※この作品はR-18です。

散弾銃とスモーキング・トーク   作:スナエ

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番外編。


Fire away

「あのね、オレ、少しはおまえを助けられてるのかなって」

 

 貝瀬直は、不安そうに訊いた。

 

「助けられてる」

「ほんとに?」

 

 この恋は、おまえが始めたんだろう?

 

「ああ。おまえが頼ってくれると、俺は助かる」

「ん? 頼られると助かる?」

「そうだ。自分がどういう人間なのか、見えてくる。読書してる時とおんなじだな」

 

 それは、磨かれた鏡のように。

 きっと俺は、おまえがいなきゃ輝けないんだろう。

 直曰く、月だから。

 まあ、おまえは、そんなつもりで月に例えてんじゃねーだろうが。

 

「…………」

 

 直は、黙って俺を見つめてる。

 何かを長考する時の癖だ。

 

「……そんなに。そんなに、役に立つかなぁ?」

 

 どうやら、褒められてると気付いたらしい。顔を赤くしている。

 

「そもそも、損得勘定で付き合ってねーだろ」

「それは、そうなんだけど」

 

 そこで、会話を打ち切り、後片付けを済ませた。

 ソファーに腰かける直の隣に座る。

 直が、肩に頭を預けてきた。可愛い奴。

 

「ずっと大好きでいてあげる」

「あ?」

「ずっと祝福してあげる。洸太郎が、自分を見失わないように」

「……ありがとよ」

 

 前は、俺のこと祟ってたのにな。

 祝福、か。祟りと呪いを、そんな風に変えられるおまえは、強いんだろう。

 曲がっても折れない奴。

 変わっていけるのは、強さだ。人間は、学んで、進み続けることが出来る。

 直のためにも、俺のためにも。ふたりでいるのがいい。

 正直、俺じゃダメなんだと思ったこともある。俺には、おまえを救えないって。

 だけど、おまえは、自分で自分を救ったし、俺を捨ても忘れもしなかった。

 その助けになれたなら、嬉しい。

 直は、よく俺のことを「お人好し」と言うが、そう思えるおまえも大概なんだよな。気付いてないのか?

 

「直も、結構お人好しだよな」

「おまえの影響」

「俺?」

「間違いなくそう」

 

 意外なことを言われた。

 

「いや、でも、おまえ、前から太刀川に親切だったじゃねーか」

「それは、友達だからだよ。つーか、親切心で助けてない」

「……そういや、なんで、太刀川と友達になったんだ?」

「あー……」

 

 なんでも、道行く人全員に「助けてくれ」と言っていたところに出くわしたらしい。

 そりゃ、俺でもレポート手伝うわ。

 直も、なんだかんだで、頼られたら見捨てられない奴なんだと思う。

 

「おまえは、善い奴だよ」

「そんなことねぇよ」

 

 この物語は、おまえが俺に話しかけてきたから始まったんだぜ。

 

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