と引き締まった腰に至るまで、どこをとっても傷一つない完璧な神の造形。
その美しさを間近で見つめ、てゐは再びゴクリと喉を鳴らす。
「あんま見ないで……」
諏訪子は両腕で胸元を覆うようにして顔を背け、小さく呟いた。
しかし、てゐは無言を貫いた。
その視線は諏訪子の白い肌を舐めるように辿り、そしてある事実に気づき、動きを止める。
「下は着てないの?」
絞り出すような低いてゐの声が、静まり返った社殿に響いた。
衣類を脱がし終えた時、そこにある筈の袴などの類が、何一つとして諏訪子の腰元に身につけられていなかったのだ。
布越しに触れていた素肌の感触。あれは最初から複数の布に隔てることなく、一枚越しにそのままてゐの手に伝わっていたのだと今更気づく。
てゐの口元が悪戯っぽく歪んだ。
「へえ……最初から期待してたのか」
最初、自分をこの場所に呼び出し、困った顔をして『お願い』をしてきたその瞬間に、既に彼女の服の下は裸同然の仕込みがなされていたのだ。
こちらが拒絶せず、そして自分を受け入れてくれる事を彼女は最初から確信し、そして準備していたという事になる。
「ち、違う! これは……い、急いでたからというか……!」
諏訪子は真っ赤になった顔を更に火照らせ、必死になって支離滅裂な言い訳を口走る。
だがそれを聞きながら、てゐは笑みを浮かべたまま、今度は己の服の裾に静かに手をかけた。
その動作を見た瞬間、諏訪子の言い訳がぴたりと止まり、彼女の動きが完全に固まった。
てゐが自分の服の帯を解き、衣服を脱ぎ進めていく動きに合わせて。
諏訪子はじっとその光景に視線を注ぎ込み、息を詰めて口を噤んでいる。
(……期待してる…………)
その熱を孕んだ瞳の深さを肌で感じ取り、てゐの胸中に圧倒的な優越感と、それを上回る激しい興奮が湧き上がった。
国の頂点に立つ神が、自分という一匹の妖怪兎が裸になっていく様を、一瞬たりとも見逃すまいと期待に満ちた目で見つめている事実。
その、なんと滑稽で愛おしい事か。
てゐはゆっくりと服を脱ぎ捨て、己の露わとなった上半身を諏訪子の目の前に隠すことなく晒した。
「ッ…………!」
「見すぎだって」
その時、諏訪子がてゐの身体に向けた視線は濃密な熱を帯びていた。
てゐの白くしなやかな肌、はっきりと浮かび上がる美しい鎖骨、そして少女特有の小さくも瑞々しい生命力を秘めた胸の膨らみ。
諏訪子はそれらの造形を目で追うごとに熱い吐息を漏らし、喉をごくりと鳴らしていた。
てゐの胸を揺らす生命の鼓動。それにさえ、諏訪子は瞳の奥に宿る光が怪しく揺らした。
自分を包み込み、貪ろうとするその肉体に対し、まるで男のように純粋な欲望と情愛を向けている。
(これなら変化できるかな)
てゐはその視線を全身で受け止める。
それから薄く微笑み、両腕を大きく広げた。
「ほら、早く」
それは、決定的な受け入れの合図だった。
同時に、その言葉を待っていたかのように、諏訪子は弾かれたように動いた。
「……っ!」
今まで見せていた躊躇や恥じらいを全て投げ捨て、諏訪子はてゐの胸元へと勢いよく飛び込み、その華奢な両腕でてゐの背中を強く抱きしめた。
肌と肌が直に触れ合い、互いの体温が直に溶け合っていく。
諏訪子の小さな手が、てゐの滑らかな背中をなぞり、爪を立てるほどの強さで擦り寄ってくる。
それまでの気弱な態度が一変し、貪るようにてゐの首筋に顔を埋める。
そして熱い吐息を吹きかけながら、より激しく彼女の身体を求めていく。
「……っ、ぁ……てゐ……てゐ…………」
「……言ったでしょ。私に溺れなさいって」
てゐは抱きついてくる諏訪子の腰をしっかりと引き寄せ、その頭を抱きかかえるようにし、更に深くその身を重ね合わせた。
薄い暗闇の中、衣類を全て脱ぎ捨てたふたりの肉体が隙間なく密着し、互いの鼓動と熱気がひとつに溶け合っていく。
教える者と教わる者、神と妖怪という表面的な立場はとうに崩れ去っていて、今や互いの存在を貪り合う一つの情炎と化していた。
諏訪子がてゐを押し倒し、そして見下ろす。
その光のない瞳を見て、彼女の理性が消失した事を確認したてゐは、そのままひとまず安堵の息を吐き――。
「…………え?」
そして、目を僅かに見開いた。
「は、ぇ…………?」
てゐの口から間抜けな困惑の声が漏れ出た。
視線は自然と、自分を押し倒して見下ろしてくる諏訪子の下半身へと向けられる。
てゐの予定では、ある程度情事に身を委ね、理性を完全に消失させた諏訪子が子を成すという本能に従って全身の肉体を『男』へと変化させる。
そして変化を完了させたところで『ほら、やればできるじゃない』等と軽口を叩いて『練習』を終了し、諏訪子に変化の感覚とコツを掴ませる……その筈だった。
だが、眼前にある現実は、てゐの計算を根底から破綻させていた。
諏訪子は男へ変化などしていない。相変わらず、華奢で可憐なあの美しい少女姿のままだ。
ただ唯一、彼女の下半身にある『それ』を除いて。
(は、待てそれは……!?)
思考が真っ白に染まる。
だがそれも無理はないだろう、最初、全身を男に変えるのは苦手だと宣っていた神が何故か下半身、それも秘部だけを完璧な男のそれへと変化させるという、無駄に器用で狂気じみた変化を披露していたのだから。
「ッ……てゐっ、てゐ……!」
理性を飛ばした諏訪子の瞳には怪しい熱だけが宿っており、彼女はてゐの両腕を畳に力任せに抑えつけた。
荒い息を何度も吐き出し、その吐息がてゐの首筋を焼く。
「諏訪子? す、少し――」
尋常ではない危険を察知し、てゐが制止の声を出そうとしたその瞬間。
諏訪子の腰が、容赦なく前へと突き出される。
「ッッッッ!!??」
声にならない悲鳴が口内で跳ねる。
自身の秘部へ、異物である諏訪子のそれが遠慮なく侵入してくる感覚。それは『練習』の範疇に収まらない、取り返しのつかない事態。
予期せぬ衝撃を前に、てゐは全身の筋肉を硬直させた。
(不味い、これ以上は――ッ!)
脳内で警報が鳴り響く。
てゐは必死に身体をよじらせ、この状況から逃げ出そうと腰を引こうとした。
だが、相手は諏訪の地を統べる絶対神。理性を失ったことで余計に加減ができなくなった彼女の腕力は、一匹の妖怪兎に過ぎないてゐの抵抗を易々と押し潰し、畳の上へと完全に縛り付けて離さない。
「く……ッ、ぁ、やっ……!」
ズズズ……と、逃げ場を塞がれた狭い奥へ、段々と太く熱い塊が入ってくる。
これまで感じたことのない異物感と、身を裂くような満たされ方に、てゐの息は段々と荒くなっていく。
つい先刻まで保っていた余裕や、優位に立っていた態度はみるみるうちに霧散していった。
他者を翻弄し、教え導く側だったはずの立場は完全に逆転し、圧倒的な神の肉体と快楽の前に叩き伏せられていく。
「んぁっ……あ、ぁあ……ッ!」
逃れられない熱の侵入に揺さぶられ、てゐの口からは強がりではなく、可憐で甘い喘ぎ声が漏れ出し始めていた。
強気に笑っていた表情は快楽と困惑で歪み、目元には涙すら浮かんでくる。
そして、ズチッと重い音を立て、諏訪子の動きが一時的に止まった。
てゐの秘部、そこに諏訪子の全てが収まり切ったからだ。
「ふぅ……っ、ふ……っ……!」
腹の底を限界まで押し広げられた凄まじい充足感に、てゐは荒い吐息を漏らしながら呆然と天井を仰いだ。
これで終わる、あるいは一度落ち着いて話ができる――そう思ったのは甘い幻想だった。
「ぁ、入った……っ」
歓喜の声。
そして次の瞬間、諏訪子は一切の猶予も与えずに動きを再開した。
「あぁっ―――!?」
今までのてゐの優位な姿勢から一転し、一気に諏訪子から激しく攻め立てられる。
叩きつけられるような衝撃と、内側から掻き回される熱い快感の渦。
てゐはもう、言葉を紡ぐことすら許されなかった。
「んっ! あ、あっ! そ……っ、それっ……ぁん……!」
かつてない色香を孕んだてゐの甘い悲鳴が、絶え間なく社殿に響き渡る。
諏訪子はてゐの口唇を再び塞ぎ、口内を舌で蹂躙しながら、下半身の突き上げをより激しく強めていく。
理性を飛ばした諏訪子の欲望は留まることを知らず、てゐの身体を欲しいままに貪り続ける。
てゐはただ、自分を抑えつける諏訪子の背中に爪を立て、与えられる過剰な快楽の波に呑み込まれながら、何度も甘く蕩けた声色で喘ぎ続ける事しかできなかった。
「んっ! あぁっ、あ、あッ……!」
畳の上に抑えつけられた両手は指先まで強張り、諏訪子が腰を突く度に小さな身体がくの字に跳ね上がる。
諏訪子の動きはどこまでも荒々しく、そして直球だった。
少女の華奢な見た目からは到底想像もつかない神の腕力がてゐの自由を完全に奪い、下半身に宿した凶器で、てゐの届いてはならない深い場所を容赦なく叩き潰してくる。
「っ……あ、だめ……っ、それ……っ、あんッ!」
最初は抵抗しようとしていた声。強がりを言おうと固く結んでいた唇。
その全てが、突き上げられるたびに甘い吐息となって崩れ去っていく。
押し寄せ続ける熱い衝撃。内側を強引に掻き回され、熱を広げられる感触にてゐの脳は徐々に麻痺していき、思考を巡らせる為の理性が快感の熱に焼かれて溶けていく。
「んっ、は……ぁッ……すわ、こ……っ」
喉から漏れ出る声は、次第に言葉の形を保てなくなっていった。
尖っていた声色は丸くふやけ切っており、てゐは諏訪子の背中に爪を立て、己の胸を擦り付けながら無意識のうちに自分の身体を彼女の腰へと引き寄せていた。
拒絶していたはずの身体がもっと奥へ、もっと深くへと、彼女の熱を求めて甘やかに収縮する。
そうして、激しさを増す突き上げの中。
突如、諏訪子の腰の動きが一際大きく、そして固く強張った。
(あっ――これ……!)
秘部の奥深くに突き刺さる塊が、破裂しそうなほどに熱気を帯び、限界まで膨らみ上がる感触。
その決定的な変化に、てゐの頭の中に冷たい電撃が走った。
快楽の海に溺れかけていた意識が、土壇場で急速に引き戻される。
「待っ……! 諏訪子、だめ……っ! 出しちゃ……やめ――ッ!」
青ざめた顔で、てゐは必死に声を張り上げた。
これは『練習』の筈だった。
巫女に子を残す為の感覚、それを手繰り寄せる取っ掛かりであったはずだ。自分の中にそんな代物を注ぎ込まれては、全てが取り返しのつかない一線を越えてしまう。
しかし、理性を飛ばした神にその切実な制止は届かない。
「ッ――!!」
諏訪子が低く喉を鳴らし、てゐの身体を砕かんばかりの力で抱きしめると同時に。
その欲望の化身が、てゐの最奥へ深く突き刺された。
「ひ、ぁッ……――――!!??」
直後、てゐの最奥を直接叩くように爆発的な熱が放たれる。
ドクドクと力強く打たれる脈動と共に大量の熱いものが、てゐの内側へ、その奥へと容赦なく注ぎ込まれていく。
「ぁ、ぁぁああ……っ! ぁ……ぁん……っ!」
身体の奥底を直接灼かれるような熱に、てゐは腰を浮かせ、背中を反らせて甘い悲鳴をあげた。
爪が諏訪子の背中に強く食い込む。注がれるたびに身震いが走り、溢れ出た快楽の余波で瞳からは涙が溢れ落ちた。
静寂が、ゆっくりと社殿に戻ってくる。
果てた諏訪子は激しい息切れを起こしながら、てゐの身体の上に力なく倒れ込んだ。
二人の荒い息遣いだけが重なり合い、空間を微かに揺らしている。
「…………」
やがて、諏訪子がゆっくりと顔を上げ、小さく震える手で涙と汗で濡れたてゐの頬を優しく撫でる。
愛おしさに満ちたその触れ合いを、てゐは拒まなかった。
逃げる力も残っていない身体でそれを受け入れ、そっと己の手を重ねる。涙の滲んだ瞳で、諏訪子の顔を見つめ返し――。
「……ばか」
かすれた声で、小さく呟いた。
「巫女が……いるんだろ……っ、大事な子孫を作る……種なんだろ……?」
荒い息を吐き出しながら、てゐは何度も咎めるように、甘えるように問いかけた。
「なんで……っ、なんで私なんかに……こんな……っ」
問われた諏訪子は、どこか愛おしそうに、そして申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめん……」
そう静かに囁き、諏訪子はてゐの開いた唇に優しく慈しむような口づけを重ねた。
それは先ほどまでの荒々しさとは対極にある、静かな愛を確かめるような接吻。
てゐは秘部の奥深く、今も突き刺さったままの諏訪子のそれがドクドクと白濁を注ぎ込み続ける熱い感覚を覚えていた。
腹の底が重く、甘く満たされていく背徳感と、それに反して与えられる唇への深い愛。
「…………ばか……っ」
重なる唇の隙間から、てゐはもう一度だけ、力なくそう返すことしかできなかった。
もう、後戻りはできない。
それだけを理解し、ふたりは互いの肉体と体液が混ざり合う熱気の中、夜が明けるまで静かに抱き合い続けた。
三部のネタが思い浮かばないので代わりにこっちを更新。
滅茶苦茶遅れてしまってすまない……