番外編。
大学の喫煙室で、煙草を吸ってる直の口元を見て、この口がああいうことすんだよなぁ、と思った。そしたら、カーッと顔が熱くなる。
「愛してる」と囁いたり、キスしたり、肌に触れたり。
昨夜は、直は積極的に愛撫をしてきて、段々体の下の方に舌を滑らせた。
そして、俺のモノをくわえて、口で奉仕する。
「直、それ…………」
「んー?」
俺のカウパー液と、直の唾液が混ざり、淫猥な音を立てた。
「気持ちいい?」
「ああ……」
どうやら、今夜は、どろどろに甘やかされそうだ。
舌で舐め上げられたり、尿道を刺激されたりして、俺は声を抑えられない。
「ひっ……あっ…………」
びくり、と足が反る。
「も、出る……」
「出していいよ」
直の口内に射精して、俺の体は弛緩した。
直は、指で輪を作り、口を開いて舌を出して精液を見せてから呑み込む。
その様は、いつもの直と違って、かなりクるものがある。
「……バカ」
「照れ隠し」
「そーだよ」
その後は、直に正常位で挿入されて、何度もイカされた。
「は……はぁ…………」
荒い呼吸で、直は俺を噛むのを我慢している。
「直…………」
「なに?」
「好きだ……」
「オレも」
うっとりした表情で笑う直は、可愛い。腕を伸ばして、頭を撫でた。
直が、俺の腕に頬をすり寄せる。よく懐いた猫みたいだ。
しばらく、ベッドの上で、のんびりと会話する。
それから、ふたりで風呂に入った。
体を洗い、浴槽に浸かる。成人の男ふたりで入るには、少し狭い。自然と体が密着した。直が、後ろから俺を抱き締める形になる。
濡れた髪をかき上げて、身を預けた。
「洸太郎」
「ん?」
「なんか、本当に好きだなって」
ぎゅっと腕に力を込めて、直は言う。
「充分、分かってる」
「オレって、他人のこと好きになれたんだな」
直の言う他人ってのは、家族以外のことだろうな。
「人間、生きてりゃ変わるからな」
「うん。生きててよかった」
そんな話をしつつ、風呂から出て、リビングのソファーに並んだ。
直の肩に頭を乗せたら、嬉しそうに笑う。
「可愛いな」
「家族以外に、可愛いって言われるの、変な感じ」
「おまえって、猫みてーだよな」
「そうか?」
懐いた奴には、段々と甘えるようになる猫。
人と寄り添える肉食獣。
おまえのこと見上げてると、いじらしい奴だと思う。
「たまに噛んでもいいぜ」
「えっ!?」
「ただし、甘噛みな」
「うん…………」
そわそわし出す恋人は、やっぱり可愛かった。
「あのさ、今、噛んでもいい?」
「あ?」
「左手の薬指……」
無言で手を差し出すと、薬指の根元を噛まれる。薄く歯型がついた。
「予約!」
「……バカ」
そんなことでおまえが喜ぶから、俺は、愛しくてたまらない。
今は歯型のない薬指をさすり、俺は隣にいる直を見た。
お互いに生涯を懸けられるってのは、幸せなことだな。